gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

「DENKI GROOVE THE MOVIE ? -石野卓球とピエール瀧- (2015)」 大人の男だけ‥⚡

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監督:大根仁 製作国:日本 上映時間:115分

 

 

先月出た新作「TROPICAL LOVE」で17年ぶりに熱心に聴くようになったので本作も観た。
劇中の細かいトピックは一個一個拾うとキリないし、そもそも電気自体に関しては前回に散々書いたし。あとドキュメンタリーなので映画観れば面白い要素は一目瞭然なので、ざっとあらって映画が好き&電気ファンとしてのざっくり感想でも書くことにした。

過去の膨大な映像、そして音楽での関係者たち‥まりん、CMJK、ケラさん、WESTBAM、TASAKA、スチャの三人、小山田圭吾天久聖一、担当マネージャーとか山崎洋一郎などの音楽業界の人達、サカナクション山口‥などが電気について語っていく事で映画が推進していく。

まりんはアラフィフに見えないね
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本作は電気グルーヴが国内外の音楽業界とどう関わるか、彼らの音楽家としての成長は?という部分のみに焦点が当たっており、そこを一本の線として話が進む。
だから彼らのサブカル方面や芸能方面での活動は殆ど描かれない。ましてや彼らのの生い立ちや結婚や交友関係などの私生活は一切描かれない。
伊集院光などが出てこないのはこのせいだろう。
だがこの方がわかりやすくていいと思う。音楽活動だけに絞ったのは良かった。
だけど卓球について語る篠原ともえは見たかった。
牛尾憲輔のインタビューもないがそれは今現在、彼も電気の一員だからだろう。
あと電気の2人が自らについて喋るところも一切ない。
本人達が自分について語らないのは、きっと映画に客観性を持たせて映画としての強度を高めて後世に残したいがためかな。
ドキュメンタリー映画は大抵、前半はめちゃくちゃ面白いのだが、後半の「それからどした」部分がつまらなくて「これ前半だけ一時間のTV番組でいいよな」というものが多いが、これはフィクションを多く撮ってる大根監督がキッチリと劇映画として観れるように撮ってるので最後まで面白かった(大根氏は大の電気ファンでもあるらしい)。
といってもファンでも何でもない人が観てもはたして面白いのかどうかというのはよくわからない。きっとそこそこは面白い気がする。
全編、海外のドキュメンタリーっぽく外国人による英語のナレーションに字幕が付いている。
最初は「何で?」と思ったが日本人は字幕に慣れているし、ヨーロッパの卓球とか電気のファンが字幕を変更とかしなくても普通に観れるから丁度いい気がした。
映画はなかなか面白かった。なかなか面白い理由もわかった。
冒頭はフジロック2014、「コンニチワ電気グルーヴデス」といういつもの音声が流れてシルクハットの瀧が出てくるところから始まって‥

 


第一幕
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初公開だという大阪のファンダンゴでの初ライブ映像。
卓球のMCは、客の方を観ず下を見たまま早口で瀧にだけ話しかけて瀧は緊張してるのか「おう」とか「うん」としか言わないMCがキモかった。そして異常にエネルギー溢れたパフォーマンスなども良い意味で凄くキモい。初期の瀧はガリガリでキモい。
瀧とバナナマン日村さんは絶対に太ってないとダメだと思った。
デビュー前はパッと見、ラップユニットっぽい要素の方が多かった(パブリックエネミーっぽく首からブリンブリンめいたものをジャラジャラぶら下げていたり)。
卓球の活きが良すぎて怖い。

瀧は今観ると「カラテカ」とかオールナイトニッポン開始くらいまで、自我が固まってないね。終始「何してんだろ俺」って感じの、ぼーっとした顔してる。当時は自分より年上だったしわかんなかった。
ナゴムでの人生にも触れつつ、デビューして毒舌面白バンドを経て、卓球がレイブで覚醒して帰国して「VITAMIN」を作った辺りまでが第一幕。
しかしレコード会社は「せっかく面白バンドとしてウケてるのに曲の半分がインストなんてありえない。人気の曲『N.O.』を入れよ」と命じて卓球はしぶしぶ入れる。
VITAMINはヒット。卓球は「自分のやり方は間違ってなかった」、会社は「NOを入れたからなんとか売れた‥」と、思った事が食い違っているのが可笑しい(実際には両方か?)
電気グルーヴ担当のチーフマネージャーが「『N.O.』は『VITAMIN』に入れるには浮いてたし遅すぎた。かといってビタミンに入れなきゃ今後入れる時がない。本当は『カラテカ』に入れるべきだった」と言っていた。当時の僕もそう思った。
本作を観ててわかるのは、そんな風に卓球をよく理解しているマネージャーやサポートメンバーの人たちは殆ど全員、卓球がヘッドハンティングした者たちだという事がわかった。最初から現在まで電気だけが好き勝手に活動できたのはここから来てるんだな。「卓球は音楽だけじゃなくて要領がいい」とかよく聞くがナルホドと思った
ビタミンの方向性を推し進めた「DORAGON」は「虹」も入っているし好評。
しかし次の全曲歌入りに戻った「ORANGE」ではセールスも観客動員数も激減。更に所属事務所の消滅と移籍。
レコード会社やスタッフと揉めてた事が語られる。
何年か前のラジオで卓球は「オレンジの曲作り合宿は全然やる気なくて一ヶ月間ほとんど曲作らずに遊んでた」と言っていたし、アルバムの方向性を決められてたのかな。


第二幕
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「ORANGE」の失敗から起死回生の一発を狙った電気グルーヴはそれまでの最高傑作「A」をリリースして今までで一番売れた。そして大ヒットを飛ばしたシングル「シャングリラ」、そして卓球や電気がヨーロッパで世界的に活躍するという名実ともに頂点を迎えた様が描かれる。
この「A」と「シャングリラ」の全てが揃ったコンボで、もう会社からは何も言われなくなり好き放題できるようになった模様。
まりんが語る卓球とのシャングリラ作成中の話が面白くて、
「この曲ヤバイんじゃない‥?手がキラキラしてるよ(手汗で)」
と両の掌を見るジェスチャーをするが、まるで産まれてくるシャングリラを指して言ってるように見えてドラマチック
卓球がラブパレードで150万人を踊らせる凄い映像も観れる
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というか昔からDJの人の感覚を想像したりするが、DJは大勢の群体となった人間を「一つの巨大な生き物」として捉えてるのかな?と思ったりしていた。
DJにならないとわからないんだろうが、きっと素晴らしい感覚に違いない。
つぶさに読み取らないといけないので「DJにはサイコパスはいない」と思ってるがどうか
卓球や砂原がソロをバンバン出したり自由に好きな事をやっている。
この辺で、まりん脱退が訪れる(この瞬間、まりんと電気の楽しそうな写真や映像がバババッと超スピードで入る様が感動的)。
バンドは、メンバーの脱退とか解散などは夫婦の離婚みたいに様々の要因が積み重なってのものだから大抵の場合ほんとの事はよくわからない。まりん脱退の事も当時よくわからなかったが本作のインタビューによると、まりんはイギリス寄りの音楽活動がしたかったがドイツ方面で活躍する卓球や、彼が主体の電気グルーヴでやってく事に違和感を感じたためという事だった。
前からそれは感じていたが、殆どまりんのおかげで出来たシャングリラが大ヒットした事で自分の役目は終わった様に感じたから抜けた。。という事のようだった。
これは、バンドの脱退理由としてはかなり具体的に語っている方ではないだろうか。
卓球は、WIREを開催して凄い勢いで日本にテクノを根付かせる様が観れる。
その後、デビュー以来初めて二人っきりになってしまった電気グルーヴは異常に濃い(俺が好きな)「VOXXX」をリリースし、ツアーをする。
「VOXXX」もツアーも異常に濃いのでチーフマネージャーは「すげーけどもうこの後やる事ないだろう」と思ったという。当時の僕もそう思ったし休業に入っても「そりゃそうだろ」と思ったし「電気グルーヴは満足しきったからもういいや」と離れたのだった。
「A」でバンドとしての最初の頂点、「VOXXX」で更によく分からない魔の領域まで極めてしまい卓球は「もうやる事全部やってしまったし、このまま活動を続けるのは現状維持でしかない」と言い前向きな活動休止に入るのだった


第三幕
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第三幕は、休業してたがスチャダラパーとコラボしたり何本かのライブなどで復活の準備が整い復活して今に至る様子が描かれる。
しかしフジロック2006での凄いライブを見て復活したと思ってた周囲に反して「これで電気の活動に締めくくりができた」としか思っていなかった電気の二人。
ケラが監督する大槻ケンヂ原作映画の主題歌を電気が担当する。
「一時期ナゴム出身だって事言われんの嫌がってたと思うんだよね‥」と優しく語る
関係ないがラジオやインタビューで、ケラさんがやって来て電気の話をする時はいつも「電気は本当はこんな子達なんだよ‥」といつも電気の柔らかい内面の話をいつもしてる。保護者感覚なのかな
更に「モノノケダンス」を出した後、8年ぶりに「J-POP」を作成。
そうして2人組の電気は復活し、デビューの時みたいな勢いで短期間にアルバムを三枚も出す。ライブも凄いし正に三回目の全盛期が来た感じが描かれる
と思ったらKAGAMI氏の死を迎えて電気グルーヴは喪に服す。
しかし再び復活して傑作「人間と動物」を作って
フジロック2014のバックステージ。
「コンニチワ電気グルーヴデス」という音声を聞いたシルクハットを被った瀧がステージに出て行く冒頭の続きが描かれる。
そして心底楽しそうな卓球がN.O.をプレイして映画が終わる。
映画の頭と終わりがループしている構造は、彼らの活躍がずっと続きそうな感じがするし生と死が内包される感じがしていい終わり方だなと思った。
この映画ラストの続きは先月出たアルバム「トロピカルラブ」か




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第一幕:活きのいい誕生
第二幕:絶頂を迎え、そして死ぬ
第三幕:死からの蘇り。そして再び飛翔する

という、西部劇やカンフー映画みたいな三幕構成になっている。
面白い映画として観れた理由はこのおかげだろう。
実際に電気グルーヴの歴史がこの通りだったのだが、ただドキュメンタリー番組を二時間に引き延ばしただけなら半分くらいでダレて来るので、ドキュメンタリー映画観てたら「最初の一時間はすげー面白いのに残りの一時間は飽きることが多いな」と思っていた。
本作は、このアメリカ映画的な黄金パターン構成によって飽きずに楽しめた。
そんな理由で僕は面白かった。
ファンじゃない人にも多分そこそこは面白いと思う。
まあファンじゃない人がわざわざ好きでもないバンドの映画を観るとは思えないが。。
俺だって知らんバンドの映画なんて観ないし。
特に文句はないし、この映画のコンセプトには賛成したものの、やっぱり2人自身が語りまくるの様子も観たいなと後で思ったりもした。
ブルーレイを買えば副音声で喋ってるだろうから買ってみようと思う。
そういえば瀧はラジオで、幼い自分の娘(エリザベス瀧)を連れて観に行くといっていたが、若い頃の自分が「マンコ」って言ってる部分や、女性スタッフに陰部を見せつけている場面や卓球がシモネタ連発してる場面ではどうしたんだろう?そこだけ娘の目や耳を塞いだりしたのかな

 


そんな感じでした

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DENKI GROOVE | OFFICIAL WEBSITE

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「TROPICAL LOVE (2017)」電気グルーヴ/10数年ぶりにファンに戻ったら更にめちゃくちゃ進化してた⚡

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猫科の美獣の顔面を見せながら実のところサブリミナル的に怒髪天を衝く勢いで怒張し鬼ボッキした男根(feat.睾丸)を見せつけている‥というジャケットからして円熟味を感じます。
期待できますぞ~

※前置きが長いので、本作の感想は真ん中より下にあるのでそこまで飛ばすのも良いのでは

電気で作るグルーヴです
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だが電気はもうずいぶん長い事ちゃんと聴いたりしてなかった。
僕はアラフォーの中年男性なので彼らはデビューしたのは高校生のときだった。
それはビッグビジネスを振ってくれた大物・小室哲哉フェラーリに卓球氏がチンコを押し付けながら‥という衝撃的な登場で、新しい風が吹く予感がした。
(有頂天や筋少を漠然と聴いてたので人生は知っていたが人生は特に好きでなかった)
高校までロックバンドを色々聴いてもハマりきらなかった自分は、彼らの電気で作るグルーヴと笑いのセンスに触れて「やっとしっくり来る」と、それまで聴いていたエレカシ以外のバンドを忘れて彼らのファンになった。
彼らはオールナイトニッポンのパーソナリティーになりその物事を斜めから見る思想に、優等生やスポーツマンや不良やオタク等のカテゴリーに入らないがインターネットもなかったので時空と時空の狭間に潜むしかなかった当時の捻くれた中高生に絶大な影響力を持っていた。
オールナイトは最初2部(午前3時スタート)だったので、眠気に堪えながら起きてラジカセで録音して何度も聴いた。カセットテープはちょうど真ん中で裏返さなければいけないので、CMを手動でカットしながら上手いことカセット収まるように録音しなければならなかった‥という説明を書いたところで中年以上にしか伝わらないな。そもそもカセットテープの事を数十年ぶりに思い出して、まるでオーパーツについてとか池田屋新選組を見た時の事を話してる人間みたいな気分になった。
そんな感じで記事もスクラップしたり、アナーキックの服とかライジングハイのニット帽を心斎橋で探したり、卓球お勧め曲でかかる色んな90年代テクノを聴いていた。
要はかなりファンだったという事。
彼らの休業までのヒストリーは、
人生→デビュー→ロッテルダムにハマってる期→アシッドに衝撃受けて作った「VITAMIN」→「DORAGON」と「虹」→「A」と「Shangri-La→まりん脱退の中作られた「VOXXX」→ツアーして休業
みたいな感じで見てて、何だか音楽性がどんどん変化していく様子と、まりん脱退というショックと、その中作られた「VOXXX」が丁度、三人からまりんの清涼さだけを抜いて豚骨をぶっ込んで煮しめたような濃いもので(ツアーの音源をリミックスした「イルボン2000」も同様)、僕はこの「VOXXX」がめちゃくちゃ気に入ったので休業に納得してしまった。
そして思春期~20代前半の間、すごくファンだったのはいいが精神的に依存してるような気持ち悪いタイプのファンだったので丁度いいからファン卒業的な気分になった。
この休業までの第一期の電気で一番良く聴いてて今でも聴くのは「VOXXX」。
 
あと「FLASH PAPA MENTHOL」だけは一過性のロッテルダムテクノの影響で作られたものでそれまでの流れから浮き上がっており、90年代の古いバンドを聴くような感じで今も聴ける。卓球の絶叫ボーカルが好きな自分は彼の絶叫が多く聴けるのもいい。
特にバンドサウンドの「M.O.C」がめちゃくちゃ好き。



ていうかグルーヴです
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その後、僕は20代後半の時に他県から上京した。
そして音楽好きな友達の影響でミニマルテクノ系のDJをよく聴きに行くようになった。
楽しんだふりをしていたが最初の数か月は全然楽しくなかった。
要は、それまでは楽曲的に楽しいテクノやアンビエントは理解できても、暗い青年だったためかそれは頭や耳などの上半身でしか聴いておらず、踊り出すというモードやミニマルなものの魅力が全然分かっていなかった。だがわかりたいので修行の様に通っていたが(全然踊りたくないのに楽しいフリをして無理やり踊ってる日々は苦痛でしかなかった)でも、ある日(WIREの明け方だったか)わかった。
「何かの壁がある人は何とか突破して気づきを得ないとわからん」と言ってる人がいて「オカルトみたいな事言うなぁ」と思ったがナルホドねと思った
そして、それ以降テクノ(特にミニマルテクノ)を聴いたら一面的にしか聴いてなかった今までとは違って多面的に聴けて楽しめるようになった。
だが電気は厳密にはテクノであってテクノではなく、かといってテクノポップともJロックやJポップとも違う「電気」としか言いようのないもので、テクノとは少し違うのにオケとかか作りはテクノなので一体これ家で聴くにはどう聴いていいかわからない不思議な感じだったので卓球のソロやDJMIXだけ聴いてた(あと砂原ソロ)。
そういえば卓球がやってたり参加してたWOMBとかAGEHAのイベントやWIREにもよく行ったが、卓球氏の音はカツカレーの様にドギツイのでどんなに酔っぱらって前後不覚になっていても寝てても「あ‥卓球だ‥」とすぐにわかった。

(いま思えば別に、電気は電気、ミニマルはミニマルと頭を切り替えて聴けばいいだけの話だが、その時はミニマルテクノ至上主義みたいになってたし家ではテクノを聴きたくない感じだった)



便所にいたぞーー!!
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それから何年か経って‥要するに先月。最近のものも聴くようになった。

色んなクラブでテクノを聴いてたおかげで過去のアルバムも昔より何倍も楽しめるようになっていたし(というか今思えば昔の作品もロックバンドとか歌謡曲を聴くようにしか聴いてなかったんだなとわかった)、何よりもちゃんと聴いてなかった2000年以降の新しいものの方が明確に良かった。
僕は思い出補正がかからないタイプだから思い出に引っ張らず、過去の発展途中のものよりも、純粋に洗練された最近のものの方が圧倒的に良いと思った(とはいえ同じ人間の過去と未来を比較対象にしても仕方ないし過去作と現代作は同じものなんだが)。
ロックバンドとかだったら初期衝動的な美しさを感じて「稚拙でも、最初の2、3枚が最高」って事がよくあるが、テクノの場合は現在進行形の音の方がいいと思う。
音作りが進化していたのは当然だが歌詞がある曲も、極端に言葉数を削ぎ落として言葉遊びみたいな言い方で本質を突いたり(もしくは全く突かなかったり)する楽曲が大人な感じになっていてカッコよかった。
それまで「インストなら卓球のソロでいいんじゃ?」と思っていたが卓球ソロと電気インストでは全然違う事も気づいて自らの浅はかさが恥ずかしくなった。
曲だと「Shameful」カップリングの「Shame」が好きで、先月初めて聴いて衝撃を受け、この曲だけ50回くらい連続で聴いた。凄くハンサムな曲という印象。
というかShamefulもいいし、このシングル盤はシングルの中で一番好きだ
自分は卓球のボーカルの方が圧倒的に好きなのだが、この曲の瀧はめちゃくちゃカッコいい。あと最近シルクハット被ってるのもカッコいい。

あと離れてた期間でも「タランチュラ」「モノノケダンス」「Baby's on Fire」の魅力には抗えず聴きまくっていた。というかほぼ全部いいですね。過去作では「人間と動物」が圧倒的によかった。2曲目「Missing Beatz」から7曲目「Upside Down」のイントロが流れるとこまでとかの流れが最高。
どれか一曲選べと言われたら「Prof. Radio」が天才過ぎてめちゃくちゃ好き。アルバム一枚の中で表現するような起承転結が、この一曲の中に入っていると感じた。
電気と言えば、凄くメランコリックな曲がたまにあって昔はそれが好きだったが最近はあまり好きじゃなくなった。
今の自分は、感情を隠してクールな態度で発想を飛ばしている様を見せつけるような曲の方が好きだ(電気とは関係ないが、やくしまるえつこの最近の音楽活動や相対性理論もそういうところが好き)。

それと卓球は歌上手いのに歌手としてじゃなく声を楽器として扱ってる感じも好きだ。
やっと本作の感想のとこまで来れた。
ここまでの個人的な話は全く要らないのだが、書かないと自分の中のストーリーが繋がらないので仕方なく書いた。ブログとは個人的なものだし構わないだろう。
そういえば、この当時墓場鬼太郎」や動画サイトで天久画伯作のオモシロ電気MVでファンになったという20代の若い友人と話してたら、電気の二人を画像加工してイケメンにした「J-POP」のジャケットを
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電気グルーヴ本人だと思いこんでいて「結構年なのに、なかなかイケメンですよね」と言っていて可笑しかった(面白いのでそのままにしておいた)


「TROPICAL LOVE」
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1曲目の「人間大統領」は、珍しく瀧の歌い出しで始まる、凄く昔の楽曲を思わせる歌詞が多いオモシロ路線だった。モノノケダンス」や「カフェ・ド・鬼」などのオモシロMVを作成した天久聖一が監督している。二丁拳銃・小堀の漫画みたいな不孝ヅラや司会者NEOトランプ大統領や般若お姉さんや和風シャイニング双子など全部最高。ショーバイx2風の「何を作ってるのでしょ~~か?!」クイズのテンポもいいし、小堀の目線がNEOトランプの網タイツを観てる視線のカットなどもたまらない。
インタビュー読むと、合宿に入った電気の2人がアルバム制作の前段階‥マインドやモードを合わせて色んな言葉や妄想を出し合ってから制作するらしいが、この「人間大統領」のストーリーについて卓球氏が「人間大統領が楽園を与えてくれるはずだったのに、ずっと監視していただなんて…」とインタビューで真面目に語っていてめちゃくちゃ笑った(卓球のトークの中でも僕は、このぼそっと言うやつが好き。それとキレ芸みたいな感じで半笑いで怒ったり、あとは彼がよくする最初の一言からどんどん連想していく例のやつが好き)。
次にいつも使ってる ゆっくり朗読的なロボットボイスで始まる「東京チンギスハーン」など、前半の展開はファンサービスやオモシロから始まるので世界へ入っていきやすい。
そして徐々にグラデーションの様にクールで達人的なノリになっていく。
めちゃくちゃカッコいい「柿の木坂」から、開放感あるシングル曲「Fallin' Down」に行ってこのアルバムで一番素晴らしい「ユーフォリック」から楽園に行く「トロピカル・ラヴ」までの流れは渋すぎる。
特に「柿の木坂」と「ユーフォリック」はこのアルバム中で一番好きだ。

 

アルバムタイトル曲の「トロピカル・ラヴ」は、奇妙だったり特徴ある曲群の中で一番透明度高いというか清廉な感じで無風地帯というか無毛地帯を感じた。
特に「ユーフォリック」はクールだし何回聴いても飽きなさそうで強度高い。

終盤、夏木マリのボーカルと「いつもそばにいるよ」という不気味に歩み寄ってくる感じの不気味な曲でシメ。
一曲ごとに買う人が多い現代だからこそ、アルバムの中での起承転結というか流れがが今まで以上に顕著だった。アルバム一枚の長さも丁度いいし(腹八分目くらいで終わる)。
卓球氏がそういう事を凄く考えて作ったのが伝わりました。
確かに、これが最高傑作かもしれません。
いや、どっちかっていうと「人間と動物」の方が凄いかな。。だがこっちは「人間と動物」にはない、ゆったりしたトロピカル感があって寛げる魅力がある。
どちらにせよ最高傑作は、この最新の2作という気がする(第一期は「VOXXX」)
というか音楽の感想ってどう書いていいかわからないね。
映画の感想の癖で、三幕構成的な考え方したけど全然違うかもしれん。
音楽的な知識や才能は殆どないしね。
そういえば「人間大統領」の「唯・我・独・尊!」のあとのピラピラピラピラ♫と鳴ってる音がめちゃくちゃ好きなたまらん音色なんだが、こういう音色のことを一体どう書けばいいのかわからないよね。機材の名前とか知ってたら書けるが、知ってて書いたとしても、その場合その機材のこと知らない人にはわからない。音楽の感想書くのって難しいですね。とにかく聴いてくれとしか言いようがない。


電気ばかりでなく、つい数日前にSpotifyを始めて、音楽への興味が思春期の時くらいにまで膨れ上がって「音楽最高!」とか思って昨日も今日も何時間も聴いたり検索してた。
まあ、また何かありましたら。。
いま思い出したけど卓球がザコシに書いた「ゴキブリ男」もめっちゃ良かった

一見、出オチ一発歌ネタに聞こえるが、これが全然飽きない作り。
ザコシの、人間椅子の和嶋さんみたいな抑揚が希薄な歌唱や「イェッッヒェーーッ!」という例の奇声も、隣のおじいさんが「何にも良い事がねーよー!」という様など何度聴いても飽きない(だがザコシの事が嫌いならしい大学生などは一聴する以前の問題というハナシ)
しかしこれは発売日だけiTunesでベスト3内に入ったらしい

そんな感じでした

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『帝都物語』(1988)/冒頭の陰陽道バトルは最高、というかそこだけでいい⛤

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監督:実相寺昭雄 製作国:日本 上映時間:136分
原作:荒俣宏 シリーズ:「帝都物語」シリーズ⛤

 

荒俣宏の伝奇大河小説「帝都物語」の、1巻「神霊編」から4巻「龍動編」までを、約10億円という当時としては巨額の制作費を投じて映画化。
実在した人物が実名のまま多数登場し、人造人間「学天測」の権威・西村真琴博士を実子の西村晃が演じたことも話題となった。
クリーチャーデザインには「エイリアン」のH・R・ギーガーも参加している。

 

 

Story 
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その加藤の野望を防ぐため、陰陽師・平井保昌平幹二朗)、大蔵省の辰宮洋一郎石田純一)、その妻で巫女の目方恵子原田美枝子)など、ありとあらゆる政治家や霊能力者や科学者などの闘いを描く――

 

 

 

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本作は何だかんだ言って10年に一度は観たくなって観てる気がする。

そして毎回、前半で「帝都物語最高!」と思いつつ、観終わるくらいには熱が冷めて「はぁ‥」という感じになる。
そして10年後その事を忘れて再び観て「帝都物語最高!」と思いつつ、観終わるくらいにはまた熱が冷めて「はぁ‥」という感じになる。
そして10年後‥(ループ)
こういう人は多い気がする。
要は、印象には残る良い場面も多いが一本の映画として観ると、いま一つという感じ。
それでも「二度と観るか」とは思わないあたり、良い映画の部類に入ると思う。
映画というのは終盤や終わり方が凄く良いと、遡ってイマイチだった前半や中盤の印象が良くなったりするが、逆の現象は少ない。
原作のファンなら、映画で描写不足な部分さえも脳内補完して楽しめるかもしれないが、あいにく僕は原作読んでないのでよくわからない。
あとは単純に、金のかかったビジュアルや雰囲気は素晴らしいと思う。
バブルな時に作ったのでギーガーのクリーチャーやSFXや豪華なセットや出演者など、どれもふんだんに金がかかっている。
帝都の繁栄と滅亡、復興などをずっと見ている渋沢栄一役が勝新というのがまた、本作の特別感が増している。
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※追記(2019年4月9日):この実在の人物、渋沢栄一元号が平成から令和に変わた今日此の頃、一万円札、五千円札、千円札などの絵柄が変わるそうで、一万円はこの渋沢翁になるらしい。一万円が物理的、霊的に守護された紙幣となる‥?!
魔人・加藤のキャラ。陰陽道式神。帝都東京。実在の人物や出来事がたくさん出てくるところ‥等のあらゆる要素が当時のリアル中学生だった僕の厨二魂にヒットしました。
未だに関西に行った際は、京都の清明神社で安倍晴明の五芒星ステッカーとか買ってドアやパソコンに貼ってしまいがち。
本作は(おそらく荒俣だから一冊ごとのウンチクなどが異常に多いと思われる)数冊分の原作を無理やり一本の映画に押し込めたために情報量が多すぎるし、メインキャラクターの内面が全く描かれない。次から次へと出てきては消えていく登場人物が多すぎる。更には時間がポンポン飛ぶ(平気で数十年経ったりして、その度に興味や面白さが途切れるのでこれが繰り返されて後半はどうでもよくなってくる)
そんな要素が合わさって、前半は大興奮だが中盤→終盤と進んでいくうちに曖昧な印象になってやがては「一体何だったんだろう‥」という鑑賞後感になるんだろう。

 
魔人・加藤
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加藤は、中学生の目から見てあまりにカッコよかった。
嶋田久作インパクトある顔面や陰陽道のカッコよさもさることながら、
こんな濃いキャラなのに名前が「加藤」とあまりに普通すぎるのがカッコいい。
僕は「濃いキャラの名前は、逆に普通すぎる方がカッコいい」と思っている。
もしこいつの名前が「鳳凰院凶真」とかだったら、カッコよさ減だ。
しかし今観ると加藤とは一体何者なのか、何故東京を破壊したいのかなどはあまり語られないので良くわからない。勿論、原作とか読めば書かれてるんだろうけど、映画だけ観たら「とにかく帝都を破壊したいおじさん」って事しかわからない。
とりあえず悪や災厄のメタファーだとでも思っておくか。ゴジラみたいなものか。
いつも日本軍の恰好してるから、日本を内側から蝕む旧日本軍の邪悪さを擬人化したのか?
また今回本作を観てると、加藤は部下の女を使い潰したり辰宮由佳理を孕ませたり辰宮雪子を利用しようとしたり辰宮恵子を自分の女にしようとしたり‥と、ストーリー中でやたらと「女」に固執して利用しようとしてるので序盤ではカッコよかったのだが後半では、ひたすら気持ち悪い印象で終わる。



中学生が好きなものが全て入った前半
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映画の冒頭、いきなり魔人・加藤 vs.陰陽師軍団との呪術バトルが始まる。
この映画、正直この数十分だけ観て最後の5分くらい観ればそれでいい気がする。
魔人加藤を迎え討つのは天皇家直属の陰陽師の名家、土御門家一門総帥・ 平井保昌(平幹二朗)。
雑魚陰陽師が叫ぶ「加藤が来たぞ~っ!」
まるでゴジラが来たかのような騒ぎぶりだが、そこで叫ばれる名前が「加藤」という平凡極まる日本人の名字なのが最高にカッコいい。
大塚芳忠の声で喋る雑魚陰陽師が叫ぶ
式神返しにあった!これで加藤は自由に自分の式を打てるようになった!

式神を使役する事を「式を打つ」と表現してるところなどが中学生の僕を前傾姿勢にさせた。中学生当時は夢枕獏菊地秀行の伝奇小説も読んでたから、こんなもんばかり好きだった。
加藤の配下「紅巾の女」も印象的。

この人一体誰だろう?と長年思ってたので検索してみたら有名なファッションモデルで映画は他には出てないらしい。
妖怪かと思っていたが一応人間らしい。加藤の情婦みたいなもの?

明治40年だというのにハイレグのこの忌まわしい女がばら撒く黒い五芒星の札カラスに変化して、土御門流の陰陽師たちを襲う
陰陽師か、加藤の外道印!ドーマンセーマン!
平井保昌くっ!加藤の蠱術に堕ちようとは‥
紅巾の女オンキリキリバザラウンハッタ‥オンキリキリバザラウンハッタ‥
あまりにも中学生が好きなものが全て入っている。大興奮だ。

中学生の時の俺は「オンキリキリバザラウンハッタ」と唱えたり、加藤の式神にビビるような職業に就きたかったものだ。
それにしても現代の目から観ると、この魔人・加藤 vs.土御門一門による陰陽道バトルは、まるでハッカー同士によるコンピューターウイルスの送り合いとか障壁破りに凄く似てる(そういう意味では昔観た時よりも今観た方がイメージしやすい)
加藤が呼び出す式神はギーガーが関わってるためか西洋風のものが多い。護法童子は特にギーガー丸出し(回転ノコギリを備えた殺人ボール)
だが護法童子あまり強くない。というか学天測を破壊しに来た式神などは、年老いた西村晃が腕を振り回しただけで追い払われてしまうので野良犬以下の強さだ。
気分といえば今回気付いたが、加藤との呪術合戦で敗れた陰陽師たちが蜘蛛の巣だらけで死んでたのが可笑しかった
。彼らは数ヶ月間くらい動かずに闘ってたのか?それとも超スピードで動く蜘蛛が彼らに巣を張りまくったのか?まぁ「敗北して白髪になった」同様、敗北のサインなんでしょうね。
他にも腹中蟲や人造人間・学天測や、悪を監視する二宮金次郎像なども厨二心をくすぐられた。
正直、ここだけでいいっていうか、本作をたまに観るけど平井保昌が死んだところで「誰が加藤を止められるのか‥」とか言いながら再生を止めた方が楽しめる気がします。というか平井との闘い、もしくは関東大震災をクライマックスに持ってきて映画を終えた方が良かった気がする。

 

 

辰宮家
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加藤のところでも述べた本作のパッとしない理由の続きだが、まず主人公格の辰宮家の人達が魅力ない。
いや、ラストで加藤と対決する、原田美枝子が演じる辰宮恵子は、さすがにカッコいいのだが、主人公の辰宮洋一郎(石田純一)が凄く魅力がない。
何しろトレンディな感じの石田純一を指して「実は石田純一が陰ながら国を護っている」とか「実は加藤より霊力がある」とか言われても「別に石田純一のことは好きでも嫌いでもないけどさぁ、こいつにそんな力ないよ!」と言いたくなる。要は説得力がない。
加藤は将門の血を引く辰宮洋一郎の妹・辰宮由佳理をかどわかして怪しげな呪法を施し、その結果、辰宮雪子が生まれる。
そして終盤で加藤は雪子を使って将門の怨霊を呼び起こし帝都を滅亡させようとする。
勝負の決め手となるのは「雪子は実は加藤の娘ではなく、辰宮由佳理が実兄・辰宮洋一郎との近親相姦の末に生まれた娘だった!」という衝撃の事実がわかり、それがきっかけで加藤の計画が崩れて、恵子と相討ちになる
この近親相関の要素って結構な大事件だと思うのだが、劇中で全然語られない。
だから洋一郎と由佳理がそういう衝撃的な関係である感じが全くしない。
恵子は近親相姦の事を知っているのだが、その事で洋一郎と語り合う場面も全然ない。
結構な問題だぞ‥?
しかもそんな可哀想な恵子は単身、加藤と対決に出かける前に洋一郎に「生きて帰って来れたら私を本当の妻にしてくださいね」などと健気な事を言う。
石田純一は軽い感じでさらっと送り出す。もっと何とか言ってやれよ。
心中では色々思ってるのかもしれない、石田純一が何考えてるのかサッパリ伝わってこないし推し量る気にもなれないので「一体、何なんコイツ‥」と腹が立ってくる。

だが将門の首塚を鎮めるために呪われた辰宮兄妹は首塚に身を捧げるので
「死ぬんなら、まあいいか‥」
とか思ってたら実は兄妹は生きてて、ラストで幸せそうに散歩してるので嫌な気分になって映画が終わる。
原作では、各人の心理描写などもあったのだろうが、別に読む気ないし、とにかく永遠に恵子が可哀想で石田純一にムカつくだけだ。

 

 

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そんな感じで、
前半のオカルトバトルや色んな厨二要素が詰まった細部はカッコいいんだけど、何度も書いたようにあまりに話やキャラがとっ散らかってますね。
主人公と加藤はやたらと女に固執してすぐ孕ませたり女に働かせたりしてカッコ悪いし気持ち悪い。
加藤は悪役だからキモくてもいいが、ヒーローポジションっぽい辰宮洋一郎はこんなキャラじゃダメだろう。
石田純一の妹に惚れていた佐野史郎も加藤にびびって刺されたら実家に帰ってしまう
。何なんだよこいつも!
それともこういったドロドロした人間関係の因果が、呪術をより強力なものにしているとでも言いたいのだろうか。
数年後に続編の「帝都大戦」が作られたが、それは式神とかは一切無くなって加藤や超能力者がムーン!と唸って大爆発が起こる感じの大味な映画になっていて、中学生だった自分は観に行ってガッカリした。
本作は10年に一度くらい観直してるが「帝都大戦」は一切観返す気になれないので、やはり幾つか欠点はあるものの、本作は「面白い映画」の部類に入ると思う。

 


そんな感じでした

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『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1985)/洞口依子の可愛らしさと大学のフワフワした感じ👩

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監督:黒沢清 製作国:日本 上映時間:80分

 

GYAO!でドレミファ娘を配信してたので観た。
これはちゃんと観てなかった。
黒沢監督は好きなので長編、短編、可能なものは出来る限り観てるが、正直言って本当の本当に心の底から好きなのは「CURE(1997)」から「叫(2006)」くらいまでの期間だと最近気づいた。
要は幽霊や役所広司が活躍していた2000年代のものがドストライクという感じ。
このドレミファ娘は昔ちょっと観た事はあるが、観てもらえばわかるがあまりにも味が濃いのでなかなかちゃんと観る気にならなかった。

本作は「黒沢清の映画術(2006)」によると
商業映画デビュー作、にっかつロマンポルノの神田川淫乱戦争(1983)」の半年後に、一千万円くらいの低予算で撮らないか?と言われて撮ったらしい。
元々は「女子大生・恥ずかしゼミナール」というタイトルのにっかつロマンポルノだったがオクラになって、それを商業用に撮り足して再編集した作品。
監督は当時イケイケだったらしく、やりたい放題やった模様。
東京の街を撮りたくないので劇中、大学から一歩も出ない(更に大学の外は海になっていて物理的にも出れない)
伊丹十三黒沢清がラブレターを出して主演依頼し、主演の洞口依子は当時グラビアイドルでオーディションに来たが1人だけ暗くてニコリともしないのが気になってたら好きな映画はゴダールと言うので即採用したという少年のような黒沢清。演技経験がゼロなのにリハーサルすると抜群に良くて驚いたらしい(いわゆる天才というやつか)

story
主人公の少女・秋子(洞口依子)は、高校時代の憧れだった先輩・吉岡くん(加藤賢崇)を探して田舎から上京して来る。
気立てのいいヤリマン女子大生・エミ(麻生うさぎ)と知り合ってキャンパスを案内してもらううちに秋子は遂に吉岡を見つける。
しかし吉岡くんはキャンパスライフによって、すっかり軟派ヤリチンなダメ人間になっており秋子は幻滅。。
傷心の秋子は故郷に帰ろうとするが心理学者の平山教授(伊丹十三)に呼び止められ、教授独自の「恥じらい理論」を完成させるための実験台となる‥


概要
みたいな話、、だが正直ストーリーはどうでもいいのだと思われる。
前田敦子のシングルのMVとして撮影されたものを中編映画に仕上げた「Seventh Code セブンス・コード (2013)」と殆ど同じストーリーだと言える。
映画を撮りたさすぎる黒沢監督や助監督&脚本の万田邦敏やその他の仲間たちのエネルギーが炸裂してる様を観るものだろうと思った。
画面の至るところに設置された、わざとらしい赤い布や赤い物。
メッセージボードを持ったカメラ目線のヘルメット被った出演者たち。
ポスターの目の部分を破って中の人が覗く場面。。
等々、あまりにもゴダールっぽいものを撮ろうとする気合が凄い。
今まで、あまり観る気になれなかったのはこういう部分かもしれない。
実際、映画好きな友達と話してたりすると「初期の黒沢清監督作品を観ると凄く恥ずくなる」みたいな会話もよくあった。本作はその最たるものだろう。
だけど、時代や自分自身の内部が数周したおかげで別に全然恥ずかしくなく観れた。
でも、主演の洞口依子さんは「80年代の濃い邦画のアイコン‥の一人」という印象が強く(特に伊丹十三監督でもお馴染み)、だから本作は90年代や2000年代に観ようとしたら「うわ、恥ずかしい恥ずかしい!」と感じて観れなかった。
当然、それは黒沢監督が悪いのではなく自分の中の問題だ。
それと、伊丹十三を見るとどうしても頭の中に、
伊丹十三監督が出ていて相変わらず劇画タッチの男前で素人ばっかの役者陣の中で本作に箔をつけていたが、黒沢監督と伊丹監督というと「スウィートホーム」をめぐる泥沼の裁判や、黒い噂が囁かれる伊丹監督の謎の投身自殺、そして80年代は時代の寵児として扱われてたのに死んだ途端に扱われなくなった伊丹監督‥等の社会の暗い要素が頭の中に浮かんできて、悲しいような切ないような複雑な気持ちになるのであまり観たくなかったという理由もある。
加藤賢崇演じる主人公が好きな男子・吉岡君は非常にチャラチャラしていて、それでいて女が自分の思い通りにならないと見るや嫌がらせを始める‥という黒沢映画によく出てきがちな「嫌な男子」だった。たぶん黒沢清の中の悪い清なんだろうね

洞口依子
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ヒロインの洞口依子は80年代の文系ミューズってイメージあるが実際、文系女子とかサブカル女子がこんなルックスになりたいと思いそうなルックスで可愛かった。
痩せてて、目でかすぎ口が小さすぎ。
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時代が3週して凄くお洒落だし
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このジャケット凄くかわいいね。

探し当てた憧れの男子・吉岡君がヤリマンのエミとFUCKしてるところを見つけた彼女は、怒りの表情を見せる。
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具体的に言うと、彼女は通常通りの無表情のままなので逆光にする事で無理やり怒りを表現していた
かわいいね
彼女の黒沢清映画出演は「地獄の警備員」で主人公の妻。「勝手にしやがれ!!」シリーズ。「CURE」では殺人催眠術にかかって男たちの顔を剥ぐ女医。「ニンゲン合格」でウクレレひいたり変なマシンに乗った女性役(かわいい)。刺されて殺されてしまう「カリスマ」が最後の出演作。

 

麻生うさぎとかいう女優
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洞口依子が可愛いのは皆知ってる事ではあるが、脇役のヤリマン女子大生エミ麻生うさぎが意外と魅力あって好きだった。
彼女は演技めちゃくちゃ下手だし、最初見た時は「何なんだこのブスは‥」と思ったが、見ていくうちにどんどん可愛く見えてくる。
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というか、よく見たらスタイルもいいし表情も豊か
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だから何というか親しみやすい。
「小劇団にいる気立てのいい女優」みたいな
「昔の彼女」みたいな「タイムスリップして会った過去の親族」みたいな不思議な親近感がある。
しかも今の時代ならありがちな「私なんて‥」っていう自己評価の低さが一切なく奔放に過ごしているのが魅力。そこらじゅうでFUCKしたりオナニーをぶちかましている。
電気グルーヴ少年ヤング」のMVは、現代の各事務所にいる可愛いモデル達に80年代メイクを施したら、皆ブスに見えた。という事があった

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だから彼女も現代風のメイクやファッションや現在の態度させたら、かなり可愛いはず(同様に80年代のキツいメイクやファッションでも可愛かった河合奈保子中山美穂や当時のアイドル達も、現代風の恰好させたらめちゃくちゃ可愛いんだろうな)
本作にはクラスメート役でもっとあからさまな美人もいるのだが、その美人よりも彼女の方がずっと魅力的だった。
本作は最初、日活ロマンポルノ作品として作られたので何回かの濡れ場やオナニーシーンを挿入する必要があり、本作が製作できた縁の下の力持ち的な役割りも担っている。
という諸々の理由で、洞口依子がヒロインで、彼女は裏のヒロインと言える。
「この人いったい誰なんだろう」と思って調べたら日活ロマンポルノの女優らしい。
そして本作が25歳にして女優最後の作品で、2012年に52歳という若さで大腸癌でお亡くなりになった模様。

それからどしたの
「恥じらいの研究」をしてる伊丹十三は‥まあEDの処女厨みたいなものなんだろう。
ちなみに彼はSEX機械を通じて実は処女じゃなかったヒロインと交わって死亡する。
ラストで男子学生に「ここにいませんか?楽しいですよ」と言われた洞口依子は微笑んで首を振る。
元の「女子大生・恥ずかしゼミナール」はここがラストシーンだったらしいが、実際ここで終わりにした方が綺麗だったのではないだろうか。
その後、生徒たちは草むらでモデルガン?による銃撃戦が行われ主人公を残して全員死ぬという謎のシーンと主に終わる。
よくわからないがモラトリアムな感じや、彼らが社会に出た後の苦難を連想させるシーン‥なのかな?
本作は、大学生らしさ‥それもチャラチャラした一般大学生じゃなく、そこそこ偏差値の高い芸大や文系などのインテリ学生がフワフワしてる雰囲気がめっちゃ出ていた。
そんな感じで思ってたより楽しかった。
昔感じた恥ずかしさは自分の中から消えており瑞々しい映画として観れた。黒沢監督の人柄が出てどことなく可愛らしいし。
黒沢清、長編短編合わせてあらかた観たな。
観てないのは「神田川淫乱戦争(1983)」くらいか。まあ、そのうち観よう

そんな感じでした

「岸辺の旅 (2015)」幽霊が黄泉平坂で宇宙の終りと始まりを語る場面に感動👫👻 - gock221B

「復讐 運命の訪問者 (1997)」監督の作品の中でもエンターテイメント性が高い映画でした🔫 - gock221B

「893(ヤクザ)タクシー (1994)」 縛られた中での製作の姿勢を感じました🚕 - gock221B

「クリーピー 偽りの隣人(2016)」大変な怪作だが毒気にあてられすぎてか好きになれなかった🏠🏡 - gock221B

「ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985)」洞口依子の可愛らしさと大学のフワフワした感じ👩 - gock221B

「散歩する侵略者 (2017)」理由はよく分からんが黒沢映画の壊れた夫婦もの観ると物凄く胸に来る👉 - gock221B

「予兆 散歩する侵略者 劇場版 (2017)」本編の方は愛の話だったが、こっちは〈心の弱さ=悪〉という闘いがメイン 👉 - gock221B

「ダゲレオタイプの女 (2016)」本作のあらすじ同様、現実世界から隔絶されたような黒沢幽霊映画inパリ👱‍♀️📷👱‍♀️ - gock221B

 

「グリーンルーム (2015)」腕ひしぎ逆十字固めの有用性。イェルチン君R.I.P🤢

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原題:Green Room 監督:ジェレミー・ソルニエ
制作会社:A24 製作国:アメリカ 上映時間:95分

 

このポスターめちゃくちゃカッコいいな
この監督誰だろ?って思って調べたら「ブルーリベンジ (2013)」の人だった。
このソルニエ氏、どうやらタイトルに色が付けるのがお好きなご様子。
次回作は何だろう‥「レッド・シーツ」とか赤色じゃないか?
「イエロー・シーツ」とか黄色の可能性も捨てきれない(ただしシーツがテーマの映画が作られる可能性は極めて低い)
パンクバンドが田舎のネオナチが集まるライブハウスの楽屋に立てこもるサバイバル。
主演は昨年、不慮の事故で亡くなって本作が遺作になったアントン・イェルチン氏。
ターミネーター4」カイル役、「スタートレック」リブートシリーズ1,2,3でのチェコフ役などが有名だが、俺としてはジョー・ダンテの「ゾンビ・ガール」の主人公役が好きだった。
ネオナチのリーダーである悪役ボスはスタートレックピカード艦長X-MENのプロフェッサーXなど主にツルピカのハゲ役を得意とするパトリック・スチュワート

バンドメンバーのギター女子は「ローラーガールズ」でエレン・ペイジの親友役、「ファイナル・ガールズ」でも出てたが、若者が多く出てる映画で美人ヒロインのそれほど可愛くないが優しい友達役をよくする子という印象が強い。
ライブハウスの店長役はブルーリベンジの主人公役のおっさん。他の奴は知らん

 

Story
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パットアントン・イェルチン)が所属する売れないパンクバンド〈エイント・ライツ〉の四人は、出演が決まったオレゴンの田舎町にあるライブハウスに出向く。
しかし、そこは狂気のネオナチ集団の巣窟だった―。
殺伐とした雰囲気の中、演奏を終えたバンドはグリーンルーム(楽屋)に戻った時にネオナチスタッフによる殺人現場を目撃してしまう。
この田舎町のネオナチをまとめているボス、ダーシーパトリック・スチュワート)は全ての目撃者を消すことを配下に命じ、バンドと殺された少女の友達は全員命を狙われるはめに。
状況は圧倒的に不利。バンドと少女は総勢5人で丸腰。ライブハウスを取り囲む凶悪ネオナチ軍団は重火器を装備しており獰猛な犬も連れている。
恐怖に怯える少年少女はグリーンルームに籠城し脱出手段を考えるが、ネオナチ軍団が次々に侵入してくる。彼ら彼女らは無事グリーンルームから脱出し、この状況を打破できるのか?――

 


スマホ忘れる死の予感
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バンドのメンバーは、
★イェルチン演じる主人公パットは、普通っぽいベース青年。

★気が短い緑の髪のボーカル青年。
★マネージャー的な交渉もするしっかり者のギター女子。
腕ひしぎ逆十字固め得意とする長身のドラム青年。
‥の四人。

彼らは田舎の、極右や狂信的ネオナチが集まる保守的なライブハウスでライブする。
そんなカス共がたむろしてるライブハウスに来たもんだから、パンク精神がむくむくと膨らんだ緑髪のボーカルの提案で攻撃的な曲を演奏。
「ネオナチFUCK!」とか「ちゃんと自分の頭で考えて行動しようぜ?」とか、そんな意味の歌詞。レイシストどもを煽っていくスタイル~
だが、それはカチンときたネオナチにちょっと酒瓶投げられる程度で済み、これは別に事件にはならない。
ライブが終わり「ネオナチつっても大した事ねーな」って感じでギャラを受け取り帰ろうとしていたバンド。
そこでイェルチン君が忘れ物のスマホを取りにグリーンルーム(ライブハウスの楽屋)に引き返すと、ライブを見ていた客だか対バンだか忘れたがとにかくライブハウスにいた女の子が、頭にナイフをブッ込まれて死んでいた。
驚くイェルチンくん達バンドメンバー。
ライブハウス店長やネオナチは彼らを帰してくれず、スマホを取り上げられグリーンルームに押し込まれる。
グリーンルームにはイェルチン君バンド4人、あと殺された女子の友達の金髪女子がいた。
外では、銃を構えた巨漢ネオナチが見張りしている。
やがてネオナチのリーダーと思われる初老の男(パトリック・スチュワート)が到着。
通報を受けてやって来た警察には、身代わり役の下っ端のネオナチ少年二人が「俺らがやった」と虚偽の自供をして逮捕される。これでもう警察は再度やって来ることはない。
このままでは皆、口封じのために殺されてしまう。
いったいどうなってしまうのか

 

腕ひしぎ逆十字固めの有用性
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グリーンルームには見張りのネオナチがいる。
だが隙を見てバンドメンバーで唯一、腕力ありそうなドラムの青年が、見張りの巨漢ネオナチに自身が得意とする
腕ひしぎ逆十字固めを極める!銃もゲット
巨漢ネオナチは見張りから人質へと位が下がった。お前はそこに座っていろ!
だがライブハウスを取り囲むネオナチ達は銃や武器をいっぱい持っている。
そんな中、銃一丁だけ持っててもどうしようもない。
仕方なくイェルチン君はパトリック・スチュワートとの交渉の末、銃を渡して投降しようとする。

銃を失ってしまうと人質にしていた巨漢ネオナチが暴れる恐れがあるので、とりあえずドラム青年は巨漢ネオナチを腕ひしぎ逆十字固めを極めた態勢で拘束。
これなら安心だ。
巨漢ネオナチが隠し持っていたカッターナイフも金髪女子が取り上げた。

さすがに凶暴な巨漢ネオナチといえど、これほどガッチリと極められた腕ひしぎ逆十字固め逃れることができないというわけよ。
この状態を振りほどける者は神か悪魔しかいない。
ネオナチよ、お前は神か悪魔か?答えは?
ネオナチ「ノー」
じゃあ無理だな。

ドアの隙間からハゲに銃を渡そうとしたイェルチン君だったが、出した腕をマチェーテみたいな長刀で斬られまくる!
斬られたというか、手首がブランブランに取れそうなくらい斬られてる!
重症‥っていうか、もうこれだけで死んでもおかしくない深手だ。
ヒエッ

イェルチン君は再びグリーンルームに引きこもる。
そして、しばらくは顔面真っ青で死にそうになってたが、これはアメリカ映画なのでダクトテープを巻いたら全開した。
たいていのアメリカ映画では、ダクトテープを巻けばバイオハザードのハーブよろしく万物は全て修復される。銃で撃たれようがナイフで刺されようがダクトテープさえ巻けば大丈夫だ。
アメリカンプロレス‥WWEではパイプ椅子で殴られたら総体力の80%が失われてしまう。チャンピオンベルトでは90%。スレッジハンマーで殴られたら実に98%の体力を失う。僕はエンターテイメントのこういったお約束が凄く好きだ。

どうやら話し合いは決裂したようだ。
殺し合うしかない。

仲間のイェルチン君の腕が斬られたので、ドラマー青年もまた腕ひしぎ逆十字固め極めていた巨漢ネオナチの肘を、そのまま腕ひしぎ逆十字固めペールワンの腕を折った猪木の様に完全に破壊!
折ったぞ~~
夢がかなったね。

ドラマー青年は肘を破壊されつつヤケクソで暴れるネオナチをスリーパーホールドで捕獲!そのまま絞め落とす。
それにつけてもこのドラム。極め技も絞め技もマスターしてるとは。

すると友達を殺されてムカついてた金髪女子もプッツンいって、娯楽映画のノリじゃなくまるで解剖みたいにスーッ‥と巨漢ネオナチの腹を掟破りの(※相手から奪い取った技の意)カッターナイフで切り裂いてSATSUGAI
ネオナチ死亡!
この攻防によってバンドメンもネオナチ軍団も、動きだしたらどちらかが滅ぼされるまで止める事の出来ない巨大な機械に飲み込まれた。
死闘という名の機械に‥

それにしてもこのネオナチ、腕ひしぎ逆十字固め2回、スリーパーホールド1回、とどめの掟破りの凶器攻撃と数10分くらいの間に4回も負けてるのが面白い。
一体、何回やられとるんや。ちゃんと復習してきたん?
だけど彼ももう二度と負ける事はないね。死んでしまったから‥( ´・ヮ・`)

 


ネオナチ軍団
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バンドメンvs.ネオナチ軍団の一騎打ち、その闘いの火蓋がきって落された。
しかしバンド側の武器は、ネオナチから奪ったリボルバー銃一丁と小さいカッターナイフ‥まだマシだとして後は、その辺に落ちてた消火器とか蛍光灯とか棒っきれしかない。

一方ネオナチ側は軍団を束ねて操る頭脳明晰なパトリック・スチュワートをTOPとして、人の頸動脈を噛み殺せるほど獰猛に躾けられたワンちゃん(あまり大きくないこの犬に一度噛みつかれてしまうと、どういうわけか立ち上がる事も抵抗すら殆ど出来なくなる地獄の番犬ケルベロス)とそれを操るトップブリーダー。何丁もの銃と長刀。
そしてとうの昔に自分の頭で考える事をやめてしまった使い捨てネオナチ青年軍団。
そんな使い捨てネオナチ軍団は何度も強行突破乱入してくる。

ネオナチ軍団全員が乱入して銃を乱射すれば、あっさりバンドメンを皆殺しにできるのだが、それはしない。何故なら銃を乱射すればライブハウスに、抹消しきれない証拠が残ってしまうからだ。
だからパトリック・スチュワートは、犬とか一発しか発砲を許されてない銃を持ったネオナチを、チョロチョロとジジイの小便のように少しづつ投入させてバンドメンの命を削っていく。
武装したネオナチ軍団にヒョロヒョロのバンドメンたちはひとたまりもない。
だが狭い室内なら腕ひしぎ逆十字固めがあるからバンド有利。

前述の理由で、少しの武器を持った少人数づつしか突入できないために、バンドvs.ネオナチ軍団が成立する。
言うなればジョン・カーペンターの傑作「要塞警察」を地味にした感じの映画だ。
何年か前に友達が参加したイベントに行った時、知り合いの彼女が学生時代にアメリカの田舎に留学に行った時に白人至上主義者にとんでもなく酷い目にあった話を聞いて物凄く落ち込まされた。
映画だからではなくアメリカの田舎には恐ろしいファシストはどうやら本当にいるらしい。
★「ブルー・リベンジ」の時もそうだったが、この監督の映画はリアルな描写が多い。
「娯楽映画だからこいつはこうなるだろう。あいつはフラグ立てたから死ぬだろう」みたいな娯楽映画のお約束通りに進まない。

意外なところから敵が出て来たり、意外な形でキャラが死んだりする。
バンドvs.ネオナチ軍団が鉢合わせての銃撃戦も、普通だったら善玉サイドが全く喰らわなかったり逆に仲間がドラマチックに撃たれて非業の死を遂げたりするものだが、本作の場合は普通にパスっ‥パスっ‥と、グズグズに撃たれて逃げたりそのまま普通に死んだりする。
敵が突然現れる場面でも衝撃的なSEが鳴ったりクローズアップされたりはせず、まるで会計の時に定食屋の奥から店のオバハンが
モッ‥出てくるかのように普通に出て来る。
また主人公なので
最後まで生きてるイェルチン君が、一番最初に手首取れそうなほどズタズタにやられてしまうというのも意外性あった。
その代わり「ダクトテープ巻いたら、取れそうな手首が全開する」という可笑しいシーンも生まれた。それも本作のお楽しみポイントだ。

そういった良い意味で、けれんみのない描写が緊迫感ある雰囲気を作っていた。
そんな感じでクライマックスに突入して色々あって終わる。なかなか面白かった。
ドラマ部分や細部やメタファーが示すものやバンド的なオマージュなどの感想らしい感想は違うブログの感想でも見に行ってください。

 

 

さらばイェルチンくん
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イェルチンくんは「最近良く見かけるなぁ」って感じの「スタートレック」リブートシリーズや「ゾンビガール」「ターミネーター4」その他数本の映画でしか知らなかった、名前もよくわかってなかった俳優で、特別ファンだったわけでもなかったが良い感じの俳優さんでしたね。
本作ラストの主人公。もう元には戻れなくなりつつも爽やかな姿はカッコよかった。イェルチン君の命も、アメリカ映画にだけ出てくる何でも治る魔法のダクトテープを巻いて復活できればいいのにね‥
R.I.P. イェルチン君



そんな感じでした

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