gock221B

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『メッセージ』(2016)/異星人との触れ合いは楽しかったがそれよりもラストにあるSF要素にもっと時間取った方が良かったのでは?👽

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原題:Arrival 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 制作国:アメリ
原作:
テッド・チャンあなたの人生の物語』(1998) 上映時間:116分

 

 

 

※久々にブログ書いたからブログ書きたい欲が高まっていて、数行で済むような感想がやたらと長くなってしまった。直接的なネタバレはしてないが映画よく観る人やSF好きな人には何となくわかってしまうと思うので後半は読まない方がいい
今年11月に公開予定の「ブレードランナー 2049 (2017)」の監督のSF映画

本作は第89回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞など‥8つもノミネートされてアカデミー音響編集賞を受賞した(と言われても一体どういう賞なんだ?)。
巨匠へのリーチがかかっていて、ブレラン2049が大ヒットして評価高ければ誰も口出しできない巨匠になってしまうという、クルマが高速の一本道に入って誰も止められないって感じの一番勢いがある状態。

僕はまだ2本しか観てないが、面白くて内容も凄いのだが、その凄さは「お、おう‥」って感じの文学的だったり反則すれすれの凄さであるために、凄い監督なのは間違いないが、イマイチ本当に凄いのかそうじゃないのかが判別しにくい監督という印象(シャマランに対する印象と似ている)。
この監督を絶賛する人もいるし大きく貶す人もいるという両極端で一番熱い状態。
凄さは置いとくとして毎回、画面がめちゃくちゃカッコいい。
これは今、画が一番カッコいい監督といっても過言でない(他の今一番カッコいい画づくり監督はジェームズ・ワン一派のホラー映画群)
本作はテッド・チャンネビュラ賞を受賞したSF小説あなたの人生の物語』(1998)を原作に映画化された。
アメリカ映画界には映画化が実現していないが優秀な脚本‥通称「ザ・ブラックリスト」という脚本群が存在し、本作も長い間そのザ・ブラックリストにあった脚本だったという(関係ないがこの脚本家は「遊星からの物体X ファーストコンタクト (2011)」も書いているので異星人とのコンタクトが好きなのだろうか)

 

 

 

未確認飛行物体の飛来
突如、地球上に現れた巨大で真っ黒い楕円形型の未確認飛行物体。
この物体は地球上18か所に同時に出現している。
この時点では、とりあえず人類を超えた高い知能や技術を持っている事と、ただちに攻撃してくる意志はなさそうな事しかわからない(侵略しに来たのならもうやってるだろうからね)。

主人公の言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)は、UFO内の知的生命体と意思の疎通をはかるため米軍に雇われた。
彼女は物理学者イアン(ジェレミー・レナー)、米軍のウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)らとチームを組んで宇宙船内部を訪問し、全く意思の疎通ができない彼ら異星人から
「どこから何のために来たのか。人類にどんなメッセージを伝えようとしているのか」
を探る、それが彼女の仕事。

アメリカだけではなく、各国の人たちも独自の方法で意思の疎通を図っている。
国々は、お互いに情報を共有して宇宙人の言語解明に励んでいる。
ちなみに一般人の間ではデモが起きたりキリスト教原理主義者が自殺して騒ぎになっている様子がTVで流れている。
こんな事が現実に起きたら、本当にパニックが起きて意味なく人が死にそうだな~。
人類って本当にアホだな。。
冒頭から、主人公のルイーズ(エイミー・アダムス)は、夢のようなビジョンで娘と過ごす光景が何度も流れる。彼女は独り暮らししてるので死んだ娘の思い出か?
ハードSF。知的生命体との接触。家族への想いを持った中年の美人女性主人公‥など、色々な要素がロバート・ゼメキスジョディ・フォスターの「コンタクト(1997)」を思い起こさせる。
ちなみに来日した監督は(恐らく宣伝部の人に助言されるがままに)低いテンションで「宇宙船は、お菓子のばかうけをモデルにしたんだ」とジョークを飛ばした。
www.youtube.com

Twitterでは、それを受け「まって。無理‥まって!ばかうけがモデルとか‥うける!」
と、大勢の方たちが尊みや宇宙を感じてばかうけしている様子。
宣伝は成功した模様。
映画宣伝部の人達は日々、その、卓越した、面白いセンスで
僕たちをあきさせない( ´・_・`)
何だか我々、発展途上の原住民が高度な知能を持った異星人によって意識を操られてるのを可視化されたようで不安な気持ちにさせられた。
この映画について書いた記事のタイトルにも当然「ばかうけ」の文字を入れた方がアクセスが多いだろう。カッコインテグラ

 

 

UFO内部へ
浮いている巨大UFO内部へ入る方法だが、最下部が一定の時間ごとに入り口が開く。
そのUFOのケツの穴に昇降機で入る。
UFOのアナルの側面には超科学によって壁そのものに重力が働いており、人はアナルの壁を歩いて昇っていく事ができる。
辿り着いた広い部屋には、ガラスの様な透明の壁がありその向こうの霧が立ち込めた部屋に彼らがいる。ここは異星人と謁見するための面会室みたいな部屋なのだろう。
部屋が分かれているのは細菌に感染しないためか?
いや、我々‥野蛮なモンキー原住民にいきなり射殺されないためだろう。
ちなみに冒頭から、この宇宙船に入るくだりとか全部めちゃくちゃ画がカッコいい。
カッコいいがそのカッコよさを具体的に言語化できないので画がカッコいいくだりは以降の感想からは省略する。
霧の向こうから現れた彼らは身長5mくらいあって触手のような器官で歩く‥まあ巨大タコみたいな感じ。
今どきタコ型宇宙人とは驚いた!
もうグレイみたいなのは逆に見飽きて見たら笑っちゃうからな。
センス良くて気に入った

その宇宙人デザインに対して映画を観ていた俺は思わず「(好きだよ‥)」という形に唇を動かしている自分に気がついた。
彼らはガラスの向こうにいるが、常に霧で姿がはっきり見えないようにしている。
あんまりクッキリと彼らタコ達を映すと映画にアホらしい雰囲気が流れてしまうのでこれがベスト。

 

 


我らのプリンセス、エイミー・アダムス演ずるルイーズはタコとのコンタクトを開始。
「私達は『人間』。あなたたちは?」と言葉や文字やジェスチャーでもって何度か問いかける。
彼らはどうやらルイーズが発した「自分達は『人間』です」というサインを理解したらしく「ヴオオー」と、巨大な工場が放つ屁のような奇妙なうなり声を出した後、触手のような器官からスミの様なものを出し(やはりタコか‥)そのスミはマークになる。
どうやら妙な鳴き声の方ではなく、このマーク‥「表意文字が彼らの言語らしい。
ちなみにこの表文字。↑この「C」に似た大きな図形がものを言ってるのではない。
Cの書き終わりの部分‥右の空いてる部分。
この習字でいうところの「止め」の部分の墨しぶきみたいな細かい部分の形が言語。
だからこの「C」一個で物凄く多弁にものを言っているらしい。
このC一個で、ちょっとした一言なのか本一冊分なのかはわからないが、これを解析した学者チームも大変だな。
ルイーズ達は何度か謁見して「『人間』というのは我々の種族の名前」「『ルイーズ』というのは個体としての私の名前」「動詞」‥など順を追って彼らに伝え、彼らの返信を映像に撮ってそれを基地で解読する。
その全ては「どこから、何のために来たのか」と質問し、回答してもらうためだ。
言語は、教える順番&学ぶ順番を誤ると誤解が生じて意思疎通できない。
最悪の場合、攻撃意志と取られて殺しあいになる。
ルイーズが、他国に後れを取らないようにとやたらとコンタクトを急かすフォレスト・ウィテカーに対して、それを具体例を挙げて説明してくれて凄く面白い。
俺たちが宇宙人に会った時「こんにちは」と言って手を上げた時、それが彼らにとって「絶対にぶっ殺す!お前のお袋と娘もだ」という意味だったら大変だ。そういう事だ
映画前半を大雑把に言うと「巨大なタコと幼稚園レベルの意思疎通を図ってるだけ」というコントのような構図で、他の監督が撮ったらアホみたいに見えかねない危険もあるのだが、この監督は大人っぽくて重厚な画や音響でハッタリの効いたカッコいい雰囲気を作りだすのが得意なので凄く面白い(この脚本がブラックリスト入りして映画化されなかったのはストーリーの映像化の難しさ以外にも、これが原因な気もする)
ルイーズは同じチームで一緒に解読している物理学者イアン(ジェレミー・レナー)とも仲良くなっていく。
しかしルイーズは彼らの放つ「表意文字」の解読に没頭して理解すればするほど時間が逆行するような奇妙な錯覚に陥っていく。死んだ娘?の夢も相変わらず何度も見る。幻覚や幻聴も増えていく。
大体ここまでで中盤くらいかな。

 

 

第三幕 ※ネタバレあり
映画の殆どはルイーズ達、異星人と対話している解析班や軍人たちを描いているから粛々と事は進んでいるが、外の世界‥社会では得体のしれないUFOへの恐れや噂が飛び交ってパニックが起きている。
東北の震災の時、原発への不安や憶測が広がった時を思い出してみればいい。
もう忘れかけているが実に色んな噂が飛び交った。
僕は東京に住んでるが友人に「東京は即・壊滅するから他所に移った方がいい!」とか言われたし。確かに僕ら一般市民が真実を知れるとは思ってないが「東京は偉い人がいっぱいいるから多分、安全度が高いだろう」という思い込みで楽観視を決め込んだ。
映画の中でも、賢いルイーズ達はともかく、その警護に当たっているヒラの軍人達は何もわかってないので異星人に対して内心ビクビクしており「いざとなったらブッ殺してやる!」と思っているわけです。
その緊張が臨界点に達した時、最初にルイーズが危惧していたような誤解が生じ「宇宙人達は我々に敵意を持っている」と思い、宇宙人たちと敵視する国や人たちが増えてくる(特に中国は完全に宇宙人殺す気満々国家となる)。
そんな中、ルイーズは彼らの伝えたい事が何なのか理解して独自に行動を起こして結末へ‥
という第三幕で終わる。
ルイーズが体感する本作の結末についてだが、これが結構でかくて「あぁ、そういう話だったのか!」と思わせられた。
だが、ここまで長く描かれてきた宇宙人との交信シーンは面白かったが、それは一瞬で終わってもいいくらいの前フリでしかなく、それよりもドでかいメインのSF要素は僅か10分くらいで一気に語って風の様に去って行ってしまうので若干ポカーンとさせられた。
それは短時間でバババッ!と語られて一気に終わってしまうので、俺の脳では理解はできても感動が追い付かない(この監督はこう思わされることが多い)。
既にこの映画を観て「感動で席から立ちあがれなかった」とか言ってる人もネットで何人かいたが、きっとよっぽど賢い人なんだろう。もしくはSFを普段から読んで慣れているか。。(それとも単純に僕がアホなのかもしれん)
読んでないけど原作は、宇宙人との交信はもっと短いらしい。
大作映画にするにあたって、宇宙人とのコンタクトシーンを増やしたらしい。
確かにオチのSF部分をメインにしたら、映画やハードSF好きだけが観る文芸作品みたいな映画になってしまっていたかもしれない。

原作読んでないけど、きっと原作を読んだらもっと感動した気がする(小説は自分の好きなように思考しながら好きな時に読み進められるからね)
なるほど本作が、脚本が優れていると言われながらも長い間映画化されなかった理由がわかった気がした。
色々な事を考慮すると、宇宙人との交信の面白さを中心に据えたのは良かった気がする。だけどその分オチの部分への理解が減ってしまった。
もっとルイーズへ感情移入できるように、娘の夢の内容を具体的に語ったり、ジェレミー・レナーとの結びつきをもっと描いた方が良かった気もする。
しかし、この物語が終わった後のこの世界。
将来はルイーズの本を読んだ皆はルイーズの様な‥プッチ神父が目指した「天国への階段」状態(もしくはドクター・マンハッタン)になり相互理解が可能なニュータイプへと進化するのだろうか?
彼女の夫の様に進化に対応しきれない人もいるみたいだから、そう上手くはいかないか
このUFOは、正にモノリスの様に「新しい知識の象徴」という感じだった。
神の啓示(タコのメッセージ)を、ルイーズのような賢人が噛み砕いて我々のようなクソ猿モンキーに叡智を授けてくれるが、攻撃的なアホのモンキーはすぐに「何だこのよくわからないものは!ブッ壊してやる!」となってしまう。
その様子を描いてるのは凄く良かった
ラストのSF要素の部分は本来、自分が好みのものなので、ネタバレした二回目以降の鑑賞ではもっと感動するだろう。
この監督の今までの映画同様、カッコいいモダンな画面で面白い前半→何か凄げな中盤→終盤で反則すれすれの急カーブを切って見てるこっちがポカーンとさせられる間に逃げ切られて終わるという、今までの映画と同じパターンだった。
相変わらず凄いのか凄くないのかわからなかった。きっと凄いんだろう


どうでもいい感想
・黒い鶴瓶でお馴染みのフォレスト・ウィテカーはハリウッド黒人四天王の末席(後の3人はモーガン・フリーマンデンゼル・ワシントンサミュエル・L・ジャクソン)で、いるだけで映画が重厚に見えるね。
だが正直このキャラは割とどうでもいいキャラでルイーズに対してやたら高圧的なのがムカついた。もっとルイーズ先生に丁寧にお願いしろや

・しかし「メッセージ」というダサい邦題は何だよ。直訳「アライヴァル」でいいだろ
邦題付けるなら小説の「あなたの人生の物語」でいい。この二択だろう。
「プロメテウス」っぽい雰囲気にさせられた結果、意味のわからん邦題にさせられたリドリー・スコット「オデッセイ」とか、結末の感動の正反対の意味にさせられた「ゼロ・グラビティ」とかを思い出す。
どうも真面目なSF映画はしょうもない邦題を付けられる傾向が強い。
それにしても数ある英単語の中でも「メッセージ」はトップクラスにダサい。
これを超えるダサい英単語のタイトルは『ザ・インターネット』 (1995)くらいだろう。

 

 


そんな感じでした

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作〉
『複製された男』(2013)/凄いのか凄くないのか判別が困難な映画👨👨 - gock221B
『ボーダーライン』(2015)/巨大な暴力を目の前にした時の無力感と不思議な快感、同時に我にあり💀 - gock221B
『プリズナーズ』(2013)/この監督作でこれが一番おもしろい🧑🏻👨🏻 - gock221B
 『ブレードランナー 2049』(2017)/デッカードを出さず前作との繋がりがない方が良かったような……🤖 - gock221B
『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)/最後の5分くらいまでリンチのデューンの方がマシだと思ってたけどラストは凄く良かったです🐛 - gock221B

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Arrival (2016) - IMDb

www.youtube.com

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

 

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『IT/イット』(1990)/後編はイマイチだが前編とペニーワイズは最高🤡

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原題:IT 監督:トミー・リー・ウォーレス 原作:スティーブン・キング
製作国:アメリカ 放映時間:188分 ※TVドラマ

 

 

 

レンタルやDVDなどで観ると本作はまるで「この映画、三時間弱もあるのかよ!」と思えるが、本作は元々映画ではなくアメリカのTVで前編・後編で放送された渡哲也の「マグロ」みたいな二夜連続ドラマをソフト化する時にくっつけて無理やり一本にしたものらしい。
だから、もともと三時間映画としての構成で作られてないため、一気に観ると三幕構成が二回も続いてテンポ悪いし、ぶっちゃけ後編はあまり面白くないため疲れてくる。
だから、これから観る人は前編見て、少し間を開けて後編を観るのがいい。
スティーブン・キングの長編小説「IT/イット」は発売された当時、僕が高校生だった時に読んだが当時愛読していた他の「ダークハーフ」「シャイニング」「ペット・セマタリー」ミザリー」程にはピンと来なかった。
理由はわからないが恐らく「ピエロが怖い」という感覚がなかった事、また当時の高校生だった自分にはまだ「少年時代っていいなぁ」という懐かし感覚が湧いていなかったからかもしれない。後編の「かつての子供たちが中年になって再登場」に対しては更にピンと来なかったので後半に至っては読んですらなかった。
今思えばこの話が刺さるのは、子供か中年かのどっちかという気がする。
もうじき「IT/イット」の前編にあたる子供時代編が「MAMA(2013)」のアンディ・ムスキエティ監督によって映画化され全米で夏に公開される。
IT - Official Teaser Trailer - YouTube  IT - MTV First Look - YouTube
この2本の予告編、アメリカ本土の子供や若者達は「こえー!こえー!」と死ぬほど怖がってるらしい。
この映画版は子供時代が舞台である原作の前半部分まで。
これがヒットしたら大人編である後編が作られる予定らしい。
ここ近年、欧米圏ではピエロの扮装をして驚かすイタズラが流行しており、その目撃談や撮影した動画がYOUTUBEに投稿されたりと空前のピエロ恐怖症パンデミックが起きている。この新しいITは間違いなくヒットするだろう。
この新しいITを観る前に、数十年ぶりに本作を借りて観る事にした。
原作で読んだこと殆ど全部忘れたので比較とかはできない。

 

 

Story
1990年のメイン州デリー子供だけを狙った連続殺人事件が発生する。
デリーに住んでいたマイクは、事件現場近くでそこにあるはずのない男の子の古い写真を発見し子供時代に” IT ”と呼んでいた奇怪なピエロの怪人〈ペニーワイズ〉の仕業だと確信する。
マイクはかつての仲間との約束を思い出し、30年ぶりに再会することになる――

 

 


感想の前に、ちょっと各キャラをまとめてみた。
ルーザーズクラブ(弱虫クラブ)👱🏻‍♂️🧑🏻👱🏻‍♂️👩🏻‍🦰🧓🏻🧑🏻👦🏽
👱🏻‍♂️ビル・デンブロウ
少年時代:吃音いじめられっ子。弱虫クラブのリーダー
弱点:焦ると、どもる。幼い弟ジョージがITに殺されたという過去。
成長後:町を出てITの事を忘れ、ホラー作家として成功。既婚

🧑🏻エディー・カスプブラク
少年時代:過保護の母を持つ
喘息持ち。
弱点"喘息"。母にスポイルされてる事。仲間以外に心を開けない
成長後:町を出てITの事を忘れ、VIP専門の送迎サービスで成功。

👱🏻‍♂️ベン・ハンスコム
少年時代:母子家庭の、太ったいじめられっ子ベヴの事が好きだが告白できない
弱点:いじめっ子。父と死別した過去。
成長後:町を出てITの事を忘れ、建築家として成功。痩せてイケメン化。

👩🏻‍🦰ベバリー・マーシュ
少女時代:紅一点の貧乏少女。通称"べヴ"。
弱点暴力を振るう父親
成長後:町を出てITの事を忘れ、ファッションデザイナーになった‥が結局、昔の父のようなDV男と付き合っている。

🧓🏻リッチー・トージア
少年時代:ADHDっぽい雰囲気のおしゃべり眼鏡少年。
弱点:(あまり描かれないのでよく分からないが他の子以上に怖がりっぽい。耐えずふざけているが、それも怖さや間が怖いからのように思える)
成長後:町を出てITの事を忘れ、売れっ子コメディアンとして成功。

🧑🏻スタンリー・ユリス
少年時代:ユダヤ少年。通称"スタン"。
弱点:ITとの対決で、彼だけペニーワイズの中の「光」を見てしまう
成長後:町を出てITの事を忘れ、法律事務所経営者として成功。既婚者。

👦🏽マイク・ハンロン
少年時代:黒人の少年。子供の時から大人になっても一貫して昔から町に起きている児童失踪事件について調べている
弱点:(あまり描かれないのでよく分からない)
成長後:町を出なかったので一人だけITの事を覚えている。質素な図書館員になった(町に残った者は社会的に成功できない代わりにITの記憶が消えない)。再びITが活動を再開した事に気付いたので大人になったルーザーズクラブを数十年ぶりに招集する。

 

 


🤡ペニーワイズ / "IT"
本作の敵。ピエロの姿をした超自然的存在鋭い牙を持つ。
古来よりデリーに30年周期で現れ、その都度事故に見せかけて子供を殺していた。
幻を見せる。物体を動かす。神出鬼没‥など超常的な能力を持っている。
捕食対象は子供、相手が恐怖を感じる物の姿に変化する。
多感で夢を持つ子供のみに見え、恐怖を与えるほどに美味になる事から様々な幻で対象を充分に脅かしたあとで食べる。
彼に遭遇して生き残っても町を出れば彼の事を忘れてしまう。
相手が恐怖を感じれば感じるほど強くなるが、ペニーワイズを恐れず勇気を出して反抗されたら相手が子供だろうとあっさり倒される。
怖がれば怖がるほど手強くなり、怖がられなくとどんどん弱くなるというのが面白い。
そのためか彼が殺すのは怖がりやすい子供ばかり。
我々が「怖いもの」や、「遠回しにしている厄介事」などを擬人化したキャラクターだと思われる。
顔がめちゃくちゃ怖い。洗濯物の所に現れる冒頭の登場シーンが一番怖い。
元々カリスマ的な人気のホラーキャラだったが近年、ニコニコ動画で流行し日本でも有名になった。

🧑🏻ヘンリー・バウワーズ
弱虫クラブの子たちをいじめていた、いじめっ子グループのリーダー。子供たちの現実世界での敵。幼少期ペニーワイズに遭遇し、仲間が全員ペニーワイズに食われて発狂する。イケメンだったが精神病院に入れられてる間に異常に老け込む。
弱虫クラブが結集した後、ペニーワイズに操られ弱虫クラブを殺しに来る。彼の精神は少年時代に死んで後はずっと狂ってるだけなので、意地悪ないじめっ子だったとはいえ可哀相な気もする。

 

 

 

🎈前編
主人公達はデリーの町を出て成功して40歳過ぎの大人の男女7人。
一人だけ町から出ずにデリーに残った黒人男性マイクは少年時代に出会った悪魔「IT/ペニーワイズ」の復活を知り、かつての仲間達に数十年ぶりに電話して呼び寄せる。
町を出たかつての子どもたち‥「弱虫クラブ」の記憶からは「IT」の事や子供時代の記憶は全て消えていたが、マイクからの電話で全て思い出す。
どうやら「ITに遭遇したまま大人になって町を出ると社会的に成功する」らしい(そして、その代わり記憶から「IT」の事は消えてしまう)
この前編は、そこから先は彼ら「弱虫クラブ」の回想で構成されている。
そして回想が繰り返される度に時制が進んでいき、ペニーワイズに悩まされ続ける少年少女たち。だが警察に「ピエロの姿の悪魔が殺しに来る」なんて言っても無駄だ。‥自分たちで殺すしかない!
前編のクライマックスで弱虫クラブは遂にペニーワイズと対決する。
団結心と挫けない心でもって酸や純銀の弾を喰らわせてペニーワイズにダメージを負わせて撃退に成功する。
と言っても別に「銀が弱点」だったわけではなく「吸血鬼や狼男は銀の銃弾に弱いからITにも通用するに違いない!」と考えた子どもたちの「ITを恐れない思い込み」の力がダメージを与えたんだろう。
ペニーワイズを倒した時、スタンだけはペニーワイズの体内から漏れる光の中を覗いてしまう。
そしてペニーワイズは死んだわけではなく休眠状態に追い込まれただけだった。
ITは30年周期で活動できるらしく、ちょうど皆が40歳を過ぎた現在がペニーワイズ復活の年だったのだ。
冒頭で収集をかけられた弱虫クラブが30年ぶりに集合する前に、スタンが自殺して前編は終わる。
スタンが死んだのはペニーワイズの内面の「光」を見た事を思い出したからか?
あの光がどういうものかはわからないが自殺しないと耐えられないほど絶望してしまうものだったんだろう。
前編でのペニーワイズは、子供たちが恐れているもの(怖いおじさん。いじめ。怖い親。社会の悪意。気持ち悪い虫)の擬人化に見える。
ペニーワイズの正体は「子供たちの内面にある恐れ」なんだろう(原作や「ダークタワー」を読めば原作者なりの正体があるらしいが、映画だけ見る分にはそんなの知らん)
「町を出て働き始めると忘れてしまう」などは正に我々の「子供時代の思い出」や「子供の時しかにしかない感覚」のようだ。
ホラー版「スタンド・バイ・ミー」って感じで普通に良い前編だった。
子供たちは友情でもって団結することによって勇気を出し、一度は、自らの恐れを撃退しかけたわけだ。しかし30年経った今、スタンがやられてしまった。
続けて、よく「前編は良いが後編はショボい」とよく言われる後編を観た。

 

 

🎈後編
ペニーワイズは、デリーに帰郷しようとする弱虫クラブのメンバーそれぞれに恐ろしい幻覚を見せデリーから追い出そうとする。
ペニーワイズもまた、かつて自分を倒した彼らの団結を恐れているのだろう。

スタンが自殺した事も知らず「弱虫クラブ」は集結。
30年ぶりに会うかつての仲間との同窓会状態でパーティする。
かつてベヴに愛の詩を匿名で送ったベン、その想いも30年ごしにベヴに届いた。
しばらく盛り上がっていたがペニーワイズが彼らに幻を見せて現実に引き戻される。
そして30年前の弱虫クラブ vs.ペニーワイズの戦いに巻き込まれて発狂して以来、精神病院に収容されていた、かつてのいじめっ子ヘンリーも、ペニーワイズに操られて病院を脱走し、弱虫クラブを殺しに来る。
この町は少し変だ、この街自体が『IT』だ」と、デリーの町の異常性を語る弱虫クラブは、解散してそれぞれが現在住む都会に帰ろうとする。
だが、かつてのリーダー、ビルの
このまま帰ったら一生おびえて暮らす事になる。僕たちの手で再びITを殺そう!
という言葉に影響された弱虫クラブ。ヘンリーによる襲撃で負傷したマイク、死んだスタン以外の5人でペニーワイズ狩りに出かける。
弱虫クラブ5人はペニーワイズと最後の対決をするため、子供の頃にITと闘った地下通路に行く。また30年前の戦いの時の銀の弾もマイクが拾ってくれており2発ある。
マイク以外の弱虫クラブは嫌な思い出がつまったこの町も、いつも一緒に居た仲間のことも全て忘れて都会で暮らしていた。そして数十年後に復活したペニーワイズと対決するために30年ぶりに結集した。
結局「IT」は「子供の頃こわかったもの」の象徴って以外にも「ついつい先延ばしにしたくなる厄介事」の象徴なのかもしれない。
それは誰にでも当てはまる。
人によっては「学校を卒業して社会に出るのが怖い大学生」だとか「親の介護が怖い中年」だったり「面接が怖い無職」とか「孤独死が怖いが結婚も怖い独身者」とか逆に「配偶者が怖い既婚者」とか「職場の上司が嫌い」とか様々だが、とにかく誰にでも悩みはある。愛する家族を持つ大金持ちの人気者だって「老い」や「死」からは逃れられない。
そう思うとペニーワイズは誰にでも心当たりのある悪魔だし、この「IT」はやはりジュブナイルと大人向けホラーが合体した良いストーリーだと言える。
僕は不評な後編もそこそこ楽しめた。‥が、やっぱり前編ほど面白くなかった。
観てみると不評の理由はわかった。
まあホラー版「スタンド・バイ・ミー」である前編の方がハイコンセプトかつキャッチー過ぎたというのもあるが、一番良くないのはペニーワイズは最後に蜘蛛の姿に変身するところだろう。
「蜘蛛が怖い」なんて誰一人として言ってないのに。
むしろ弱虫クラブが恐れてるのはペニーワイズそのものだろ。何でわざわざ怖くないものの姿になって出て来る?蜘蛛の姿で出るんなら、弱虫クラブ達が「蜘蛛によって仲間が殺されたトラウマがある」とかの前フリが必要だろ。
このオッサン(ティム・カリー)の顔が一番怖いのに

怖くもない蜘蛛のSFXなんかに金使って勿体ない。あと大人になった弱虫クラブ達も、あまりに魅力がない。
対決を経てペニーワイズはあっさり敗れた。
何しろ彼は子供達が勇気出すだけで敗北するほど弱い。ましてや自分を恐れない大人たちが束になってかかって来られたらペニーワイズに勝ち目はない。しかも彼らは「子供の心を忘れてない大人」だからITにして見れば一番苦手な相手に思える。
彼らが「やっぱり町に残ってITをやっつけるぞ!」と団結した時点でペニーワイズはすでに破れていたのだ。
後編の彼はちょっと弱すぎるな‥と思ったが、スタン死亡、マイク負傷‥など30年前より被害が大きいので一概に後編が弱いわけでもないか。

 

 

 

そういえば意外と良かったのは、ビルが病気の妻のリハビリのため自転車シルバー号で突っ走るラスト。
交差点で運転手達が車外に出て夫婦を取り囲むのは、夫婦を迷惑に思ってるからなのだが、遠景になるとまるで「夫婦を祝福してる人たち」に見えて画が粋だ。
この町は腐った町なのに、まるでビル夫妻の愛や弱虫クラブの友情によって町のネガティブさを少しだけポジティブに変えたかのように見える爽やかなラストだった。
良いラストだけど、弱虫クラブと関係ないビルの奥さんがラストを飾るってのはどうなんだって気がしなくもない。この役はクラブの誰かにすべきだったのではないか。
全部見て、傑作ってほどではないが、まぁまぁ楽しめた。
前半だけなら名作と言ってもいい。
だけど何度か言ったように、やっぱ後編があまり面白くないな。
そこは、今度作られる新作の大人編に期待しよう。

 

 


そんな感じでした

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『ボーダーライン』(2015)/巨大な暴力を目の前にした時の無力感と不思議な快感、同時に我にあり💀

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原題:Sicario 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 脚本:テイラー・シェリダン
製作国:アメリカ 上映時間:121分 シリーズ:「Sicario」シリーズ

 

 

 

もうじきハードSF「メッセージ」、そして秋に「ブレードランナー 2049」が公開されるヴィルヌーヴ監督の、去年話題になってた映画。
どうでもいいけど監督のフルネームかっこいいな。
まず「主演がエミリー・ブラント、脇を固めるのがジョシュ・ブローリンベニチオ・デル・トロによる対メキシコ麻薬カルテル映画」という時点で渋すぎる。
にも関わらず「何か地味そうだな」と思ったり、渋さを通り越してひたすら地味だった上にどうしても肛門の事を思い出してしまう映画「シリアナ」と本作の原題が似てるな‥とか思ってしまい観るのが延び延びになっていた。
この監督の映画は今んとこ「複製された男」だけしか観てない。
だから凄い監督なのか凄くない監督なのかまだよくわかんないんだけど、一つ言えるのは画面や演出が異常にカッコいいということ。

 

Story
FBIの誘拐即応班を指揮する女性捜査官ケイトエミリー・ブラント)。
彼女は活躍が認められ、メキシコの麻薬カルテルソノラ・カルテル〉の壊滅と最高幹部マヌエル・ディアスの拘束という極秘任務を帯びた特殊部隊にスカウトされる。
こうしてリーダーの特別捜査官マットジョシュ・ブローリン)やコンサルタントとしてチームに同行する謎のコロンビア人アレハンドロギレルモ・デル・トロ)と共にメキシコフアレスに向かったケイト。
そこで待っていたのは正義や法の手続きなどが一切通用しない暴力のみが支配する地獄だった――

 

 

 

冒頭
映画が始まるとFBIの女性捜査官ケイト(エミリー・ブラント)と部下3人が突入の準備している。
犯罪ものというより、まるでJホラーみたいな「ドン‥ドン‥ドン‥」という俺が好きな深刻なBGMが鳴っていて、映画が始まって数秒で「これ面白いかも」と思う感覚を久々に感じた。
メキシコ人犯罪者たちのアジトに突入して、人質を解放したいらしい。
突入用の車輌でアジトに突っ込む!そしてアジト内にいた犯人を射殺。
犯人が撃った壁の穴を見た隊員が「何だこりゃ‥」と言う
十数人分の腐った死体が壁の中にあった。
右にも死体、左にも死体、どこもかしこも死体だらけだ!(「LOFT」トヨエツ)
人質を殺すにしても、こんな事しても何の意味もない。
かといっても犯人たちは異常者などではなく合理主義者っぽい雰囲気だった。
人間、理由がよくわからないものは怖いので怖くなってくる。
この無残な死体が意志を持ってるかのようにちょいちょいアップになるのも怖い。
メキシコマフィアがよくやる、見せしめ死体か?
とか思ってると、倉庫を調べていた部下2人が爆弾でバラバラになって吹っ飛んだ!
アジトにいて無事だったケイトもフラフラしながら立ち上がると、怖ろし気なBGMと煙の中に爆死した部下の腕が落ちている。めちゃくちゃ禍々しい!
カットが変わるとケイトがシャワーを浴びている。

ケイトの頭からドロッと血が流れてビクッとする。
部下を2人同時に亡くした彼女の心痛のようにも見えるし、子羊が羊水の中から生まれている様にも見える。
‥という麻薬カルテルの得体のしれない恐ろしさを短時間で描いた冒頭が最高だった。

 

 


第一幕
ケイトは、CIA特別捜査官マット(ジョシュ・ブローリン)に呼ばれる。
「メキシコの麻薬組織ソノラ・カルテルの壊滅」と「最高幹部マヌエル・ディアスの拘束」という極秘任務を帯びた特殊部隊にスカウトされた(ついでに部下レジーも)。
コンサルタントとしてチームに同行する元検察官だという怪しいコロンビア人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)も一緒だ。
ケイトはメキシコのフアレスに連れていかれる。
メキシコの例の景色が登場(マフィアに首を刎ねられた全裸死体がぶら下がっている)
マットとその部隊のものは一般人がいる道路で、威嚇射撃の段階でメキシカン・マフィアを撃ち殺したりするし、尋問ではモロに拷問しまくる。
というか部隊の中に敵が混じってるのかどさくさに紛れてケイトを撃とうとする奴とかもいる。
アメリカの常識が通用しない所に来た事を実感するケイト。
この序盤の展開は、ケイトの一般人目線を通して「メキシコに連れて来られた捜査官」ライドとなっていってグッと引き込まれる。
マットたちの激しい捜査も一から十まで説明したりしないので好奇心を刺激される。

 

 


第二幕

マットやケイトたちはマヌエル・ディアスを追っている。
隠し金を抑えるが、こういった事でマヌエルを逮捕してもすぐ弁護士に釈放されてしまうという。
マットは「マヌエルはメキシコに帰還させる」と言う(メキシコに帰って来させて自分達で暗殺しするという意味か?)
ケイトとレジ―がバーで寛いでいると、そこへレジーの友達(同僚?)の男がいた。
「フューリー」で男同士の友情のアテに占領地の少女を苛めてた役の奴、ドラマ「デアデビル」でパニッシャー役の人、ミリタリーものには必ず出てくるアイツ。こいつは要注意。
このパニッシャーはケイトとベッドインしかけるが、マフィアストラップを持っているという間抜けな理由でマフィアの一員だという事に気付いたケイトを絞め殺そうとする。
想像通り女子供を本気で殺そうとする悪人だった(この人こんな役ばっかだな)
マットが現れて逮捕する。マットはケイトを囮として泳がせていたのだ。
マットとアレハンドロ(デルトロ)はパニッシャーを拷問して彼の妻子の無事を約束して、捜査官内に入り込んでる敵の名前を吐かせる。
ケイトは冒頭からずっと善悪の”ボーダーライン”を目の当たりに見せられて戸惑うばかり

 

 


カッコいい画面。美しいエミリー・ブラントや共演者

また、やっぱりこの監督の画作りが凄いのか、ただ単に自分のツボにはまったのか、何でもない場所のカットが一々カッコいいので場所が変わる度にスクショしてしまう。こんなにスクショしてしまう若手監督は他にジェームズ・ワン一派くらいだわ。
空撮や只の駐車場ですらカッコいい。ブレードランナー2049が楽しみになった。
エミリー・ブラントも元々好きだが美しかった。デルトロやジョシュブローリン、相棒のよく知らない黒人までもがカッコいい。
エミリーブラント演じる主人公はちょっと捜査官なのに華奢過ぎたり、性格が無垢な少女すぎる気もするが、まあ面白いからよし
この監督なのか撮影監督が自分と合ってるのかわからないが、いちいちツボにはまるものがある

 

 


第三幕。 メキシコ麻薬カルテル映画の、巨大な暴力を見た時の
無力感と妙な快感
マット達は、いよいよ麻薬カルテルとマヌエルへ殴り込みをかける。
マットが、何も知らないケイト達を雇った理由、アレハンドロの正体と目的、そして冒頭からずっと出ていた町の警官など全ての結末が描かれる。
第二幕までは如何にもアメリカ映画的だったが、第三幕の展開はヨーロッパ映画的に感じられて意外性あった。
リドリー・スコットの、エイリアンやブレランと同じくらい好きな傑作「悪の法則」では麻薬カルテルの、まるで宇宙の悪意が一点に結集したかのような途方もない恐ろしさを描いていた。
主人公がここまで何も出来ないのは驚いたが、まともな感性の持主なら太刀打ちできない無力感を醸し出す存在でしかなった。
本作も、そうなのかと思ってたが本作は逆に、麻薬カルテルに対抗する側の恐ろしさを描いた映画だった。
ところで、麻薬カルテルもそれに対抗する側も怖ろしいが、そういった巨大で、それに巻き込まれると抗いようがなく滅ぶしかない巨大な暴力を見せられると、逆に妙な快感もある。
クトゥルー神話に感じるような、大海原の巨大な大渦を見た時の様な恐ろしさ。
同時に自らの無力感。
そういったものに巻き込まれるのは絶対に嫌だが、目にすると不思議な快感の様なものを感じるのもまた確かだ。
そしてそれは遠いメキシコだけの話だけではなく我々が住む地上の僅か薄皮一枚下に流れている、我々と僅だがずっと繋がっているものだという事を忘れてはいけない。
「面白い」か「つまんない」かとか以前に、パワーのある映画だった。
デル・トロも今までで一番良かった。
他の監督だったら多分デルトロを主人公にしてエミリー・ブラントは可愛いアシスタントって感じの配役にしてたんだろうな。

このブログ始める前だったから記事がないが、また「悪の法則」観て感想を改めて書きたいと思った。ブレードランナー2049も楽しみになった

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

 

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作〉
『複製された男』(2013)/凄いのか凄くないのか判別が困難な映画👨👨 - gock221B

『メッセージ』(2016)/異星人との触れ合いは楽しかったがそれよりもラストにあるSF要素にもっと時間取った方が良かったのでは?👽 - gock221B
『プリズナーズ』(2013)/この監督作でこれが一番おもしろい🧑🏻👨🏻 - gock221B
 『ブレードランナー 2049』(2017)/デッカードを出さず前作との繋がりがない方が良かったような……🤖 - gock221B
『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)/最後の5分くらいまでリンチのデューンの方がマシだと思ってたけどラストは凄く良かったです🐛 - gock221B

 

シェリダン脚本or監督作
「ウインド・リバー (2017)」現実にある地獄の土地を舞台にした現代西部劇。今年一番面白かったかも‥⛄ - gock221B
「BOUND9 バウンド9 (2011)」ウインド・リバーの監督デビュー作のトーチャーポルノデスゲーム✂ - gock221B

『モンタナの目撃者』(2021)/「ウインド・リバー」同様、異常に小物で追い詰められた敵の描写が最高🔥 - gock221B

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Sicario (2015) - IMDb

www.youtube.com

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「21ジャンプストリート(2012)」「22ジャンプストリート(2014)」フィル&クリス/控えめに言っても最高

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フィル・ロードクリストファー・ミラーのコンビは「くもりときどきミートボール (2009)」「LEGO(R)ムービー (2014)」の監督。どっちも傑作だった(くもりときどきミートボール」は当時、女の子を誘ったらタイトル聞いて「どんだけ可愛い映画観ようとしてんの!w」と笑われた
「レゴバットマン ザ・ムービー(2017)」はまだ観に行けてないが観た人が皆「映画としてもバットマン映画としても最高」と大評判だし傑作っぽい
そんで2人は今、スターウォーズの若い頃のハン・ソロのスピンオフを撮っている。
ところでフィル&クリスが監督から外れた続編「くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密 (2013)」は、一作目の感動を全て忘れそうになるほどの駄作なので注意。


"Jump Street Film Series"
そんなフィル&クリストファーの今んとこ唯一の実写映画。
本シリーズは、80年代後半から90年代初頭にかけてジョニー・デップが主演していたTVドラマシリーズの映画リメイクらしい。
このシリーズは観よう観ようと思いつつ先延ばしにして観てなかったので続けて観た。

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「21ジャンプストリート(2012)」
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原題:21 Jump Street 監督:フィル・ロードクリストファー・ミラー
製作国:アメリ 上映時間 110分

高校時代、アホだがイケメンで人気者だったジェンコチャニング・テイタム)。
優等生だが
デブでイケてなかったシュミット(ジョナ・ヒル)。
7年後、2人は警察学校で出会い友達になり警官となる。
2人は、青年犯罪を撲滅するために高校に潜入して活動する犯罪特別捜査課「21ジャンプストリート」に配属される(アホの2人がここに配属されたのはただ若く見えるからというだけの理由)。
指揮するのはディクソン警部(アイスキューブ)。
2人は高校に潜入し違法薬物を生徒にさばいている奴を探る。

ジェンコチャニング・テイタム)はアホだがイケメンなので、オーバードーズで死んだ生徒が入っていた演劇サークルに入ってクールそうな奴から薬物取引の情報を得る。
シュミット(ジョナ・ヒル)は成績優秀だったが童貞なので、科学サークルに入って薬物精製の情報を得る。そういう指令だった。
ここまではポスターとか見て想像つくストーリーで、そんな映画いっぱい観てきたのであまり観る気分が高まらなかったのがある。
だが二人は自分たちの仮名を忘れてしまい、お互い逆の役目を演じる事になる。
ジェンコチャニング・テイタム)は苦手な化学サークルに入ってしまい、シュミット(ジョナ・ヒル)も苦手な演劇サークルに入ってしまう。
本来うまくいかないはずだが、2人が高校に通っていた10年前よりもハイスクールの風潮が変わっているのが面白い。
10年前は、クールとされていたマッチョで荒っぽいジェンコはポリコレを重んじるクールな売人に只の無神経で時代遅れのマッチョと見なされ仲良くできない。
一方、ソフトな物腰のシュミットは逆に売人と仲良くなる事に成功。
シュミットは売人グループ潜入に成功、薬物を押収しまくる。
それに演劇部のモリ―(ブリー・ラーソン)に一目ぼれして段々仲良くなっているし、どんどん楽しい高校生活にハマっていく。
一方、周囲に上手く溶け込めないマッチョなジェンコは、最初はバカにしていた化学サークルのオタク勢と仲良くなりスターウォーズごっこしたり売人の盗聴したり化学に詳しくなって爆弾作って遊んだりしてエンジョイする。
前半は、面白いけどよくあるコメディの面白さだったが、この色んなクラスタがシャッフルされる中盤は観る前の予想と違ってめちゃくちゃ面白いので一気に引き込まれた。
そんで、サプライズとかシュミットの恋の行方とか銃撃戦が、2人は現役時代に行けなかったプロム・パーティでクライマックスを迎えて見事なラストで終わる。
控えめに言ってもめちゃくちゃ面白かった。

ギャグとかネタは書くとおもんないしキリない
のでやめるが、ドラッグ(LSDかな)できまると有名海外ユーチューバーみたいな画面になったり、
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体育教師(ロブ・リグル)が異常にチャニング・テイタムに執着してるのが可笑しい
チャニング・テイタムのアホキャラは、他のコメディだったら十中八九大暴れしそうなポジションだが、意外と終始冷静な良い奴だったのが新鮮だった。
その代わり本来なら賢くておとなしいジョナ・ヒルがずっと暴れていた。
そしてチャニング・テイタムはちょくちょく厭世的で悲しそうなキメ顔をしてるのがギャップで可笑しい。
それにしてもアメリカ映画のホームパーティによく出てくる、洗面器大のボウルにカクテルを入れまくってるやつ‥絶対に汚い!

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「22ジャンプストリート(2014)」

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原題:22 Jump Street 監督:フィル・ロード クリストファー・ミラー
製作国:アメリカ 
上映時間 112分

前作では、原作での主人公ジョニー・デップがカメオで助けに来てくれたし、高校での潜入任務を成功させた前作。
アイスキューブ「次は大学に潜入だ!」で終わった前作。

前作と全く同じタイムテーブルで事が進んでいく。
そんでもって前作起きた出来事とは起こることが全く同じだったり正反対になってたりスカしたりして飽きさせず進んでいく。
作品内でも警察署長に「前回と全く同じ事をしろ!」と何度も言われたりとか、メタ的なギャグやセルフパロディなどが多めだった。
それでいて作品にかけられた予算が増量してるという‥まさしく正しい続編って感じ。
何度も観返すような映画じゃないけど、21も22もとても面白くて満足した。
ジョナ・ヒルが付き合う女子大生がアイスキューブの娘だったりする展開も楽しい

ギャグとかは例によって字で書いてもしょうもないのでやめとくが、
前作の真犯人(ロブ・リグル)が一瞬出てきて、やっぱりこいつはめちゃくちゃ面白かった。
このオッサンが前作チンコを吹っ飛ばされたから女性器を取り付けたとニヤリとして言い、一緒に捕まったイケメン生徒に向かって「俺はお前のクソビッチだ!」と何度も絶叫するところはめっちゃ笑った。
普段「映画観て笑った」と言う時は、せいぜいニヤリとするかふふっ‥と言うぐらいだが「‥ハハッ!!」とかなりでけー声で笑う自分に気づき「今の笑い声って俺?」と自分自身の声に驚いた。
このロブ・リグルのキャラと演技の狂人ぶりは、めちゃくちゃ面白い。
21も22も、主役の二人が他の生徒に「どう見ても40歳にしか見えないんだけど‥」と何度も言われるのも可笑しかった。
後は「ジャンプストリートシリーズが延々と続く」という体のエンドクレジットが見事

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このエンドクレジットだけで本編と同じくらい価値あるね。
欠点というほどの欠点じゃないけど、ここまでメタ的なギャグや自己言及ばっかり多いと、もはやフィクションというよりコントを見てる感じがしてお話自体にのめり込む感じは薄かったことくらいか。
だけど、これは素面で真面目に観る感じの映画じゃなく、本当は酒飲んで友達と観るような映画なんだろうし、そんな事を言う方がしょうもない気もするからやめとこう。

それにしてもこの2作で殆ど初めてチャニング・テイタム観たけど凄い魅力あるな(あとはヘイトフル・エイトのチョイ役でしか知らなかった)。
男だけど、女性に大人気の男性ストリップ映画マジック・マイクも観ようと思った

そんな感じでした

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)/元々スパイダーマンの運命が好きじゃなかったからマイルスが抵抗するのは嬉しい。内容もクオリティも良いんだけど一つ一つの場面が長くて疲れた🕷 - gock221B

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ 21 Jump Street (2012) - IMDb
22 Jump Street (2014) - IMDbwww.youtube.com
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『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)/ゴジラよりコングの方が好きかも🦍

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原題:Kong: Skull Island シリーズ:モンスターバース 監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ 脚本/原案:ダン・ギルロイ 制作会社:レジェンダリー・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:118分 シリーズ:モンスターバース。「キングコング」シリーズ

 

 


理由は自分でもよくわからないが昔から怪獣とか巨大生物ものに全く興味ないのだが、これはかなり面白かった。
シン・ゴジラの2倍面白かったし、ギャレスゴジラと比べると10倍くらい良かった

 

 

Story
泥沼のベトナム戦争終結を迎えつつある1973年
南太平洋上に未知の孤島が発見され、米国政府特務機関〈モナーク〉によって編成された調査隊が派遣される。リーダーを務めるのは、ジャングルでのサバイバルに精通した英国陸軍特殊空挺部隊の元兵士コンラッドトム・ヒドルストン)。メンバーはベトナム帰りの米軍ヘリ部隊を率いるパッカード大佐サミュエル・L・ジャクソン)と米軍兵士達、カメラマンのメイソンブリー・ラーソン)や研究者達など。
しかし調査のために爆破を繰り返す一行の前に突如、あまりにも巨大な生物キングコングが現われ、ヘリコプターを次々と撃墜し始める。
その圧倒的な破壊力に為す術もない人間たちは、この恐るべき生物から逃げ延び、一刻も早く島から脱出すべく決死のサバイバルを繰り広げるのだったが――

 

 


人間たちが髑髏島に到着して爆弾をボンボン落としていると、野球のボールで窓ガラスを割られた雷オヤジの様に怒り狂ったコング氏が現れて全てのヘリは撃墜される。
「ヘリなんだから一機やられたら残りは飛んで逃げればいいじゃん」と思うが全てやられてしまう。まあ巨大ゴリラが現れて完全にパニクって操作不能になったんだと思っておこう。
生き残った人間たちは逃走して脱出しようとするわけだが、そこからは10分に一回くらいの割合で巨大生物が出てくる。
人間達が巨大生物に襲われたり、また別の場所でコング氏が良い巨大生物もをボコボコにしてたりして飽きさせない。良い巨大生物もいるし。
ゴアシーンもエロシーンも無いからお子さんに見せる事を想定するとかなり男児に見せるのが丁度いい映画だった。
怪獣映画って、怪獣が殆ど出てこなくてもつまんないし出しまくってもつまなんなかったりするので、これだけポンポン出して面白いというのは結構難しいんだろうな。
ベトナム戦争映画も好きなので随所のベトナム戦争映画っぽい描写もよかったです。コングをベトナムになぞらえてかベトナム戦争時のアメリカ批判っぽい描写もあった。
本作のラジカセは不死身で、コングにヘリを全て破壊され総員の半数が殺された後ですらデヴィッド・ボウイを流して楽しんでいた。それにしても近年の映画にボウイが流れる率、高すぎる。
しかし女性カメラマン(ブリー・ラーソン)が、やたらとジブリっぽくコングや巨大牛に接する場面は何だか「こんな場面はあまり観たくないかな‥」と少し思った。
他にもサミュジャクや鬱っぽい自爆兵が狂っていく様の描写が足りなかったが、じっくり描く時間ないし全体的に面白かったので別にいい。
何か一瞬で映画が終わった気がした。

 


コング氏は現代社会では失われた良い意味での男らさを持ったキャラクターだった。
今までキングコングといえば、やたらと金髪美女好きのスケベゴリラってイメージだったがこのコングは紳士的だった。子供の頃、コングがやたらと女に固執してお人形さん遊びする様がいやらしくて嫌だったが、ブリー・ラーソンには優しく接してて好感が持てた。
その癖、彼女がピンチになると助けて去っていくヒーロー要素もあった
コング氏の強さだが、強い事は勿論強い。道具を使ったり人並みの感情が見て取れたりしてOQもかなり高いと思われる。
だがヘリの射撃やナパームで怪我や気絶したりもするので「これじゃ、ゴジラ放射能熱線喰らったら勝ち目ないじゃん」と心配になった。髑髏トカゲも結局人間たちとの共闘で倒したようなもんだったしね。
まあゴジラと対決するのは劇中時間で何十年か後なので、それまでにはもっと成長したり突然変異かなんかで強化されるんだろう、きっと。
💀コング以外の巨大生物は、コング一族の宿敵だったという設定の髑髏トカゲ、こいつ一体どういう生物なんだろうと気になる。
この監督は日本のアニメが好きらしく大人しい巨大牛は凄くジブリっぽいし、巨大蜘蛛は見た目も捕食方法もエヴァマトリエルっぽかった。
また中途半端な大きさの翼竜とか、うまそうな巨大タコや枯れ木に擬態する巨大昆虫とか、どれもかなり漫画っぽいモンスターばかりで気に入りました。
巨大ムカデとか巨大ゴキブリみたいな気持ち悪いのは出さずにいてくれて助かった。
やっぱり日本産の「怪獣」とアメリカ産の「巨大生物」はノリがかなり違うね。日本の怪獣をアメリカン巨大生物に変換して失敗したのがエメリッヒ版ゴジラだったんでしょうね。

 

 


怪獣映画は、怪獣が出てこない人間ドラマが退屈になりがちだが、本作は登場人物のキャラ立ちがどれも良くて人間ドラマが面白かったのも良かった。
主人公トム・ヒドルストンも彼自身は凄くカッコよかったのだが、あまりにも背景が無いクールキャラだったのでこの面子の中ではキャラが薄かった。
ジョン・C・ライリーは本当の主人公って感じでめちゃくちゃ良かったし、キングコング絶対殺すマンと化したサミュエル・L・ジャクソンも、いつものように怖くて良かった。
黒人眼鏡の科学者が、コング氏を殺そうとするサミュジャクに対して「島の生態系が崩れる」と熱弁する様は、理屈もわかりやすいし地味に名シーンだった。
ただ科学者の中国人女優は浮いてた気がしたのは気のせいか?
一人だけ顔や服がいつまで経っても全然汚れないのも気になったし「君は、この面子に混じれるタマか?」という違和感があった。
あとブリー・ラーソンがめちゃくちゃ良くて驚いた。
何かある度に、パーツが顔の真ん中に寄ったゴリラみたいなビックリ顔になるのだが、この顔の魅力が高すぎて目が離せない。それは「美」とは離れた造形なのだが、魅力値が美を飛び越えてて凄く好きだと思った。
顔の圧が一般人の数倍はあるので「この圧はアカデミー主演女優賞の表現力ってことなのかな?」とも思った。
まあそういう金の取れる顔ぶりはサミュジャクとかジョンCライリーとかジョン・グッドマンとかロキ様も同じ事だが彼らはもう知れ渡ってるし、そもそもオッサンというのは顔面力が若い女性より高い。そんなおっさん達に対抗できるブリーさんの顔面力はすげーと思った。
あとMCUキャプテン・マーベル」の準備のせいか身体がヒーロー体型に出来上がりかけてて身体もめちゃくちゃカッコいい。
意外とグラマーでもあったし、映画の経過時間と共に、上着着てる→タンクトップ→タンクトップ+パイスラ‥このように乳の見せ方の形態を、闘いと共に使い終えた装備をどんどん捨てていくフルアーマーユニコーンガンダムの様にどんどん変えていた。展開と共に女性の性的魅力も上げていってる。
この女性的魅力で最強のコングを味方にしたのだから冗談ではなく彼女の露出が上がるにしたがって彼女の強度も高まってると言える。
それにしても、こんな得体の知れない島でタンクトップ姿だとシャレにならん蚊とかに刺されそうで怖い。
そんな感じで出し惜しみしない怪獣達や人間達のキャラ立ち、そしてベトナム戦争映画感など、怪獣にあまり興味のない僕も楽しめました。
しかし、このコング氏ではゴジラにとても勝てるとは思えない。ここから現代になるまで何かの影響を受けて更にデカくなるとかするのかな?

 

 


そんな感じでした

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Kong: Skull Island (2017) - IMDb

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