gock221B

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「コロニア (2015)」実在した狂った教祖や施設や軍部へムカつきすぎて二時間”殺!”の感情に支配される映画

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原題:Colonia 監督&脚本: フロリアンガレンベルガー
製作国:ドイツ/ルクセンブルク/フランス 上映時間 110分

 


Huluで配信されてたので単純に「可愛いエマ・ワトソンが活躍する真面目な映画がみたいゾ」という感じで観た結果、実在した拷問施設について知れて、ただただその真実に対してムカつくという感じになった

 

Story
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ドイツ人CAのレナエマ・ワトソン)は、フライトで訪れたチリで、現地に滞在するドイツ人活動家の恋人ダニエルダニエル・ブリュール)との束の間のデートを楽しむ。
ところが突如、チリ軍部によるクーデターが発生、ダニエルは反体制勢力として捕らえられてしまう。
ダニエルの行方を捜すレナは、やがて彼が“コロニア・ディグニダ(尊厳のコロニー)”という謎の宗教施設に監禁されていることを突き止める。
そこはナチスの残党パウルシェーファーが作り上げた、カルト教団が集団生活をする脱出不可能、生還率0.01%の要塞だった。
それでも愛するダニエルを助け出したい一心で、信徒のフリをして危険な内部への潜入を敢行するレナだったが…。

そんな話

 

 

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メインストーリーだけ抜き出すと「勇気あるエマ・ワトソンが、狂った宗教組織の要塞に単身侵入して囚われの彼ぴっぴ救出」というシンプルなもの。
この主人公2人はフィクションだが、それ以外は全て本当にあった人物や施設を描いたもの、多分ここが一番描きたかったんだろう。
子供の頃にこの施設のことを知ってムカついてもっと世界に知らしめたいと思った監督と、その事実も知らしめたかったのだろうが「ごく普通の女性が男性を救いに行く」というプロットを気に入ったに違いない最近フェミニズム運動にも力を入れているエマ・ワトソンの狙いが合致した映画だろう。
見てるとなかなか辛いものがあるので、例えば主人公の女性がローラ・ダーンとかだったら「うわっキツ‥」と思って多分観てないので今一番強くて可愛いエマ・ワトソンを主人公にしたのは正解だろう。その狙い通りまんまと観て「許せん!」と監督の狙い通りはめられた。
エマ・ワトソンの彼氏役ダニエル・ブリュールは「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でのヴィラン、ジモ大佐、「イングロリアス・バスターズ」でヒロインに恋するナチ将校役を演じてた、ネコ科の動物を思わせる顔をしたあの俳優。
彼は囚われた後、警戒されないように知的障碍者のふりをし続けてサバイブする。

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この映画に出てくる酷い有様のチリ軍やチリ・クーデター、ナチの残党パウル・シェーファーが政府と結びついて少年をレイプしまくってた事や、2万8千人の信者や連れてきた気に入らない者を拷問し3千人を殺した悪夢の拷問要塞“コロニア・ディグニダ”などは全て実在したものだと知った。
この要塞は大勢の警備やトラップなどで固められており40年間で脱出に成功した者はたったの四人しかいないらしい。
そもそも狂った最高権力が、元ナチの狂った教祖と手を組んでるのだからこれはもう酷いとしか言いようがない。
シェーファーは、チリ軍部の後ろ盾を得て、ナチスでの経験や洗脳技術、人心掌握術などを使い、少年を犯しまくりながらやりたい放題できる施設に君臨した。
ちなみに狂ったチリ軍部は、シェーファーに目障りな反乱分子を殺させたり、毒ガスを作るための人体実験を依頼したりする。つまり狂ったお互いが、お互いに協力しあう事で、より狂ったお互いに鳴るための狂った機械となっているのだから最悪としか言いようがない。
コロニア内での信者たちの管理。コロニアは何十年も存在していたせいか、信者はものごころついた時からコロニアにいてここで育った者が大勢いる。もしくは主人公の彼氏のように連れて来られた奴を拷問、洗脳して信者化したりしていたようだ。たとえ洗脳されなかったとしても二度と外へ出ることも連絡することもできない(もし外部と連絡できたとしてもコロニアは政府と結びついているので盗聴されているし警察や軍も全てコロニアの味方なので無駄)。つまり施設に足を踏み入れてしまっては一生脱出できないのでただの奴隷と一緒だ。
本作を観ていると洗脳されてない者もいるが、どうしようもないので仕方なく従っている。
教祖シェーファーは、児童の合唱や少年愛+ペドフィリアという趣味を持っていて、施設にいる年端もいかない児童を犯しまくったらしい。
本作でもある。少年たちに合唱させて「今朝は君と君、君‥」と男児を3人選んで風呂場で犯しまくる‥直前にカットが変わるシーンがある。
またシェーファーは、信者たちを徹底的に愚かで取るに足らない卑小な者として扱い、罵声や暴力で信者の自信や尊厳を奪い取る。だがシェーファーは「君本人が悪いんじゃない!君の中に入った悪魔のせいだ!」という名目で信者をボコボコにする。つまり「自分は殴りたくないが、君の中の悪魔を追い出すために殴るんだ」という理屈で自分の聖人性を損なわず、信者の怒りが自分に向かないようにしている。
そういった暴力や、毎日、信者たちに飲ませている薬でもって反抗心を奪っている。
信者に、自我や自由意志が生まれることを徹底的に阻止しようとしている。
また信者を管理するリーダーもまた信者で、リーダー信者が信者たちを上手くまとめられないと、やはり教祖にボコボコにされてしまう。
男性信者に恋する女性信者が現れたら「娼婦の臭い匂いが取れない」という理由で「男の集会」という教祖と男性信者の会合に連れて行かれ、悪魔を追い出すという名目で教祖にボコボコにされる(映画内で描写されてはないが多分、男性信者に輪姦させたり殴り殺されるっぽい)
教祖シェーファーは、信者同士で監視し合わせ、下手を打った信者(つまり人間らしい普通の感情を抱いた信者)がいたら他の信者に拷問させて始末すると共に彼らのストレスを発散させたり保身させたりする。北九州の監禁事件など大勢を監禁する時の仕組みと同じ構造だ。
‥というかコロニアの説明を書いてるうちに「何だか、我々の社会もコロニアと同じようなものでは?」と思えて暗い気持ちになってきた。監視しあって叩き合ってるからね。まあ多かれ少なかれ大勢の人間を支配しようとしたら、相互監視やどんぐりの背比べさせ適度なガス抜きを与える‥というのは政府も宗教も犯罪一家も全部一緒なんだろうね。
コロニアで男と女は一生、別々に暮らす。だが極たまにどこか(納屋とか)で男性信者と逢引して妊娠する女性信者もいる。
その場合、生まれた子供は普通に殺されるか、もしくは男だったら教祖シェーファーが犯す目的で育てたりする。

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‥と、感想を書こうとしてもコロニア・ディグニダの描写についてが殆どになってしまう。それが言いたい映画なのだからそれでいいのだろう。
それ以外に何があるかというと賢く美しいエマ・ワトソンが頑張る姿を応援するしかない。
ちなみに上記は、映画を観てわかった事だけを書いている。僕は無学無知でコロニアどころかチリ・クーデターすら知らないからね。
そしてこのブログは映画をぱっと観て「そうなんだ~」と思ったことだけ書いてるもので(レビューとか考察ではなく、ただの感想文)、もっと詳しく知りたい人は各自、検索するとか文献をあたってくれ。
コロニアに居た信者によると「大体こんな感じ」らしい。だがもっともっと酷かったそうだ。監督曰く「実際に行われたことをそもまま描いたらエグすぎて誰も観ないのでマイルドにした」らしい。
まあ、そうでしょうね。

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冒頭で主人公の彼氏が誘拐されて以降、狂った教祖や施設、自我を剥奪された信者たち、苦しむエマ・ワトソンと彼ぴっぴ‥の描写を延々と見せられるので「マイルドに描写した」と言われてもなおストレスが凄い。大人なのである程度の知識や想像力があるがために「実際は‥こんな感じかな」と実際はどうだったかをリアルに想像してしまい自分の中で実際の施設の酷さが次々と息づいてきてしまい、もう全編、この教祖や施設への怒りが次々と湧いてきて仕方ない。
今一番いろんな意味で強くて美くしいスターのエマ・ワトソンが頑張ってるだけでは追いつかないくらい腹が立つ。
「狂シェーファーや、この施設のことを知らしめたい」という監督や制作陣の狙いはバッチリ僕に届いたが、ムカつきの度合いが高すぎてフィクションを楽しむというのとは程遠い状態にさせられた。「ああ~このオッサン殺したい!殺してえ~」と鬼束ちひろのツイートのような感情が次から次へと湧いてきて「殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい!」「どんどん殺したくなってきましたよ」と、頭の中がシェーファーへの殺意で脳内が「」の感情のみで覆われてしまった。
まあそれも一つの楽しみ方だが、それならドキュメンタリーとかで良くね?と思ってしまったのも事実。
いや監督は、きっとコロニア内で悲惨な生活を強いらされていた気の毒な信者たちの魂を主人公2人に象徴させ、敢然と反抗させて脱出さらにシェーファーを追い込むトドメを刺させたかったんだろうね。
イングロリアス・バスターズ」みたいに、史実を正義寄りにしてオリジナルキャラに実在の狂人をブッ殺させる!というやり方もある‥が、ヒットラーほど有名じゃないシェーファーでそれやったら観た人たちがスッキリしてしまいコロニアの事とかを忘れちゃうからダメか。
ちなみに史実だから書いちゃうけどシェーファーは逮捕されるが、シェーファーと結びついて好き放題していた狂ったチリ軍部は「シェーファーとか知らん」と知らんぷりしてトカゲのシッポ切りして存続し続けた‥と「全編で描いてきた狂ったシェーファーは氷山の一角で、この国の軍部そのものが悪だった」という嫌な結末を最後に突きつけられて嫌~な気分になる

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こういった「狂った変態教祖シェーファー」「狂った政府」「他の信者を管理したり暴行する自我を失った信者」のような奴らを見て、異常にムカつくというのは(当然のことながら)自分の中にもそういった部分があるからなんでしょうね。
さっきもチラッと言ったけど、(大袈裟に言うと)コロニア内部の教祖と信者たちの関係がどんどん日本社会にも見えてきたし、自分の性的欲望に対して最高権力が味方して「君の好きなエロ施設つくっていいよ」と言われたら、各人それぞれの狂ったエロ施設を作るんじゃないだろうか。そして自分たちが信者だったら「他の信者を殴らないとお前を殺す!」と言われたら平気で信者を殴るだろうし、シェーファーや政府を見てると他者としてムカつくだけではなく、その嫌な奴が自分の中にも居ることに気づいて二重に「嫌だなぁ」と思わされるわけです。
個人的な感情だが「自分の中にそういった悪は無い!」と思ってる人は、思わない人よりも数倍そういった悪が潜んでると思う。「無い」と思ったとしても‥まあ僕も自分がそこまで悪い人間だとは本気で思ってないけど、皆が「自分の奥底にそういった悪の部分はある!」という方向性で思う事が凄く大事だと思う。絶対に。

そういう感じで色々考えさせられました。
きっと監督とエマ・ワトソンの思うがままに考えさせられたんだろう。
エマ・ワトソン見たさに観たのに彼女のことを書く暇がなかった。
このヒロイン、あまりに恋人のために振るう勇気や意思が強すぎる気もするが、まあエマ・ワトソンは今一番強いので説得力はある。それに実際の歴史上、脱出した人が「40年間に5人だけいた」そうなので、あり得ない話でもない、と事実が後押ししてくれているのでまあいい。
ヒロインが信者のふりをしてコロニアに入居する際に、教祖に「服をはだけてみせろ」と言われて服をはだける。教祖はホモのペドなのでエマ・ワトソンの女体に興味はないが「娼婦の臭いがする」と貶めたいからやってるのだが、彼女があまりにも鮮やかで可愛いブラをしてたので「あまりにも鮮やかで可愛いブラ!」とつい前のめりになってしまった自分が恥ずかしい。いや、だけどそれは普通の感情だろう?
やばい、自分自身と会話し始めた。。
自分が狂いかけてるのを感じたのでそろそろ終わる
本作観ててあまりにムカつきすぎた。監禁とか暴力とか洗脳がテーマだとムカつきすぎて楽しくない。
ムカつき過ぎたので、観終わった後に現在公開中の続編が超高評価らしい「パディントン」を観た。これは「パディントンの声が思ってたよりオッサンだった」という事しか感想なくてあまり面白くなかった、続編は凄いのか?だからパディントンの感想は特に書かないが‥。まあパディントンの事はどうでもいいわ

 

そんな感じでした

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『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2014)/”中年と若者”じゃなく”純粋かそうじゃないか”という話?👨👦

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原題:Whille We're Young 監督&脚本&制作:ノア・バームバック
制作会社:A24 
製作国 アメリカ 上映時間 97分

 

 

 

この監督の映画はデビュー作「イカとクジラ (2005)」と二作目の「マーゴット・ウェディング (2007)」だけ当時観た。特に理由はないがそれ以来観てなくて存在を忘れてたけどhuluで見かけて、主演の四人とも好きな俳優ばっかだし観た。

割とネタバレしてます

 

 

Story
ブルックリンに暮らす40代夫婦ジョシュベン・スティラー)はドキュメンタリー監督で、成功した前作から8年経っても次回作が完成せずにいたし、その映画プロデューサーコーネリアスナオミ・ワッツ)は、なかなか子供が出来ない。お互い欲しいものを産み出すことができず、楽しく過ごしてはいるがもう若いわけでもないという焦りもある。
そんな彼らは、ドキュメンタリー作家志望ジェイミーアダム・ドライバー)と、そのアイスクリーム職人ダービーアマンダ・サイフリッド)と知り合う。
ジョシュ&コーネリアスは、若くて自由でクリエイティブな日々を過ごす彼らに夢中になり活気を取り戻す。
そんなある日、ジョシュはジェイミーのドキュメンタリー作品作りに協力するが――

 


前半は主人公の中年夫婦が若い夫婦と知り合って、彼らのクリエイティブな生活や怪しいグルのところで何やら薬物(吐いてたからサボテンだろう)を食って自己の拡大を図るのを楽しむ描写が楽しそうでいい。単純に若者の遊びを全力でやるのだから楽しいだろう。ジェイミーを怪しんでたコーネリアスも、親友のママ活に付き合ってると辛いので若者グループとつるむようになる。
主人公が自分より少し歳上なだけだし、僕はアクティブな人間ではないので昔からジェイミーみたいな人とばかり仲良くなろうとしがちだし、数年前まさに本作のアダム・ドライヴァーに似た若い奴と仲良くなって本作に少し似た事が起きたりしたのもあって感情移入できて楽しかった。
ジェイミーの家に行くと居候の女の子が下着でうろついてる。あるある、パンツ一丁の女の子が歩き回ってるアーティストの家。
仲良くなった四人が会話してて、四人とも思い出せない事柄があったのでジョシュがいつもの癖でスマホで検索しようとすると、アナログ派のジェイミーに「やめようよ、思い出せないって事はわからなくてもいいってレベルのことなんだからわからないままでいとこう。その方が楽しい!」と言う。いかにも自由な若いアーティストが言いそうで印象に残った。実際に楽しそうだし。だが最後まで観ると「『思い出せない事は調べなくてもいい』‥なるほど」と思わされる。
そんな感じで台詞が何かと上手い(きっと英語のリスニングができればもっと色々な面白い台詞があるんだろう)

 

主人公ジョシュは若いジェイミーとドキュメンタリー映画を撮り始めるが‥徐々にジェイミーの狙いや人となりがわかり自分の認識とズレを感じ、また自分たち夫婦が見て見ぬふりして過ごしてる問題も浮かび上がってきて‥みたいな展開になっていく。
といっても別にジェイミーが完全な悪人というわけでもないのがいい。
騙されてた事と利用されてたのは確かだからジョシュがキレるのは凄くわかる。
だけど「騙してたし自分を利用してたこと」の個人的な怒りだけを本人にぶつければよかったのだが、ジョシュは自分の個人的な怒りを、ジェイミー作品の作為的な部分に結びつけて「この作品は作為的なところがある!こいつはペテン師です!」と大物ドキュメンタリー作家であるコーネリアスの父に訴えるがそれは通用しないだろうと思った。
ここで、ジョシュはドキュメンタリーのことを「100%観たまま撮っただけ=真実」と思っている事がわかる。「何を撮ろうか」とセレクトした時点で作為的‥つまり「ドキュメンタリーは現実を素材にしたフィクション」だということがわかってない。
案の定コーネリアスの老いた父は「いや、別にそれでいいやん‥。時代とともに作品作りは変わるし‥」と言う。僕もコーネリアス父と同意見
そして同時に、老人のコーネリアス父がジェイミーと同意見、そして二人とも才能ある作家、ジョシュは才能ないけど凄く純粋で良い人‥というのを見せられて「やっぱ、これはジェネレーションギャップの映画じゃないんだな」とわかる。
ジョシュは最後に「ジェイミーは悪魔じゃない」「若いんだよ」と言うので、やはりよくわかってないなと思った。
だけどそれはジョシュのいいところでもあってコインの表裏みたいなもんだから、これでいいんだろう。何だかんだ言ってジョシュとコーネリアスの夫婦は終始幸せそうだし。
軽快な描き方だけど意外と重い話でもあるが、終わってみると割と幸福になってる人が多い不思議な話だった。観る人によって印象が変わるタイプの映画

 


いつも上手くいかずにクソー!と苛立つ中年男の役ばかりするベン・スティラー、いつも軽く困ってる可愛い奥さんの役ばかりするナオミ・ワッツ、才気走った変な若者の役ばかりするアダム・ドライヴァー、何か男や運命に流されがちな美人の役ばかりするアマンダ・サイフリッド。。本作でも四人とも、やはりそんな役ではまっていた。4人とも凄い好きだし期待通りの役をしてたので満足
いつも他人に困らされるリアクションが良いベン・スティラーが本作の終盤のパーティで畳み掛けるように困り続ける様、あと終盤での全く悪びれなさすぎるアダム・ドライヴァーの澄まし顔などが最高だった。
独特の澄まし顔のまま、いちいち抜け目なく隠し撮りしてるのも可笑しい。
そしてナオミ・ワッツが、終盤ジョシュが無理筋な持論を父にぶつけて負け戦してる様を見る憐れみのまなざしがあまりにも絶品だったので思わずスクショした↓

 

スタッフロールに流れるエンディング曲は、デヴィッド・ボウイの「ゴールデン・イヤーズ」。
デヴィッド・ボウイの曲はよく映画に流れがちだが、ここ10年くらいの映画ってデヴィッド・ボウイの曲をサントラに使いすぎだよね。僕は好きなので別にいいけどあまりにも使われすぎ。「スペース・オディティ」一曲だけ取りあげても、もう5回くらい映画で流れてるの観たゾ。
久々にこの監督の映画観たけど最初から最後まで面白かったし、観てないやつもそのうち観ようと思った。

 


そんな感じでした

『フランシス・ハ』(2012)/グレタ・ガーウィグ演じる主人公の魅力的だがリアルな学生ノリのまま歳取ってしまった感じが良い。時代を感じさせないよう撮られた青春映画👱🏻‍♀️ - gock221B
『ホワイト・ノイズ』(2022)/コロナ禍の揶揄&陰謀論コメディかと思ったら死生観の映画?思いのほか面白かった👨‍👩‍👧‍👦 - gock221B

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Young Adult New York (2014) - IMDb

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「RAW~少女のめざめ~ (2016)」少女の性の目覚めをカニバリズムで表現したガーリィ青春映画?

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原題:Grave / Raw 監督:ジュリア・デュクルノー
製作国 フランス / ベルギー 上映時間 98分

 

何やら30そこそこの若い女性監督のデビュー作で、カンヌや各国の映画賞で大評判となってヨーロッパやアメリカでスマッシュヒットしたらしき映画。
ふんわりネタバレしてます


 

Story
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家族みんな獣医の厳格なベジタリアン一家の16歳、ジュスティーは、姉アレックスと同じ獣医科大学に入学して寮に入った。ルームメイトはアドリアンというゲイの男性
上級生による新入生歓迎のハードコアな通過儀礼が行われた。

しごきの一環として全身に動物の血を浴びせられたりウサギの生の腎臓を強制的に食べさせられたジュスティーヌ。生まれて初めて動物を食べた彼女には湿疹ができる。翌日から原因不明の精神的&肉体的な不調を発症。
アドリアンに勧められてケバブを食べたジュスティーヌ。
肉の美味さに衝撃を受けて次の日からは肉をたくさん食うようになる。

そんなジュスティーヌは次第に自分の内に秘めた恐ろしい秘密と本性に気づくことになり、それに姉のアレックスも呼応していく‥
みたいな話

 

 

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まあざっくり言うと、ずっと肉食を禁じられてたジュスティーヌが肉を喰ったらカニバリズム傾向がある本能が目覚めはじめる‥という内容。
性欲や怒りが噛み癖やカニバリズムと直結してて、つい噛み過ぎちゃったり人肉を食いたくなっちゃう。
だけど、物理的とか医学的にどうこうとか社会的にどうこうといった具体的なテーマではなく、フランス映画らしい寓話的なフンワリ感がある。ホラーなどではなく「性の目覚めをカニバリズムに置き換えてみました」という感じの青春映画という感じ
「真面目な処女が大学行って大人の階段登る。姉妹喧嘩したり1人のイケメンを姉妹で取り合ったり‥。どうやらそれはママの血らしいね」
という、どこにでもあるような他愛もないガーリィなホームドラマを、瑞々しい映像表現で表現してみました、という感じなんだろう。
すごく「女性映画」とか「ガーリィな映画」という感じがした。
そして噛みつきやゴア描写や流血や「痛っ!」って表現や、脱毛や動物のオペなど、生理的にウッと来る描写が多いので、観ていて良い意味で引いたりして凄く入ってくるものがあった。
ホラー映画とかで手足がもげたり血がビュービュー出るのは、アレは記号なので何とも思わないが、カミソリの刃でちょっと手のひら切るシーン観たら「ヒェッ」となるだろ。そういう感じ。
血とかリアルな痛さ表現とか苦手なので血の気が引いてフワフワした状態になった。
ゾンビやモンスターが人を喰っても何とも思わないけど、本作のようにリアルな人間が人間を食おうとしたり食ったりしたら、特殊メイクやCGだとわかっていても「ダメ~!(>o<)」みたいな赤信号が心に灯るもんだね。やっぱり近親相姦と同じように「人を食うのはアカン」というコードが人間のプログラムに組み込まれてるのを実感した。
本作のカニバリズムなどの禁忌表現は、そんな感じで、本作の大筋(少女が進学して大人の女性になっていく)に、あまり興味ない中年男性の僕のようなものにも届くように配置した要素、という感じがした。実際「主人公の子かわいい」と、ひぇぇ‥!という感情が交互に襲ってきて最後まで楽しめたので成功なんでしょう

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主人公の子は、痩せてて美しい身体だが乳や尻が小さくて性的アピールが少ない‥という、女子が「こんなルックスになりたい」と思いそうな女優で魅力的だった。

それと単純にこの大学の通過儀礼やパーティや乱交が楽しそうで羨ましかった。
最近、ヒーロー映画や大作ばかりで、こういう映画はあまりないので新鮮で楽しかった。最近こういう小品や中品はNetflixとかドラマで全部やっちゃう印象。
あと深刻そうで古風な音楽がかっこよかった。
そんな感じで楽しかったが、他にこれといって特に言いたい感想が浮かばないので感想はもう終わる。
たぶん男より女性が観た方が色んな事が考えられて楽しいタイプの映画な気がする

 

そんな感じでした

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raw-movie.jp

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『ダークタワー』(2017)/異世界で屈強な黒人と‥。全体的にかなり面白くないが終わり方だけ異常に良い映画🏢

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原題:The Dark Tower 製作国:アメリカ 上映時間:95分
監督:ニコライ・アーセル 原作:スティーヴン・キング

 

 


スティーブン・キングの大長編「ダークタワー」の一巻目「ガンスリンガー」を映画化したもの。
スティーブン・キングの作品は繋がっていて同一世界を共有しているものが多い。
たとえば映画化されたものだと昨年大ヒットした「IT」と「ドリームキャッチャー」は同じ町だったりする(しかし映画の世界は制作会社が違うと同じ世界にはできないので本作には関係ない。だからこれは只のダークファンタジー映画)
それら多くのキング作品群のレイヤー1枚ぶん上に存在する異世界「中間世界」が舞台。DCやMARVELのマルチバースみたいなもんか。日本の漫画だと永井豪の「バイオレンス・ジャック」か。
ダーク・タワー」は、この映画になった「ガンスリンガー」部分だけ中学生くらいの時に読んだが「何か掴みどころないな‥」とピンと来なかった。ついでにキング自体も読まなくなってしまった
この映画もそんな原作の思い出に似た、掴みどころのない感じだった。
ちなみに本作は興行的にコケた上に低評価なので続編も作られないだろう。
割とネタバレしています

 

 

 

Story
ニューヨーク。少年ジェイクは毎夜同じ夢にうなされていた。
異界巨大な塔ガンスリンガー(拳銃使い)。黒衣の魔道士。偽の人間達。
ジェイクはある日、夢で見た異界「中間世界」と繋がっているゲートを発見し、連日の悪夢が自分の妄想ではなく本当だったことに気付く。
ゲートを超えて中間世界を訪れたジェイクは、夢で見ていたガンスリンガーローランドイドリス・エルバ)に出会う。
彼は世界のバランスを保つ塔「ダークタワー」の最後の守護者であり、タワーを破壊して世界に混沌をもたらそうと目論む黒衣の男マシュー・マコノヒー)を倒すための旅を続けていた。
一方、少年ジェイクこそが唯一タワーを破壊できる超能力を秘めた存在であることに気づいた黒衣の男は、ジェイクを追うが――

 

 

 

背景は壮大な話なんだが、装飾を取っ払って骨組みだけにすると
「2人のオッサンが少年を取り合う映画」ということになる。
マシュー・マコノヒーはボスキャラなのだが配下のニセ人間たちが弱すぎるので殆ど彼一人が全部やっている。そう考えると「レオン」みたいな映画だとわかる。
流れとしては指輪物語と西部劇とマイティ・ソーを足したような話。
ガンスリンガーと少年がお互いの世界を行き来してカルチャーギャップを受けながら、父を失った2人がお互いの信頼を深めていって擬似父子になる感じ。

🏢これはスティーヴン・キングが十代の頃から妄想していたファンタジーらしい。
ジョージ・ルーカスにとってのスター・ウォーズみたいなもの
ジェイクを「私」だと思って観てみると
「自分だけ知覚できてて自分だけ往来できる上位の異世界
「街の大人たちは皮をかぶったニセの人間」
「自分を大事にしない親は、それを糾弾されて殺される」
「自分は全ての多次元世界にとって重要な超能力を持っている」
「自分にだけ心を開くカッコいい戦士と助けあって旅をする」
‥などという男児っぽい妄想が実は全て現実だった!‥という感じの話。
いかにも冴えない少年が考えそうな妄想で、何だか抱きしめたくなる。
ガンスリンガー役の黒人俳優は「マイティ・ソー」のヘイムダル役の人だった。
この人が普通の格好してるの初めて見たが顔と体格がカッコよすぎてヤバい。
黒衣の男は超強くて、話しかけるだけで相手は死ぬし銃弾も掴み取れる。
だけど肉体の頑強さは常人レベル。
いい塩梅の強さだね!無敵の強さを誇るが一瞬で殺されることもできる。
好みの強さだ
対するガンスリンガーは拳銃が超上手いだけの男。
超高速でリロードしたり目を閉じて心眼で遠くの敵を撃ったりする。
扱ってる銃は現実のリボルバーと大差ないのに地味に人間離れした技術を持ってるという微妙な設定。
これらの地味さは結構好みだ。
そんな序盤は楽しかったが、

🏢中間世界に行ったジェイクがガンスリンガーと旅する中盤かなり退屈だった。
はっきし言って、この「中間世界」とやらの魅力や説得力が全然ない。
中間世界は西部開拓時代のアメリカそっくりの世界。
だけど黒衣の男たち悪役サイドにはオーバーテクノロジーを駆使した機械がある。
たぶん黒衣の男は別のマルチバースに自由に行けるようなので色んな世界から奪ったものなんだろう。「バイオショック・インフィニット」みたいに
そしてモンスターがいて魔術や超能力も存在する。
異世界に行く映画は、その異世界が凄く面白い場所だったり面白い事が起きないと厳しいものがある。たとえば「マイティ・ソー」最初の二作も地球での描写は楽しいがアスガルドの場面はかなり退屈だった。いや、アスガルドは凝ってたのでまだいいが本作の中間世界そのものがかなりつまらなかった。
しかも全然、異界には見えない。「超・地球じゃん。しかも大昔の田舎の‥」としか思えない。というか現実の上位世界なのに何で文化レベルが現実より低いの?「魔法があるから」という事かもしれないが黒衣の男しか使えないし、ただのショボい世界ですよね。
そんな世界で貧乏くさいボロ屋が並んで陰鬱な顔した人達が弱りきっている。
この中間世界では説明台詞などの義務的な段取りが進み、凄くつまらない。
「もういいんじゃない?マシュー・マコノヒーの好きなようにさせてやれば‥」という気持ちになってくる
村には「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」で、アベンジャーズに混じってパーティの二次会で飲んでるのを見て「お前はこのメンツに入れる格じゃないだろ!一次会で帰れ」と腹立ったチョ博士役だった韓国人女優が出ていた。村の預言者役。かなり喋っていた。この女優さんは何者かにめっちゃ推されてるな。
彼女や村人たちが会話してる部分はめちゃくちゃ眠くなってしまい、眼は開けていたものの面白くないので子供の頃の思い出を思い出したり家賃の工面について思考を巡らせ始めてたので彼女が何を言っていたのかよく聞いていなかった。覚えてないので具体的にどうつまらなかったのか書けないのが残念だが確か、映画を見てたら聞かなくても想像つくような事をわざわざ口で全部説明してた気がする。
「何で自分はここに座って観ているのか」「そもそも俺って映画が本当に好きなのか?」「やる事が他にないから観てるだけでは?」などと自分自身の存在意義まで疑い始め、危険を感じたので思考を急停止してしまうほど退屈だった。
もしタイムリープして同じ時間を繰り返さなければならなくなったら俺は一旦、通路に出て10分間コーラ飲んだりポケ森や「欅のキセキ」などのスマホゲームをプレイしてレベルを上げたり‥といった有意義な時間を過ごしてまた中に入ろう、と思った。いや、タイムリープしたなら違う映画観ればいいのか‥いや!タイムリープするのが決まってるのなら競馬の当たりを覚えといて大儲けすればいいのか‥そういう話じゃなかった。全然関係ない話してるぞ
話を元に戻そう
そこそこ面白い序盤から、つまらない中盤への飛躍はなかなかのものだった。
後半、ガンスリンガーとジェイクが再び、現実のニューヨークに来たら若干面白くなった。
この中盤のつまらなさによる高低差が激しかった。
序盤:42点/100点満点中
中盤: 8点
後半:48点
これくらい高低差がある
中間世界で出会った2人はさっさとニョーヨークに返ってくればよかったのに。

ニューヨークでの後半は展開ではアクションが多めになり、ガンスリンガーの親父→ガンスリンガー→ジェイク、という疑似父子としての絆も生まれたし超高速リロード&超跳弾による不思議なガンアクションも珍しかったし後半は結構楽しかった。
中間世界の描写を減らしてアクションを増やせばよかったのに。
それにしてもジャッキー・アール・ヘイリー演じる中ボスとの戦闘中、中ボスが死ぬ理由が「全然関係ない奴のクルマに轢かれる」というのもどうなんだ。
あとラストバトルの後、ガンスリンガーがニューヨークからゲートを通じて敵の基地のどこかを撃ったら連鎖反応で超巨大な敵の基地が大爆発して大全滅したのがめちゃくちゃ面白かった。
近年のアメリカ映画は、ピンポイントを撃つと連鎖して大爆発するデススター式の終わり方が多い。まあわかりやすいので別に構わないが、この基地大爆発はさすがに爆笑しそうになった。ガンスリンガーの銃弾って只の銃弾だよ?敵の基地、全ての柱や建材や機械に火薬が詰まっとるんか?
そして最後、映画は2人がボソボソ喋りながら物陰で「シュボッ‥!」と終わる。
この終わり方は凄い。普通ファンタジー映画がこんな終わり方する?笑
普通だったら「ダークタワーを守りながらクリムゾンキングを倒すぞ!」って感じの決意の表情を見せる2人をからカメラがパンしてダークタワー全景を見せて闇に飛んでってクリムゾンキングの姿がちょっと見えて終わり‥、普通だったらこれで終わりだろう。それがシュボッ‥!て‥。これがそこそこ金かかった映画の終わりだろうか。
「ドクター・フー」とかのとある一話の終わりみたいだ
観てみるとわかると思うが、少しびっくりすると思う。
よくこんな思い切った終わり方したなぁと驚いた。
この終わり方はかなり好きだ。
シュボッ‥!が何なのか、ネタバレしても別にいいけど字で読んでも伝わらんからやめとくわ。
これは僕と観た方だけの秘密としておこう。

お世辞にも面白い映画ではなかったが、間抜けな大爆発、そして90年代の深夜テレビで放映されてそうなB級映画っぽい終わり方は割と好きかもしれない。
ジョン・カーペンタートビー・フーパーやクローネンバーグのB級ホラーや日曜映画劇場などをTVで観て育った僕にとっては、こういったB級映画っぽい終わり方や映画全体の異常な地味さはかなり好ポイント。
最近、ディズニーMARVEL以外の各映画会社が映画ユニバースを作ろうとしては次々と討ち死にして「もうやめやめ!ユニバースは人為的に作ろうとしても無理!」という風潮になってきた昨今、本作は大長編の序章にしか過ぎないのにも関わらず「第二部に続く」的なフリを一切しないのも何だか男らしかった。
そんな感じで中盤死ぬほどつまらないが、序盤まあまあ面白くて終わり方だけ凄く良いという不思議な映画だった。
終わり方が良いってだけで全体的な印象も少し上がったので、やっぱ何事も終わり方は大事なんだな。
だけど僕が面白がった部分も客観的に本当に面白かったわけではなく、受け止めた僕の脳の一部が面白いだけで、この映画そのものは全体的に面白くないのでオススメしません
だけど「観に行くのはやめとけ!」と止めるほどつまらないわけでもない。
そこそこ面白い部分もあるし。また僕は原作読んでないけど原作ファンなら違う観方もあるかもしれない。そして何よりも映画館は椅子に座れるので「一分たりとも立っていたくない!どうしても今すぐ椅子に座りたい!」という人にもオススメです

 

 

 

そんな感じでした
「IT/イット (1990)」後編いまいちだが前編とペニーワイズは良い感じです🎈 - gock221B
「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017)」ペニーワイズより絵の女が怖い🎈 - gock221B
「ジェラルドのゲーム (2017)」手錠でベッドから動けなくなった熟女が状況と自己のトラウマに立ち向かう - gock221B
「1922 (2017)」死ぬほど地味で暗い話だがS・キングっぽさが出てるしクトゥルー神話っぽい陰惨な雰囲気に妙に惹き込まれた🐭 - gock221B
「スティーヴン・キング ビッグ・ドライバー (2014)」一本道すぎて可笑しいが死から蘇ると別人にならなくて良かったレイプリベンジもの🚚 - gock221B
「スティーヴン・キング ファミリー・シークレット (2014)」おしどり夫婦の夫が連続殺人鬼。ビッグドライバー、1922と併せて観たい👫 - gock221B
『ドクター・スリープ』(2019)/ダニーの半生と中盤の遠隔サイキック・バトルが凄く面白かったのでホテルには別に行かなくてよかった😺 - gock221B
『クリスティーン』(1983) ジョン・カーペンター/Evil Carに魅入られて暗黒面に堕ちた陰キャを親友のイケメン陽キャが愛で殺す🚗 - gock221B

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The Dark Tower (2017) - IMDb

www.youtube.com

Amazon: ダークタワー I ガンスリンガー (角川文庫)

『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)/ファンが望む要素を推し進めた続編っぽさとユニバース化の準備🕴

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原題:Kingsman: The Golden Circle 監督&制作&脚本:マシュー・ヴォーン 原作&製作総指揮:マーク・ミラー 製作国 イギリス 上映時間 140分 製作会社:マーヴ・スタジオ シリーズ:『キングスマン』シリーズ第二作目、マシュー・ヴォーンのスパイ映画ユニバース第2作目

 

 

 

やたらキャッチーで刺激的な作風や描写が多いためか、このシリーズや「ウォンテッド」、「キック・アス」シリーズなど、原作コミックしかもオリジナル作品がやたらと映画化されてヒットするライター、マーク・ミラーの原作コミックの映画化‥の続編。
他にも映画「ローガン」の原案の一つになった「Old Man Logan」。MCUの「シビル・ウォー」や、そもそもMCUアベンジャーズもUltimatesっぽいから強引に言えばマーク・ミラーが原案の一人と言えなくもない‥かもしれない。
「ウォンテッド」「キック・アス」などを始めとする自分のコミックだけの”ミラーワールド”という自分のコミックだけの出版社を立ち上げてたのだが、最近、覇権を握りつつあるNetflixがそのミラーワールドの映像化の権利を買ったのでNetflixキック・アスとかウォンテッド他ミラーのコミック群がドラマ化されるのかもしれん(キングスマンはミラーワールドじゃないっぽい)
僕はというとミラー原作映画は面白いので観るが、特別に好きなわけでもない。
前作の映画版「キングスマン」は、過去の荒唐無稽だったスパイ映画に敬意を込めて荒唐無稽にした感じ。そこまでいくともはや完全にスーパーヒーローで、スパイ映画とアメコミヒーロー映画の中間といった感じ。敵は前作ではレイシストのIT長者、今作では自己責任論で他人を見捨てようとするサイコパス‥など、好ましくない考えの人を倒す傾向がある。あとポップな残酷表現による人体破壊描写が多いのも特徴。前作クライマックスではレイシストの頭がカラフルに吹っ飛ぶシーンがあって、これを異常に嫌う人が結構な数いるのだが何故なんだろう?コミカルに惨殺するのが不謹慎と思ったのだろうか?
それよりも眼鏡+スーツの英国紳士、少年と中年男性のバディものという部分で腐女子の方々にウケて熱狂的な支持を得た印象が強い。その熱狂は完全に死んだハリーを蘇らせてしまったほどだった
中盤くらいまでのネタバレがまあまああります

 


Story
どの国家にも縛られることなく秘密裏に正義を遂行する国際的な英国紳士スパイ組織“キングスマン”。
貧困地区の不良少年エグジータロン・エガートン)は、父のかつての同僚ハリーコリン・ファース)の導きにより彼を師としてキングスマンとなり、彼を失いつつも世界をレイシスト達の魔手から救った。
ハリーの跡を継いで”エージェント・ガラハッド”となったエグジー
彼はいつもの様に活躍していたが、サイコな女ボス、ポピージュリアン・ムーア)率いる世界的麻薬組織“ゴールデン・サークル”の攻撃により、キングスマンは とメカニックのマーリンマーク・ストロング)を除いて全滅してしまう。

生き残ったエグジーとマーリンはアメリカに渡り、バーボン・ウイスキー蒸溜所を営む表の顔を持つ、キングスマンの同盟スパイ組織“ステイツマン”に協力を求める。
ステイツマンの面々‥しょっちゅう酒を飲んでいるボスのシャンパジェフ・ブリッジス)。レーザー投げ縄を使うエース諜報員ウイスキーペドロ・パスカル)。血気盛んな諜報員テキーラチャニング・テイタム)。メカニックだが本当は諜報員になりたいジンジャーハル・ベリー)などのアメリカンな人達に戸惑うエグジー達の前に、死んだはずのハリーまで現れる。
ゴールデン・サークルは欧米に蔓延しているドラッグ全般にウイルスを混入させて身代金を要求する。
エルトン・ジョンエルトン・ジョン)も人質にされてジュークボックス代わりに演奏させられまくってかわいそう。

ゴールデン・サークルの陰謀を阻止すべく決死の戦いに臨むエグジー達だったが‥
みたいな話

 

 


冒頭、立派なキングスマンとして活躍するエグジーの前に、前作のライバルだったがキングスマン試験に落ちて敵になったボンボンのボンクラ、チャーリーが生きていてゴールデンサークルの暗殺者として現れる。
チャーリーは前回もげた腕の代わりに(もげたっけ?覚えてない)ウィンターソルジャーよろしくハイテク機械の腕が取り付けられている。
難なくチャーリーを一蹴したエグジーだったがデータに侵入された事が原因で全メンバーの全居場所にミサイル同時発射で全滅してしまう。
これは逃げようがない。エグジーは前回ラストで知り合ったスウェーデン王女ティルダの実家に食事しに行ってたため無事だった。
エグジーと同時にキングスマンとなって頼れる同僚エージェント・ランスロットとなったロキシー、愛犬JB、エグジーの不良友達の一人なども爆撃で死亡。う、嘘だろ‥。ロキシーとJB早くもリタイア‥。
映画で真っ先に死ぬのが犬と女の子というのは意表を突かれた。
それにしてもティルダ王女を前回ラストでナンパしてたのはギャグシーンかと思ってたら、エグジーは彼女とめちゃくちゃ真面目に付き合ってるので驚いた。
ミッションで女性でイチャイチャしなきゃいけない時もわざわざティルダに電話して「イチャイチャしてもいいかな?」とお伺いを立てるエグジー
不良の中にたまにいる真面目系ヤンキーだったようだ。
まあ、とにかく生き残ったエグジーとマーリンは、同盟組織ステイツマンを頼りアメリカはケンタッキーへと向かう。
そこで前回、サミュエル・ジャクソンに撃たれた直後にステイツマンによって救出されて生きていたハリーと再会する。
しかしハリーは脳への副作用で記憶喪失になっており蝶の学者になりたかった若者の時まで記憶が退行しておりエグジーやマーリンの事も思い出せない。
そんな彼を、子犬のように瞳をウルウルさせた切ない顔で見つめるエグジー
エグジー「本当は蝶じゃなくて僕を壁に留めたいくせに‥」何言ってるんだこの子‥
エグジーは色々がんばってハリーの脳を刺激して記憶を呼び戻す。
しかしまだ副作用が残っていたのか片目になって遠近感が狂ったせいか、もしくはその両方なのか以前ほどの戦闘力を発揮できない。そのため、作戦には同行するがラスト付近までエグジーに護られる役柄になった。前回とはエグジーと役割が逆転した。
そしてエグジーがハリーの不調に懸念を抱き不協和音が鳴り、そして再びハリーへの信頼を取り戻すのが中盤。
テキーラチャニング・テイタム)はポピーのウイルスにやられたので冷凍睡眠状態で保護され、ウイスキーがエグジー&ハリーに同行して解毒剤を探しに行く。

 

 


前回のサミュエル・L・ジャクソンが演じたIT長者っぽい悪役は、環境を良くするために自分が選んだ優れた人類以外の者を大勢殺して世界を良くしようという面白い悪役だった。今回のヴィランも力が入っていた。
今回のジュリアン・ムーア演じるポピーは莫大な資金でカンボジアの遺跡跡に、夢のあった50年代当時のアメリカを模したテーマパーク「ポピーランド」を作り上げ、そこには様々な50年代アメリカっぽい施設が並んでいる。
そこには失敗した者を噛み殺すサイボーグ犬、人間をミンチにする恐ろしいマシーン、ゴールデンサークル隊員に金の輪っかを植え付けるマシーンなどがある。
彼女が一体どういうキャラなのかというのは結構描写が少ないので推測するしかないのだが、アメリカ大好きな割に国外にアメリカっぽい空間を作って住んでいる‥というのは、現在のアメリカが嫌いで自分が好きな空想の中の50年代っぽいアメリカを作り上げたって事なのかな。
気に入らない部下や敵はミンチマシーンでミンチにしてハンバーガーにしてしまう。
見た目は綺麗なのだがなかなかエグい‥という前回のカラフルな人体頭部爆破に通じるギミックが今回これだろう(今回は他にもCGとはいえエグジーが指を入れた女性の膣の内部がスクリーンに大写しになったりもして中々エグい)
彼女は欧米に蔓延している全てのドラッグにウイルスを混ぜた(酒もだっけ?忘れた)
感染すると青い筋が顔に浮かび上がり次に躁状態になり次に麻痺状態になり、やがて出血して死に至る。
「解毒剤が欲しければ法外な金を払え」‥と、ドラッグ使用者全員を人質にした身代金要求を大統領にしてくる。
日本と違って欧米なのでドラッグ使用者は非常に多く、その数100万人。
ポピーは食料品や化粧品や薬に混入させることもできたはずなのに何故ドラッグに混ぜたかの理由は特に説明なかったが(あったかもしれんが聴き逃した)きっと「ドラッグ使用者を一掃して美しいアメリカを取り戻そう」とかそういう感じなのかな?
キャラ萌えしてない自分は個人的には毎回の敵の犯罪がこのシリーズの一番面白いところ。
脅迫を受けたアメリカ合衆国大統領は「そんな大金払いたくない。というかジャンキーとか死んでもさぁ‥、むしろそっちの方がいいんじゃない?w」と見捨てる気満々。
似た事件が日本で起きたとしても同じ意見がめっちゃ出てきそうだ。
正義感の強い、女性副大統領っぽい人は「国民を見捨てる気ですか!」と訴えるが大統領は却下、そのうち副大統領も感染してしまい隔離される。
ポピーやマスコミに対しては「くそっ!身代金を用意するからもう少しだけ待ってくれ!」などと良き大統領を演じるが実は一切払う気がない。
この「ポピーの犯罪が大統領によって加速する」この辺が一番面白かった。
そんな国民を救う気がない大統領を盗聴したステイツマンは、生き残りキングスマンと共闘してポピーランドへと解毒剤を奪いに行く
ポピーは完全に狂ってるがゆえに思いついたこと即、全部実行するし自分が殺される瞬間まで一切、後悔も恐怖もないまま‥というメンタル的には最強の部類に入るヴィランだった。
「さすがにここまで大金持ってるのはおかしい」とか「なぜ強い部下がチャーリーしかいない」とか色々あるが、そういうところをツッコんでいくと制限時間内にポピーを倒せなくなるのでそれはどうでもいい。「ポピーは狂ってるから」という事でいいだろう
前回、好評だったハリーの教会でのワンカット風大暴れは今回、エグジーと2人でもって行われ、なかなかの見せ場になっていた。

 

 


チャニング・テイタムハル・ベリー好きなのでエグジーと活躍したりするのを期待してたが、ハル・ベリーはただのサポートだしテイタムはウイルスに速攻かかって最後まで出番ないので残念だった。
どうやら制作陣が制作したがってる三作目や、スピンオフ「ステイツマン」で主人公させるからテイタムは今回ただの顔見せ‥そんな感じだったようだ。
シビルウォーブラックパンサースパイダーマンを顔見せしたようなもんか。
自分の場合エグジー&ハリーのカップルやメガネ英国スーツなどにフェティッシュな感情を抱いてるわけでもないのでどっちかというとステイツマンの方が観たい。
2作作られたから色々わかったことの一つに「エグジー以外のキャラ唐突にめっちゃ死ぬなぁ」というものだった。
あまりに唐突に何の予感もない時に死ぬ事が多いので現実の死っぽさがある。
前回のハリーは、あまりに人気出たから特別に生き返らせてもらった感じだが、ハリー以外は生き返らなさそうだなぁ。
それにしても「そこまで殺す必要性あのかな」というキャラまでバンバン殺すところにマーク・ミラーっぽい感じがした。マーク・ミラーは真面目なコミック描いてて売れなかったがキャラが不必要なまでに無惨に死ぬ描写を増やしたら売れっ子になったせいか妙にそういう描写を入れたがる人という印象がある。
だけど、うーん‥。どのキャラも死ぬ意味が殆どない気がするんだけどなぁ。
特にワンちゃん‥JBとか殺す意味ある?敵への怒りを燃やすため?いやいや、「犬?うーん、殺したらインパクトあるな。よし!殺しとけ」いかにもマーク・ミラーっぽいアイデア。こういうところがあんまり好きになれないんだよね
ちなみに本作は想定したほどヒットしなかった(制作費トントンくらい)。
なかなか面白かったしキャストも豪華だったのに何故なんだろうね?
僕はというと‥面白かったけど前作ほどのインパクトは感じなかった。まぁ‥普通ですかね。。
やっぱりこのシリーズはキャラクターを好きじゃないと面白さが半減される気がする。だがエグジー&ハリーに御執心なお姉さまは前回と同じかそれ以上に盛り上がれることだろう

 

 

 

そんな感じでした 

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

 

『ARGYLLE/アーガイル』(2024)/主人公エリーの秘密が明らかになる前の平凡だった時の主人公や本編の方が面白かったし、どんでん返しが5回も6回も起き続けると「もうどうでもいいから結果だけ教えろ」という気持ちになる😾 - gock221B

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Kingsman: The Golden Circle (2017) - IMDb

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