gock221B

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『スーサイド・スクワッド:ヘル・トゥ・ペイ』(2018)/実写映画版の100分の1くらいの制作費だと思うが100倍面白かった 🔨

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原題:Suicide Squad: Hell to Pay 監督&制作者:サム・リウ 制作:DC+ワーナー
製作国:アメリカ 上映時間:86分 シリーズ:DC Animated Movie Universe

 

 

 

🔨DCアニメと言えば何ヶ月か前に観た、日本人クリエイター達が手掛けた「ニンジャバットマン (2018)」が、デザインや戦闘アニメーションは良かったがそれ以外が中身すっからかんで凄くしょうもなかったのが尾を引いてたので味を変えるためにDCアニメを借りた。それと2016年で一番つまらなかった映画「スーサイド・スクワッド (2016)」の味も変えたかったのでスーサイドスクワッドが主人公のアニメを観ることにした。

🔨ワーナー&DCが出してるアニメーション、OVAのシリーズ。
原作のキャラと映画はMARVEL、原作のストーリーとアニメとゲームはDC。
そんなイメージがある。
90~00年代、天才ブルース・ティムの「バットマン」「スーパーマン」「ジャスティス・リーグ」「Justice League Unlimited」‥などの時代から、ティムが手掛けなくなってもDCアニメは外れがないままだし全部じゃないけど極たまーに観てる。
DC+ワーナーのOVAは、MCUみたいに繋がってるユニバースとか、繋がってない完全に単発の作品とか色々ある。だけど一本一本独自に楽しめるように作ってあるのであまり繋がりは気にしなくてもいい。
DC Animated Movie Universe - Wikipedia
スーサイドスクワッドが主人公のアニメとして、本作は「バットマン:アサルト・オン・アーカム」ってやつから繋がる話だったみたい。そっちのタイトルに「スーサイド・スクワッド」って入ってないから知らなかったよ。
更に、敵のズームは「Justice League: The Flashpoint Paradox (2013)」で起きた状況の続きらしい。まぁ一応劇中で説明してくれるので理解はできる
ネタバレあり

 

 

Story
メタヒューマンや特殊技能を持った犯罪者達を投獄するための収容施設、ベル・レーヴ刑務所の所長アマンダ・ウォラー(CV:ヴァネッサ・ウィリアムス)。彼女は囚人たちを束ねて使い棄てチーム「スーサイド・スクワッド」を結成して困難なミッションに使っていた。
メンバーは、リーダーのデッドショット(CV:クリスチャン・スレイター)、ハーレイ・クイン(CV:タラ・ストロング)、キラーフロストキャプテン・ブーメラン。新メンバーのカッパーヘッドブロンズ・タイガー、の6人。
彼らの標的は不思議な力を持つ「地獄行きを免れるカード」。報酬は懲役の軽減。
果たしてデッドショットは
ミッションを成功させて愛する娘のもとに帰れるのか?――

 

 

 


🔨最初に結論を言うと、本作より制作費が数100倍以上ありそうな「スーサイド・スクワッド (2016)」より100倍面白かった。
スーサイド・スクワッドの映像化ならこんなシーンやあんなシーンが観たい」と思ってた要素が実写映画には無かったが’(ハーレイが可愛いというのだけはあった)本作にはいっぱいある。
スーサイド・スクワッドヴィランばかりの全員悪人チーム。しかも簡単に殺せない人気ヴィランはハーレイしか居ないので、ヒーローチームでは不可能な面白いシーンが描ける。
具体的に言うと悪者なので「どんどん死ぬ」「どんどん裏切る」「敵を残虐にバンバン殺す」という描写が容易。それだけで楽しい映画になるの確定だったのに映画版では何故か酒飲んで愚痴りあったりしてKIZUNAを高めあうという気持ち悪いし面白くもない映画になっていた。レイティングを下げるためか全然殺さないし面白くなさと気持ち悪さだけがどんどん膨らんでいっていた。
そして、こんな悪い奴らがちょっとでも優しい面を見せたら普通より優しく見えるし(捨て猫可愛がりシンプルヤンキー現象)。
規制の厳しいアメリカのアニメにしては、残虐描写が凄く多くて驚いた。
頭爆発したり首はねたり切り株も見えるし一般市民や女性キャラも平気で殺す。
これきっとR指定だね。

 

 


スチル写真を見てわかるように、正直あんまり魅力的な絵柄じゃない。
いつもにもまして制作費が低そうだしモブや走ってる車などがめちゃくちゃ少ない!
この惑星はめちゃくちゃ人が少ない惑星!
あと車とか飛行機はモロにCG。
だけどDCアニメでは昔からいつも保証されていた、空間把握能力に長けた戦闘‥誰がどこから何を放って誰に当たったかがわかりやすい戦闘。よく動くし、誰が何をどうしたから次は誰それがこうした→とか思ってたらしばらく姿が見えなかったアイツが通気口から登場!って感じで単純にアクションが面白い。
「描き込みが少ない」なんてすぐに気にならなくなる。「面白い漫画には画の上手さは関係ない」っていうのと似ている。勿論、作画が凝ってた方がなお良いが、制作費が貰えてないんだから仕方ない。自分たちに出来る範囲で最高の仕事してる感じをビンビン感じる。
それで色んな能力持った奴らが、5対2とか2対3対3とか色んな組み合わせで、色んな能力をツープラトンで合わせ技とかして戦うので面白かった(これがアニメだろ。会話ばっかりしてるんじゃなくて)
何となくずっとそうだから、きっとDCアニメ班の部屋にはブルース・ティムが書いたアニメ面白アクション方程式が置いてあるのかもしれない。
「ニンジャ・バットマン (2018)」は絵柄が魅力的だったしキルラキル的な戦闘のアニメ演出が凄かったが、アメコミなのに全然トンチ使わなかったし気合を入れると何故か物理的にも強くなる‥という少年漫画的な精神論パワーを使ってたのがつまらなかった。
本作はアメコミ的な合理的に戦闘が進むので良かった。知恵を使うかパワーが上の者が単純に勝つ。だけど絵柄がいまいち。‥それらを総合すると「ニンジャバットマン」は、絵と戦闘の時の動きのアニメーションだけ日本スタッフに描いてもらって、後の全部はDCワーナーが作ればベストだったのかもしれない。
 

 

そんな話で、今回はカッパーヘッドとブロンズ・タイガーが加わった。
冷酷な司令官アマンダ・ウォーラーがスーサイド・スクワッドに出した司令は、ドクター・フェイト(DCの魔法ヒーロー)の所有する「地獄行きを免れる事ができる」という魔法のカードを奪還すること。
そういえば作品の冒頭では、命令に背いたデッドショット以外の犯罪者が命令に背き、アマンダが彼らの頚椎に埋め込まれた爆弾のスイッチを即座に押し、その冷酷なオバハンっぷりを見せていた。
全員悪人というスーサイド・スクワッドの作品世界において「一番の悪人はアメリカ政府の人間であるアマンダ」というのがいつもオチになるのも面白いなと思う。
ところでこのドクター・フェイトは、めちゃくちゃチンコがでかい男性ストリッパーがナブーに選ばれてフェイトになったがヴァンダルに魔法カードを奪われて怒ったナブーにフェイト失格されてしまう。フェイトの事よく知らないので「フェイトってこんな奴だったん?」と思ったが、検索したところどうやらオリジナルキャラっぽい。
その魔法のカードはズーム達も狙っている。挟み撃ちのかたちになるな‥
カード争奪戦は三つ巴の形となった。
三つ巴‥それは戦闘シーンがあるフィクションで一番面白いかたち。
ジョジョとか三国志とかハンターとかもそうだろ。
ところで数多いB級C級ヴィラン達をまとめてみた。おなじみのDCにキャラも多いが全然知らん奴も多かった。

 

 

 

主な登場人物

スーサイド・スクワッド
🔨デッドショット:リーダー。バットマンの敵。射撃の名手。娘を愛している
🔨ハーレイクイン:ジョーカーの恋人。狂った頭と優れた身体能力。凄い人気
🔨キラーフロスト:ファイヤーストームの敵。凍結能力者
🔨キャプテン・ブーメラン:フラッシュの敵。ブーメランが得意
🔨カッパーヘッドバットマンの敵。尻尾もあり毒も吐く蛇人間
🔨ブロンズ・タイガーヴィラン達の監視役。世界最強の格闘技術
🔨アマンダ・ウォーラー:このチームを組織したアメリカ政府の最高ランクのエージェント。懲役軽減を餌にヴィランたちを物のように使い棄てて任務を遂行させる冷酷なオバハン

 

ヴァンダル・サヴェッジ一派
🐵ヴァンダル・サヴェッジ:謎の隕石に触れて不老不死となったネアンデルタール人。戦闘の経験値が5万年なのでめちゃくちゃ強い。ここ近年急増したメタヒューマンのヒーロー達との闘いで肉体が衰えてきて魔法のカードを欲する
🐵スキャンダル:ヴァンダルの娘。二対の爪が武器。同性愛者でノックアウトと付き合っている
🐵ノックアウト:ダークサイドの部下の一人だった。同性愛者でスキャンダルと付き合っている
🐷プロフェッサー・ピッグバットマンの敵。豚のマスク被って外科技術に優れてる統合失調症

 

ズーム一派
⚡ズーム:フラッシュの宿敵。フラッシュ同様にスピードフォースに抵触して運動エネルギーを操る。超スピード行動、物質透過、次元突破などが可能。このOVAシリーズの過去作「Justice League: The Flashpoint Paradox (2013)」で平行世界のバットマンに脳を撃たれて死にかけておりパワーも衰えていて魔法のカードを手に入れたい
⚡シルバー・バンシー:スーパーマンの敵。奇怪な超音声を発する
⚡ブロックバスターバットマンやナイトウイングの敵。怪力の大柄

 

 


あと、珍妙なドクター・フェイトやナブー、アクアマンの宿敵ブラックマンタ、バットマンの敵トゥーフェイスなどもサービス的ゲストキャラでにちらっと出てくる。それと冒頭でアマンダに皆殺しにされるデッドショット以外のスーサイド・スクワッドメンバーは全然知らなかったけど、きっと元ネタあるんだろうね。
スクワッドに比べてヴァンダル・サヴェッジとズームが強すぎる(デッドショットも敵2人が誰か知ったら、アマンダに交渉して報酬を「出所」へと値上げするほど)
また「これなら負けるのも頷ける」と、説得力を増すためかヴァンダルは体調が弱ってきているしズームに至ってはほぼ死にかけてる状態だった。
デッドショットも、元々そんなに好きなキャラじゃなかった上に実写映画ではウィル・スミスがナルシズム全開でやってて更に嫌いになったが本作のデッドショット、いいじゃないですか。存在すら知らんかったブロンズ・タイガーも男らしいナイスガイだった。キャプテン・ブーメランは面白いキャラだし。
敵が超人ばっかで銃弾がすら全く効かない中、銃とブーメランと素手で頑張って闘っていた。超パワーを持った舐めプ超人に、超能力持ってない人間よりちょっと強いくらいの主人公たちが食らいついて行くのは楽しさの定番ですからね。
ハーレイはウロウロしてしょうもない事を言うだけのマスコットキャラであまり活躍しなかった。
デッドショットが娘に会いたくなりすぎて、娘の友達の家に侵入したり居場所を探しに行って、呆れて連れ戻しに来たタイガーと殴り合いになるのも凄く楽しかった。そしてラストでのタイガーへの優しさ‥。デッドショットいいなと思えてきた。
キラーフロストやカッパーヘッドも戦闘が面白かったし、ズームも過去作のフラッシュポイントでの死と本作での死がシンクロしているというSF感が、正直どういう仕組なのかよくわかってないが良かった(脳をぶっ飛ばされてる最中に同時に平行世界のこの世界でも行動してたってこと?)
ヴァンダルサヴェッジの娘とか、その恋人のノックアウトとかも初めて知ったけど女性キャラカップルのヴィランって実写ではまだまだ出しにくい領域で新鮮だった
まぁ、そんな感じで昔、する事ないから深夜TVでよく知らんB級映画を見てたら思いのほか面白くて、爽やかだが乾いたテキサスの風が心に吹いた感じになりました。
そういう感じでDCアニメ、絵面がしょぼかったりどれがどれの続きかわかりにくいから普段あまり観ないけど、たまに観るとハズレがないし楽しい。
 

 

 

そんな感じでした

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Suicide Squad: Hell to Pay (Video 2018) - IMDb

www.youtube.com

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『BOUND9 バウンド9』(2011)/ウインド・リバーの監督デビュー作のトーチャーポルノデスゲーム✂

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原題:Vile 監督:テイラー・シェリダン
製作国:アメリカ 上映時間:89分 ※日本劇場未公開

 

 

 

シェリダンなる脚本家が監督&脚本を手がけた「ウインド・リバー」が良かったので、先日、シェリダン脚本作「最後の追跡」観た、なかなか良かった。以前にシェリダン脚本でヴィルヌーヴが監督した「ボーダーライン」これも当然良かった。そんでシェリダンは「ウインド・リバーが初監督作」って宣伝するけどネット見たら本作が初監督作みたい。
わざわざ借りてまで観たくなかったがNetflixにあったから観た。
まぁ多分これはインディーズっぽいからカウントしてない感じ?
この邦題は何なんだろう。「ばうんどないん・ばうんどないん」?そんな訳ないよな。「ばうんどないん」だろう。何で「BOUND9」って英題を新たに作って横にカタカナ書いてるんだろ?BOUNDって小学生でも読めるだろ。しかも小学生はこんなの観ないだろうし‥「BOUND9」だけじゃ意味わかんないしそれなら原題の「Vile」でいいだろ。何か無駄を感じる邦題だ。まぁどうでもいい
ネタバレあり

 

 

Story
完全に密室化された実験室には拉致された9人被験者が居た。
彼らには、脳が痛みを感じた時に生成される脳内麻薬を抽出する特殊な首輪が取り付けられていた。
彼らを閉じ込めた実験者によると首輪を無理に外すと死ぬし逃げ場はない。
9人が脱出するには「22時間以内に一定量の脳内麻薬を集めること」しかない。
彼らはお互い、もしくは自分で自分を死なない程度に傷つけて22時間以内に物質を溜めるしかない――

 

 



シェリダン氏の脚本はアメリカを舞台にした開拓期の西部劇っぽい物語がテーマみたいだけどこれは彼の脚本じゃないし、只のトーチャーポルノ(拷問系ホラー)とデスゲーム系ホラーを足しただけのホラー。
シェリダンは先で監督するために、この雇われ仕事で監督業を練習した感じ?
個人的に、ホラーは大好きだけどトーチャーポルノもデスゲームも嫌いなんだよね。なんかバラエティ番組を観てるような気分になってくるし即物的で排他的な物語が多い印象。「恐怖」は好きだが「痛い」はジャンルが違う。
ジェームズ・ワン制作映画は好きだけど「SAW」シリーズは嫌いだし。
デスゲーム映画もまたクソ邦画の定番だというのもイメージ悪い。
新人イケメン俳優が目を見開いて「‥さぁ!ゲームの始まりです!ヒャッハー」とか言って稚拙な狂人演技してるのは恥ずかしくて観てられない。
だがトーチャー映画と言えばイーライ・ロスの「ホステル」「ホステル Part.2」だけは例外で大好き(単純に映画として傑作だから)。同じくイーライ制作の「アフターショック」も傑作だし、イーライ監督作「グリーン・インフェルノ」「ノック・ノック」も、まぁまぁ面白かった(「ホステル Part.3」はイーライ無関係の駄作なので観なくていい)主人公カップルと友人のカップル、二組のカップルがヒッチハイクしている美人を乗せる。だがその美人は地獄への道先案内人だった(この辺はホステルと一緒)
美人のガスで眠らされた主人公たちは、密室で目覚める。
同じ様に拉致されていた者らも5人いて、総勢9人。
脱出するには

💀自分たちに取り付けられた首輪に脳内麻薬を抽出させるために苦痛を感じる
💀痛みで脳内麻薬が出たら上昇する「痛みメーター」を100%にする
💀制限時間は22時間
💀他人を拷問しても自傷でも、とにかくメーターを100%に出来ればOK
💀痛めつけすぎて誰か死んでしまうと、溜めたメーターが大幅に下がる

ルールはそんな感じだ。死なない程度に注意して互いに拷問しなければいけない。
腹を立てた知らんオッサンが「そんなことやってられるか!」と力づくで外すとオッサンは死んだ(よくこんな頚椎に刺さってた訳の分からん装置を引っこ抜けるな)
実験者の説明によると彼ら9人が激しい痛みを感じると「痛みメーター」が上昇する。このメーターが100%になれば装置を外して解放されるらしい。
勿論それが本当かどうかの保証はないし、やりたくなさすぎるが、やらなければ一生ここに監禁されたままなのでやるしかない状況。
そして最初に入っていた黒人のオッサンが、後から入れられた主人公の親友の黒人の爪を剥がして「痛みメーター」を開始してしまった。こうなっては、もう22時間以内にメーターを100%にする以外に生き残る方法はない。
皆は相談の末、痛みを生き残ってる8人で、一人が約14%づつメーターが上昇するように公平に拷問しあう事になった。
まず手始めにスタートさせてしまった黒人のオッサンが拷問を受ける。
皆は黒人のオッサンを普通に殴る蹴るする。だが痛みメーターの上昇率が悪い。
さっきこの黒人と言い合いしていたビッチ風の女が、極限状態でプッツン来たのかオッサンの腹をブスブス刺したり両脚をブチ折る。すぐにメーターは14%到達。何だこの女。。
つーかこの女は終始悪態をついたり「黒人のおっさんはまともに動けないから、この黒人のオッサンを延々と痛めつければ私たち女子は拷問されなくてよくね?」と提案したり、過失で実験者の一人を殺したりする。そんなアホな行動ばかり取っている‥。こんな治外法権の場所で皆に嫌われる事ばかりするって相当アホだな。自分の番が来た時どうするんや?
このビッチ以外の人間はまともな倫理感を持った者揃いで「そんな酷い提案は却下だ。皆で痛みを分け合って脱出しよう」と正論で返されビッチは普通に拷問を受ける。どうすれば「痛みメーター」が14%くらい上がるのかと言うと、それは描写を観なければわからない事だが実際に拷問が行われた結果から見ると
「腹をブスブス刺されて両足折られる」「腹にアイロン押し当てて大火傷+指先を何本かペンチで潰す」「沸騰した熱湯に腕を漬けて我慢する」「ワッフル焼き機を自分の背中に押し当て、その火傷した箇所を殴りまくる+釘を足に打つ」とかそんな感じ。後は爪を剥がしてたっぽいが女性が拷問される場面は映らないので何したかはよくわからなかった。
もし自分がここに居たら‥と考えると当然、全部嫌だけど怪我が後引くのは嫌だから骨折や四肢損傷や範囲が広いものは避けたい。
そう考えると「骨や内蔵に当たらないように、肉に釘を打つ」のが一番、合理的で後遺症も少ないだろう。掌の水かき部分にでも打てばいい。バイキンが気になるのなら爪剥がしが一番安全か?めちゃくちゃ嫌だがな‥
主人公の彼女はドラッグ代わりのモルヒネを持っている事を思い出し、彼氏に痛みを味あわせたくないがあまり彼氏に飲ませるが、鎮痛作用によって痛みメーターが全然上がらなくなってしまい、主人公はより長時間拷問される結果に‥という笑いどころもあった(この彼女アホか?)

それにしてもロン毛の奴の目的がイマイチよくわからなかった。
僕の想像では、たぶん一人だけ脱出すれば莫大な金が一度に貰えるとか多額の借金がチャラになるとかだろう。
売人だった事がわかるオッサンは多分生きて外に出られたらその構造がわかって再挑戦したのかもしれない。それを実行してたのがロン毛の奴なんだろう。
もうちょっと死ぬ前に、具体的に色々喋ってほしかった。
この拷問部屋の秘密はネタバレしますが「脳内麻薬を抽出してた目的は、それを材料に本物の麻薬を作る」というものだった。どうやってそんな事出来るのかよくわからんがとにかく、この世界ではそういった違法薬物製造ができる世界なので特に疑問も浮かばない。何だか「ブラックミラー」の一話でありそうな話だ。まぁ、この部屋や脳内物質云々の秘密は、お互いを拷問させるための舞台装置に過ぎないので別にどうでもいい。
現実に絡めて語るなら「一つの娯楽は、血や汗を流してる者がいてそれが出来た」という現実がある。
それをトーチャーホラーの形に落とし込んだものだろう。
僕はファストフードのコーヒーとか食い物を食う時に「これらの原料は空中から湧いてきたものでもないし誰かが材料を作って運搬してる人が居て、工場で働く人が作った機械で調理されて、この店の店員が僕に渡してくれた。そしてそれらを運営してる各企業の社員がいて‥それを僕が今飲んでるんだろうなぁ‥」と、たまに思うことがある。
女子が大好きなスタバのコーヒー豆も貧しい国の子供達がめっちゃ重労働させられて死んだりしながら作ったものだし、そう思うと何の苦労もなく法外な快楽を得られるドラッグを作る陰にはこんな拷問で作られた脳内麻薬が使われていた!‥という設定は一見、荒唐無稽でアホらしいが、そこまでおかしな設定には思えなくなってくる。
「容易く得られる娯楽の陰には、誰かの血と汗がある」ということだ。
「酷い目にあって苦しむホラーの登場人物と、それを観て楽しむ我々映画ファン」という「キャビン」的な構造を‥もう本当そのまんまフィクション化した映画でもある。

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アホらしいが筋も通ってるし、まとまってたし意外と楽しく観れた。
想像してたほどグロくなかったし、患部や何やってるかの描写はあまり具体的に映さない(特に女性キャラ)。
僕は別にサディストじゃないので、そんな痛そうな拷問で苦しむ人とか詳細に観たくないのでこんなもんでよかった(だけどグラマーだったり薄着の女性が拷問される前には少しゴクリ‥と思ってしまい、そんな自分が嫌だった)
密室に集められた人たちは一部を除いて殆どがまともな思考や良識を持った人が多く、合理的に淡々と痛みメーターをGETしていくので不快感もなく観れたし。
シェリダンの手腕はどうかという最初の目的だが、こんだけアホらしい映画にも関わらず割と普通に面白かったので良いんじゃないでしょうか。。
それにしても終盤や結末が「ホステル」そっくりだったな。他にも、あちこちにホステルっぽいところがあった。だがホステルのような傑作じゃない。
ところどころおかしなところはあるが、最後まで飽きずに楽しむくらいの面白さはあった。深夜TVで流れてたので何となく最後まで観てしまったが別に文句ないくらいの面白さ、だが2回目観たりBlue-ray買う気には一切ならないくらいの‥100点満点中52点くらいの感じか。最近観た「トゥームレイダー ファースト・ミッション」よりは面白い
とりあえず日本語に翻訳されたシェリダン関連作はこれで全部観たかな。

 

そんな感じでした

「ウインド・リバー (2017)」現実にある地獄の土地を舞台にした現代西部劇。今年一番面白かったかも‥⛄ - gock221B
『モンタナの目撃者』(2021)/「ウインド・リバー」同様、異常に小物で追い詰められた敵の描写が最高🔥 - gock221B

 

「ボーダーライン (2015)」巨大な暴力を目の前にした時の無力感と不思議な快感、同時に我にあり💀 - gock221B
「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ (2018)」カルテルよりアレハンドロとアメリカの汚さにクローズアップしてて前作より好き💀 - gock221B

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「ウインド・リバー (2017)」現実にある地獄の土地を舞台にした現代西部劇。今年一番面白かったかも‥⛄

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原題:Wind River 監督&脚本:テイラー・シェリダン
上映時間:107分 製作国:アメリ

 

アメリカでは僅か4館で公開された小品だが口コミで大ヒットした犯罪ドラマ。
第70回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、監督賞を受賞した。
ボーダーライン」などの脚本家によるメジャー長編映画監督デビュー作らしい。
そう聞くだけで、きっと陰惨で渇いたアメリカのダークサイドを見せる映画なんだろうなとボンヤリ思ってた。
ホークアイ&スカーレット・ウィッチというMCU師弟コンビによる映画なのでチェックしていた(エリザベス・オルセン演じるキャラもジェーン・バナーというMCUっぽい名前)。ジェレミー・レナーはメンタルが鬼強い射撃の名手だし、エリザベスは彼に教えを請う勇気ある女性だし「SHIELDに入らなかったホークアイヒドラに実験されなかったワンダの映画」にも見えてくる(ついでにNetflixパニッシャーを演じてるあの俳優も出てくるし)
この映画はウインドリバーという実際にある恐ろしい土地。そして「レイプ犯とか許さん!」という内容でもあるのだが長期間、数々の有名女優をレイプして社会から抹殺されたハーヴェイ・ワインスタインが製作総指揮になっていたためクレジットから削除された。もし、ワインスタイン追放がもう少し遅れて本作が公開されていたら「えっ‥この内容なのに大レイプ犯が製作総指揮‥?」と凄い絶望を世界に撒き散らすところだった。危ないとこやで
内容良さげだし俳優も好きなので観に行った。ここ何ヶ月かエンタメ大作しか観てなかったのでこういうものが観たかった。
結論から言うと最初から最後まで凄く面白かった。今年の映画の中でもかなり上位に入りそう(一番いいかも知れない)。
長編映画を殆ど撮ったことない監督というのが凄いね(調べるとホラーの小品を一本撮ってるみたい)。監督の中では、自身が脚本を手がけた「ボーダーライン」と「最後の追跡」に続くフロンティア三部作の最終作という位置づけらしい。
いくつかネタバレあり
ネタバレしても面白さに影響はないと思うが、何も情報無く観た方が絶対面白いと思うので、白い服のジェレミー・レナーが銃を構えてる画像から下は読まないほうがいいかもしれない。

 

 

Story
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アメリカ中西部ワイオミング州にあるネイティブアメリカンの保留地ウインド・リバー
美しい広大な大自然の閉じ込められ、法も届かず仕事もない。性被害者がめちゃくちゃ多いが一切捜査もされない無法地帯。
ここで野生生物局の白人ハンターコリー・ランバートジェレミー・レナー)は、雪の上で裸足で凍死しているネイティブアメリカンの少女の死体を発見する。彼女はコリーの亡くなった娘エミリーの親友ナタリーだった。
やがてFBIから新米の女性捜査官ジェーン・バナーエリザベス・オルセン)ひとりだけ来た。
検死の結果、ナタリーは生前にレイプされていることが判明する。
犯人からの逃亡中に死亡したのは明らかだが、直接の死因は裸足で雪原を6マイル走りマイナス30度の冷気を吸い込んだことによる肺出血だった。死因が直接の殺人ではないのでFBIの増援は受けられない。
そこでジェーンは、土地に詳しいコリーに協力を要請。2人は事件の真相に迫っていくが―

 

 

 

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この、現実のアメリカに幾つかあるネイティブアメリカン保留地ウインドリバー。雪に閉じ込められた辺境、法も届かず保安官も数人しか居らず仕事もなく男たちはドラッグを売ってるような無法者しかいない。娯楽もないので男たちは終始きまってるか酔っ払ってるかのどちらか。危険な野生動物も多いので住民は全員、重武装している。そんな場所に若い女がいたらレイプしかない。保安官や警官は住民の総数に対して数万分の1しかいない。ここはもはやマッドマックスや北斗の拳の世界と同じだ。若い女がいるのを見つけたら犯して捨てれば野生の肉食獣が死体を食い散らかして証拠も消してくれる。
めちゃくちゃ怖い。女性の身を守りたければ都会に引っ越すしかない。
※ここでアメリカやヨーロッパに旅行行ってリンチに遭ったり強盗に遭った知り合いの具体例を3、4つ書いてたが、彼ら彼女らが偶然ここを読んで思い出して気分が悪くなったらいけないので削除した
‥そんな話を知り合いから色々聞いて海外旅行する気が一気に萎えた。
とにかく本作の舞台となるネイティブアメリカン保留地は現実にある無法地帯という事だ。
それを知ったのは帰り道なので、捜査する保安官や警官をいきなり銃殺しようとするチンピラがやたら多いので「何だ?」と凄くビックリした。
しかもFBIだと名乗るエリザベス・オルセンをもいきなりブッ殺そうとしてくる。FBIなんて殺したら合衆国政府に地の果てまで追われそうだが、仮に彼女を殺せたとしても死体は見つからないだろう。
とにかく尋問されるくらいなら殺した方が早いって事だ(その殺人が見つかる可能性は少ない)。
捕まったとしても、チンピラを捕まえた保安官は「刑務所ではタダで食事出来るし寒さもしのげるし、アイツら喜んでるんじゃないか?」と言っていた。あながちジョークではないかもしれない。

 

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主人公コリー(ジェレミー・レナー)が、娘の親友だった少女の凍死体を見つけて話は始まり、やってきたFBI捜査官ジェーン(エリザベス・オルセン)。
有能で戦闘力も高いが新米捜査官、しかも一人だけ。二人一組で動くのが決まりではないのか?おまけに彼女は休暇中に「行ってこい」と言われらしく寒さをしのぐ衣服を一切持たずに来た。
この地が合衆国から見放された地だということがわかる。
死んだ娘の検死の結果、何度かレイプされた事がわかるが暴行が直接の死因ではなく、極寒の中を走ったことが死因だとわかった。死因が直接の殺人ではないため、この検視結果をFBI本部に報告しても応援は来ないし捜査打ち切りになってしまうだけだ。
ジェーンはこの事件を捜査するために本部に検視結果を報告せず、コリーや保安官を伴い独自に捜査する事にした。彼女がそうした理由ははっきりしない。たぶん最初は義憤に駆られたわけではなく新米だから仕事がしたかったからのように思える。
ジェーンは優秀で精神も強いが、新米捜査官なので無知だったり迂闊さで窮地に陥ることもあるがコリーといいコンビになっていく。
最初は「華奢だしお嬢さん過ぎて全然FBIに見えん‥」と思ったが、しばらく観てると捜査官に見えてくる。
また彼女の戦闘シーンは、敵の顔面や胸、脚などの同じ箇所を何十発も撃つというもので観てて気持ちよかった。また華奢で美しい彼女が銃を構えて震えながら敵のテリトリーに入っていく様子は「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターを思わせて良かった。

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主人公のハンター、コリーの家庭は崩壊し、妻とは別居している。
そして、コリーの娘も数年前に死んだ事がわかる。
その理由はコリーも知らない。ただ自分と妻が留守中に娘がパーティしてたら色んな者が来たことだけがわかっている。次の日になるとコヨーテに喰われた娘の死体が見つかった。
死んだ娘の親友だった娘も今またレイプされて死んだ。その両親のネイティブアメリカン夫婦も自分たちのように心が死んで悲しみにくれている。
死んだ娘達のためか、自分の魂を納得させるためか、友人である夫婦のためか、それともやって来たFBIのジェーンが娘に被ったのか、コリーは積極的に捜査に協力する。
終盤の彼の台詞から考えると「娘の死から目を逸らさない事だけが、真に娘に寄り添う事」なので、そのように行動してるように見える。強い男。そんな彼に妻は着いて行けず(誰もついて行けないと思う)夫婦生活は終わった感じか。
ジェレミー・レナー演じるコリーは、この土地の自然や地形を熟知しており射撃は百発百中。かなり超人的な男だ(特にメンタルが)。この土地で最も強い人物と言ってもいい。彼というキャラクターと「積極的に捜査する戦闘力の高いFBI捜査官」ジェーン、これらのキャラを投入しない限り、この土地の殺人は暴けないという事だ。
コリーがチンピラをボコボコにする時は、彼に蹴られているチンピラ視点になる。
だから観客はジェレミー・レナーに蹴られる視点になる。
イーストウッド映画でよくある構図!
この映画、最後まで凄くイーストウッド映画っぽいし、きっと好きなんだろう。
それとも、本作が殆ど西部劇みたいな内容だからイーストウッドっぽく見えるのかも。
イーストウッドにしろ本作のジェレミー・レナーにしろ観てると「いいぞ!やっつけろ!」という気分になって応援できる。だが実際に彼らが蹴る瞬間には何も悪い事してない我々観客が蹴られている格好になる。あれ?チンピラをボコしているイーストウッドを応援していたはずが‥蹴られているのは俺でしたァァ‥という視点になる。
イーストウッドに異常な畏敬の念を持たざるを得ない理由の一つには、このアンビバレンツなカット割りのせいもあるかもな~とちょっと思った。
ところで、敵が居そうな場所に赴く直前に、コヨーテ?的な肉食獣の巣が映るところなど、なかなか演出がお洒落。

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コリーの娘に何が起きたのかは最後までわからない。
だが恐らくは「知りたくなかった」と思うような事が起きて死んだのだろう、という事だけは察しがつく。
‥とか思ってたら、その娘の親友だった‥雪の中を走って死んだ今回の事件の被害者ナタリーが死ぬまでの回想シーンが後半、差し込まれる。
この回想が入るとは思わなかったので意表を突かれた。
実際のレイプシーンは短くてあっさりしたものだが「この後、レイプされて無残に苦しんで死ぬ」事が決まってる少女が健康で未来に希望を持った恋人と愛し合っていた女性だということが描写されてる日常描写が観ていてめちゃくちゃ辛かった。
その辛さは「被害者」という映画のマクガフィンのようにしか認識してなかったナタリーが「魅力的な女性(だが数分後にろくでもない連中にレイプされて一人で苦しんで死ぬ事が決定されている)」に変わっていく痛みだろう。レイプシーンや死ぬシーンよりも恋人と楽しくしてるシーンが辛かった。
恋人と共同トレーラーハウス?みたいなところで過ごしてると、同僚の?ヤカラ連中が帰ってくる(主犯の男はかなり蟹江敬三に似た顔をしていた)。同僚はめちゃくちゃ酔っ払っていてウザ絡みしてくる‥というめちゃくちゃ嫌な場面。何しろナタリーはレイプされて男はリンチされて殺されて捨てられる事が決まってるだけにウザ絡みのシーンが凄く長く感じた。
大昔に観たので殆ど記憶ないけどジョディ・フォスターの「告発の行方」っていうレイプ裁判の映画があって、そこに出てくるレイプはジョディ・フォスターがバーで踊ってたら酔っ払った男が来て、まぁ流れで一緒に踊ってたらだんだん‥という流れでこれが凄く嫌だった。本作の主犯の男も最初は割と只の酔っ払った奴にしか見えないんだけど、それがだんだん‥というこの「だんだん‥」という部分がめっちゃ嫌。
最初から北斗の拳の雑魚みたいなヒャッハー系だと、まるで生まれた時から死ぬまで悪党‥みたいに人間じゃない様に思えるんだけど、これらの「普通の男が流れで段々レイプ魔に変わっていく」という描写は、彼らも人間であることを思い起こさせ、そして「自分も環境やタイミングが悪ければこういうレイプとかするのかも‥」と思わせられ「今観てるめちゃくちゃ嫌なレイプ犯と自分は地続き」と感じる事の嫌さなのかもしれない。
ちなみにナタリーの恋人の男はパニッシャー役のあの面長の人が演じている。
コリーがナタリーの家に行くシーン、ネイティブアメリカンである彼らの両親は当然嘆き悲しんでいる。
部屋にはコリーの死んだ娘と死んだナタリーが一緒に写った楽しそうな写真がたくさん貼られている。ナタリーの母親はずっと泣いていて自分の腕を切り(誰も止めないので自傷行為ではなくネイティブアメリカンに伝わる何かか?)娘を思い出の品を抱いてずっと寝ている。
コリーの一人暮らしの部屋には、娘が書いた「理想の世界」の文章が貼ってある。
それらを見て悲しくなった。
監督の「彼女たちは『被害者』という映画のマクガフィンじゃなくて生きてた人間だったんだ。見ろ!」という圧を感じた。それが狙いだったとしたら上手くいっていたよ。

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前半、尋問しようとした容疑者が突然銃撃してきたのでジェーンは銃撃で倒した。
救急車を呼ぼうとするのだが保安官は「救急車が来るまで一時間かかる。こいつはもう死んだ」と言う。
そんな事の繰り返しで、ジェーンは自分が来たこのウインドリバーが、アメリカにあるのにアメリカではないかのような異世界に居る事に気づく。
そんな世界だから、犯人が彼女たちに牙を剥くシーンが、こちらが色んな映画を観た結果、想定していた展開よりも戦闘になるまで何テンポも早い。
「えっウソだろ?」と思ってる間に銃撃戦が始まって気づいたら大勢死んでいてポカーンとするのみだ。
ジェーンも、法が通じないこの地では正式な手順では解決できない事に気付き、どんどんウィンドリバー流の捜査‥つまり終盤では殆ど「狩り」になっていく。
「死刑または私刑の是非」そんなものは衣食住足りて選択肢や文化があるまともな場所だけでの話。ウインドリバーのような地獄では、まず危険なが奴いたら先にブッ殺し、ブッ殺した後どうするか考える‥生き残るにはそれしかないのかもしれない(もしくはさっさと別の場所へ引っ越すか)。
ジェーンは最初、ただFBIの私が解決するぞ~というだけだった(まぁそれが普通だし、むしろ彼女は熱心で良い捜査官なんだが)彼女は物語やウインドリバーの中に、観客の我々と寄り添って入っていってくれるキャラクター。
そして映画が終わる頃にはジェーンの中の「ナタリー像」が我々と同じく「只の被害者」から「勇敢だった魅力的な人間」に変わっていき、ジェーンは号泣する。
コリーはジェーンを優しく見つめ、そして都会に送り返す。やはり娘の幻を被らせているところもあったように思える。
コリーは実に西部劇で気持ちのいい復讐を果たしてくれる。
その復讐の内容は、不思議な「公正さ」を持ったものだった。
その「公正さ」を伴った復讐は、復讐者であるコリー自身や死んだ娘たちの魂をダークサイドに落とさないための強さがある。
コリーは違法に復讐を遂げたが、今後の人生でも堂々と妻子を可愛がったりバーベキューを楽しんで欲しい。そのための公正さだ。その公平さには法的な正しさなどない、ただコリーとジェーンと死んだナタリーの父、あとは神のみが本当のことを知っている。それでいいだろう。
それでいて犯人にとっては地獄‥という優れた復讐。
コリーの心身の真の強さを感じて満足できた。
そんな感じで凄く面白かったし、この監督の脚本書いてまだ観てないやつを観ようと思う。
難癖つけるなら、主人公のコリーとジェーンがあまりにも白人すぎる。
ジェレミー・レナーは凄く良かったので変えて欲しいわけではないのだが、コリーというキャラはネイティブ・アメリカンの方が良かったのでは?
別にポリコレ的な事をうるさく言いたいわけはないじゃないけどね。
ネイティブアメリカン感満載のナタリー父もメインキャラの一人にして一緒に捜査に参加させるとかさ。些細なことだけどね。
ストーリーそのものは子供が観てもわかる単純なもの。だけど登場人物たちの心の中は、個々人の想像力や共感性が必要‥という凄く良い映画だった。

 

そんな感じでした

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「ボーダーライン (2015)」巨大な暴力を目の前にした時の無力感と不思議な快感、同時に我にあり💀 - gock221B

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『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(2018)/凡作だったが僅かな戦闘シーンの良さと便器の汚さだけはガチ🗾

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原題:Tomb Raider 監督:ローアル・ユートハウグ 製作国:アメリカ 上映時間:118分

 

人気ゲームの映画化。ララ役は「エクスマキナ」主演の女性。
監督はアメリカに来たばかりのノルウェーの新人監督。
ゲーム「トゥームレイダー」は1996年、若い時にオリジナルの一作目が出た時に物凄い熱中してやった。それから時が飛んでこの映画の原案である2013年のリブート版のゲーム(基本アラサーくらいのセクシーな女性だった旧シリーズと違って、新米冒険家の21歳のララが主人公)もPCでやって大好きだった(2作目はPCのスペックが低いのでまだやってない、もうすぐ3作目が出る)
このララ・クロフトというキャラクターは20年以上、凄く人気があるゲームの女性キャラ。その期間を考慮すればゲームの女性主人公キャラの中で一番人気(たぶんメトロイドのサムスや春麗より人気ある)僕も凄く好きです。
映画版としては、2000年代初頭にアンジェリーナ・ジョリーが2作主演した。
1作目は駄作とまでは言わないが凡作、2作目が駄作だったためにシリーズは終了。
で、本作はゲームのリブート版を映画化したもの。ネタバレあり

 

Story
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ロンドンで暮らす女子大生ララ・クロフトアリシア・ヴィカンダー)。
謎の死を遂げた冒険家かつ資産家の父リチャードの遺志を継ぎ、トレジャー・ハンターとなり最初のミッションに挑むことを決意する。
それは日本のどこかにあるという卑弥呼がいた絶海の孤島「邪馬台国」に隠された幻の秘宝を封印するというもの。その秘宝には世界を滅ぼす邪悪な力が秘められており、秘密組織トリニティがその悪用を企んでいるという。
ララは、秘宝を求めて邪馬台国に辿り着くが、島はマサイアスウォルトン・ゴギンズ)という男が支配していた――
 

 

前半
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🗾10数年間「トゥームレイダー再映画化まだか」と思ってたんだが、結論から言うと旧トゥームレイダー同様、凡作かな。。旧作より良いところもあるが悪いところもたくさんある。
特に前半がめちゃくちゃひどい。ひどいというか‥どうでもいい。
まず最初に、ララの人となりを紹介するために大量の時間を費やす‥、何と冒険に旅立つまでに40分間くらい費やしてしまう!
ゲームだと、いきなり船が遭難!→あとは冒険をしながらたまに語りや回想が少しだけ入ってララの人となりがわかる感じだった。
というか、ララの人となりは冒険に全部出てるので私生活とかマジで要らん。
ララの背景なんて明快で「冒険家&資産家の娘」「父の意思を継いでトレジャーハンターになる」「ララは運動神経抜群で格闘技も習ってるしアーチェリーが百発百中」「勇敢で、最初はお嬢様だが冒険していくうちに10倍くらい強くなる」
これだけ。
こんなもん冒険しながら描写で見せたり口で軽く説明するだけで充分なのに本作では
「ララがジムで格闘技を習っている」→「ララは遺産に頼らずバイトしているので貧乏」→「バイト先の青年がララに惚れているが気が弱くて告白できない」→「金が無いから自転車鬼ごっこ大会に参加」→「父のノートを見つけて邪馬台国のことを知る」→「私物を質屋に入れて金を得る」→「香港で三人組のスリ少年達と追いかけっこ」→「邪馬台国へ行くため船乗りの中国人ルーを雇う」→「冒険へ‥」‥
こんな感じで、ララの私生活や島に行くまでの顛末が延々と40分かけて描かれる。
マジでどうでもいい!
格闘技訓練とか自転車鬼ごっこ大会とか、ましてやバイト先の青年がララに惚れている描写なんか絶対いらない。
しかもララは街のジムのトレーナーに普通に負ける。ララなんだから「教官に圧勝?天才だ!」でいいんだ。自転車鬼ごっこの経験が冒険で活かされること一切なし(せめてアーチェリーやボルダリングにしろ)バイト先の青年もこれ以降永遠に出てこない。せめて格闘技の教官やサイクリング者やバイト青年も仲間にして冒険に着れてくならわかるがそんな事は一切ない。
ジャッキー・チェンで喩えると「ジャッキーのアクション映画を借りてきたのに、前半40分間、ジャッキーが延々と確定申告の計算をしている」ようなもんだ。
これほどまでに要らない前半部分がある映画久々に観た。
「この40分間、再生しながら洗濯とか掃除とか料理すればよかった」と思った。
この監督、映画を観たことないのか?
「いきなり邪馬台国で危機一髪アクションをしているララ」→タイトルが出る→「数分の回想でこの島に来た理由を語りつつ冒険の続き」これでいいだろ。
ララのアイデンティティは冒険だけで全部表現できるんだよ。

🚽その後、中国に良い顔するためにイケメン酔っぱらい香港人を雇う。
原作ゲームでは発掘サークルみたいなグループが仲間だったが、本作では彼一人が名前のある仲間となる。まあララ以外はどうでもいいキャラなのでどっちでもいい。
彼自身には特に文句ないが、彼の船の簡易トイレがマジでガチリアルに汚い!
酔っぱらいの世捨て人アウトローだから便所も汚くしたんだろう。便器の汚さが凄くリアルに作ってある。
その後、数十分くらい「きったねえ便所だったな‥」「しかし、きったねえ便所だったな‥」と嫌な気分がずっと残り続けて鑑賞の妨げになったので「これは映画なので美術さんが気合い入れて汚いトイレを作っただけ‥」と何度も自分に言い聞かせてアパートの周りを歩いてきてビール買って飲んで便器の事を忘れなきゃいけなかった。
どの映画にも言えるが「リアルに汚い便所」はリアルに映さなくていい。
あとついでにゴキブリとかムカデなどの気持ち悪い虫も出すな(この映画には虫が出てくるわけじゃないが)。80~90年代のアメリカ映画にはやたらとゴキブリとかが画面に出てきて辛かった。「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」とかも本編は最高だが、虫がどちゃくそ詰まった洞穴を歩くシーンがあるからBlu-rayとか絶対に買わん(他には宇宙人の袖からビーチサンダルくらいあるゴキブリが出てくる「MIB2」とかも二度と観たくない)
それと同じ様に便器も汚く作らなくていい。。
しかも、この船乗りが失神したので「ララが水かけて起こす」という場面で、このめちゃくちゃ汚いトイレの上に香港人を寝かせて水をかける。デッキでいいだろ。何で、わざわざこんな汚い便器の上に寝かすんだよ。仲間にする気なのに大便扱いか?それ以前にいくら世捨て人の酔っぱらいだろうがトイレが綺麗でもいいだろ。リアリティ重視のつもりか知らんが、世捨て人の酔っぱらいなのに筋トレして綺麗にボディメイクしてある身体のイケメンなのはいいのか?
「大量のウンコをかぶってしまう」とかなら、もう汚すぎて逆に何とも思わないのだが「便器が汚い」というのはリアルさを感じてダメなんだろうと思う。
あまりに便器が汚かったので、この直後に嵐に遭って船が転覆した時、本当はララとイケメン中国人の安否にハラハラしなきゃいけないのに「汚い便器が海の藻屑になってよかった~」とスッキリしてしまったぞ。
この監督はどうやら色んな事をリアルに描写しようとして全部裏目に出るタイプとみた。

 

 
中盤
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観ても観なくても構わない40分を費やして島に上陸すると、やっと冒険が始まった。
ざっくりした流れはゲームと同じ。遭難して謎の組織に捕まるが逃げた後で、マサイアスに先んじて父がやろうとしていた「卑弥呼の墓の封印」を行う流れ。
そんな中盤から後半にかけては、やっと普通の面白さになった。
というか原作になったゲーム同様、ここから始めれば良かったんだ。
いかにもゲームっぽいパズル的な遺跡の仕掛けなども「トゥームレイダーっぽさを抑えときますよ」程度の感じで何個かあった。まぁパズルはこれでいい‥
ゲームの中にあったQTE(クイックタイムイベント‥イベントムービー中のキャラを動かすアレ)が連続で映像化されていた。
滝流れ→古い戦闘機に逃げ込む→戦闘機も滝壺に落下しそうになって古いパラシュート見つけて外に飛び出す→パラシュート開くがボロボロで林に突っ込むが何とか着地→腹に金具が刺さった!‥みたいな。
「あ、ここゲームでやった。これもやった」というシーンが頻出。ゲームでは島の色んな箇所で行われたQTEがひとまとめにされていたので「これプレイしてたら今の数分間で20回は死んだな‥」と思って楽しかった。
ゲーム内でもララは、むごたらしく死んだり、何かが身体に突き刺さったりと、痛めつけられる描写が多い。
原作のリブート版ゲーム「トゥームレイダー (2013)」は、特にそういった描写が多くてゲームで死んだらララに何か突き刺さって悶え苦しんで死ぬので一部の変態以外には不評だった。
まぁ恐らく、女性が社会に出て色々苦難に遭うという要素を冒険内での痛みに変えて表現した感じ?と言えなくもなかった。
フィクションには「リアリティラインをどこに作るか」という問題がある。
昔のゲームだったら、タンクトップ&ショーパンで細い身体のララが冒険したり恐竜と戦っても不自然じゃなかったけど、最近のフォトリアルなグラフィックで「強いけど超人ではない女性」って感じで描写されたララがあまりにも強すぎるとリアリティさがないので、色々と「痛がる描写」が増えたのかもしれない。
そんで「このフォトリアルなララが、崖を転がり落ちたりするのにタンクトップ&ショーパンはないやろ‥」という事でかショーパンではなくなって普通のズボンになった。
その代りに上はトレードマークのタンクトップいっちょで冒険していた。その言い訳としてゲームではララの二の腕に擦過傷ができまくる(崖から転げ落ちて擦過傷程度じゃ済まんがそこは「まぁゲームだし傷つけたから許してくれや」と、そんな感じだった。
この映画はその辺の「ララの痛み」も拾い上げて描写して、それが後述するララのリアルな戦闘などの良いところを生むこともあれば、悪いところ(まるごと不要な前半とか不必要なほどに汚い便器)もある。
脱出に成功したララは、何かの金具が腹を貫通してしまうので苦しみながら引き抜く。
これはゲームでもあった場面。気持ち悪い言い方だが冒険としての処女喪失シーンと言える。これはきっと大事な場面で、ゲームの制作会社から入れてくれって言われてたんじゃないだろうか
ゲームでは後半、落ち武者の悪霊などが出てくるので、本作の卑弥呼の墓の近くにいっぱい眠っていた護衛団のミイラ達が動き出すのかと思ったが、それはなかった。
また「卑弥呼の呪いや世界を支配するパワー」も、ゲーム内ではマジで超自然現象だったのだが、本作では「卑弥呼のパワーとは、彼女が保菌していた未知のウイルスだった」という科学的なものになった。
まぁララの冒険がメインで、その辺は只のマクガフィンなのでオカルトだろうが科学的だろうがどっちでもいい。この監督はリアリティ重視っぽいから非オカルトを選んだんだろう

 

 

ララの死闘ナイス
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👊ここまで本作のリアルさは、あまり映画の面白さに繋がっていなかったが本作の「ララの戦闘」だけには、そのリアルさが上手く結びついていた。
勇敢さや運動神経は超人レベルだが、物理的な強さは「女子にしては強い」程度のララ。いや、筋肉量や技術で劣っている女子格闘家や男と格闘したらので普通に負けるので「元気な女子」レベルだ。
だからララはトンチを使って罠で敵を殺したり、アーチェリーで射殺したりして戦う。
そして初の戦闘が凄く良かった。
マサイアス一派から逃れた後に、ララは追手に追いつかれたので林の中の泥の水たまりで戦闘する。キャットファイトやメッシー好きの人が喜びそうだが僕は別にそういう趣味ないので普通。
ララは敵の屈強な兵士に殴られたりして苦戦。単純な殴り合いでは勝てないと見たララは格闘技での経験を活かして男に胴締めチョークスリーパーを極めながら男の顔を泥に漬けて溺死させる。確かに女性が屈強な男を殺せてもおかしくないリアルな殺し方を選んだね。
そして最近のアメリカエンタメ映画にしてはかなりエグい倒し方だ。
ゲームでは逃げ出した直後に「ごめんなさい、でも私も生きなきゃいけないの」とか言いながら鹿を殺して食べるというララの生き抜く意思を見せる名シーンがあったが、映画ではこの「自分を殺す気のない、ただ連れ戻しにきただけの男をガチでブッ殺す!」というバイオレンスなシーンに変わっていた。
恐らく普通のアメリカ映画だったら「何となく戦ってるうちに男が頭を石にぶつけて気絶」みたいなボンヤリした感じだったはずだ。そこをモロにブッ殺した。
ララも男にかなり殴られるし、ララもまた明確な意思を持って男を殺すしで、僕は偉いと思ったけど近年のアメリカのPC的にはウケない描写で批評家には「女性が殴られる場面って何だか嫌~」って感じでウケなかったらしいが、僕は「真摯にララというキャラクターや殺し合いと向き合っていて偉い」と思った。世界のごく一部(俺)がそう思っただけで全く報われない偉さだ。
どうやら本作はあまり得しない方向に頑張ってしまったようだ。

👊マサイアスとのラストバトルも、前述したようにララは単純な殴り合いでは勝てないので金的蹴りや関節技で対抗しつつも逆転されて絶体絶命になる。
だが父に間接的に助けられつつ、墓所から脱出できる唯一の橋を破壊してマサイアスの精神ダメージを完全に折り!マサイアスの口に致死性の毒をブチ込み!ついでに崖に落とす!‥という猛反撃で完全勝利!
マサイアスはわずか数十秒の間に3回死ぬダメージを食らって死んだ。
わずか数十秒の間に、物理的にも精神的にもマサイアスは3回死んだ。
3x3で合計6回も死んだ、という悪党にふさわしい死に方だ。
ゆらゆら帝国の「3x3x3」というアルバムは良いアルバムでした。
凄くムカつく悪役の頭を撃ち抜いてすぐ死んでしまうと物足りない。
できるだけ何度も絶望したり長時間苦しんでから死んで欲しいものだ。
この泥臭いラストバトルも他の映画ではないし凄く良かった。
特に「脱出経路を断つ」ところ。ララは結果的に脱出はできるんだけど、この時点では自分も脱出できなくなるのにマサイアスにを絶望させたいというだけの理由で橋を落とすという嫌がらせで橋を落としたのが凄く良かった。
そんな感じで、ララが追手を殺すところと、このマサイアスを完全に殺すラストバトルは本作で唯一良い場面だった(両方合わせて2、3分しかないが)

 


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🗾あとはピッケルでの崖登りや、ラストで三つ編みにして2丁拳銃を手にする終わり方‥などゲームっぽい要素はあった。
まぁリブート版ララのトレードマークは二丁拳銃じゃなくてアーチェリーだしゲーム版の続編でも銃よりアーチェリーを使ってるわけだし三つ編みにもならないのだが、まぁ「この娘が成長したら、あのララになりますよ」という目配せなんだろう。
この辺を含めたゲームにもあった描写の数々(QTEや傷つきながら強くなるララ)は、きっとゲーム会社からの必須項目だったんだろうね。

🗾主演のアリシア・ヴィカンダー。筋トレでガチガチの身体になってるし美人だし演技も出来てて文句はないのだが‥あんまりララに見えないなぁと発表された時から思ってた。
エクス・マキナ」のアンドロイドがハマリ役だったように、どこか無機質かつ陰の魅力のルックスだし凄くエキゾチックな顔立ちなのでララっぽくない。何だかララというより「ララの強い味方」って感じだ。
旧シリーズのララはアンジェリーナ・ジョリー風のツリ目&分厚い唇のセクシーキャラだった。リブート版ララは最近の新人女優っぽい、そばかすがありそうなサンダンス映画祭の映画に出てきそうな白人だった。
この女優さんが悪いわけでは全くないのだが、もっと「モロにイギリス白人!」って感じの女優の方が良かったような気がする。

🗾そんな感じで、前述したように前半が最悪で、中盤と後半は普通。ララの二回ある戦闘シーンだけ凄く真摯で凄く良かった(ただし数分間)、そんな感じ。
各要素を分けて100点満点で採点すると、
第一幕:4点
第二幕&第三幕:48点
ララのバトル:82点
そんな感じだ。平均すると45点くらいか。

昔、色々あったゲーム原作映画と比べるとかなり原作再現できてるとは思うが、そんなものと比べても仕方ない。
制作資金ギリギリ回収できたくらいのポテンヒットだったらしいので、続編を制作する可能性もゼロではない、が僕としては「もう別に続編なくてもいいかな‥」と思った。
続編作るくらいなら監督や女優さんも全部変えてリブートして欲しい。仮にそれがされるとしても再び10年後くらいか?上手くいかないね。まぁもういいわ。トゥームレイダーに関してはゲームした方が早い。
こういう遺跡アクション映画って、真に面白いのはインディ・ジョーンズグーニーズくらいしかないので、面白い遺跡冒険アクションって意外と難しいジャンルなのかな。
この監督は、格闘技やスポーツなどの映画が向いてそう。

 

そんな感じでした

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「ターミネーター3 (2003)」1以外ではこれが一番好きかも💀

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原題:Terminator 3: Rise of the Machines 監督:ジョナサン・モストウ
製作国:アメリカ 上映時間:110分 シリーズ:「ターミネーター」シリーズ

 

 

 

ターミネーター1作目を久々に観て自分の中に小規模なターミネーターブームが起こった(普段は特にターミネーターの事など考えてないが大体、8年に一回くらいの割合でターミネータープチブームが来る)じゃ、次は「ターミネーター2(以降T2)」を観るか‥と思ったがネトフリにもHuluにも無かった。数ヶ月前にはあったんだけど‥まあ仕方ない。2は飛ばして「ターミネーター3(以降T3)」を観ることにした。
僕を含む一部の映画好きだけに人気あるものの、このT3は世間一般では大抵、失敗作と言われて人気がない(似たようなポジションの映画は「エイリアン3」)
ダントツで一番人気あるのは常にT2、次にT1。
そしてT2大好きな人はT3を嫌いというパターンが多い(その理由は長くなるので省略する。君にもすぐ思い浮かぶだろう。それが原因だ)
とにかくそんなわけでT3の低い人気は今後も上がる事はないだろう。
僕はというと、T2は思春期だった公開時の初日に観に行って、ご多分に漏れず凄く面白かったしT-1000のCGに驚き、溶鉱炉で感動したのだが20歳を超えると、何だか妙に悪い意味で少年ジャンプの漫画っぽいノリやウェットな作風のT2が苦手になって今ではT2は全然好きじゃなくなった。
そんな2000年代に公開されたこのT3は、カラカラに乾ききっているしB級映画っぽくて気に入った(僕の評価基準はジョン・カーペンターを中心に据えているのでB級映画っぽさでかなり加点される。イーストウッドは高尚なB級映画MCUは金のかかったB級映画だ)
だけどそんなT3好きの僕でも、T2の方が絶対に完成度高い映画だということはわかっている。この話はまた後で。
だが、そんな好きだったT3の事も「ターミネーター:新起動/ジェニシス」にガッカリしたから、もうターミネーター自体の事を忘れていた。
T1は昔より面白かったが、T3は久々に観返して果たして10年前のアラサーの時のように楽しめるのか?10年、20年前好きだったものに久々に触れて「こんなもんだったのか」という事はよくある。だけど久々に観たT3はやっぱり面白いままだった。
だがT1~2の監督でありT3~4を嫌うジェームズ・キャメロン監督は現在、シュワ氏とリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーを呼び戻して「2から直接繋がる真のターミネーター3」とも言うべきターミネーター六作目を製作中。
このT3や4や新起動やTVドラマは正史から外れた平行世界の物語になってしまった。
ただでさえ人気ないのに、黒歴史みたいな位置づけになってしまい更に観る人は減ったであろう(もし僕がターミネーターシリーズ未見の人間だったらT3以降は観なくていいや、と思っても不思議じゃない)
今後はますます観る人が少なくなりそうだなぁと 寂しい気持ちになった。
T3好きでT2が好きじゃないからといって、別にT2や今度やるT6アンチになるわけではない。
T2は好きじゃないが完成度の高い面白い映画だという事は認めているし(好き嫌いと良し悪しは分けて考えなければいけない)T6も出来によっては近未来の僕が「T6!T6!」と狂喜の火の玉となって往来を闊歩して逮捕される近未来が来る日(審判の日)が来る可能性もゼロではない。
嵐がくるよ‥

 

 


ターミネーター」一作目の感想の時にも書いたのをまた書くことになりますが、僕が思う「ターミネーター観」というのは「(なるべく)現代を舞台に、なかなか死なない無表情のターミネーターというロボットが延々と追いかけてくるのをサバイヴするSFアクション映画」というもの。早い話が只の鬼ごっこだ。
他には「シュワ氏も出てくる」という要素もある(CGですらシュワ氏が出なくなったらこの条件は消える)。
そしてその鬼ごっこ要素とシュワ氏以外の、シリーズ通してのSF要素などは全て、このターミネーターごっこを馬鹿馬鹿しく見えないように設置してあるにすぎない。‥というのが僕のターミネーター観。
だからサラ・コナー、ジョン・コナー、カイル・リース、スカイネット、タイムスリップ、審判の日‥‥などの数々はターミネーターごっこを成立させるための舞台装置に過ぎないというもの。
だからターミネーターごっこよりもSF要素の方が大きくなると面白さが減少する(T4とかTジェニシスはこの過ちを犯した。T4は面白いけどね)
それでT2は鬼ごっこアクションは最高なんだけど友情や愛情などの人間関係がやたらウェットでベタベタしてるのでプラマイゼロになって苦手。この「T3」は金儲けのために作っただけであろうが、とにかく頭からケツまでドライで乾ききった空気の中でアクションが延々と続いていくので最高です。
色んな映画観てきた中で僕が世界で一番好きな映画はジョン・カーペンター監督の、数百メートル移動するだけの映画「ゴースト・オブ・マーズ」ですからね。去年まではタランティーノの性欲を車に置き換えて女性を責めたり逆に責められたりするだけの映画「デス・プルーフ」がナンバー1映画でした(タランティーノユマ・サーマンを怪我させた事件の影響で好きじゃなくなって「ゴースト・オブ‥」が繰り上がり一位に)
「T3嫌い」と言う人はよく「美少年救世主ジョン・コナーが猿顔の無職になってしまった」とか言うのですがジョン・コナーを演じてたエドワード・ファーロングは身を持ち崩してゴラムみたいな風貌になってしまったので、クリクリした目の本作のジョンの方がマシなのでもうそこはネックじゃないと思います(というかジョンとかサラとか、ただの歩くマクガフィンとしか思ってないので別にどうでもいい)
だけどSF作品では「設定=舞台設定」そういうものは多いと思うんですよね。
新世紀エヴァンゲリオン」の黒き月とかアダムとかがどうのこうの‥みたいなややこしい設定は全部「シンジくんの自意識と対人問題」「エヴァと怪獣(使徒)プロレス」の舞台設定に過ぎませんし(だから当時「エヴァの設定などをエヴァの本分だと思ってあれやこれや考えてる人が凄く不思議だった」)
‥という僕のターミネーター観を前提にすると、本作は乾いた雰囲気の中で鶏肉を焼いて塩振っただけのものを食ってるかのようなぶっきら棒な本作は、2にあった嫌な部分(ベタベタした人間関係)がなくて凄く好きです。
本作のシュワ氏‥T-850も、ジョン&ケイトを守るが未来世界で、未来のジョン・コナーを殺害したというブラックな設定があるのが良い。
アクション的には前半の長いカーチェイスシーン。終盤に公衆トイレでシュワ氏とT-Xが便器の破片を巻き散らかしながら行われるどつきあいなどが凄く良かった。
棺桶を担いで警官隊をバーっ!と撃って「死傷者なし」と出るT2の偽善的なネタを再現した場面も可笑しかった。何よりもシュワ氏が棺桶を担いでいるというのがハッタリ効いてていいし。
久々に観たけど、昔と同じ様にとても楽しかった。
ターミネーター同士の闘いの結末や本作自体の結末などは、割とあっさりしすぎてる気もするが、まあ漫才が終わる時に大して面白くないこと言ってモウイイゼありがとうございました~~と立ち去るかのような終わり方で、まあ良かったのではないだろうか。
T2のような感動とかは特になかったけどね。強いて言うなら本作の有り様自体は結構感度的かもしれない。
昔は「可愛いけどT-1000より強いとはどうしても思えん」と思っていたT-Xだが、時代の流れで「ハッキングしたり他のマシーンを操れる」っていう能力一つとってもT-1000の数千倍は強いなと思った。
その代わり内蔵してある未来十徳ガンは、威力がショットガンに毛が生えた程度にしか思えずあまり強さは感じなかった。
そもそも旧式とはいえシュワ氏に対して舐めプで闘いすぎて、結局後で困ったことになってたしね。総合するとあまり強くないかもね。
それと昔は可愛いとしか思ってなかったT-Xだが、今観ると思いのほかターミネータの演技が下手だね。美人がターミネーターの真似してるようにしか見えん。
まぁ、いいか。。
あと今まで知らなかったけどT1~3通して出てくる警察医のおっさんって同一人物だったんだね。マニアなら常識っぽいが僕は別にマニアではないので知らなかった。
まあ、そんな感じでT3というよりターミネーターシリーズ自体の雑感って感じになってしまったがそんな感じだ。
ちなみに「ターミネーター」シリーズで好きな順番は
3=1>>>2>4>>>ジェニシス
こんな感じか。TVドラマ版は観てないのでわかんない。6も普通に楽しみだ。
ターミネーターシリーズはエイリアンみたいに1で完全に終わってる。で、こんな未来もあり得たB級SFアクションとして3が好き」という感じだ
序文でも述べたが、ただでさえ人気ないT3なのに、来たるべき真T3(T6)の出現(審判の日)で、本作は黒歴史みたいな位置づけになってしまい「T2ランド」「T1ランド」の横の空き地にひっそりと存在していた、この「T3大好きっ子公園」は荒野のようになってしまった(T4荒野、Tジェニシス荒野は更に酷い惨状だろうが)
とにかく、めちゃくちゃ人が少なくなったイメージだ。 
だがこのT3荒野にいる人間はゼロではない。この俺のような者もいる。
この荒野に集まって人類抵抗軍を組織しよう。そしてスカイネットを破壊するのだ。

 

 

 

アービバー(アイルビーバック)

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Terminator 3: Rise of the Machines (2003) - IMDb

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