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『ハミングバード』(2012)/「イースタン・プロミス」の脚本家による、アクションよりも人間ドラマ中心のステイサム映画➕

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原題:Hummingbird 監督&脚本:スティーヴン・ナイト
製作国:イギリス 上映時間:100分

 

 

MEG、ワイスピと観て唐突にステイサムにハマったので加入しているHuluとネトフリを検索したら死ぬほどステイサム映画あった。忙しくなるぞ。
これは「イースタン・プロミス」の脚本家の監督デビュー作。ネトフリで観た。
今回は内容全部書いてしまう系の完全ネタバレスタイルで

 


Story
アフガニスタンの戦場で5人の仲間を殺され、報復のために敵を5人殺した特殊部隊兵士ジョゼフ・スミスジェイソン・ステイサム)。逃亡した彼は無人偵察機ハミングバード〉に監視されていた。
彼はロンドンでホームレスをしていたが、唯一心を通わせた少女イザベラがギャングにさらわれてしまう。
彼はシスタークリスティナと触れ合いつつ、裏社会でのし上がっていくと共にイザベラの行方を捜すが――

あらすじは上の通りなんだが、冒頭で落ち武者ヘアのホームレスのおっさんが少女をかばってギャングにボコられている。男は、ほうほうの体で逃げて留守にしている豪邸に入り込む。豪邸の主はしばらく留守にしてるようで男はしばらく住むことにした。都合がいいことにキャッシュカードとかもあって金使い放題だ(そのへんの都合は大人のおとぎ話って事でひとつ)。男がシャワーを浴びて髪をそって‥あぁこのホームレス、ステイサムだったのか。ネトフリで再生して、ながら観してたから気づかなかった。
ステイサム演じるこのジョゼフは、仲良かったホームレス少女がギャングにさらわれた事を知り、自らもギャングになって成り上がりつつイザベラを探す。
男の正体は、元々特殊部隊だったステイサムなので髪切ってハゲになりさえすれば無敵だ。ステータス0だったがゲーム開始と同時にレベルアップする様子が何だかGTAみたいだな(GTA4主人公はステイサムがモデルだしな‥というかGTA4がもし映画化された時にステイサムじゃなかったら怒るぞ。そういえばロックスターは映画大好きな癖にGTAとかレッドデッドとか頑なに映画化しないよな。200%オファーは来てるはずなので断ってるって事だろう。なぜ‥何か計画があるに違いない。。)
‥と脳内たれながしな感じで思考がそのままあふれた様子を書き留めてしまった。話を戻して主人公ジョゼフは、炊き出しをして食べ物を恵んでくれて下町の貧しい者達から〈天使〉と呼ばれているシスターに淡い愛情を抱いている。ジョゼフは成り上がりつつ、シスターと共にイザベラの行方を探す。
ジョゼフには妻と娘がおりバッタリ出くわしたりする。妻は成り上がってばっちりスーツを着込んだステイサムに「あんたが消えてから金がなくて私は家賃払うために大家にフェラしてんのよ!このハゲ!」と罵倒してくる。きっつ‥、こんな哀しい台詞書くなよ‥と気が滅入ってくる。まぁとにかくロンドンの貧困層の魂を出来るだけスクリーンに焼き付けようとしてるんだな。
とにかく今のジョゼフは〈シスターへの愛情〉〈妻子の貧困問題〉〈イザベラの行方〉のために生きている。全部、女のことだな。
ジョゼフのギャングパートは、なにしろステイサムなので無双状態でどんどんステップアップしていく。ホームレスから一気に小金持ちになる。
ジョゼフは食事を恵んでくれたクリスティナに、ギャングで稼いだ大金を渡す。
クリスティナはその金を協会に寄付するが、少し取ってバレエのチケットを買う。
時折、シスターのクリスティナと会って話したり、デートする場面がある。
普段は真面目なクリスティナだが酔っ払ってジョゼフにキスする。クリスティナもまたジョゼフを少なからず思っていたのだ。
だがクリスティナは修道女であるにも関わらずジョゼフに心が揺れ動く自分を律したかったのかアフリカでのボランティアに身を投じる事にした。
2人が一緒にいれる時間は僅かだ。
クリスティナがジョゼフに語った過去「クリスティナは子供の頃、バレリーナになりたかったが父に体操を習わされた。体操のコーチは少女の私に17回レイプしたので喉を斬り裂いて殺した」と語る。クリスティナがシスターになった理由だ。
戦争で虐殺行為してしまったジョゼフと自分をレイプして相手を殺したクリフティナ、とっくに心が死んだ状態で生きていた2人が出会って惹かれ合いロンドンの片隅で身を寄せ合っている。
2人は一度結ばれた後、ジョゼフは「2人で遠くに行って暮らさないか?」と言うが、クリスティナは断る。
そんなロンドンの貧困層を食い物にするギャングや富裕層。
ジョゼフが探していたイザベラは彼らに娼婦にされて殺された事がわかる。
ジョゼフはクリスティナが誘ってくれた有名バレリーナの最後の公演、2人の最後のデートをすっぽかし、犯人が居る高級ホテルの屋上のパーティに真っすぐ行き衆人環視の中、犯人に「下にいる者の事を知れ」と言って持ち上げてそのまま投げ捨てて殺す。
あまりにもダイレクトな殺し方すぎて驚いた。
よいしょっ‥と両手で頭上に持ち上げ、そのまま「えいっ‥」と‥エキプロ(WWEのゲーム)のロイヤルランブルでロープ上からリング下に投げ下ろすムーブそっくりな動作で無造作に投げ捨てたのでインパクト強かった。
これが普通の大作とかだったら「落とすぞ」とビビらせ→何かカッコいいこと言って投げずに立ち去ろうとして→男が撃ってくるのを返り討ち!という流れで終わるパターンが多いが、こんなに単純に投げ捨てるのは滅多にないのでハッ!とさせられた。
その直後、ベロベロに酔っ払ったジョゼフはバレエを観た後のクリスティナに会いお別れを言う。
持ってた大金は全て貧しい妻子と教会への寄付に回し、自分がいたギャングの組織の人身売買について警察に通報した。
やる事を全て終えたジョゼフは元のホームレスに戻るという。僅かな間、また人間みたいに一緒に過ごせた事を手紙の中でクリスティナに告げる。。
だが、アフガニスタンの件以来逃亡していたジョゼフを探していた無人偵察機ハミングバードが彼を発見して終わる。
まぁ逮捕されるか射殺されるかはわからないが、映画のラストとこれが重なってるって事は、映画のラストと同時にジョゼフは死んだも同然だ。実質的に。
というか映画開始時にはジョゼフは本当は死んでいて本編の短い期間、再び生き返ってクリスティナと愛の交換、ホームレス少女の復讐、妻子や教会への援助‥など有意義な事をして、再びもう蘇ることのない本当の死を迎えて終わった感じか。

 

 

ステイサム映画だけにアクション中心の爽快な映画かと思って観たら、こんな悲しい話で、意表を突かれて凄く心に来るものがあった。
90年代位までにイーストウッドとか東映ヤクザ映画でやってそうな話っぽい。
ジョゼフとクリスティナが傷ついた身を寄せ合う感じ。そして何よりも「ジョゼフを無人偵察機ハミングバードが捜索し続けている」というタイトルや設定がいい。
要するにハミングバードというのは死神のメタファーで、ジョゼフがホームレスとして死んだように生きてた時は発見しなかったが、彼が蘇って善行をした事で目立ってしまいハミングバードに発見されてしまう、というのが何とも良い感じだ。
ステイサム主演だからこそ本作を観たわけだが「ステイサム=強すぎる異能生存体」というイメージが強すぎるせいでストーリーと若干合ってない感じがした。これはもっと強いイメージがない普通の俳優がやった方が効果的な話だったかもしれない。
だけど、それなら俺はこれ観てなかったので、やはりステイサムで良かったのか。
とてもじゃないけどハリウッドで大ヒットするような映画じゃないけど、もう少しだけブラッシュアップしてフックがあれば「イースタン・プロミス」くらいにはなれた気がする。‥何か、ただ映画見てるだけでこんな偉そうな事言うのは気が引けてきた。
だけど凄くいい話だったので「これが小品じゃなくもっと金かけた大作で大ヒットしてもっと大勢が観てたら良かったのに!」という不思議な気持ち湧いて俺にそう思わせた。
これ観た直後なんか悲しくなってきて、すぐ明るそうなステイサム映画観た

 


そんな感じでした

《ステイサム主演映画》
「MEG ザ・モンスター (2018)」異能生存体ジェイソン・ステイサムが巨大鮫と対決!良くも悪くも18年前の作品みたいな映画🦈🦈 - gock221B

「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B

「バトルフロント (2013)」スタローン制作&脚本でステイサム主演の、底辺の荒らしを直接論破してプライドを傷つけたら被害が増えるという話😼 - gock221B
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Hummingbird (2013) - IMDb

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『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)、『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)/ステイサム目当てで初めて観たけど面白かった🚗

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走り屋要素、ヴィン・ディーゼル、絆を押し出したファミリー要素、‥どれもあまり趣味じゃないので観てなかったが、
7作目が記録的ヒットしたのと監督がジェームズ・ワン、8作目が「ストレイト・アウタ・コンプトン」の人。そして新キャラのジェイソン・ステイサムシャーリーズ・セロンドウェイン・ジョンソンなどにも興味はあった。
あと今年、ジェイソン・ステイサムドウェイン・ジョンソンによるスピンオフが公開されるのが観たいからステイサムが登場しだした7、8作目だけ観ることにした。
シリーズやキャラの特色などの基礎情報は好きな人から聞いて何となく知ってる程度。
クルマへの興味ゼロなので車種とかは全然わからん。

 

 

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ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」
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原題:Furious 7 制作&主演:ヴィン・ディーゼル 監督:ジェームズ・ワン
製作国:アメリカ 上映時間:138分 シリーズ:ワイルド・スピード(Fast & Furious)」シリーズ

 

 

これはBlu-ray出た時、ジェイソン・ステイサムジェームズ・ワン目当てで観ようとしたが、 冒頭、全く知らないメインキャラ達の近況報告みたいなシーンが20分くらい続くので、知らないグループの二次会三次会にシラフで急に参加したような気分になったのでギブして中断していた。今回はギブせず観るぞ

 

 

Story
オーウェン率いる国際犯罪組織を壊滅させたドムヴィン・ディーゼル)とファミリーたち。
オーウェンの仇討ちに燃えるイギリス最強の暗殺者デッカード・ショウジェイソン・ステイサム)は手始めにホブス捜査官ドウェイン・ジョンソン)を強襲してきた――

さっき言った問題の知らん人らの近況報告シーンは何とか乗り越えた。
その結果、「ステイサム演じるデッカード・ショウが殴り込みに来るので主人公達ファミリーが迎え討つ」「主人公ドムの恋人レティが記憶喪失になってる」「主人公の親友ブライアンに第二子が出来たから最後の闘いにしようとしてる」‥などの事情がわかった。
近況報告パートが終わって、ホブス(ザ・ロック)がデッカードに強襲されて以降は無茶苦茶なアクションに次ぐアクションで一気に進むが、やっぱり文句なく面白かった。
「主人公たちを仕切るのはカート・ラッセル演じるミスター・ノーバディという政府の男」「天才ハッカー女子ラムジーが作ったゴッドアイというシステム奪い合い」という要素も加わって後はずっとクルマをブッ飛ばしたりブン殴りあったりといった卓越したアクションの連続。クルマ映画なのでカーアクションが多い。キャラやクルマには全く興味ないが単純に、めちゃくちゃ面白いので無理矢理手を引っ張られて引き込まれた感じ。
邦題にもなってるが、上空からクルマごと落下したり高層ビルの窓から高層ビルの窓へ2回ジャンプしたりラスボスが乗ったヘリに、クルマでジャンプしてトドメ刺したりとクルマでの空中戦が多かった。
「こんな俳優知らんし、このキャラ居るの?」と最初は思ってたオモシロ担当の黒人だが、激しすぎるアクションの合間に彼がギャグを言うことで良いリズムが生まれてて「最初は舐めてたが作品に必要なキャラだな」と思った。
ヴィン・ディーゼルの意向らしく、作品全体からファミリー(仲間)や家族を大事にするマイルドヤンキー感が物凄い。もう出なくなった過去のキャラや展開をストーリーに組み込んだり敵とトコトンやり合ったら次作でファミリー入りしたり、家族を大事にする様子が他の映画より明らかに多い。
ラスト、本作が完成する前に事故死したブライアン役のポール・ウォーカーを、CGや代役など駆使して、これでもかというくらい追悼するシーンがある。
今までのブライアンのメモリアル映像がぶわーっと流れて笑顔ポールが違う道へ別れて走り去っていく‥という場面、制作陣のポールへの愛情が溢れすぎてて、そして浮世離れしてフワフワとした「あの世」感も相まって、このシーンの事は前からよく評判聞いてたがマジで凄かった。
正直このシリーズ初めて観たから過去のポールの活躍1秒も見てないしポール・ウォーカーなんていう俳優のことも初めて観たにも関わらず、それでもシーンの凄さと「俺達のポールを追悼するぜ!」という熱気にやられてウルッと来ました。僕は映画好きだけど感動して泣いたりとかって滅多にないので凄いな!と思いました。
そういえばブライアンのカミさんは「パラサイト」の主人公の女性で懐かしかった。
先週と今週ジェームズ・ワンの映画を観たが、ちょっとどの映画も要素やアクションやらてんこ盛りすぎ。まとまってるので別に悪いわけじゃないけど詰め込まれすぎで、しかも上映時間がどれも長いので観終わると「面白かったけど何か疲れたな‥」という感じになりがち。本作も目が離せないくらい面白かったけど観終わったら疲れた。
書くの忘れてたが目当てだったステイサムは良かった‥が、やっぱりステイサムは善玉の印象が強すぎるのでやっぱり敵じゃない方がいいかな。トニー・ジャーも良かった

 

「死霊館 (2013)」Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👻 - gock221B
「インシディアス (2010)」「インシディアス 第2章 (2013)」2本続けて観た方が面白い。時空の流れに逆らって悪霊退治👻 - gock221B
「死霊館 エンフィールド事件(2016)」ジェームズ・ワン/横綱相撲みたいな洗練されきった貫禄!本当に大好き👻 - gock221B
『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)/豪腕ワン監督が古いイタリアやフランスの珍妙サスペンスホラーを予算かけて作った感じの愉快な作品🧠 - gock221B

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ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」
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原題:The Fate of the Furious 制作&主演:ヴィン・ディーゼル 監督:F・ゲイリー・グレイ
製作国:アメリカ 上映時間:138分 シリーズ:「ワイルド・スピード(Fast & Furious)」シリーズ

 

 

監督は「ストレイト・アウタ・コンプトン」の監督にチェンジ。
前作で敵だったステイサムと、ミスター・ノーバディの部下スコット・イーストウッドがファミリー入りする(前作出たハッカー美女ラムジーは当然ファミリー入りしてる)。絶対的な敵だったはずのステイサムはピッコロやベジータのようにファミリー入りしてしまうので、新たな敵としてシャーリーズ・セロンが登場。

 

 

Story
束の間の平穏を味わうドムヴィン・ディーゼル)を始めとするファミリーたち。
ところが誰よりもファミリーを大切にしてきたドムのまさかの裏切りでホブスドウェイン・ジョンソン)が投獄される。
ドミニクの背後には謎の女ハッカーサイファシャーリーズ・セロン)の存在が。
事態の収拾がなかなか叶わないレティミシェル・ロドリゲス)たちファミリーは、最後の手段として宿敵デッカード・ショウジェイソン・ステイサム)に協力を要請するが――

シャーリーズ・セロン演じるサイファーに脅迫された主人公ドムが敵になってしまい、新しくイーストウッドの陽気な息子とデッカードを仲間に加えたファミリーが、サイファーとドムの野望を止める、勿論クルマで‥という話。
ステイサム演じるデッカードはファミリーの一人ハンを殺した奴らしいが、あっさり仲間になってしまう。まぁ僕は最初に言ったように、このシリーズは「チェックしとくか」程度の感じで観てるので「仲間を殺したデッカードが味方になるだと?!」ではなく「デッカード役のステイサムが味方になったぞ~」程度にしか思ってないので一向にOK(そもそもステイサムが殺人する場面観てないしね)
それでも前作のステイサムは凶悪なナイフのような男として描かれてたのだが、本作ではザ・ロックと罵り合ってるうちに彼の面白いdisりに対して「へへへ‥」と笑ってしまいザ・ロックもニカッと輝く笑顔になって、前作では殺し合ってたのに笑いあう2人‥。更に後半ではママに頭が上がらなかったり赤ちゃんをあやしながら愉快なアクションしたりして、こうなるともう完全に200%ベビーフェイス(善玉)。
元々、善玉イメージの強いステイサムが無理して悪ぶってたんだねぇ感が漂う。
それでもラスト、ファミリーの打ち上げには参加しないだろうと思ってたら、ちゃっかりパーティの席にニッコニコで座ってて笑った。
もう一人期待してたシャーリーズ・セロン演ずる悪役だが。演技とかルックスは相変わらず素晴らしいんだけど、キャラが「クールで冷酷な女ボス」のステレオタイプって感じで面白くないキャラだった。というかシャーリーズ・セロンもまた前作のステイサム同様ベビーフェイスのイメージ強いから「性格の良い美人のセロンさんが無理して悪役してるな~」感が強かった。
サイファーのハッキング技術は、前作のゴッドアイを遥かに凌ぐもので、大通りのクルマ全てを動かして「ワールド・ウォーZ」のゾンビ津波みたいにしたり立体駐車場から次々とクルマを落として攻撃したりと、もはや完全に魔法(もっともハリウッド映画に出てくるハッキング技術は大抵魔法だが)
サイファー vs.ラムジーのハッキング対決も、ハリウッド映画でよく見るカチャカチャっとキーボード叩いて
ラムジー「これでど~う?天才ハッカーさん!」
サイファー「ん?やるわね?」
みたいな牧歌的なものだった。ワイスピなんだから当然だよな。
「ここまでのハッキング技術があったら核爆弾盗んだり危険なことしないで普通に事業で億万長者になれるんじゃ?」とか「そもそもアメリカ政府は、なんで米軍やCIAじゃなくて数人の走り屋にこんな国家規模の任務をやらせてるんだ?」とか、そんな事を言い出すとキリがない‥キリがないっていうかそんな事言う人は単純に映画楽しむ才能ないか心にゆとりのない人ですよね?
このシリーズは「主人公ドムとファミリーが〈クルマで〉派手に活躍する」という要素だけが重要で、他の‥国とか兵器とか全ての物事は、ファミリーが活躍するための舞台装置にしか過ぎない。だから、そんなところにツッコむことは「何で映画って100時間じゃなくて2、3時間くらいで終わるの?」「何で映画ってカットが割ってあって、話が繋がって面白くなるようになってるの?」とか訊くようなものだ。ツッコんでも無駄。
クライマックスは氷の下を行く潜水艦とのチェイス。まあ普通に文句なく面白い。
初見の僕ですら感動させたポール・ウォーカー効果もあって「SKY MISSION」の方が人気らしいが、ジェームズ・ワン演出があまりにコッテリし過ぎて疲れたので、俺は単体の映画としてはこっちの方が好きかな。
観る前に思ってた通り「マイルドヤンキー的なファミリーの絆」「ヴィン・ディーゼル」「クルマ」などには相変わらず興味ないし、7、8作目だけ観たせいで知らない人のパーティの三次会に迷い込んでしまった気分は払拭されなかったが、でも普通に面白かったので、そんな一見さん状態のまま楽しみました。
というか最近、スーパーヒーローものを筆頭に、キッズでも観れるファミリー向けばかりだからか、このシリーズは明らかに大人をターゲットにした雰囲気なので、何だか懐かしいようなホッとしたような感じがした。
しかしよく考えると他のアクションは‥たとえばトム・クルーズとかってファミリー感どころか人間かどうかもわからんしアクションヒーローは孤独な奴の方が多いしで、こんなにファミリーの絆を出してるのはこのシリーズだけなので、僕はそこには興味ないがそういうのが好きな層が観るにはピッタリなシリーズかもしれん。

🚗だが、舞台裏での絆は壊れてしまったらしく、ヴィン・ディーゼル&古参メンバーと、ドウェイン・ジョンソン&ステイサムの新メンは金や人間関係のもつれで真っ二つに分裂したらしく、次回作は後者2人組によるスピンオフになった。「デッドプール2」監督が撮ったらしい。
Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw (2019) - IMDb
一体どんなトラブルがあったのかは明らかにされてないっぽいので知らんが、僕はステイサム目当てでこの2本観たので、スピンオフの方のシリーズを推していくぜ。

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

 

「ストレイト・アウタ・コンプトン(2015)」N.W.A.やヒップホップに詳しくなくても判りやすく面白いラップ三国志 - gock221B

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Furious Seven (2015) - IMDb

The Fate of the Furious (2017) - IMDb

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『アクアマン』(2018)/明るくて中国の武侠ものっぽいヒーロー映画。シチリア島での地上戦と半魚人トレンチが好きでした🔱

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原題:Aquaman 監督&原案:ジェームズ・ワン 製作国:アメリカ 上映時間:143分 シリーズ:DCエクステンデッド・ユニバース第6作目

 

 

🐟DCエクステンデッド・ユニバース(以降DCEU)第6作目。
DC+ワーナーは公開されるたびに低評価かつ興行成績が落ちていく厨ニダーク路線に見切りをつけ、明るく正攻法で作ったら女性ヒーロー映画初の大ヒット&高評価だった「ワンダーウーマン (2017)」のヒーロー賛歌路線に切り替えた(‥と言ってもDCコミックには明るいものもダークなものもあるのでどちらが正解という事はないのだが、順番の問題だろう。(本作のアクアマンみたいに)明るく正当派のスーパーマン作ってからダークなバットマン作って「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」で光と闇の対決しながらワンダーウーマン出してJL結成して‥と、やるべきだったのを最初のスーパーマンの時点からダークにしたのは間違いだった気がする)
そしてワーナーDCは、性急なユニバース形成の失敗の数々から学んだのか「作品同士の繋がりのことは一旦考えるの止めて今後しばらくは一作一作、単品映画としての完成度を高めます!」と、いう路線に切り替えた(良いと思います)。
そうして創られた本作。なんでも中国での観客動員数が物凄かったらしい。
内容を観ればわかる気がする。たとえば僕はバットマンの方が好きだがバットマンを楽しむには、ある程度バットマンへのリテラシーがいるしアメリカの社会状況なども踏まえる必要があるが、アクアマンは見た目からし三国志水滸伝の豪傑みたいだしパワーもわかりやすい、ストーリー展開や描写が中国や香港の武侠ファンタジーそのまま。美女や合戦や冒険や化け物‥アジア圏が好きなものが全部入ってる。
全米では「ダークナイトライジング」を超えられず2位に甘んじてるが、世界興行成績が何とDC映画ナンバーワン。評価も高い。名実ともにノーラン→ザックと続いていたダークな路線を明るいDCが完全に刷新した。
最初は発言力が低かったと思われるジェフ・ジョーンズの力も今後は増すだろうし、ワーナーDC映画が、この流れになるのを14年間待ってたので嬉しいです。
DCが自前で始めた配信サービス〈DCユニバース〉も良い感じだし僕の中では、今後は期待が高まっているDC事情です。
🐟監督は「SAW」でデビューして「インシディアス」シリーズや「ワイルド・スピード SKY MISSION」を超絶ヒットさせ〈死霊館バース〉というオリジナルのシネマティック・ユニバースまで形成してしまったジェームズ・ワンが「自由度が高い」という理由で他のクリエイターが選びたがらないネタにされやすかったDCヒーロー、アクアマンをわざわざ選んだので、僕は「あぁ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を撮ったジェームズ・ガン同様、なんかビジョンがあるんだろうな」と期待してました。
ジェームズ・ワン作品は全部観てるがワイスピだけ観てなかったので「SKY MISSION」借りて前日に観といた。
そこそこネタバレあり。無駄に長いです

 

 

Story
昔、灯台守の男カリーは海底に栄えるアトランティス帝国の女王アトランナニコール・キッドマン)と出会い恋に落ちる。だが2人の間に生まれた息子アーサーを守るためアトランナは海に帰ってしまった。
現代、アーサージェイソン・モモア)は、怪力を持ち海中での数々の特殊能力を持つメタ・ヒューマンアクアマン〉へと成長し、人助けをして人々から愛されていた。
一方、海底ではアトランティスの王オームパトリック・ウィルソン)通称〈オーシャンマスター〉が地上を凌駕するテクノロジーと海のモンスターなどで地上を攻めて地球征服するために動き出した。
海底国ゼベルの王女メラアンバー・ハード)はオームによる地上征服を止めるため、アクアマンの元にやって来たが――

 

 


アクアマンは「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)」でチョイ出しされて「ジャスティス・リーグ (2017)」ではリーグの一人として闘った。
だが過去作は観ず、本作からいきなり観ても何の問題ない。
「この世界は既にスーパーマンとか居るしメタ・ヒューマン(超人)が居ても驚かれない世界」「アクアマンはジャスティス・リーグの一員としてステッペンウルフから地球を救った事を皆、知ってるので有名人っぽい」という事を知っとくだけでいい。
また「海底にはアトランティス帝国がある」という事は、普通の人は知らないがシン博士など極一部の人だけ知ってるみたい。
灯台守カリーが海岸に倒れている‥アトランナ(ニコール・キッドマン)を助け、2人は恋に落ちて後のアクアマンとなる少年アーサーを産む。
アトランナはアトランティス帝国の王女だったが政略結婚を嫌って地上に逃れた。
アーサーを産んだ後、アトランティス兵に灯台を嗅ぎつけられてしまう。
ここで皆が知ってる美熟女ニコール・キッドマンが物凄いアクションでアトランティス兵を倒しまくるという異常なシーンが観れる。
だが夫とアーサーの今後の安全のため彼女はアトランティスに戻った。
人魚姫のような話。
―また最後まで観るとわかるが、本作はアクアマン個人の話というよりもメラやオームや参謀バルコ、何よりもこの両親の話、ファミリー向けファミリーの映画であった事がわかる。この辺はワイルドスピードのファミリー大事要素を感じた。「ブラックパンサー」がティ・チャラ個人の話というより「ワカンダ」って感じの内容だったのと本作も似てて「アトランティス」っていう雰囲気が強い。
その後、アトランナを慕っていた参謀バルコ(ウィレム・デフォー)がこっそり灯台を訪れては、魚と会話できる不思議な少年アーサーにトライデント(銛)での闘い方や海中でのパワーの使い方などを教えた。
彼が言うにはアトランナは脱走の罰として凶暴な種族に差し出され消息不明になったという。恐らくもう生きてはいないだろうと。アーサーが元気な無職みたいな男になってしまったのは「自分が望まれず生まれてきた」と感じて育ったせいなのかもね。
‥そんなアクマンのオリジンが描かれるが、近年アメコミ映画が多すぎて第一幕いっぱい使って語られるオリジンに飽き飽きしてる人が多い。そこで本作のオリジンは、既にアクアマンとして海賊を退治したりメラと共にアトランティスを訪問したりする展開や滑らかなアクションの隙間に、回想として差し込む形でオリジンを消化しており。スピード感を損なわないように自然とアクアマンのオリジンを観せていた。
ゲームでいうと‥「バイオショック:インフィニット」はプレイヤーが操る主人公がモノレールやエレベーターに乗って移動してる時などアクションできない移動時間を使ってサブキャラがストーリーを語ってくれるので、長いムービー観るよりプレイしながらストーリーが聞ける有意義な感じが好きだったが、本作はその快適な感じに似てました。
そして逞しく成長した現在。一回、地球を救った事で「アクアマン」の名で愛されている男アーサー。
普段は散歩感覚で犯罪者をボコボコにして父親とビール飲んで暮らしているようだ。
彼が恐らく習慣のようにのやってるっぽい海賊退治のくだりは、ヴィランの一人ブラックマンタのオリジンにもなっている。さすがは原作のないオリジナル映画ユニバースを成功させた唯一人の男ジェームズ・ワンだけあって、多くの情報量を整理する交通整理力。本作は他の監督だったら映画2本くらい必要な情報量を破綻なく一本の映画に入れてて感心した(次に「ジャスティス・リーグ」作るならワンでいいだろ)
アーサーも「気のいい蛮族」って感じの豪傑そのもの。
ただモモア氏がプレミアの時、得意のハカを披露してテンション上がりすぎてトライデントをへし折ったのはヒーロー役の俳優としてどうかと思った。
The Haka at LA Aquaman Premiere - YouTube
「モモアは良い人物」「快男児モモアはメタルが好きなのでギタリストがテンション上がってギター破壊するのと同じ」‥と、悪気はなかったと頭ではわかるし「ジャニタレがヒーローショーでマスクを脱いで幼児の夢を壊した!」とか言う特撮ヲタみたいな事言いたくはないが、それでもメイン武器を折られるとどうしても醒めるものがあった(クリス・エヴァンスが舞台挨拶でイェー!つってキャップのシールドを叩き割ったら「え‥」となるでしょう)
原作のアクアマンは基本、本作のオームみたいな小奇麗な金髪白人。で、たまにモモアみたいなワイルド髭スタイルになる事がある。個人的には小奇麗な時の方が好きなんだけど、ジャスティス・リーグの一員として考えるとワイルドスタイルにした方が埋没せずキャラ立ちしやすいのは、まぁわかる。
そしてハワイ系のモモアがアクアマン役の方が「海と陸を繋げる男」感が出たし。

 

 


深海にはアトランティスだけでなく、メラの父ネレウス王(ドルフ・ラングレン)が収めるゼベルという国。他にも人魚っぽい種族やカニっぽい種族の栄えた海底国があり、それら4つがメインの海底帝国。
アーサーの異父弟であり現在のアトランティス王でもあるオーム(パトリック・ウィルソン)は、母が行方不明となった原因である兄アーサー、そして海を汚染する地上人を憎んでおり、海底4大国を束ねる〈オーシャン・マスター〉を名乗り地上を含めた地球征服に乗り出す。
オームは、ソーで言うと正にロキみたいなポジション。このキャラは人気出るかな?
パトリック・ウィルソンはアーサー役のモモアより遥かに年上なのに弟役なんだな。
彼は本作のジェームズ・ワン監督の「インシディアス」1、2作目の主演。同じくジェームズ・ワン死霊館」シリーズの主人公の一人エド。アメコミ的には「ウォッチメン」のナイトオウルII世か。パトリック・ウィルソンは今まで散々「不倫したり怪我したり何らかの困った状況に直面してカーディガン着て曖昧な顔で困惑する中年の夫」役を15年くらい演じてきていてそういう認識の俳優だったのに、ここにきて急に筋トレして金髪にして「繊細で美形の弟スーパーヴィラン」を演じてるというのが‥実際に彼はイケメンだし演技力あるので文句はないが、まるで若いイケメンの演技にパトリックの顔をはめ込んでるかのように見えてしまう彼が、釣り上げられたカジキマグロのように跳ね回って暴れる姿‥そして帰宅してTwitterのTLで本作を観た女性ファンがオームに萌え狂ってるという異常事態が何とも面白かった。
だめだ、たぶん上手く伝わってないな。。
本来イケメンの20代がやるような繊細な弟の役を46歳のゆったりした中年男性役をよくしてる人がやってる不思議さというか‥
海底国ゼベルの姫君メラ。ちなみに王である父親役はドルフ・ラングレン
メラは「ジャスティス・リーグ」に出てきて何か言ってたが台詞まったく覚えてない。
オームの許嫁でもあるが、彼女本人はアトランナ同様それを望んでおらず、またオームと父による地上侵略を止めようとアトランティスの真の王候補であるアーサーを訪ねてくる。
母を奪ったアトランティスを疎ましく思っているアーサーはその誘いに乗り気ではなかったが、オームによる地上への第一波(津波を起こし戦艦とゴミだけを浜辺に残し「俺たちアトランティスが人為的に津波を起こしたぞ」というメッセージを送る)で、父が危険な目に遭い、争いを止めるためメラと共に渋々アトランティスに向かう。
それにしても日本人としては「津波を起こすとはオームって極悪人だな」と思ってしまうな。
彼女はアーサーと殆ど全編、一緒に行動するという他のヒーローには出来ない「カップルでヒーロー」という強みを遺憾なく発揮していた。
彼女は「水を操る」というアクアマンにないパワーを持っている。
全編、武侠ものの英雄みたいに活躍するし「カンフーハッスル」のオバハンの必殺技「獅咆哮」みたいに両手を突き出しながら大声を出すと共に水を無数の矢のように飛ばす超必殺技も見せる。
アンバー・ハードは昔から凄くスキのない美しさでスタイルも凄かったが今までそれが役で活かされる事のなかった無駄な美人ってイメージだったので代表作が出来てよかったねと思った。
アトランティスは、明らかに地上より科学が発展している。
その一方で妙に野蛮な風習があったりする。その感じはソーのアスガルドと似てるね。
海底人は魚みたいに地上では呼吸できないので、地上に出る時は海水で満たされたスーツを着ていく(スーツが割れると窒息する)。ただしアーサーやオームやメラやバルコなどの王族や身分の高い者は地上でも肺呼吸が出来る。
アトランティスの人々は凄いスピードで移動できる(泳ぎじゃなくて念力で動いてるように見える)あと馬の代わりにサメや巨大タツノオトシゴに乗り、自動車の代わりにUFOっぽい潜水艇に乗っている。
こんな我々の科学力を遥かに凌駕するアトランティス帝国が現実の深海にある‥とは、にわかに信じがたいが、現代の科学ではマリワナ海溝の深く‥どころか海中の殆どは観測不可能で予測しかできないため、もしこんな帝国が仮にあったとしても我々には気づく事ができない(地底王国も同様)
この「想像を遥かに超える信じられない話だが否定しきれない。ひょっとしてあるかも?」という塩梅、それが都市伝説を生む。「アトランティス大陸が本当にあったっぽい?」という研究も未だ継続中で新しい新情報が出てるしね。
また「殆どの海底人は地上で呼吸できない」というのも「何で今まで地上に来なかったの?」という疑問の回答になっていて上手い。アトランティスの科学が発展し、地上を闊歩できるスーツが出来たので地上侵略も可能になった。

 

 


メラと共にアトランティスに初訪問したアーサーだが、オームに囚われてしまう。
憎んでるし、兄であるアーサーに戻られたら王の権利や地上侵略が危うくなってしまうので邪魔なのだ。
猪突猛進タイプのアーサーは王の座をかけてオームと決闘するが、地の利はオームにあるし母の形見のトライデントはオームの王トライデントより脆く、叩き折られて完敗。
そこでメラが全てを捨ててアーサーを救出。
2人は事態の収集を図るため、初代アトランティス王が持っていたと言われる伝説のトライデント探しに出かける。
そのトライデントは神秘の力を持ち、手にした王は海の全ての生き物従える力を持つと言われる。しかしそれを求めた者の多くは行方不明となっている。
アーサーとメラは、インディ・ジョーンズめいた冒険をして、トライデントの在り処が隠されているサハラ砂漠やイタリア・シチリア島を巡る。
そこで、オームに与えられたアトランティス装備でアーマーを作った地上人がスーパーヴィラン、ブラックマンタとなって2人を強襲。
詳しくないけど見かけるたびに「このアクアマンの頭でかいヴィランのデザインめっちゃ可愛いなぁ」と思ってたが、原作そのままデカ頭で出てきて最高。
ブラックマンタの中身は、序盤でアーサーに倒された黒人の海賊。
アーサーは海賊の黒人父子を倒すが浸水によって父の方が死んだ。アーサーは父を余裕で助ける事ができたのだが「自業自得だ」と見殺しにして死んだ。
生き残った息子はアトランティスに流れ着き、アーサーへの復讐心をオームに付け込まれスーツと私兵を与えられたのだ。
このアーサーによる海賊父子の見殺しは彼が言うように、確かに父子の自業自得なのだが人間を遥かに凌ぐパワーを持った者‥スーパーヒーローとしては明らかなミスだった。
この時点でのアーサーはまだ「ヒーローのアクアマン」にはなり切れておらず、只の「気のいい豪傑アーサー」でしかなかった。このアーサーのミスがスーパーヴィラン、ブラックマンタを生み、その反省を元にアーサーも心を入れ替えてスーパーヒーロー、アクアマンとなる(どうせなら強盗を見逃したスパイダーマンみたいに、ブラックマンタが誰かアーサーの知り合いを殺しちゃうとか、それくらいの展開が欲しかった)
このシチリア島での、アーサーvs.ブラックマンタ、メラvs.アトランティス軍は本作で一番面白いところだった。
アーサーは主に地上、メラは主に屋根の上をメインに二手に分かれてチェイスを繰り広げる。その2本の線がワンカット風の映像で交差したり分かれたり、建物の中をぶち破って出たり入ったり色々するのだが、まるで2つのチェイスを同時に観てるかのような立体的な描写で凄く良かった。一体どうやって撮ってるんだろ。ドローン?
というか多分、映画の中で観たことないような映像だった。
とにかくこのシチリア島のアクションは良かった。
2人のデートも良かった。というかジェームズ・ワンの映画全般に言えることだが画面内も展開も情報量てんこ盛りかつ上映時間が長すぎて観終わったらグッタリする。
だからこのアーサーとメラが薔薇食ったりしてノンビリするところは唯一ホッとできて良かった。というかもうちょっとライトな感じでいいんだけどな。

 

 


2人はトライデント探しで海底人も寄り付かない凶暴な半魚人トレンチが棲む立入禁止海域に行き(ちなみにここもイタリアでのチェイスと同じくらい良かった)、色々あって真のアクアマンとなったアーサーは、オーム&海底4大国を相手に「海のスター・ウォーズ」って感じのクライマックス戦へ雪崩れ込む。
真トライデントを入手した後は、真・アクアマンって感じに覚醒する。
海の殆どがアクアマンの意のまま‥と考えると地球の殆どは海だし、もうとんでもなく強い気がする。「ジャスティス・リーグ」はスーパーマンより何周りもパワーが劣る感じで描かれてたけど、この覚醒によってアクアマンの強さも上方修正された感じで良いですね。
アトランティス軍は鮫やらクジラやら訳のわからん巨大怪獣らがいて、海中なので上下左右前後すべて使った戦闘が行われる。だけど各キャラの位置関係とか「誰が誰を狙って何をしてるか」などが全部ちゃんとわかる凄い難しそうなシーンだった。
ちなみにラストカットは「ナレーションで自己紹介しながら大ジャンプして静止」というDCヒーローのラストでよくあるパターンのやつ。
明るくて凄く王道の展開。ただ気のいい強いだけの男だったアーサーが前以上に利他的な精神に目覚めてスーパーヒーローになるオリジン。
アーサーが成長する要因はたくさんあったが、僕的には「海賊を見殺しにした自身のネガティブな心がスーパーヴィラン・ブラックマンタを生んでしまった。マンタが誰か罪なき者を殺したら自分のせいだ。これからは自分の力に責任を持とう」と思ったであろう事が大きい気がした。
「マン・オブ・スティール」もスーパーマンをこんな感じに描いて欲しかった。別にダークな作品も好きだが変化球投げるなら、まず最初に正統派の正しいヒーロー像を先に描いた後でやるべきでしたね。
だが贅沢な文句だが、あまりに明るくて暗部が無さすぎて心にあまり残らないなとも感じた。クソ暑い真夏の日、焼けたアスファルトにこぼして蒸発するスプライトみたいな映画というか。ジェームズ・ワンが制作したホラー映画群や「ワイルド・スピードSKY MISSION」もそうだったけど、凄く面白いけど残らないんですよね。
でも今までに公開されたDCEUでは‥当然トップ。本作か「ワンダーウーマン」のどちらかがナンバーワンだろう。MCU未開拓の「女性ヒーロー」「海」を先に獲ってるのもいいですね。
そういえば最近ジェームズ・ワン映画に対して気づいたんだが、この人の映画ってどれも白人が出てくる率が高いね。本作では主人公アーサーがハワイ系、黒人は後半ずっとマスク被ってる悪党ブラックマンタしかいないし。ホラー映画群もそんな感じ。別にそれを指して「ホワイトウォッシュだ何だ」的なポリティカルな文句を言いたいわけじゃなく、ただ見たまま言ってるだけだけどね。テイラー・スウィフトの客層みたいに白人が殆どのメイン層なのかな?それを撮るのがアジア系のジェームズ・ワンだから文句も出ないだろうし。考えすぎ?まぁ、そんなこと別にどうでもいい。
シチリア島でのブラックマンタ小隊との立体的な追いかけっこと、恐ろしい半魚人トレンチの大群に追いかけられるホラー描写が特に良かったです。
好きなキャラは‥何気にアーサーのお父さんかも。犬と一緒にずっと灯台に居て、海を照らしてるなんてカッコいい。
妙に多い情報量を消化してるだけで面白くない感想になったけど、そんな感じでした。
ジェームズ・ワンがDC映画撮るかどうかは知らんが、もし撮るなら「アクアマン2」よりも「グリーンランタン・コァ」撮ってほしい。ワン氏ならコァの大勢のランタン達そして宇宙空間で大勢が戦争する様子も本作同様、余裕だろうし、そのままシネストロ・コァウォー→ブラッケスト・ナイトとかまで撮ってほしい。
次のDC映画は‥4月の「シャザム!(2019)」か。次も明るい路線ですね。

 

 

そんな感じでした

〈DCEU〉
『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)/2時間以上我慢して観ればカッコいいワンダーウーマンが数分間観れるのが良かった👨🏻🦇👩🏻 - gock221B

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『ザ・フラッシュ』(2023)/主演エズラとムスキエティ監督への不信感が強かったが、噂通りそれが全部裏返って超最高のアメコミ映画だった……面白くないシーンがない⚡ - gock221B

 

 

ジェームズ・ワン監督映画〉
「死霊館 (2013)」ジェームズ・ワン/Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👻 - gock221B
「インシディアス (2010)」「インシディアス 第2章 (2013)」ジェームズ・ワン/絶対に2本続けて観ないとダメ。時空の流れに逆らって悪霊退治👻 - gock221B

「死霊館 エンフィールド事件(2016)」ジェームズ・ワン/横綱相撲みたいな洗練されきった貫禄!本当に大好き👻 - gock221B
「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B
『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)/豪腕ワン監督が古いイタリアやフランスの珍妙サスペンスホラーを予算かけて作った感じの愉快な作品🧠 - gock221B

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Aquaman (2018) - IMDb

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アクアマン:アトランティスの王(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

アクアマン:アトランティスの王(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

 
アクアマン:王の遺産(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

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アクアマン:王の最期(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

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『死霊館のシスター』(2018)/これ以上ないほどシンプルな、おにぎりみたいなホラーで好感触➕

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原案:The Nun 監督:コリン・ハーディ 製作&原案:ジェームズ・ワン 制作会社:アトミック・モンスター・プロダクション 製作国:アメリカ 上映時間:96分 シリーズ:死霊館ユニバース

 

 

 

死霊館」に出てきた本筋にあまり関係ない《呪いのアナベル人形》がスピンオフ映画化されて「アナベル」シリーズになったように「死霊館 エンフィールド事件」に登場した、やはり本筋と関係ない《悪魔のシスター》のスピンオフ。
こんな感じでホラー映画初のシネマティック・ユニバースを形成した死霊館バース。ホラー映画初というかMCUとDC以外のシネマティック・ユニバースは全部開始と同時に壊滅してるから世界に3つしかない「上手くいってる成功してるシネマティック・ユニバース」の一つ。
ちなみにアナベルやシスター同様「死霊館 エンフィールド事件」にシスターと同時に登場した、シスター同様本筋とあまり関係ない悪魔〈へそ曲がり男〉もスピンオフ化されるらしい。何か前例がありそうでない不思議な経緯だよね。というかエンフィールド事件って本筋に関係ない奴らが同時に複数襲ってきて後から個別に映画化されるという「ジャスティス・リーグ」方式の凄い映画だったんだな。ダーク・ユニバースもきっとこうなりたかったんだろうな。
内情がどうなってるのかは詳しく知らないが、ジェームズ・ワンは自分のホラー映画の方程式をチーム間で完全に共有してるみたいで、ジェームズ・ワンが撮らずに仲間に撮らせても同じかそれ以上に面白い映画になっている(「インシディアス序章」とか「アナベル」)。4作目「アナベル死霊 人形の誕生」が初めてつまんなかったので興味を失ってたが別シリーズ「インシディアス 最後の鍵」が面白かったので興味が復活した。

  

 

 

1952年、ルーマニア修道院で若いシスターが自ら命を絶った。
不可解な点が多いため、バチカンはバーク神父(デミアン・ビチル)と見習いシスターのアイリーン(タイッサ・ファーミガ)を派遣する。
調査を開始した2人と遺体発見者の青年フレンチー(ジョナ・ブロケ )は、修道院に隠された恐るべき秘密‥そしてシスターの姿をした悪魔〈ヴァラク〉の存在に行き着く‥。
そんな感じで今回は「シスターと神父と青年の三人組が悪魔と対決」これ以上無いほどシンプルな話。
いつもタイトルの出方がカッコいいジェームズ・ワンホラーだが、今回はこんな感じ。
気のいいイケメン青年フレンチー。修道院シスターの首吊り死体を発見。
カラスがシスターの死体をついばみシスターの下の地面には血溜まりが出来ている。
フレンチーが「こ、こりゃひでえ‥(汗」と言うとカラス達がぶわーっと飛び立ち「THE NUN」と、タイトルが出る。今回も凄くカッコよかった。
このイケメンはフランス出身なのでフレンチという名前はわかりやすい。何してるかよくわかんないけどフラフラしてる感じ?今で言うフリーター?
フレンチーはサポートキャラで、悪魔祓いをよく命じられ〈不思議狩り〉の異名を持つバーク神父。そのアシスタントとして霊感が強い新人シスターの主人公アイリーンが付いていく。ヴァチカンが何故アイリーンを同行させたのかの理由は最後までわからない。アイリーンの霊感が強いから?それとも予言的なこと?
舞台は殆ど巨大な修道院オンリー。出てくるメイン登場人物ほぼ三人‥による二日間の出来事、というシンプル過ぎる話。
構成としては何時ものように前半はモダンな幽霊屋敷映画方式で怯えさせて、終盤は悪魔に対抗、「悪魔も皆で頑張れば撃退できる」って感じのアメリカンなエクソシズム対決が行われる。アメリカ人が好きそうな感じ。
まず古城を改造した巨大修道院が舞台なだけあって、いつも美術がカッコいい死霊館バースだが何時もにも増してカッコいい。殆どのカットに対して「か、かっこいい‥」と思わされる。
だが、ジェームズ・ワン制作ホラー。さすがに量産しすぎたせいか2、3作前くらいから新しいアイデアとか出なくなってきた気がする。本作は何時もにも増してジャンプスケア(タイミングずらして意表をついた方向からオバケが出ると同時にデカい音でビビらせるやつ)が多かった。
そういえば「エクソシスト3」っぽい演出がまたあった。それにしても「エクソシスト3」のハサミのシーンって死ぬほどこすられてるね。それだけ「エクソシスト3」が優秀だってことか‥。親父が夢中になるわけだ。
時系列的には「死霊館」の16年前、「アナベル 死霊館の人形」の5年前。
だが主人公たちは神父&シスター&田舎者という何時の時代の人間かわからん格好してて、舞台は古い修道院だけなので本編観てても一体いつの時代かよくわからず「中世の話かな?」と思いながら観てたらラストシーンで、実は割と最近‥50年代の話だとわかり「え?そんな最近だったん?」と意表を突かれた。
ひょっとしたらわざと時代感覚を曖昧にしてたのかな?
そういえば、悪魔のシスター(以下ヴァラク)の出番が思ってたより少なかったね。
ゴジラ映画ってゴジラの出番を計ったら意外と10分も出てなかったりするじゃん。それと同じように数分しか出てなかった気がする。それ以上出たら怖くなくなるからそれがギリなんでしょうか。



 
主人公の見習い修道女アイリーンを演じているタイッサ・ファーミガは、「死霊館」シリーズの主人公ロレインを演じているヴェラ・ファーミガの妹。
わざわざロレイン役の妹をキャスティングしてるんだから、てっきり「この主人公はロレインの祖母とか先祖?」と思って観てたが別に関係なかった。死霊館との繋がりは最後に描かれるが、割と「あ‥そんなこと?」って感じだった。もっとガッツリ絡ませてほしかった。「なんでロレインのオカンとか祖母にしなかった?」と思ったが、よく考えるとロレインは実在してて今も存命の著名人なので勝手に先祖を作るわけにはいかなかったのか。
悪魔は決して倒すことができない、そんな悪魔を新人シスターが退けなければいけないので、ヴァラクに対抗するアイテムとして何と「キリストの血」が出てくる。悪魔は聖水とかでも「ぐわあああ」とか苦しんだりするので、確かにキリストの血なんて出したら撃退できる説得力は高い。
修道院とか悪魔のシスターとか修道女たちの秘密とかも、まぁわざわざ教えてくれなくても想像通りって感じだし、後の時代に出てくるので悪魔ヴァラクを完全に封印できない事も分かってるしで、あまりストーリー的な面白さも希薄でした。
でも画面などは超カッコいいし、やる事もやってるので「アナベル 死霊人形の誕生」ほどつまんなくもなく及第点はある感じでした。
悪いところやムカつくところは無いし楽しめたので悪く言うところはないが、その代り突出して良いところや新アイデアとかもないって感じですかね。
美術や映像などは相変わらずめちゃくちゃカッコいい。シンプルすぎる話も好感持てました。
何か最近ホラー観るたび言ってますが昨年末観た「ヘレディタリー 継承」が、ホラー的にも映画としても凄すぎて、今まで大好きで応援してたはずのジェームズ・ワン制作ホラー群を観ても「面白いけど、また何時もの悪魔ごっこか‥」というテンションになってしまいました。高水準な面白さはそのままなんだけどヘレディタリーが登場したことで自分の中のホラー映画認識が次元上昇してしまい、そのせいでヘレディタリー以外のホラー映画全てがワンランク下がってしまった結果というか。
先月観た「インシディアス 最後の鍵」は、シリーズの強みを活かしてストーリーに凝って面白くしてたのが良かった。だがストーリーを凝ると面白さの代りにホラーとしての怖さが減ってしまうという諸刃の剣。だから本作も、シネマティック・ユニバース制を活かしてストーリーを強化したら良いかもしれませんね。
本作の続編は未定みたいだけど「もしやるなら悪魔ヴァラクとロレインの絡みをやりたい」らしいけど、ハッキリ言って本作内でそこまでやって欲しかったですね。本作ラストまでのアイリーンvs.ヴァラクを前半までに終わらせて、未来パートに飛んでロレインvs.ヴァラクして、そこに本作の主人公アイリーンも時空を超えたサポートして封印するとかでいいでしょう。
本当はやろうと思えば濃い内容に出来たはずなのに、続編作るためにアイリーン vs.ヴァラクという第1~2幕だけで消化できそうな内容で一本丸々いっちゃった感がありました。
ちなみに死霊館バースの今後は、悪魔のシスター同様にエンフィールドに出てきた「へそ曲がり男のスピンオフ」「アナベル三作目」「死霊館の三作目」とかが予定されてるらしい。本筋はいいけど正直、スピンオフはやんなくていいかなという気もする。それとシリーズとして昔は死霊館の方が好きだったけど最近はインシディアスの方が好きです。

 

 

 

そんな感じでした

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死霊館ユニバース〉
『死霊館』(2013)/Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👿 - gock221B
『アナベル 死霊館の人形』(2014)/舐めてたが凄い良かった。悪魔を倒せない理由。隣の部屋と駆け寄る幼女の怖さ👧🏻 - gock221B
『死霊館 エンフィールド事件』(2016)/横綱相撲みたいな洗練されきった貫禄ホラー!👿 - gock221B
『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)/ジェームズ・ワン制作ホラーの中では最も凡作だったかな‥👧🏻 - gock221B
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)/良作だが、もう何十回も繰り返さし観せられたテンプレに飽きてきた。霊より中年の男女のキャラが良かった👰 - gock221B
『アナベル 死霊博物館』(2019)/呪物アベンジャーズ状態を期待してたけど予告編でいいとこ全部観せ終わってた印象でした👧🏻 - gock221B
『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』 (2021)/3(8)作目にして安定テンプレ捨てて挑戦したのは偉いが、それでもさすがに飽きた感ある👿 - gock221B

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The Nun (2018) - IMDb

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『MEG ザ・モンスター』(2018)/異能生存体ステイサム vs.巨大鮫!良くも悪くも20年前の映画みたいで楽しい🦈

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原題:The Meg 監督:ジョン・タートルトーブ
原作:スティーヴ・オルテン 
製作国:アメリカ 上映時間:113分

 

 

 

MEG(メグ)‥それは広島県出身の日本人のファッションデザイナー兼ファッションモデル、女性ミュージシャン……ではなく、200万年前に絶滅したとされる体長が最大20m超もある超巨大鮫<メガロドン>の事。『ジュラシック・ワールド』にも出てきたアイツ。そんなメガロドンが出てくるベストセラー小説の映画化。
アメリカ本国と中国で大ヒットし他の国でもヒットして鮫映画最大のヒットになった。
ジェイソン・ステイサムは割と好きだが普段ステイサム映画は全然観てないし、サメ映画も怪獣映画同様まったく興味ないのだが、たまにはいいかと思って借りて観た。
ネタバレあり

 

 


中国・上海の沖に建設された海洋研究所〈マナ・ワン〉。
そのマナ・ワンが要する探査船はマリワナ海溝深部に未知の海溝を発見するも、その前人未到の海溝には絶滅したはずの超巨大ザメ<メガロドン>が居た。
襲われた彼らの救助に協力するのはベテランのレスキュー・ダイバー、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)だった――
そんな話。
異能生存体であるジェイソン・ステイサム演じるレスキューが活躍するハイ・コンセプト映画だ。方程式にすると「ステイサムx巨大サメ+中国=この映画」。
異能生存体というのは『装甲騎兵ボトムズ』に出てきた言葉だが、一言で言うと「80~90年代アクションスターのように何しても死なない不自然すぎて笑いが出るほど強い主人公キャラ」って感じの主人公を見ると頭に浮かんでくる言葉。身も蓋もない言い方すると「主人公補正が効きすぎた主人公」ってところか。そんなキャラは最近めっきり観かけなくなってきたのでたまに見かけると嬉しい。ただでさえ強いステイサムだが本作のステイサムは、数あるステイサム映画の中でも『ワイルド・スピード』シリーズのデッカードや『エクスペンダブルズ』のクリスマスと同じかそれ以上に強い。
ステイサムは顔面そのものが頭蓋骨に似てるせいか髪が生えてるよりハゲてる方がカッコいい異能の生存体。もしステイサムに髪の毛があったら只のモブ顔大男でしかなく、それでは魅力がかなり目減りしてしまっていたであろう。僕はムキムキのマッチョ体型を見てもカッコいいと思わない人間だが、ステイサムの妙にボコッボコッとした筋肉は素直にカッコいいと思う(特に背筋)。大胸筋ばかりやたらデカい巨乳系マッチョは苦手だがステイサムの場合、色んな部分が無骨にボコボコしていて良い。ジオン系MSとか重機みたいな、美しさとは正反対の魅力を持つ「形」を持つ男それがステイサムだ。
海洋研究所の探査艇がメガロドンに強襲されて浮上不可能に陥る。探査艇に乗っていたのは面白白人&面白日本人の研究員たち(日本人を演じるのはマシ・オカ)、そしてステイサム演ずるジョナスの別れた前妻の白人女性だった。
研究所の教授たちがステイサムを連れてくる中、シングルマザーかつ教授の娘(リー・ビンビン)は責任を感じたのか先に潜っていた。当然メガロドンに強襲されてピンチに陥るも異能生存体ステイサムの活躍で助かる。しかしマシ・オカメガロドンを引き付ける自己犠牲を見せて死亡する。マシ・オカ~!
気の強いリー・ビンビン。最初は自分勝手な事ばかりするのでムカついて観てたが、共闘を繰り返すことによって徐々にステイサムと惹かれ合っていくヒロイン。何だか旧態依然としたヒロイン像が懐かしくなって好きになってきた。そして彼女の10歳の娘はママとステイサムを事あるごとにくっつけようとする。大人顔負けのジョークを言ったり「10歳の少女は地獄耳なのよ」と準備してきたかのような台詞を言いながらステイサムに「悪戯っぽい笑み」を見せてステイサムを「苦笑」させたりするので何だか観てると恥ずかしくなってきた。
メインキャラはまず異能生存体ステイサム。ツンデレ人妻ヒロイン。大人びた幼女。立派な教授と医師。ステイサムの元妻の白人女性。ルビーローズ演じるイケすぎている研究員。面白黒人。面白白人。面白日本人(マシ・オカ)。WWEエリック・ビショフを思わせる傲慢な金持ちスポンサー。
そういった感じで、展開もそうだが登場人物が18年前くらいの映画の登場人物っぽいなぁ、と思った。ステレオタイプというか。原作が古いらしいしそれでか。
だけど昔よくいたアホでセクシーな女性キャラとかは居ないし、白黒黄+大柄と人種を揃えてるのが今風。この映画は中国でのヒットを見越してか物語の舞台も中国だしヒロインや出演者の多くも中国人(実際に中国で大ヒットしたのだから上手くいっている)。
この中でヒロインのリー・ビンビン。この人何に出てたかなとググると自分が観たことあるのは『ドラゴン・キングダム』での白髪魔女役だけだった(ちなみに似た名前の巨額の脱税をして捕まったファン・ビンビンも『白髪妖魔伝』という映画に出ていた。今の今まで2人のビンビンは同一人物かと思ってたが、名前が似てる上に二人とも白髪魔女の役してるので間違えても無理ない)。
ビンビン奥さん、最初はかなりムカつくキャラだったがステイサムに懐いて闘うママ系のアクションヒロインになっていく。
危険なミッションに挑む出撃前のステイサムは彼女に「俺が死んだら悲しいだろ?」と言ったらビンビンは真顔&ジェスチャーで「ちょっとだけ」と示す。ステイサムは死にかけるが何とか生還。皆が「さすがステイサム!よかった~」とか盛り上がる中「ビンビンは俺の活躍見てたかな?」とステイサムがビンビンに目を向けるとビンビンが「ちょっとだけ」のポーズを見せてステイサムを笑わせるのを見て「うわ可愛い……」と思った。「死なないで!生きて帰って」とか泣かれたらウンザリするが、死にかけた時にもユーモアを提供して「大したことなかったな」と軽い気持ちにさせてくれる方がずっと良いと思うのは僕だけでしょうか?
イケすぎている研究員役はルビー・ローズ。「ジョン・ウィック チャプター2」で喋らない女殺し屋役をしてたり「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」で有名らしい女優。彼女は、モデル出身で小顔痩身かつスタイルが一人だけ12頭身くらいあるんじゃないかってくらい違う生命体みたいな体型をしてて、髪は常に濡れていてツーブロックそして両腕タトゥーまみれのレズビアン‥という今のクール要素の渋滞状態を、右腕の「キャッ党忍伝てやんでえ」のタトゥーという抜け感で中和させて親しみやすくもしてくれてるという「こんなにイケすぎている研究員がいるのか」と思えてくるキャラだが、劇中の彼女は至って普通の研究員。はっきり言って外見がカッコ良すぎるのにキャラが平凡だとギャップが凄い。まるで「ガチムチの屈強な黒人が寿司屋の板前役」してるかのような、別に居ても悪くはないけど違和感ある。
そういえば「ジュラシック・ワールド 炎の帝国」にも似たような、凄く不自然にセクシー&タトゥーまみれ&ツーブロックのイケてる女性がメガネかけて「ごく普通の恐竜研究者」演じてたね。これは何なんだろう?「イケてる女優を登場させたいが、空いてる役がないから研究員にでもしとくか」と押し込んだ結果なのかな。

 

 

 
ストーリーの展開はと言うと、基本的に「もっと適切な行動を取ってれば被害も少なかったんじゃ?」という感じで適切な行動を取らなかったり油断、慢心がピンチを次々と産むタイプ。
最初の探査艇はマシ・オカ以外あっさり救出するし、メガロドンも皆で力を合わせて何とかやっつける。その死体をボートに置いて記念撮影とかしてたら、更にその倒した超巨大鮫を喰う超々巨大鮫が現れて喰ってしまいボートは転覆。。
ラスボスを倒したかと思ったらメガロドン四天王最弱だっという少年ジャンプ漫画形式のインフレ展開。これも古いが面白いので別によし。
メガロドンとの対決によってピンチになるたびに、勇気ある研究員が騒いでメガロドンを引きつけて食われるという自己犠牲シーンが頻出する。残った者は悲しみ、そして「メガロドンを何とかしなければ‥」と決意を新たにして進んでいく強引な話運び。特に一番最初に犠牲となったマシ・オカ演じる日本人研究員などは別に頑張れば普通に助かってもおかしくない展開だったし、リー・ビンビンの父親に至ってはボートが引っくり返って海に落ちただけで衰弱して死んだ。他の死んだりピンチになる奴らも何かぶつかって海に落ちる奴があまりにも多すぎて可笑しくなっていった。
多くの犠牲者を出しながらも生還した傲慢なスポンサーは「皆、正直スマンかった!メガロドンの事は各国に報告した」と言うが実は報告しておらず、自らヘリによる爆雷投下で倒そうとする。「ヘリから爆雷ならさすがにメガロドン倒せるだろ」と思ってたら、部下が「メガロドン倒しました!」と言ったのでスポンサーはわざわざボートに降りて見に行くと実はその死体は只のクジラだというのがわかり部下は慌ててボートを発進させると傲慢なスポンサーは海に落ちてしまう。部下たちは一切後ろを振り返らず爆走して消える。部下たちは全員ロボットみたいな真顔であることも相まって「何としてでもスポンサーのキャラを殺す」という役割を演じてるように見えて可笑しい。というかスポンサーのキャラも良い事した時もあったし、それほど傲慢だったり悪い奴じゃなかったよね。客を気持ちよくさせるにはもっと「ダイ・ハード」のイキった社員くらい「嫌な奴」として描く必要あったのでは。
メガロドンは上海の海水浴客でごったがえすビーチに向かう。
これまでは研究所内だけの問題だったが、これは偉いことになった。
研究所員は海上警備などの公的機関に通報するが「メガロドンが出た」と言っても信じてもらえず「俺たちがブッ殺すしかない!」という事になる。
メガロドンって言わず普通に「大きすぎる鮫が出た!」とか言えば有名な研究所なんだし信用されるんじゃないの?とは思ったが、人間慌てると適切な判断力がなくなるので仕方ない。
何としてでも海水浴キャラをMEGに食わせたい、という雰囲気を感じた。
研究所員の人達も、そのつもりで警察とかに全然熱心に言おうとしないし、この辺はゲームの中の「決められた役割だけを演じるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)」みたいで面白かった。
ステイサムとビンビンは探査艇に乗ってMEGがある程度の中国人海水浴客を踊り食いし終えるのを待った後、MEG退治に向かう。ちなみにMARVEL映画同様、レイティングを下げるために派手な流血などは全く無いのが残念。
ちなみに二人が乗る探査艇は『UFOロボ・グレンダイザー』に出てくるUFOみたいでカッコいい。
2人がメガロドンと死闘を繰り広げる中、マスコミなのかどうかよくわからんが「おい!あそこ何かやってるぞ」とか言いながらヘリが2、3機集まってくる。
だが彼らはドジでヘリ同士ぶつかって研究所員が乗っている船に落下してヘリも船も大爆発!すごい確率でヘマばかりする。
このマスコミかなんかのヘリ達は、もう少し前から「鮫の情報をキャッチした」とかステイサム達の動向を追っていたとか前振りが必要だろう。一体何しに来たかわからん奴らが突然出てきて与沢翼みたいに秒速で失敗し、わざわざ研究所の船に墜落するという凄い確率をクリアして大爆発したのは結構、無理ありますね。
そんな感じで、そこそこステレオタイプなキャラ達が、普通に通報すればいいのにせずに無用なドジでピンチを継続させ続け、最後はメガロドンと共に上空に舞い上がった異能生存体ジェイソン・ステイサムが花山薫みたいにメガロドンの眼球にモリをスローモーションで「ブ …ス リ……」とゆっくり……刺して倒した。
こんな25m超のメガロドンの目玉にモリ刺したぐらいじゃ死なないと思うが、直前にステイサムがステイサム・カッターでメガロドンの胴体を斬り裂いてたから弱ってたって事かな。「超必ステイサム・カッターからの→スーパーキャンセル目潰し・ザ・ステイサムENDで体力8割奪った。そしてモリを刺して、その傷口にステイサムが体内で製造したアンチ鮫ステイサム生体電気をブチ込んで巨大鮫が死んだ」って事にしておこう。
さっきから何度も言ってるが全体的に18年前くらいの古臭い展開やキャラが多かった。
最近ステイサム映画全然観てないから時間ある時にステイサム映画も観てみるか。
結構面白かったが、それは自分がイケイケだった2000年代初頭の空気を感じて懐かしく思っただけかも知れず「楽しい内容だけど革新的な要素は一切ない」という「ヴェノム」みたいな内容なので低評価なのは納得。
また「ステイサムと鮫がメインと思わせつつ実態は中国アゲの映画」って感じでもあったので嫌う人がいるのもわかる。アメリカ人は食われるが大勢いる中国人海水浴客などは殆ど食われない、他の大作映画でも中国人キャラは死ななかったり顔が泥で汚れたりする事が少ないのでそういうところは中国だせーなと思う(汚れ役がダサいと思ってるところがめちゃくちゃダサい)。だが中国ヨイショ以上に本作のステイサムはステイサムキャラの中でも最強レベルだし一応目立ってたので俺的にはOK。ビンビン氏があまりにしゃしゃり過ぎだとは思ったが中国ポスターなどを見るとビンビン氏はヒロインではなく主人公の一人みたいなポジションらしいし可愛かったのでまぁOK。
そんな感じで傑作とかじゃ全くないけど、僕は元々、B級映画が好きで映画好きになったのでこういった駄菓子みたいな映画は好きなので総合すると好きな映画でした。

 

 

 

そんな感じでした

《ステイサム主演映画》
「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B
「ハミングバード (2012)」イースタン・プロミス脚本家によるアクションよりドラマ中心のステイサム映画➕ - gock221B
「バトルフロント (2013)」スタローン制作&脚本でステイサム主演の、底辺の荒らしを直接論破してプライドを傷つけたら被害が増えるという話😼 - gock221B
「ワイルド・スピード/スーパーコンボ (2019)」本編シリーズよりこっちを応援する気満々だったが思いのほか大味だったので分裂しない方が良かったかも‥👨🏼‍🦲👩🏻‍🦲👱🏻‍♀️ - gock221B

🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈🦈

The Meg (2018) - IMDb

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