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gock221B

映画その他の感想用ブログ(2015年開設) http://gock.flavors.me/

「ザ・イースト(2013)」 おとぎ話のように善と悪しかいなければ話は単純なのに。。と思わされるエコテロリズム映画

エレン・ペイジ (ドラマ) (サスペンス) 〈アメリカ〉 【映画】

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原題:The East
監督はWiki見たところザル・バトマングリというゲイのイラン系フランス人らしい。サンダンス系の映画を二本撮っている。


民間警備会社で働いている元FBIの女性捜査官ジェーンが、身分を偽って環境保護団体「ザ・イースト」に侵入捜査するという内容。
「面白い」とよく名前聞くのと、内容以前にエレン・ペイジが出てるので観た。
確かに面白かった。
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民間警備会社という存在を初めて知ったが、その名前から受ける軽いイメージとは違い凄く大規模な組織に見える(屋上にヘリポートまである)。映画では営利目的という面を強調して描かれていた。
ザ・イーストも環境保護団体というよりはカルト過激エコテロリスト集団と呼びたい感じ。

 

●潜入
ジェーンはサラという偽名を使い放浪者になりすまし、ザ・イーストに潜入。
サラが入った日、拘束衣を着て食卓に来るよう言われて行くとメンバーが全員、拘束具を着て食卓に坐っている。
「君から食え」と言われたのでジェーンは、口でスプーンをくわえてスープを自分のカップに注いで犬食いする。
するとメンバーたちは、そうじゃないと言わんばかりに、全員スプーンを口でくわえて隣の者に食べさせる。異様な雰囲気に包まれる食卓。

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うーん。カルトっぽい。
ジェーンはたまらず逃げ出すがリーダーのベンジーが引き止める。
これは、恐らく新入りへのカマしなんだろうな。これ以降至って普通に食ってたし。
また、彼らは互いの信頼度を確かめ合うゲームや、池で洗礼のような事も行っているし、イニシエーション的な何かを飛び越えて思想を強める行いを頻繁にやっている。
ジェーンは彼らの素性や活動内容を上司に逐一、報告している(この辺はスパイ映画っぽい)。
ジェーンはFBIにいたくせに情緒不安定気味で影響を受けやすく、ジェーンの女上司は異常に冷淡で拝金主義。イーストのメンバーは皆、一見怪しいが企業の汚染などで傷ついたり家族が死んだ過去を持つ心優しい人達ばかりとして描かれる。
この三つが合わさった結果、ジェーンはどんどんイーストにのめり込んでいくことになる。

 

●ザ・イーストの復讐決行
OPで、海に石油を垂れ流す石油会社の社長宅を真っ黒い重油まみれにするので「あぁ、そういうファイトクラブのイタズラみたいな感じかな」と思ってたが、実際はもっとエグいものだった。
というか正直、観るまでこの映画ってコメディなのかと思ってたわ。
普段はホームレスの様な恰好をしてるイーストメンバーだが正装して、欠員が出たためジェーンを連れてパーティに出かける。
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パーティはとある薬品の大会社のパーティだった。
上の画像の左の通称ドクは、この絶対安全と言われていた薬の副作用のせいで妹を亡くし自身も障害を負っている。
メンバーはその薬を、企業の重役たちのシャンパンに入れる。
ジェーンは上司に電話して阻止すべきだと訴えるが上司は「その会社はうちの顧客ではない、飲ませて様子を見よう」と言う。
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帰り道、成功を祝って狼の鳴きまねをするメンバー。ジェーンは引いている。
ジェーン「あの人たちがそれで死んだらどうするの!?」
イースト「絶対安全って自分たちで言ってるんだ。その通りなら何も起こらないよ」

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ザ・イーストの犯行声明を受け、副社長が元気いっぱいに会見する。
副社長「我が社の薬は絶対安全です。自分の身体で証明できて嬉しいくらいです!」
 ↓
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数か月後、一目で脳も身体もやられたとわかる状態の副社長がニュースに出ていた。
脳細胞が死んだら二度と元には戻らないので、この女性はもう一生、元に戻る事はない。
このニュースを見て自分たちがした事に愕然とするジェーン。
また、上司も他人の命を何とも思ってなかったり、イーストのリーダーのイケメンともいい感じになっていってジェーンの精神は揺さぶられて行く。。
というのが前半くらいまでのあらすじ。
そして、自然を汚している企業の人も生まれながらの悪人ではなく、間違いを正す頭を持っている人物なども出てくる。
また、このイーストに他人を勝手に死ぬほど罰する権利があるのか?
自分さえ儲かればいい民間警備会社は?ジェーンは今後どうする?
というような感じになって行く。
それにしてもイーストのメンバーは活動がキツい事に加えて、メンバーはどうも現実逃避をしてるだけみたいなカルトっぽさを醸し出してもいた。
どのキャラも一面的でなく、いいバランスを取っているので観てて飽きない。


●簡単に答えは出ない
というか何か、今回ほぼあらすじ書いてるだけになった。。
実際のところ答えの出ない問題を出される映画なので、観てもすぐ答えが出るわけではない。
重大な汚染を垂れ流す企業は多くの人を殺してる事になる。しかし、だからと言ってその企業の人を同じ汚染物質で殺していいのか?‥という事になる。
企業の人たちにも家庭があるだろうし、その子供達はイーストを死ぬまで恨むだろう。
実際、劇中でも復讐の是非について議論が起こる。
自分は平和に暮らしてるので暴力的テロは反対ですが。。自殺テロも
少しだけ似てる映画で、ジョージ・クルーニー演じる弁護士が農薬会社の不正を法の範囲内でやっつけるトニー・ギルロイ監督の「フィクサー(2007)」という映画がある(ちなみに大好き)。このように出来ればベストなのだろうが‥勿論、それなりの力を持った人物でないと出来る事ではない。


エレン・ペイジと主人公の女優f:id:gock221B:20150903034355j:plain
エレン・ペイジは女幹部的なポジションだった。
よくやってる生意気で可愛いけどちょっと頭おかしい感じの役。
他の出演者はあまりスターって感じの人はいないので、どうせならエレン・ペイジが主役でもよかった気がするが、そうしたらこの難しい役をする人がいないので、やっぱりこれでいいんだろうな。
だからといって主人公の女優が良くないわけではなく、あまり知らない人だったが、たまに若い時のジュリエット・ビノシュに似た表情したりして良かったです。
監督と深い間柄らしく、映画製作もしているらしい。
主人公はイーストの中では一番、最も実力あるし立派な人っぽく描かれてた気がする。
エコテロ集団側に立って考えると優秀だし頼もしいかもしれない、しかし、こんなに心が揺れる人がFBIにいたと考えると途端に怖く感じる。

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全登場人物の考え方や行動が、絵本のキャラクターみたいに極端すぎる気がする。
だから死んだりしても「そんなに極端なら死ぬだろ、いつか‥」と思えて心が動かない。
でも、キャラクターを戯画化して極端にしないと、こういうややこしいストーリーは動かなさそうだし仕方ないかもしれない。
一つのフィクションとしていいものを作るというよりも、この問題に目を向けさせて考えさせたいという意思を強く感じた。
フィクションというよりもドキュメンタリー観てる感じというか。
こういう組織の知識が薄いのでそう感じてしまったのかも知れない。
実際に問題そのものにはウーンと考えさせられたが、話の中で登場人物に大きな変化が起きても心が動かなかったので、そんな狙いだったのではないかと思う。
とにかく、最後まで目が離せず楽しめた事に違いはないが。


そんな感じでした。

www.youtube.com

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