gock221B

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『キングスマン』(2014)/愛と師によって最強の紳士に成長しレイシストを皆殺しにする映画🕴

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原題:Kingsman: The Secret Service 監督&脚本&制作:マシュー・ヴォーン 原作&製作総指揮:マーク・ミラー 製作会社:マーヴ・スタジオ 製作国:イギリス 上映時間:129分 シリーズ:『キングスマン』シリーズ第一作目、マシュー・ヴォーンのスパイ映画ユニバース第1作目

 

 

 

キック・アス」の原作&監督コンビでの2作目(監督としては5作目)。
スパイ映画という事以外の前情報全くなしに観た。これは想像以上に超面白かった。
自分の中の大切な琴線に触れてくる何かがあった。

 

●かなり強いマシュー・ヴォーン監督
結婚したスーパーモデルのクラウディア・シファー(90年代に神の様な扱いをされていた)との間に子供が3人おり、自宅の警備にグルカ兵を雇っていて、会った事のない実の父は本物の貴族(初代セント・オールバンズ公の末裔)、母は女優、マシュー氏が売れる遥か以前から超有名な映画監督ガイ・リッチーとかなり昔から親友。自身も25歳から映画製作をやっているという漫画のキャラみたいに強めなイギリス人映画監督。
数歳若いだけの自分が彼に勝っているところは頭髪の量しかなく、虚しい。

 

●あらすじ

高級テーラーキングスマン”で仕立て職人として働く英国紳士のハリー(コリン・ファース)。その正体は、国際的スパイ組織“キングスマン”のエース・エージェント。
彼は、エージェントの欠員を補充するため不良青年エグジータロン・エガートン)をスカウト。
彼の父はエージェントで、17年前にチームを救って犠牲となったハリーの恩人だったのだ。
こうしてエグジーは、父の後を継ぐべくキングスマンの過酷な新人試験に挑戦する。
一方ハリーは、天才IT富豪のリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)が進めていた恐るべき陰謀の謎を追っていく。。

 

 

●「キックアス」+「X-MEN FC」+α=「キングスマン

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キック・アス」と「X-MEN ファーストジェネレーション」しか観てないがどちらも好きだ。
●「キック・アス」は、本作と同じく有名コミックライターのマーク・ミラー原作。彼のコミックは当たり外れが多いがキャッチーで知らない間に映画も成功させまくっている。映画キックアスは好意的に言うと「メタヒーロー映画だと思って観てたら途中から急に普通のスーパーヒーロー映画にシフトチェンジする楽しい映画」という認識。
ついでに言うと彼が製作に回って監督を降りた続編の「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」は都合のいい時だけメタヒーロー映画とスーパーヒーロー映画の間を行ったり来たりしてどこにも着地できない観客の視点とシンクロするようにヒットガールが自警行為問題に何の解決もつけないままバイク乗ってどっかに消えてしまうガッカリな映画だった
X-MEN ファーストジェネレーション」は全体的にスパイ映画っぽくて面白かった。
本作にダイレクトに通じている部分。
ラストバトルで、自力で停止してプルプル震えているケビン・ベーコンが最高だった。
本当にケビン・ベーコンが好きだ。
映画の出来とは関係ない余談だが「エグゼビア、マグニートー、ミスティーク、ビースト以外の書き割りキャラは微妙な奴ばっかりだから、続編で生き残れなさそう」と思っていたら、監督がブライアン・シンガーに戻った続編「X-MEN: フューチャー&パスト」で彼らはエグゼビア等メインキャラ以外、案の定(エマまで)映画が始まる前に全員ブッ殺されて切り刻まれていた。フューチャー&パスト自体は面白かったが、あんまりだと思った。
もう「頑張ってるけどこいつら皆、ストーリーの都合じゃなくて映画製作の都合で皆殺しになるのか」という目でしかファーストジェネレーションは観れない
●とにかくそういう感じでこの監督作は凄く面白いのだが、前述した続編などの展開により、以前の様に心から楽しめなくなるパターンが多い気がする(勿論、一作ごとに心に区切りをつけて観れる人もいるだろうが、僕は嬉しそうに飛ぶバンシーとか悲しくて観てられない)。
‥とか思いだしながら本作を観たが「キングスマン」は二作のいいところを内包してる映画だった気がして心が浄化された。
ヒーロー(スパイ)養成スクール。飛び道具的な女性殺し屋。荒唐無稽な描写やストーリー。自己言及的な展開や台詞。映画好きなムードが出まくってるがひけらかすわけではなくサービスに徹する姿勢。必然性のあるポップな大量虐殺‥など、最高だった。
どうでもいいが、サミュジャクがマクドナルドを振る舞うシーンも好き

 


アクションは、キックアスの様に音楽に乗せてコミックっぽい感じ。
ヒットの瞬間に急に超スローモーションになってアクションの快感を削ぐという俺の嫌いなやつではなく、ヒットの瞬間に快感を損なわずにコミックのキメのコマの様に画面が数秒止まる。。そしてワンカットっぽくそれが途切れず延々と連続して続いていく。
特にコリン・ファースのパブでの喧嘩、教会での長いアクションなどが良かった。
コミックアクション表現としては、スリーハンドレッドから更に発展したアベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン、と勝るとも劣らない進化ぶりだった。
この撮り方でヒットガールの戦闘がまた観たい。「ヒットガール」の監督やらないかな。
アクションシーンのバックには古き良きスパイ映画的な劇伴やポップミュージックが流れてた。
全然関係ないけど、女候補生が遠くで溺れて昏倒するシーンがあるんだけど、彼女は遠くで寝てるのに無駄に巨乳で仰向けに寝てるのにも関わらずタンクトップを乳が下からすげー突き上げてて驚愕。別に美人でも何でもない人だが。
アベンジャーズ(略)ウルトロン」で逃げ惑う市民の中に、すげー爆乳のオバサンがいたのとケースが似ている(このオバサンは予告にもいるから知ってる人は多いはず)。
あと「近年の真面目な007よりも昔の荒唐無稽なスパイ映画の方が好き!という監督の主張にも強く共感した。

 

 
欠点というほどの欠点でもないが、主人公をからかう嫌な候補生チャーリーは途中からバカにしなくなるから、てっきり彼はスパイダーマンのピーターとハリー、もしくはピーターとフラッシュみたいな親友になるのかと思ってた。こんな事になるなら彼はもっと洒落にならんくらい嫌な奴として描かなければダメだと思う。
ロキシーは最終試験で犬に引き金を引いたのなら、その事についてコメントが欲しかった。そして最終試験後にJ・Bの出番が無さすぎる。と、犬周りの不満がある。
あとDV義父への折檻は散々引き伸ばしたんだから、もっと「死んだんじゃないか?」というくらいの身体的ダメージか、社会的な死を迎えるくらい痛めつけて欲しかった。
しかし、どれも別に気にならない程度の事だ。上映時間を短くするため削ったんだろう

 


本作を観てたら作品から
立派な紳士になりたい」「マナーがなってない男はダメ」「努力と勉強が大事」「善行した事に対して称賛はいらない」「過去の自分より優れていたい(でも自然体でいたい)」「実際、マクドナルドはうまい」「apple製品はスパイ秘密道具より凄いオーパーツ」「悪い奴は許せない」「差別主義者は死ねばいい」「選民思想を持った奴は死ねばいい悪い奴は絶対に許せない」「お母さんと家族は大事」お母さんを大事にしたい

‥といった、まるで少年の様な‥くもりなきエナジーがバンバン出てて、それを浴びるうちに観てる俺の網膜から吸収され自分の体内を流れていくような瞬間が何度かあった。
それはただの錯覚だが、とにかく感動したという事が言いたかった。
俺も、今からでは遅いが、向上心とマナーを持って昨日よりも立派な人間になって母親を大事にする紳士になりたくなった。
何とか、ネタバレしないように具体的な面白い出来事は書かずに感想書いたつもりだが。
今までマシュー・ヴォーンは「へ~、けっこう面白い映画じゃん」程度にしか思ってなかったが本作を観たら、この監督がこの先作る完全オリジナル映画が観たくなった。10数年後には巨匠になってる気がする。

 

 

 

そんな感じでした

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『ARGYLLE/アーガイル』(2024)/主人公エリーの秘密が明らかになる前の平凡だった時の主人公や本編の方が面白かったし、どんでん返しが5回も6回も起き続けると「もうどうでもいいから結果だけ教えろ」という気持ちになる😾 - gock221B

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Kingsman: The Secret Service (2014) - IMDb

www.youtube.com

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