gock221B

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「ニンフォマニアック Vol.1 (2013)」フィボナッチ数列SEXで異性との因果が高まる!

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原題:Nymphomaniac: Vol. I 監督:ラース・フォン・トリアー
製作国 デンマーク/ドイツ/フランス/ベルギー/イギリス 上映時間:117分


ラース・フォン・トリアー映画は、20代の時は鬱っぽくて説教臭い印象で、あまり好きじゃなかった。
だが「アンチクライスト(2009)」に僕の好きなシャルロット・ゲンズブールが主演して観たら面白かった(シャルロット本人については最下部に記述)
という事は加齢によって、俺も鬱っぽくて説教臭い男になったのか?もしくはトリアー側が歩み寄ったのか、どちらかわからない。どちらでもいい。

アンチクライスト」「メランコリア(2011)」を経ての、本作「ニンフォマニアックVol.1&Vol.2」。
この三作が"Depression Trilogy(鬱三部作)"というらしい。この三部作で好きになった。
ニンフォマニアックと言えば、本国かヨーロッパだか忘れたが、映画上映中のキャンペーンで駅の構内がニンフォマニアック尽くしになってる画像を見て驚いた
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各俳優の全力アヘ顔画像のほか、電車に乗り込む時に開く扉がマンコを模したニンフォマニアックマークになっていた。ディズニーやMARVELの映画じゃない、SEXキチガイ映画だぞ!いいかげんにしないと!だが同時にこんな国に住みたくもなった

 

●オープニング
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たっぷりした間で真っ暗い無音の画面がしばらく映ったあと、どこかの国の凍てついた路上が映る(どこの国かわからないがデンマーク映画なのでデンマークということにしておこう)
女(シャルロット・ゲンズブール)が血を流して倒れている。
独身老紳士セリグマンは警察や病院を嫌がる訳ありの、この女を自宅で介抱する。
ジョーと名乗った女は、セリグマンに自らのセックスまみれの半生を語り出す。。。
という、出だしでつかまれた。
真っ暗&無音で何分も物凄く長い間を取った後(そこまで壮大な話じゃないだろと思うので可笑しい)倒れてるシャルロットが映ったら突然ラムシュタインの曲が流れる

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その気持ちはよくわかる。というのも僕は長年、性欲を曲にしたとしたらラムシュタインの曲だろうと思っていたからだ(この曲は特にエロい)
ちなみに、今言ってる性欲とは恋人や夫婦でするような愛情あふれるSEXじゃなくて、ただエロいだけの一方的なSEXの事だ。二つは全く違う
そして、同じく(男の一方的な)性欲を漫画のヒトコマで表現すると、つげ義春「ゲンセンカン主人」の主人公が、ゲンセンカン夫人をFUCKする気満々で天狗の面を被って風が吹きすさぶ中、立っていたコマがピッタリ来る。
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第1章「釣魚大全(コンプリート・アングラー)
釣り好きでもある老紳士セリグマン(彼は釣りだけでなく、あらゆる事に対して博識)に己の生い立ちから話し始めるジョー(シャルロット)。
ちなみにセリグマンは、MCUマイティ・ソーシリーズやアベンジャーズシリーズでやたらと全裸になったり活躍するセルヴィグ教授役の人だ。この人はハゲで一見優しそうだが目つきが鋭すぎて不思議なカッコよさがある。
性に興味津々だった幼少期、大好きな父と冷たい母の話。
どうやら彼女は性に限らずあらゆるものを味わい尽くしたい少女だったことが分かる。
少女時代は子役。ティーンからVol.Iラストまでの若い時はステイシー・マーティンというフランス女優が演じる。彼女は少女漫画家が描くような裸体‥ファッション画の人が描くような女性がこうなりたいって感じの体型をしている(小顔で痩せてて尻が小さい)だから彼女がSEXしまくっても全くエロい気持ちにならずに話に集中できる。
初体験。思春期のジョーが恋していたワイルドな青年ジェロームシャイア・ラブーフ)に処女を奪って欲しいと頼むジョー。
了解したジェロームはバイクの修理をしてるがエンジンがかからないのでSEXする
「パンツ脱げよ」とジェローム。ジョーはパンツを脱ぐ。特にキスとかクンニとか一切なしに挿入し3回突く。ジョーを即物的にひっくり返しアナルを5回突いた。それで終わり。ジェロームは速攻でバイクの修理に戻る。
ジョーは痛みと屈辱で、生まれたての小鹿のように足腰を震わせながら帰る。帰り際にジェロームのバイクのつまみを触る。バイクは一瞬で直った。
確かにジェロームは荒い奴だが「処女を奪って欲しい」という告白もどうかと思う。
ジョー「3回と5回、この屈辱的な数字を忘れない」
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セリグマン「3と5‥。フィボナッチ数列だ!※黄金長方形を形作る数列。
やべーぞ!フィボナッチ数列だ!
数年後、ジョーと女友達Bはエロい恰好で列車に乗り、目的地に着くまでに何人とSEXできるかというゲームをする(買った方がチョコレートをGETできる)
つまり、どちらが魚(男)を多く釣れるか、というゲーム。
セリグマン「なるほど‥君たちは電車の通路を歩きながら川を読んでいた‥(電車内の男達と魚の映像がオーバーラップする)」
セリグマンが、いちいち魚の生態の解説をし始める辺りが最高。
電車で二人の少女は男をトイレに連れてってSEXしまくる、だが流れが途中で止まる
セリグマン「釣りと一緒だ!魚も突然ひっかからなくなる!」
この辺で観てる僕も、どうやらセリグマンは面白い人なんじゃなくてSEX自体が苦手で全て知識で対応するだけの人だとわかった。それがわかると面白さも半減した。
どうでもいいが男女ともに美しすぎるエロくない体型の人ばかりでSEXシーンがエロくなさすぎる。。エロすぎたら話が入ってこないからわざとそうしてんだろう。
男釣り対決、子供を作る事にして妻の排卵日に急いで帰ろうとして二人のSEXの誘いも頑張って断った立派な紳士Sのチンポを無理矢理しゃぶってジョーが勝利。
ジョーのあんまりなSEX話に対して、やはりセリグマンはジョーに同情気味で知識と理性に頼った返答ばかりするのだった。つまらなそうな顔のジョー

 

第2章「ジェローム
ジョーはある会社に秘書として就職。そこの社長代理が初体験の相手ジェロームだった。
一度はジェロームの誘いを断ったジョーだったが、やっぱり告白しようとするが‥

 

●第3章「H夫人」
失恋したジョーは、以前にもまして男とSEXしまくる。
セフレの一人、H氏が妻子を捨ててジョーと付き合いたいと家を飛び出してくる。
数あるチンポの一本に過ぎないH氏にそう言われて困るジョー。
そこへH氏の妻(ユマ・サーマン)が大勢の子供たちを連れて押し掛けてくる。
H夫人は散々、嫌味を言ったり絶叫する!そこへ別のセフレもやってきて‥
昭和のコントみたいだが、映像が美しすぎて可笑しい


●第4章「せん妄」

ジョーが唯一、一般的な暖かさで愛している大好きだった父が倒れた。
母は見舞いに来ないのでジョーが通っている。
たまに妄想で暴れたりクソを漏らしたりするが(クソが生々しくならにようにか、このチャプターはモノクロ)、たまに正気に戻り、ジョーが幼かった時に森に行ってよく話していた木の話をする。ジョーは幼少期してたように、わざとわからないフリをすると父はいつものように木の説明を夢中でする。普通にいいシーン。
ジョーは父の病状に悲しくなり、見舞いの合間に病院の職員とFUCKしまくっている。
また父の末期に性的に興奮してしまった自分を責めるジョーだが、セリグマンはいつもの様にジョーを「非常時には性欲が湧くものだ」とフォローする。
セルグマンは「君のSEXは依存症では?」と言い、そうかもしれないと答えるジョー。
ジョー「でも、私は大勢とやってるけど結局は男という一つの種とSEXしてるに過ぎず、一人の男と付き合ってる事と同じ」とか言う。それはそれで一つの真実と言えなくもない

 

●第5章「リトル·オルガン·スクール」
オルガンスクールとはジョーの小さな自室の事だ。
多すぎるセフレを上手に管理して、一日10人の男とSEXするジョー
その一人、Fはジョーのして欲しい事を察知してプレイしてくれる優しい男。この男は安定感の低音の旋律だと言うジョー(いつものようにセリグマンは音楽やフィボニッチ数列の解説をする)
ワイルドでエロいSEXをする、しなやかな別のセフレ。
そして偶然、再会したジェローム。この三つで一つの音楽だと言いたいらしい。
ここでVol.1は終了。

 


感想を見てわかるように始まった瞬間が最高で、第二章以降はそれまでのテンションがだんだん落ちる感じになった。
第二章以降がつまらないわけではなく面白いんだけど、OPと第一章が面白すぎた。
しかし、最後まで観ると途中の章の評価も上がるかもしれない。
最初は面白いと思ってたセリグマンのキャラが割とつまらないキャラなのではないかと思ったからだが(どうせ最後にはジョーを犯したり殺すのでは)
でも、それでも面白いよ。
SEXを扱うフィクションはなかなか面白いものが少ない(というか殆どない)。
エロすぎると性欲が沸いて話がどうでもよくなってしまうし、男女の愛情が高まりすぎるとそれは恋愛映画になってしまう。
ジェロームとの関係は恋愛だが彼はカスなので、なかなか恋愛に発展しない。
また、SEXの場合「やるか、やらないか」の二極化される。「本当はやりたいがやらない男が逡巡する話」とか作ってもそんなもん面白くない。穴でも掘ってそこに呟き続ければいいものだ。
その点、本作は丁度いい感じで描いてるなと思った。
トリアーのSEXの映画という事でどんな酷い物語かと思ったが、ハッキリ言ってかなり普通にエンターテイメントしていて楽しい。トリアー苦手の人でも観れそうだ。
まあ、Vol.2は酷い話かもしれないが、とにかくVol.1は楽しい映画だった。
2はシャルロットの出番が多いので楽しみ

 

 

シャルロット・ゲンズブール
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シャルロットは自分の少し年上で、少女の時「なまいきシャルロット」とかでブレイクした時に僕も思春期だったからシャルロット世代だが、当時はそこまで好きじゃなかった。
どういうわけか30代前半の時に、何かの映画で30代半ばのシャルロットを見て可愛い過ぎると思い好きになった
完全な美人というよりは、ややしゃくれ気味で時おり老婆っぽい顔になるところがいいと思った。
子供みたいに見えたり老婆みたいに見えたりする顔の女性は気になる。

完璧な美人は魅力に乏しく、美人に何か短所のようなもの(しゃくれてるとか歯ぐきが出てるとか目が細すぎるとか)を加えた顔が最も魅力的、というのが僕の自論。
だから、あの統合失調症役のシャルロットが自分のクリトリスをハサミでちょん切って夫の脚を串刺しにしてブッ殺そうと追いかけまわす地獄絵図が展開される映画アンチクライストも「カワイイな~」とアイドル映画の様に観ていた。
メランコリアはシャルロットは普通の役で、キルステン・ダンストが主人公。
キルステンは前半、奇行ばかりしてた癖に、後半ではすっかり悟りきってシャルロットを死んだ魚のような目で諫めたりするのがムカついた。
鬱三部作以外では真田広之アンソニー・ホプキンスと付き合ってるゲイという恐ろしい役で出てる「最終目的地(2010)」という映画でバツイチ子持ち役を演じる彼女も魅力的だった。他にも色々あるがこの三つが特に魅力的。
彼女は昔から歌手でもあり近年の三枚のアルバムも持っている。本作の主題歌"Hey Joe"も彼女の曲。
そんな感じで、ここ10年くらい好きだったのだが、近年「だんだん老けた自分が、大きなスクリーンにアップで映るのが嫌になってきた」とか言ってて、自分は彼女の老け方が好きだったのにそれを否定されたような悲しい気持ちになった。また彼女はそんな事全く気にしない人間だと(勝手に)思っていた印象も崩れて僅かに醒めた。
しかし、それらは自分の勝手な思い込みなので、気を取り直して今後も応援したい。

 

そんな感じでした

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Hey Joe

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Hey Joe

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Nymphomaniac

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