gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました (2014)」うまそうだし主人公がキレる場面最高🥪

f:id:gock221B:20170225192655j:plain
原題:CHEF 監督&脚本&制作&主演:ジョン・ファヴロー
製作国:アメリカ 上映時間:115分

 

「アイアンマン (2008)」を大ヒットさせ、MCU立ち上げに大きく貢献しながら続く「アイアンマン2 (2010)」では大きく評価を落としマーベル・スタジオから離脱したジョン・ファヴロー
そんな彼がまるでリハビリのように作成した本作。
出演者にも「アイアンマン」のキャラでもあったアイアンマン役だったロバート・ダウニーJrや、ブラックウィドウ役だったスカーレット・ヨハンソンが登場している。
しかもこれらのキャラは「どうしてもいなきゃダメ!」という役でもない。そして本作を見れば誰でも一発でわかるように「『アイアンマン』シリーズでは、マーベル・スタジオの要求の大きさやファンの評価に疲れたよ‥」というジョン監督の心の叫びがそのまま映像化されたかのような本作

 

Story
ロサンゼルスにある一流レストラン総料理長カール・キャスパージョン・ファヴロー)は、メニューにあれこれ口出しするオーナーと対立し衝動的に店を辞めてしまう。
次の仕事を探さなければならない時にマイアミに行った彼は、絶品のキューバ・サンドイッチと出逢う。
その美味しさで人々に喜んでもらう為に、移動販売を始めることに。
譲り受けたフードトラックを改装し、息子や仲間と共にマイアミからロサンゼルスまで究極のキューバ・サンドイッチを作って売る旅がスタートした―。

 

 

ジョン・ファヴロー演じるシェフが、オーナー(ダスティ・ホフマン)やグルメブロガーとの諍いやTwitterが元でクビになり、元助手だったレグイザモや元妻や息子など色々な人との助けもあってフードトラックで再起する‥という話。


これはハッキリ言って面白すぎる。まずどうでもいいが序盤の揉め事が面白い
まず序盤の、主人公とダスティ・ホフマンとの言い合いが面白すぎる。
言い合いが始まって、やばい空気を読んだレグイザモが「‥やーし!みんな、五分休憩だ!」とか言ってサッと離れるところ。
ブロガーが来た夜、皆でバーで飲みながら主人公が「よーし、レビューを読むぞ!」と読んでいくと酷評で、身内以外の空気を読んだオーディエンスがサッ‥と離れるところ(その後、屋外で主人公とスカヨハが思い切りマリファナ吸ってたのも見逃せない
★酷評がTwitterのTL上で拡散されてる事を知らない主人公に、レグイザモとトニー(アントマンで元妻の夫役だった人)がうっかり「Twitterなんか気にするな!」と言ってしまい、主人公が「なんだそれ」と言って、二人が一瞬「ヤッベ」って顔した後「‥あ、ああ、これうまそうだな!とか話を逸らすところ(それにしても、あんな顔したら絶対話は逸らせねえだろう)

‥等の、気まずいが、死ぬほど気まずいわけではない気まずいシーンや言い合いシーンは、ライトに「映画面白いな~!」と思うポイントでマジで最高だった。
タランティーノも子供の時、ママにGIジョーのフィギュアを買ってもらったら、まず最初に闘わせるんじゃなくて延々と言い合いさせてたという。実戦の前にまず揉め事だ


■主人公がブロガーにキレる場面
極めつけは、ブロガーに対してブチギレるところが最高だった。
まず主人公が店に強襲した事を知って目を見開くスカヨハにクローズアップするカット、これだけでボルテージが一気に80%くらいガーンと上がる。最高だ
f:id:gock221B:20151209234127p:plain

f:id:gock221B:20151209234246j:plain
怒りすぎてシカゴブルズのロゴマークみたいな形相になった主人公がバーン!と入ってくる。5%上昇

f:id:gock221B:20151209234405j:plain
止めても無駄な事を悟り、止めもせず諦めるスカヨハ、最高だ。5%上昇

f:id:gock221B:20151209234457j:plain
ダスティ・ホフマンが「ちょ‥ちょっと待て‥」と穏やかに止めようとしてるところでボルテージがガーン!と100%まで上がる。成層圏に達した
無駄と知りつつ止めなければならないのが支配人の辛いところだ。
こんな勢いで乗り込んでこんな穏便に止められたらテンションどんどん上がるだろうな

二人の諍いを予め知って集まった店の客達も何だなんだと注目してる。
最高の時間。最高の揉め事だ。ボルテージが120%‥月の軌道に乗った

主人公「このクソ野郎に言いたいことがある!
この俺が何だ?客に媚びるって?お前の意見なんて、俺はどうでもいい!媚びたりしてない!
f:id:gock221B:20151209235703j:plain
フォンダンショコラってのは、只の生焼けケーキじゃないんだ。中トロトロには理由がある。凍ったガナッシュを焼き型の真ん中にそっと入れるんだよ。」
それで外は焦んがり!中はトロトロになるんだ!
ダスティ・ホフマン「わかった‥わかったから‥」
「(ブロガーのショコラを手で潰しながら)ほら、トロトロだろうが!
めちゃトロだよ!クソ野郎!
「自分は何もせずそこに座って、ただ食って、毒舌吐き続けるだけ!」

f:id:gock221B:20151209235524j:plain
主人公は反論待ちで一瞬、間を置くがブロガーは無言。

「ウケりゃいいか?俺がどれだけ苦労したと思う!スタッフがどれだけ苦労したか!」
こっちが身を削って努力したものを罵詈雑言!下痢みたいに垂れ流してスッキリか?
ダスティ・ホフマン「わかった‥」
傷つくだろ!あんなにメタメタに叩かれたら傷つくんだよ!
ダスティ・ホフマン「ぁ、ああ‥そぅだな‥」
(彼を指して)彼も!オーナーもレストランが潰れるんじゃないかと心配したんだ」
このクソ野郎が!
お前はクソったれなデタラメ書き散らしてるだけだ!
f:id:gock221B:20151209234905j:plain
※まくしたてながら右手を左から右へゆっくり動かす動き(「書き散らし」の表現)が最高だ

「中はちゃんとトロトロだったよ!めちゃくちゃに!(隣の無関係の客のショコラをめちゃくちゃに手で潰しながら)トロトロだ!ふざけるな!
f:id:gock221B:20151209235229j:plain
そして即、YOUTUBEに拡散されて何万人もの目に晒された事がわかるカット。
雌雄は決した。負けだ、主人公の。。
しかし名演のおかげでランボー1作目ラストの演説の様に盛り上がった。
改めて観ると主人公は明らかにキレすぎ。
ちなみに俺は主人公も好きだが、このブロガーの奴も再登場する前から好きだ。
ブロガーは喧嘩慣れしており一切反論しない、それによって主人公の怒りが加速され、言い返さないブロガーに対して罵りまくる主人公の怒りすぎの姿が世界中に拡散されてしまう。
主人公だけが正しい‥ランボーみたいな一面的な映画も爽快感あるが、この場面は主人公、ブロガー、オーナー、同僚達、野次馬‥全員に理があるので面白さが屈折、乱反射して面白さが倍増されるタイプのやつ


ラスト
まあとにかくシェフとしての立場を失ってしまった主人公は、息子、そしてレストランで助手をしていたジョン・レグイザモが着いてきてくれてフードトラックを始める。
食い物がフェティッシュに語られ、可愛い息子とかSNSの使い方とか誰が観ても楽しく映画は進む。
ラストではこんな事になった原因のブロガーもやってきて主人公と和解する。
それはいいのだが、ブロガーが店を出す費用までくれて、実際の店を最後に見せて終わるのはどうかと思った。
店が映った瞬間に、楽しかったフードトラックのロードムービーの時の疾走感が失せてしまう。
そもそもフードトラックは大盛況なので、そのうち店は出せるようになるだろうから劇中で新しい店を建てることまで見せる必要はない。
しかもブロガーが金出すのも‥、文句はないが「無い方がいいよね」って感じだ。
店を出されたら楽しく走ってた愉快なフードトラックが車庫に永遠に入ってしまう気分になる。
そして映画の中で物事が完璧に解決してしまうと、面白くても記憶から消え易くなるというのもある。
ハッピーエンドにするにしても「自体が好転してきたぞ( ´・ヮ・`)」といった辺りで終わるのが丁度いい。
だからフードトラックでのブロガーと和解した夜の場面で終りにして欲しかった。
ラストまでは90点近くあったのに、このラストのせいで65点くらいにまで落ちた。
それ以外は特に文句ない。充分面白かった

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪🥪

www.imdb.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20151210001408g:plain
f:id:gock221B:20151210001450g:plain
f:id:gock221B:20151210001553g:plain
f:id:gock221B:20151210001624g:plain
f:id:gock221B:20151210001652g:plain
f:id:gock221B:20151210001730g:plain
f:id:gock221B:20151210001803g:plain
f:id:gock221B:20151210005233g:plain
f:id:gock221B:20151210001956g:plain

#sidebar { font-size: 14px; }