昨夜、喪に服す気持ちで追悼文‥というか只のしょうもない思い出を書いた後、
デヴィッド・ボウイ追悼。 と、デヴィッド・ボウイ広島おっさん事件。好きな人物や場所の消失に対する解決法 - gock221B
「あまり聴いてなかったし意外とショック受けなかった」とか書いたがショックだった
末期癌なのに最新作出たのが先週って凄いなと思って「★(2016)」をiTunesで買った
タイトルの「★」は「Blackstar」と読む。
90年代に過去の旧作が一斉にCD化されて聴いてた少し後に、リアルタイムの新作で「ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ」とか、少し後に「アウトサイド」とか出て、一応買って聴いたがピンと来なかった。今思えばそんなに悪いわけはないんだが思春期という時に過去の濃いカルトスター期の作品群をまとめて聴いたので薄く感じても仕方ない気もする。以来、新作は聴いてなかったから随分久々に新作聴いた。
音楽的素養も知識も乏しいので正直「何かいいね」とか「リズムがいいね」とかしか言いようがない。だからこのブログも音楽の事は少ない殆ど映画ブログになってしまった
だからもっと専門的な事が読みたい人は、もっと別のガチな記事を探した方がいい
このアルバムはなかなか良かった。というか90年代のアルバムも、よかったのかもしれないが若かったのでヴォーカルしか聴いてなかったのかもしれない
とりあえず凄く甘ったるい歌声とかノリが20年以上変わってない。昔のままだった。
昔から、曲は全体的にいいが、ヴォーカルがあまりに甘ったるすぎて「音楽」というより「デヴィッド・ボウイ」というジャンルを聴いてる感が強く、カルトスター期はコンセプトも曲も大袈裟すぎてしかも古いので甘ったるい声もハマってたが、90年代当時では少しキツイなと感じて、あまり聴かなくなった気もする
本作でも甘ったるい声は健在だが、完全に老人になって末期癌で余命を宣告された後に録ったのに、なお甘ったるい声で歌ってるんだから完全に俺の負けだと思った
そもそも「美中年」くらいまではわかるが「目がキラキラしてる美しいおじいさん」という人類を目の当たりにするのが初めてで、表題曲「Blackstar」MVを観ると何だか不思議な気持ちになった
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少女漫画家はオッサンやジジイを描くのが苦手で、妙に目がキラキラした只の美少年に白髪と ほうれい線足しただけのオッサンやジジイをよく描くが、晩年のデヴィッド・ボウイ本人は正にそれの実写版だったな。
この音楽系まとめサイトは数少ない良く観るまとめサイトだが、こんなまとめ見た
そして、色々検索してるうちに、こちらの凄くいい音楽ブログ見つけて読んでた
「Lazaus」
見上げてみな、俺はここ、天国にいる
俺には傷跡がある、見えないけど
俺にはドラマがある、それは決して奪えない
今や皆が俺を知っている
見上げてくれよ、もう死にそう
失うものなんてもう無い
ハイだから脳みそグルグル
下にケータイ落っことしちまった
俺らしいだろ
ニューヨークに来るまでは
俺は王様よろしく暮らしてた
そして金を使い果たし
あなたの姿を探し求めてた
こうでもしないと、俺は自由になれないのさ
あの青い鳥みたいに自由に
俺っぽいだろ
自由になる
あの青い鳥みたいに
自由になるのさ
俺らしいだろ
うーん。説明不要。 そして、この曲のMVの映像はこれだしね
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デヴィッド・ボウイといえば、コンセプチュアルな人という印象が強く「デヴィッド・ボウイの音楽が好き?」と訊かれても、コンセプトや本人の印象が強すぎて、よくわからなかった。というか「本人は好きだが音は、それほどではないかも‥」と長年思ってきた
この「★」、死の宣告を受けた後に作り、アルバム発売日は死の直前の先週。
そして、その時、本当は苦しかったであろう最後に撮った死の二日前の写真は笑顔全開
追記:この写真は「死の二日前に撮った」と報道されてるが実際には撮影日は不明だそうです
しかし、死にかけの時に撮った事だけは間違いない
しかも直後に死ぬわけで。ここまできて客観的に判断する事は不可能だろう(そもそも、ここに至って客観的に見たくないが)
おそらく死ぬ事も作品コンセプトの中に入ってるっぽいから、それでいいのか。
「うわ!ボウイ氏死んだ‥」と思ったら→新作発売直後だったから買って聴いてみて→内容や周辺の出来事にも「おぉ‥」と思う、一連の流れもこのアルバムの一部なんだろう。普通だったら、そういうのは死への こじつけに過ぎないが、ボウイ氏の場合は本当にそういう事する人ですしね、長年。そういうところが本質だったのかもしれない
「作品以前に彼本人が作品だった」‥と、昔から彼についてよく言われてるが、今までそれを表面的にしか受け取っていなかった事をやっと理解した
今はクローゼットに隠れ、黒い星になってしまった
そんな感じでした。rest in peace