gock221B

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「ブルー・リベンジ(2013)」動きだしたら止められない復讐の連鎖をどうすればいいかという青い映画

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原題:Blue Ruin 監督:ジェレミー・ソルニエ 製作国:アメリカ/フランス 上映時間:91分

「青い破滅」というタイトル通り、徹底的に青い画面作りにこだわっていた
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登場人物の服や車、建物や家具、灯りや風景に至るまで青い色が画面に映っている
新人監督で、地味な出演者と内容だけに「青い映画があったなぁ」と印象に残るようにしたのだろうか(それともゴダールの赤みたいなノリか?)


映画が始まると髭面のみすぼらしい男が、他人の家の風呂に勝手に入ったり遊園地のゴミ袋から食い物を漁ったり魚を釣って食ったりしている。ホームレスというよりは生きる目的を失った男のようだ
車中泊をしている彼の元に、彼の事を知っている警官が訪ねて来る。
警官との会話やその前後のストーリーとで、彼の両親を殺した男が出所した事を告げられる。
主人公は、出所した男の後をつけ、バーで出所パーティをしている犯人がトイレに入ったところを待ち受け、首と頭を刺してブッ殺す。
しかし逃げる時に、乗っていた青いセダンとキーを置いてきてしまう。
更に殺した犯人の親族の少年にバッタリ会うと「殺したのは彼じゃない」と言う
自宅らしき家でニュースを見るが殺人事件のニュースが流れない。
主人公は、長年会っていない妹の家に行き、家族を連れてしばらく遠くに逃げている様に告げる(置いてきたセダンは妹の名義なので、犯人家族の報復を恐れた)
主人公と犯人一家の淡々とした地味な復讐合戦が始まる。。

途中で殺人の起点の真相がわかったり、犯人一家も人間なので家族が仲よかったりする事を知ったりと色々あるが双方、ブッ殺し合ってるので動きだしたら止める事の出来ない歯車の様に復讐の連鎖を止める事はできない。
主人公も、両親殺しに直接関係ない者達を殺したいわけではないのだが、途中でやめたら妹家族の命が狙われてしまうのでやめるわけにはいかず、敵の家族を全員殺さざるをえない状況。

それにしても家屋への侵入方法とかを詳細に描きすぎていて別の意味で危険な映画だ
短絡的に考えるとアメリカその他の国で起こっているテロによる報復合戦を思わせる
個人的には、そういう具体的なものについてというより報復そのものについての映画なんじゃないかなと思った。
犯人らしき男を殺してした遠くに逃げろと告げる主人公に向かって妹が言う
あなたは、ただ弱いだけ。と言う台詞が、わかりやすい一つの回答かもしれない。

かと思えば太った親友は積極的に復讐に加担し、助けてくれる(彼に「二人で撮った写真を焼いてくれ」と言った意味がわからなかった「俺の事は忘れてくれ」という意味か?)
殺傷の描写もリアルで、敵に矢で撃たれたら薬局で買った薬品で消毒した後に病院で治療してもらって抜けだしたりするし、敵を車のトランクに閉じ込めたが返り討ちにあってはいけないので牽制するための銃火器を入手して、やっとトランクを開けたりするし尋問するために衰弱した敵にわざわざ水を飲ませて回復させたりする。
何か無理に他の映画に喩えるとすると、少し「ノーカントリー」に似ている。
肉親を殺された事がないので、こうすればああすればという様な事は軽はずみには言えないが、肉親を殺されたことがないという今の段階では自分も主人公の妹と同意見かな。
終盤の主人公を気の毒にも思ったが彼の動機は、復讐という気持ちは分かるが非生産的な目的から復讐の連鎖を止めるという未来のあるもの(手段は全く明るくないが‥)に変わったので、まあバッドじゃないエンドだと思えなくもない
しかし渋い映画だった。淡々としていて、一つ一つの殺傷に対するアフターフォローが丁寧でしかも面白くて、また映画全体的に台詞や説明が少ないが全く飽きることなく、むしろ観ていくうちに「ああ、そうだったのか」と一つ一つ後で気付いていく事が楽しい良作だった

そんな感じでした

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