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「カンフーハッスル (2004)」チャウ・シンチー/主人公のパワーアップが中国的過ぎて魅力を伝えるのが難しいけど超傑作

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原題:功夫 監督主演:チャウ・シンチー 製作国:中国/アメリカ 上映時間:103分

昨夜観た関羽の映画がつまらなかったので、このまま寝たくないなと思って少林サッカーカンフーハッスルを続けて観始めたら面白すぎて寝不足になった。
少林サッカーは序盤とかストーリー部分飛ばして試合シーンだけ観たので感想書くのはやめとこう。というか、この映画は面白い部分が全部わかりやすく露出していて改めて書く気がしない。


少林サッカーは少年ジャンプの努力友情勝利に男女の愛情を足した要素で勝利する。また努力とは言ったがチャウ・シンチー映画の主人公は、努力や修行は過去に済ませていて潜在能力はあるのだが、自分の資質に気づいておらず力を充分発揮できていない、そこで終盤苦境に陥った事で悟り、100倍くらいにパワーアップして勝利する。僕はこれを超人エンドと呼んでいて一番好きな終わり方。黒沢清の「CURE」とか「カリスマ」とかもこれだ。こないだのチャウシンチー映画の西遊記映画もこの超人エンドだった
また、普通のみすぼらしい中年(とチャウ・シンチー本人)が実は凄い達人、という「在野の凡人に達人あり」的な要素もかなり好きだ。

カンフーハッスル」は今では傑作だと思ってるが、実は最初観た時はわかりやすい「少林サッカー」の方が好きだった。
でも「カンフーハッスル」だって、少年ジャンプのインフレバトル数年分のように進んでいくだけなのだが、主人公の扱いが変わっている。

善良な人達が住む貧民街にギャングの斧頭会が絡んできて
 ↓
三人の普通っぽいオッサン達が実は達人だったので撃破する
 ↓
斧頭会は更に強い琴を使う殺し屋を雇い、三人は斃される
 ↓
しかし貧民街の大家夫婦が実は凄い達人で殺し屋を撃破
 ↓
斧頭会は更に強い伝説の達人・火雲邪神を招聘、夫婦を撃破。
 ↓
主人公が唯一無二・真の達人となり奥義・如来神掌で勝利

というように物凄くレートが上がった最終局面で突然入ってくるところが凄い
普通だったら修行中の拳法家だったり、夫婦の弟子や息子とかに配置しそうだが全然そんな感じじゃないのが面白い。
主人公は最初からずっと出ずっぱりだが只のチンピラで、そこら辺の常人よりも弱いくらいなのでインフレバトルには参加してなかったが、主人公は斧頭会に所属しているため、達人夫婦を殴るはずが身体の正義が勝手に動き火雲邪神を殴ってしまう。激怒した火雲邪神に殴られ重体になるが、火雲邪神に殴られた事で身体の気脈が開き覚醒。
主人公は子供の頃、ホームレスに「君には素質がある」と言われ、中国拳法の奥義「如来神掌」の教本を貰い通信空手のようなノリで修行していた。
少林サッカー」と同じように元々、最強の達人だったが自分で気づいてないので力を発揮できず、気付きによってフルパワーになるパターン。
この石川賢の「ゲッターロボ號」&「真ゲッターロボ」とか「虚無戦記」みたいな急激なインフレはたまらないものがある。
また子供の頃いじめられてたヒロインを助けた事で正しい心がある事も示唆している。
実は主人公が1から100へとパワーアップする事に、初見では着いていけず「少林サッカー」の方がいいなと思っていたのだが何回か観るうちに、これは凄い傑作だなと理解した

このヒロインは短い出演時間で数回しか出てこない(しかも喋れない)ので、ヒロインというより狂言回しの様な役回りだが、短い出演時間の表情とキャンディーだけで完全に超ヒロインの役割をこなしてて凄いと思った。主人公が彼女にナイフを突きつけて「金出さないとブッ殺すぞ!」と言った時の二人の恰好と、背景の恋人同士が踊ってる絵のポスターのポーズが被ってるシーンは凄くしびれた

悪の達人・火雲邪神はブルース・リャンという往年のカンフースターが演じている(詳しくないのでよく知らない)。この人は何故か演技が異常にカッコいい。何か喋った後とか仕草が異常に自然過ぎて(どう書いて説明したらいいのかよくわからない)それが達人としての描写とのギャップがあって異常にカッコいい。これが彼の素なのかチャウ・シンチーの演出なのかはよくわからない

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唯一無二・真の達人となった主人公シンだが火雲邪神のガマガエル拳を喰らって天高く飛ばされるが、天空で更に新たな悟りを得て奥義・如来神掌を会得。
奥義・如来神掌を繰り出しながら急降下する主人公に恐怖を感じた火雲邪神は負けを認め、シンは如来神掌を止める。
敗北は擬態だった火雲邪神は、達人夫婦に勝利した時のように毒針で奇襲をかけるが、
シンはそれを避け如来神掌で火雲邪神の背後のビルを吹っ飛ばす。
あまりにも物理的な力の違いを見せつけられ、今度こそ本当に(物理的な)負けを認めた火雲邪神が「‥い、今の技は?」と問うと、シンは逆光の中から火雲邪神に
学びたければ、教えてやる。」と言う。
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このショットがヒーローを飛び越えて聖人レベルにまで到達しててヤバすぎる。
しかもほんの数十分前までは一般人以下のチンピラだったのでその高低差に目まいがする(初めて観た時、この映画を受け入れきらなかった理由は多分これだろう)
完全無欠のヒーローになってしまったためか、これ以降、チャウ・シンチーはヒーローをやらなくなってしまったのが残念だ。またやって欲しい。
火雲邪神は、物理的な功夫の技だけではなく精神的な負けも認め、長年の夢であった(たぶん)敗北を知る事ができ泣き崩れる。この場面は最高だった

豚小屋砦の住民たちは達人夫婦以外、全員、退去した後で誰もいないというのも「あしたのジョー」のホセ・メンドーサ戦でドヤ街の子供たちなどのボクシング関係者以外が誰も応援に来ていないのを思い出してしびれる。つまりこの最後の場面は真の達人しか居てはいけないシーンなんだなとわかる。達人夫婦は神域ではないにしても相当強い真の達人なので観戦と実況を許されている(あと観客もね)
その後、主人公は仙人のような人間離れした路線に行くこともなく、優しい青年に戻り、街でヒロインや舎弟と再会して幸せになって終わる。
チャウ・シンチー功夫とは「少林サッカー」などでもそうだったが、スクリーン上で如何にスーパーパワーを見せていようと、おそらくは「楽しく暮らすための自信になればいいもの」程度の認識なんだと思う。そういった感じに心打たれる
何か取りとめもない感じに書いたが、わかってくれただろうか

そんな感じでした

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