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「WHO are YOU 中年ジョージ秋山物語 (2005)」ジョージ秋山

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8年くらい前、吉祥寺のハモニカ横丁で店を持ってる人が海外へLIVEに行く間、店を遊ばせとくのも何だから日数分の家賃を払うなら勝手に店をやっていいよと言われたので、そういう期間に学園祭感覚でバーとかカレー屋を何度かやった事があった
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飾り付けした店構えがあまりにも怪しすぎたので客の9割は友人や知り合いだった。
そして夜は大抵酔ってたので、酒がなくなったら店に来た客に酒を買ってこさせて、それをその買ってきて貰った客本人に一杯600円くらいで何度も飲ませたりしていたが自分も客も酔っていたので何でもありな感じで問題はなかった。持ってた古本や女の子の友達の服を売ったり‥よくわからない店だった。とにかく、そこそこ儲かったが、金は吉祥寺駅前のクソ高い土地代一週間分に全て消えてしまったので都会の土地代はエグいと思った。同時にそこで長年、店をやってる人はすげーなとも思った

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そんな思い出はどうでもいい。古い写真を整理してて思い出したのでついでに書いといた
とにかく、その店をやってる時の空き時間に本作を買って読んでて面白かったのだが、読み終わったら誰か客にあげてしまった。久々に読みたくなって買った

最初にジョージ先生のグラビアが何点か載っている
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そして漫画が始まると主人公、ジョージ秋山本人がキャバクラで飲んでいる。
あまり似てないが、自画像とは自分で自分はこうだと思った主観的な自意識を描写したものなので別にいい
秋山先生は、キャバ嬢に名前を訊かれると
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と答え、女の子達に一万円札を配り大喜びされる(一度やってみたいものだ)
店を出ると、女をジョージ秋山に寝取られたというヤクザ達に絡まれる。
「女性の方から誘って来たんですが‥」と言いつつ、色んな女の部屋の合鍵を付けた長いチェーンでヤクザ達を叩きのめし「ヤクザが怖くて歌舞伎町で飲めるか!」と啖呵を切るジョージ。
そして読者に向かって「わたしは妻を殺した。」と衝撃の告白をするジョージ秋山
「しかし、その事はおいおい話そう‥」と言ってなかなか教えてくれない。
自分を主人公にして衝撃の告白をして始めるのは「告白」を思わせる。
ここまで僅か数ページだが、グラビア(実在の証明)暴力‥等、この世の面白い要素が全て入った連打をかまされて惹きこまれてしまう。
この冒頭は力が入っている。「最初にかます」ってやつ。何事も最初が肝心だ。
残りはいつものジョージ秋山の独白や自問自答、彼の事が好きじゃない人にとっては説教が延々と続くようなものだ。俺はファンだから楽しい。こういうのは作中の編集者のように話半分で聞くのが一番いい
主人公ジョージ秋山は、色んな思い出を思い出したり担当編集者や読者に説教したり色んな女性と絡んだりしつつ話が進んでいく。
自慢と自虐の塩梅が絶妙だなと思った。どっちか片方だけだと読んでてウンザリしてしまう。そしてテンポがめちゃくちゃいい

ちなみに本作でのジョージ秋山は、最後まで前歯が一本抜けている。
本人はヤクザとの格闘で抜けた、というが冒頭のvs.ヤクザ戦では一度も殴られてないし、編集者も「あれ?バイクにひっかけられて抜けたんじゃなかったんですか?」という、まあ当然ながらvs.ヤクザは幻想。歯が抜けてるのは何のメタファーなのかはわからないがジョージ秋山の何らかの喪失感のメタファーなんだろう。
素直に考えると、亡くなった奥さんのことか?それとも他のことか、それはわからない



第五話「橋のレクイエム」
この話は凄い適当な話なんだが、めちゃくちゃ笑った。
エリート編集長の美人妻を好きになってしまったジョージ秋山
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奥様の事を考えまんじりともできぬジョージ秋山先生。

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秋山先生の思いは募るばかり。

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ちょ、ちょっと先生。。

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せ、先生?!

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‥。

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あ~‥パクられた。。
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この刑事よく見ると浮浪雲」で俺が大好きだが最近出てこない、ごろね奉行じゃないか(ごろねは現代にいたらやっぱり刑事なんだなとか、ごろねをまだ覚えてたんだなという事で何となく嬉しくなった)
何てことない話だがジョージ秋山がストーカーになっていく様のテンポが良すぎて笑ってしまう

後半の展開
ちょっと雰囲気を変えようと思ったのか、後半は自作の人気キャラクター達が一話づつ登場して対話していく展開が続く。

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デロリンマン「元祖デロリンマン」「デロリンマン
※どうでもいいが彼が自問自答しながら確実に食生活を送る様を丹念に見せられる様がツボにはまった

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蒲郡風太銭ゲバ」「銭ゲバの娘プー子」「銭豚」

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毒薬仁太郎(「スンズクの帝王オリは毒薬」「くどき屋ジョー」「恋子の毎日」「銭ゲバ」「博愛の人」ほか)

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狸穴勇介(「捨てがたき人々」)

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ドンドン和尚(「ほらふきドンドン」)


対話と言っても、キャラクター達はジョージ秋山の一部なので、この本の前半の自問自答スタイルと本質的には変わらない。ただ面白いし古いキャラ達に会えて嬉しい
いくら面白くても主人公の自問自答のようなものがずっと続くのは読んでてさすがに少し飽きてきたかな‥とか思った頃に、旧キャラとの対話編になるのでタイミングいいと思った

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最初の方でちょくちょく言ってた「私は妻を殺した。」という言葉の意味は遂に語られず終わるが、あとがきの編集者との対談でボンヤリどういう事か仄めかす感じで語っていた。
面白かったので、本作がこのまま連載が続いてもよかった気もするが、作者の思ったことをエッセイじゃなくフィクション形式で描く漫画は、ちょうど「浮浪雲」がそれに当たるので、まあ本作は一冊でもいいような気もする。
加齢のせいか昔読んだ時より更に面白かった

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そんな感じでした。
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 ジョージ秋山公式サイト

www.ebookjapan.jp

 

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