gock221B

映画その他の感想用ブログ(2015年開設) http://gock.flavors.me/

「ホドロフスキーのDUNE (2013)」 話を聞いてるだけでめちゃくちゃ面白い爽快感。人が永遠に生きる方法

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原題:Jodorowsky's Dune 監督:フランク・パヴィッチ 製作国:アメリカ 上映時間:90分

エル・トポやホーリー・マウンテンで一躍イケてる映画監督になったホドロフスキーが「人の意識を永遠に変えるような凄いSF大作を作るぞ!」とフランク・ハーバートSF小説デューン 砂の惑星」映画化に乗り出す。

ホドロフスキーの人間的魅力が溢れていた。この映画で喋ってる現在のホドロフスキーも活気に満ち溢れてるせいか老人なのにも関わらず中年にしか見えず、息子とは親子というより兄弟に見えるほど魅力がある。
彼はそのチャームで共にデューン創りをする仲間「魂の戦士達(ウォーリアーズ)」を探し次々と仲間に引き入れる。
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
プロデューサー: ミシェル・セドゥー。ジャン=ポール・ジボン。

衣装デザイン: メビウス
建造物デザイン:H・R・ギーガー。
宇宙船デザイン:クリス・フォス。
特殊効果: ダン・オバノン
音楽: ピンク・フロイド
ハルコルネン家の音楽:マグマ。
武術指南:武道家ジャン=ピエール・ヴィニョー - ブロンティス
出演者: ミック・ジャガーウド・キアオーソン・ウェルズ。デヴィッド・キャラダイン。ホドロフスキーの息子ブロンティス。サルバドール・ダリ。アマンダ・リア

という錚々たるメンツを、様々な面白エピソードと共に仲間にしていく件は、三国志水滸伝西遊記などで豪傑を味方にしていっているような面白さがある。
当時、少年だったホドロフスキーの息子も、劇中でヒーローを演じさせるために、武道家の元で2年間、武術の修行を行なう。
次々に出てくる彼らや、その様子を思い出して現在のホドロフスキーやウォーリアーズが語る当時の様子や、彼らのトークの中に出てくる劇映画「デューン」の様子があまりにもキラキラしていて面白そうすぎる。
それを、美術やラフなどをアニメーションで動かしながら音楽や語りと共にどんどん見せてくるので、本作を観終わった後にはすっかりデューンを観たような気持ちになった。

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凄いスタッフと出演者を集め、SFXや美術などでも全てギリギリ実現可能なものに設定するという事もクリアして、それを電話帳3冊合わせたくらい分厚い企画書が完成する。
どの映画製作会社も「この映画は凄い!この企画書も!」と興奮したのだが、当時のSFは「2001年、宇宙の旅」か、もしくは子供騙しなSFという二通りしかなかったため「哲学的な要素を内包した大作SF」という前例がなく二の足を踏んだ。更に前衛的な映画ばかり創るホドロフスキーの事も恐れ、結局このホドロフスキーのDUNEは制作されなかった。
企画は、天才だがSFに興味のないデヴィッド・リンチに映画化されて駄作になった。
失意のホドロフスキーは、リンチの「デューン 砂の惑星」を「天才リンチのデューンが俺のより凄かったらどうしよう‥」と恐れながら観に行くがリンチ版「デューン」のクソっぷりに歓喜して元気を取り戻す様が愛らしかった。

企画が頓挫した後、ホドロフスキー版「デューン」のストーリー(ヒーローが活躍して死ぬが、その魂は全人類に飛び散って惑星を覆い宇宙を飛翔して全宇宙を革新する)のように、「映画は出来なかったが各映画製作会社に置いてあるデューンの凄い絵コンテは映画界全体に影響をもたらした」と、例を出して語られ「失敗してもいいから自分の思う事をやろう」と叫ぶ。
ホドロフスキーは、本作の頓挫がショックだったせいか映画を殆ど撮らなくなりメビウスとコミックを何冊か制作する(日本でも数多く邦訳されている)
最後に、この「デューン」失敗以降会ってなかったプロデューサーと久々に会って作ったのが「リアリティのダンス(2013)」と結ばれる。

このホドロフスキーデューンが実際に作られてたらどうだったのか?というのは現物がないので実際のところ、わからない。
この映画にしても彼らウォーリアーズの主観だけで語られているわけだし、色んなメンツと大金をブチ込んだ末に、凄い事は凄いが映画としては捉えどころのないもの‥たとえば「帝都物語」みたいな事になってたり、もしくは単純に駄作になってた可能性もある。
しかし本作を観てホドロフスキーやウォーリアーズの話を聴いてたら、名作かどうかはわからないとしても、とにかく凄いものが出来てたんだろう事は間違いない。
本作を観たら面白すぎるし元気が出た。

本作のホドロフスキーはさっきも書いたように一目でわかるほど人間的魅力が凄かった
下について一緒に仕事したくなる感じの老人。
インタビュー中
ちょっと待て!猫ちゃんが来た!と猫を抱くシーンもよかった
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この意味のないシーンに何秒か時間を割いてる本作の監督の事も好きになった
色んな映画に影響を与えたこと、また彼が言う「私が死んだ後でこのホドロフスキーデューンの企画書、、映画化でもアニメ化でも誰でもすればいい。自由だ」と語ってる様子などを見て「永遠に宇宙を生きる方法は、やはり何かを創るしかないんだな」と心底思った。
「だから人は芸術や仕事を通して何かを残そうとしたり、単純に子供を作ったりするんだろうな」と、人生の意味‥の湯気のような臭いが鼻先にかすめた気がした。
何ひとつ成し遂げていない自分だが、何かしら頑張ろうと思える映画だった。
そうでも思わないと、この映画やホドロフスキーを否定するか、もしくは自殺するかしかないので、自分はそう思う事を選んだ


そんな感じでした

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映画『ホドロフスキーのDUNE』公式サイト
www.imdb.com

www.youtube.com

 
デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF)

 
デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (中) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (中) (ハヤカワ文庫SF)

 
デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下) (ハヤカワ文庫SF)

 

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