gock221B

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「マン・オン・ワイヤー(2008)」『ザ・ウォーク』よりも友情とアナーキズム要素が多かった。こちらも素晴らしかった!

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原題:Man on Wire 監督:ジェームズ・マーシュ
制作国:イギリス 上映時間:95分

 

昨夜、ロバート・ゼメキスが長編劇映画化した「ザ・ウォーク(2015)」観て、めっちゃくちゃ面白かった。今年の映画で一番良かったかも。最高だった。
1974年(関係ないが俺が生まれた年)に今は亡きワールドトレードセンターで綱渡りして、NY市民を驚かせたフランスの綱渡り大道芸人フィリップ・プティのノンフィクション「マン・オン・ワイヤー」を原作にした同名のドキュメンタリー映画

 

 

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フィリップの計画に加担したチーム本人達が登場し語る。
インタビュー映像の他、当時に誰かが撮影した映像と写真、あとはイメージ映像やニュース映像で構成されてある。
ザ・ウォーク」よりも、仲間集めや準備してる時の仲間感は強調されていた。
そしてその時どう思ったかを本人たちが語るのが面白い。本物の映像や写真も出てくるし、そこが本作にあって「ザ・ウォーク」にないところ。
そして準備中に起こるトラブルは改めて聞いても実に映画的で面白いと改めて思った。
ただ「ザ・ウォーク」で俺が大好きな「訪問者」について語られなかったのは残念

ツインタワー綱渡りの映像はないんだけど代わりに警官隊が撮った写真がある。

 

 

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とは言え、昨日ザ・ウォーク観たばかりではちょっと退屈かな‥と思っていたがワイヤーの設営が始まった辺りからは迫真のムードが漂い始める。
綱渡りを始めたフィリップが「最初は死ぬと思っていたが綱渡りを始めると緊張が溶けた」と言い、笑いながら綱渡りしてる凄い写真が映ると「ザ・ウォーク」で感じたような不思議な感動が湧いてきた。

昨夜はあまり考えてなかったが、これは許可を取らずに文明社会の頂点でやってるからこその感動なんだな、と今更ながら思った。
もし、これが政府の許可を取って‥たとえばツインタワーよりも高度がある断崖絶壁などで綱渡りしたとしても、これほどの感動はないだろう。
ザ・ウォーク」でフィリップがしきりと「これはアートだ。芸術だ」と言っていて「綱渡りが芸術?曲芸やエクストリーム・スポーツじゃないの?」とボンヤリ思っていたが確かにスポーツではなくアートに近い。
ザ・ウォークにもあったように、ワイヤー上で跪いて礼をしたり、腰掛けたり警官隊を嘲笑うかのように行ったり来たりを45分間(!?)も続けるフィリップ。
警官隊は当然手出しできない。
もちろんワイヤーを渡りきれば100%捕まるのだが、ワイヤーの上にいる限りフィリップがこの世の王だ。
完全に社会の枠組みの外‥しかも一段上のレイヤー上にいるフィリップ。
フィリップの恍惚感は、エクストリームスポーツ的なものではなく完全にそういったアナーキーなところから来てるんだなと昨夜は気づかなかった事に気づいた。
それまでの綱渡り中のフィリップは集中のために超真顔だったけど、この時は緊張が晴れエクスタシー状態でニヤニヤ笑いをずっとしてたのも悟りの境地だろう。
ワイヤー上に寝転んで彼自信が十字架になってカモメと話す様子など完全に神。
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ヘリが出動し始め「やばいヘリで落ちるわ」と思ったフィリップは、ようやく綱渡りを終えてお縄に付く。
彼はマスコミに囲まれ当然、様々な質問攻めを受ける。
「正にアメリカ的な短絡的質問だよ。壮大で謎めいた出来事に理由を問う実利性‥
理由がないから素晴らしいのに」と言い放ちながら事情聴取中だろうか警官の帽子で曲芸するフィリップの映像。

 

 

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フィリップの一番の親友で、ずっと協力していた写真家の友人。彼は、
僕たちの友情は終わってしまった。しかし僕達は成し遂げた
と誇らしげに言う。しかし次の瞬間、泣き出してしまいカットが変わる。
犯行後にフィリップと別れてしまった恋人アニーも語る。
犯行の成功によってフィリップの輝きは頂点を迎え、終わったわ。彼の人生は別のものへと変わった。しかし彼の綱渡りは素晴らしかった‥
フィリップはこう語る。
常に反骨心を持っていれば人生を綱渡りに出来る
彼らが思っていることをカメラは全て収めない。そこが凄くいい。
わかる人にはわかった気になれるし、わからない人には永遠にわからない。
ザ・ウォーク」は作劇と映像が凄すぎるあまり、恋人や友達たちの方にまで気が周ってなかった。こっちもまた、観てよかった。

そんな感じでした

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