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「マン・オン・ワイヤー(2008)」『ザ・ウォーク』よりも友情とアナーキズム要素が多かった。こちらも素晴らしかった!

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原題:Man on Wire 監督:ジェームズ・マーシュ 制作国:イギリス 上映時間:95分

昨夜、ロバート・ゼメキスが長編劇映画化した「ザ・ウォーク(2015)」観て、めっちゃくちゃ面白かった。今年の映画で一番良かったかも。最高だった。

1974年(関係ないが俺が生まれた年)に今は亡きワールドトレードセンターで綱渡りして、NY市民を驚かせたフランスの綱渡り大道芸人フィリップ・プティのノンフィクション「マン・オン・ワイヤー」を原作にした同名のドキュメンタリー映画


フィリップの計画に加担したチーム本人達が登場し語る。
インタビュー映像の他、当時に誰かが撮影した映像と写真、あとはイメージ映像やニュース映像で構成されてある。
昨夜「ザ・ウォーク」を観たばかりで、本作は殆ど同じことをトークで言ってる。「ザ・ウォーク」はロバート・ゼメキスジョセフ・ゴードン=レヴィットや一流のスタッフによって面白い劇映画化されていて、それ観た後にこれを観るとさすがに見劣りする(そもそも観る順序が逆だからな)
ザ・ウォーク」よりも仲間集めや準備してる時の仲間感は強調されていた。
そして準備中に起こるトラブル等は改めて聞いても、実に映画的で面白いなと改めて思った。
ただ「ザ・ウォーク」で俺が大好きなキャラ、訪問者について語られなかったのは残念
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では、ザ・ウォークになくて本作にあるものと言えば、犯行の本人が語ったり本物の写真や映像が観れるという事だ。
ツインタワー綱渡りの映像はないが、代わりに警官隊が撮った写真がある。


とは言え、昨日ザ・ウォーク観たばかりではちょっと退屈かな‥と思っていたがワイヤーの設営が始まった辺りからは迫真のムードが漂い始める、綱渡りを始めたフィリップが「最初は死ぬと思っていたが綱渡りを始めると緊張が溶けた」と言い、笑いながら綱渡りしてる凄い写真が映ると「ザ・ウォーク」で感じたような感動が湧いてきた。
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昨夜はあまり考えてなかったが、これは許可取らずに文明社会の頂上でやってるからこその感動なんだな、と今更ながらわかった。
もし、これが政府の許可を取って‥たとえばツインタワーよりも高度がある断崖絶壁などで綱渡りしたとしても、これほどの感動はないだろう。
ザ・ウォーク」でフィリップがしきりと「これはアートだ。芸術だ」と言っていて「綱渡りが芸術?曲芸やエクストリーム・スポーツとは違うのか?」とボンヤリ思っていたが確かに芸術だ。俺がアホだった。
ザ・ウォークにもあったように、ワイヤー上で跪いて礼をしたり、腰掛けたり警官隊を嘲笑うかのように行ったり来たりを45分間(!?)も続けるフィリップ。
警官隊は当然手出しできない。完全に社会の枠組みの外‥しかも一段上のレイヤー上にいるフィリップ。
フィリップの恍惚感は、エクストリームスポーツ的なものではなく完全にそういったものから来てるんだなと昨夜は気づかなかった事に気づいた。綱渡りを始めたら、今までは集中のためにスフィンクスみたいな真顔だったのに、この時は緊張が晴れエクスタシー状態でニヤニヤ笑いしてたのもそういう事だろう。
ワイヤー上に寝転んで十字架みたいになってカモメと話す様子など完全に神。
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ヘリで拾われそうになるのでやっと綱渡りを終えてお縄に付くフィリップ。
彼はマスコミに囲まれ質問攻めにされる。
「まさにアメリカ的な短絡的質問だよ。壮大で謎めいた出来事に理由を問う実利性。」
「理由がないから素晴らしいのに」と言い放ちながら事情聴取中だろうか警官の帽子で曲芸するフィリップの映像。
さっき感じたことはやっぱり当たってたようだなと思った。

一番の親友で犯行中ずっと助力していた写真家の彼。彼は、
「僕たちの友情は終わってしまった。しかし僕達は成し遂げた」
と誇らしげに言う。しかし次の瞬間、泣き出してしまいカットが変わる。
犯行後にフィリップと別れてしまった恋人のアニーも語る。
「犯行の成功によってフィリップの輝きは頂点を迎え、終わったわ。彼の人生は別のものへと変わった。しかし彼の綱渡りは素晴らしかった‥」
フィリップはこう語る。
「常に反骨心を持っていれば人生を綱渡り(のような面白いもの)に出来る」
彼らが思っていることをカメラは全て収めない。そこが凄くいい。
わかる人にはわかった気になれるし、わからない人には永遠にわからない。
ザ・ウォーク」を観てなければ、もっと感動してたんだろうが、それでも心にヒットするものがあった。
特に各人の心中は本作の方が、より伝わったのでやはり観てよかった。
ザ・ウォーク」は作劇と映像が凄すぎるあまり、そこに気が周ってなかった。
観てよかった。

そんな感じでした

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