gock221B

映画その他の感想用ブログ

「シン・ゴジラ(2016)」石原さとみの珍妙なキャラ好き。庵野のサービス精神と牧教授と蒲田氏も好きでした

f:id:gock221B:20161127161808j:plain
監督:庵野秀明樋口真嗣 制作国:日本 上映時間:120分 

「この世界の片隅で」を観に行ったはずが気づいたらこっち観てた。一応ネタバレあり
庵野の実写映画や「エヴァQ」や「進撃の巨人」を鑑みて、更に進撃でクソ寒いキャラを演じてた長谷川博己氏と石原さとみがいるのも不安で「シン・ゴジラは絶対にクソ」と確信していて行かなかったうちに凄いブームになり、完全に遅れて行った飲み会の会場が盛り上がりきって入れない状態になっていた。
だけどもう今年も終わるから映画の日を利用して立川で観た。
個人的に何故かゴジラ映画は殆ど観ていない。
子供の時に「ゴジラビオランテ」を観に行ったくらいで、後はモスラとかキングギドラとかヘドラとか有名なやつを観ただけだ(しかも全くピンと来なかった)
平成ゴジラも一本も観てないし、パシフィックリムやギャレスゴジラも観てたら眠くなってきたし、正直怪獣映画は個人的に苦手なのかもしれない。
本作は凄く面白かったのだが後半やはり眠くなってきた。どうも巨大なものが何かしてる映画は観てると眠くなるものがある。
自分が好きな映画に出てくる巨大生物はクトゥルー神話の旧神みたいなやつとか、「トロール・ハンター(2010)」のトロール、「ミスト」ラストの巨大生物。そんなのが至高で、次にウルトラマンウルトラ怪獣キングコング‥とかの方が好きな感じ。ゴジラ怪獣と何が違うのかは何となくはわかるが具体的には上手く説明できない。とにかく怪獣は得意じゃないという感じ。
だけど本作はやっぱ面白かった。初日に観てればこの五倍は面白かったのだろうが。。
とにかく天邪鬼の庵野が、エヴァQからの反動なのか、大勢が見たがってる庵野要素を固めて出した、その大人の態度に一番感動した。タランティーノで言うとキルビルの次のデスプルーフで大化けした感じに似てるかも。
米軍の爆撃からのイデオンレーザーなど、グッと来たのは評判のシーンだったが、そんな事を今頃書いても仕方ないから、なるべくそういうところ以外の個人的なものを探して感想を書いとこう。

 

ゴジラ第二形態。ゴジラ牧教授ゴジラなのか?。怪獣映画が無いっぽい世界
f:id:gock221B:20161128081248p:plain

前述した通りゴジラを殆ど観ておらず、観ても感動した試しがないので、過去のゴジラと比べてあーだこーだ言う事はできない。
だが既に人気になっている通り、蒲田に上陸したゴジラの形態の魅力は凄かった。
子供の落書きのような粘土細工のようなふざけた姿のアイツが狂ったように動き、ローストビーフの様なキモいエラみたいなところから臭そうな体液を断続的に撒き散らかしながら自動車や建物を吹っ飛ばしながら進む様は本当にキモいが魅力的だった。
原生動物やキモい虫とかが持つ禍々しい生命力から来る気持ち悪さ。それでいて顔は可愛いというギャップがよかった。何となく「幼稚な男が持つ性欲をキャラクター化したもの」という印象を受けた。
ずっとカマタくんでいても構わないが、巨神兵レーザーやイデオンレーザーを放つカリスマはやはりゴジラの形をしていないと説得力がなかったと思うので、やはり真ゴジラへの進化は必要だったと思った。
ポン・ジュノグエムル-漢江の怪物-(2006)」みたいに、ゴジラは主に真っ昼間に行動して、変形などの制作者が本来見えにくくしたいであろう場面も全て昼間だったところに製作者たちの誠実さを感じました。
ラストのゴジラの尻尾の先は謎めいていて映画的ケレン味に溢れていて、ここは本作の中でもかなり好きな部分になった。
その意味はハッキリとはわからないが、人災によりゴジラが生まれたという事、また日本国民の怨念のようなものも感じた。
あとは謎めいた牧教授(故・岡本喜八)彼がパトレイバーの帆葉っぽく海に身を投じてゴジラになったという説もあるらしい。
日本への恨みを抱いてそれでいてヒントを残して「どうするかやってみよ」的な問いかけを残して海に消えた。。という事は彼が自分の身体に何かして物理的にゴジラになったかどうかは置いといて意味的には牧教授=ゴジラと考えてもいいだろうと思った。
また「怪獣だ」と誰一人として会議でも私語でも言わないのは「この世界には東宝怪獣は勿論、ウルトラマンなどもない世界なのかな」と思いました。

 

尾頭さんもいいが自分は石原さとみのキャラの方を応援することにした
f:id:gock221B:20161201142859p:plain
アメリカを始めとする欧米の擬人化‥そこへ安野モヨコと結婚後に飛躍した庵野独自の「出来る女像」を足したキャラクター、石原さとみ演じる米国大統領特使・カヨコ・アン・パタースンさん。
自分は判官贔屓メサイアコンプレックスのきらいがあるためか、本作で尾頭さんの人気と反比例するかのように批判されてる、このキャラは好きになった。
確かに彼女が登場した直後は「なんやこいつ‥普通に喋れ。早く死ねよ‥」とは思ってましたが登場して数分も経てばその鬱陶しさが快感に変わっていき、その後は石原さとみが出てきてエゴ丸出しで自分の要求を通したり握りこぶしドアップで「いぇぇぇぇす‥!」と言ったりするアニメキャラみたいなムーブを見るだけで勃起するようになりました。何か石原さとみのヤバい部分が自分の中のヤバい部分に抵触したのだろう。
これは庵野によって誇張されすぎてキャラがコスプレした異様な状態からくる性的興奮かもしれない。
僕は衣装に対するフェティシズムとかは特に持ってないがコスプレした女を見たら興奮する。それは「この女、生殖や恋愛に直接関係ない不必要な変な格好してる‥」という異物感から来る興奮だと思うのだが、このカヨコというキャラは、普通に喋ればいいキャラクターが更に誇張されたキャラクターを羽織っている様なトゥーマッチさを感じて、そこに興奮しました。わかりますか言ってる事?
優れた容姿。そのギャップとしてウザい態度と喋り方。ミサトさん的な豪胆さとガッズィーラをゴジラと言い直す柔軟さ、大統領を目指すという野心。「長谷川博己くん、もう敬語やめようよ~なんかよそよそしいでしょ?もうだからいいよ~そんなん、もうタメ口でいこうよ~」等と白石晃士「オカルト(2009)」の江野くんのような言動(このタメ口宣言を言った瞬間も勃起した)そんな強烈なキャラにも関わらず国内外全てから人気なくて人気も尾頭さんに奪われるという不遇さ。それらの複合体。
まとめると「アメリカから来日したカヨコ・パターさんを待っていたのは正に地獄だった。破壊の跡に棲みついた絶望と暴力。核廃棄物が生み出した獣によるソドムの街。慣れ合いと野心、退廃と混沌とをコンクリートミキサーにかけてぶちまけたあれは日本首都東京のゴジラ。明日もまたカヨコと地獄に付き合ってもらう」
そんな感じか。
それが今時の流行り?
また、最初の1分間は大嫌いだったことから、納豆の様にエグいものが喉元過ぎて嚥下すれば好きになるという要素もあった気がする。
たとえば庵野作品ではエヴァミサトさん
放映当時「このエヴァとかいうナディアの監督が作ったアニメ面白いよ」と、普段アニメを全然観てない友人にビデオを貸したら翌日後に「ごめん‥2、3話は観たけど、あのミサトさんとかいうキャラが『ちょっち』と言ったりビールを飲んだリアクションとか観て、こんなもん観たくないし手元に置いときたくないから返すわ」とビデオテープを突っ返された事を思い出した。
彼の気持ちはわかる。俺もミサトさんやカヨコが喋り始めた時はそう思った。
僕もエヴァ初見の時、ミサトさんがビールを飲み干して「ぷっはぁ~っ!くぅぅぅぅ~~!や~っぱ人生この時の為に生きてるようなもんよね~♪」と言うシーンを観て、または同じく庵野映画の「キューティハニー(2004)」で堅物エリートの市川実日子がカラオケ行ってベロベロになって「津軽海峡冬景色」を熱唱するシーンを観て「何このシーン‥恥ずかしい‥早くやめて~」と思ったのを思い出した。
そしてその貝の肝みたいな苦い部分のようなエグみを通過すればストックホルム症候群になった人のように好きになる、という事はよく分かる。
同じくアニメっぽいキャラの市川実日子演ずる尾頭さんは大人気になった。
僕も勿論、尾頭さんは好きです。というか尾頭さんを好きになるのは簡単です。
彼女はカヨコという出っ張りとは逆で凹んでいる部分です。そこに偏愛という液体を注げば簡単に貯まる。カヨコは出っ張っているから液体をかけてもはけてしまう。
もし今が90年代なら二人は同じくらいの人気だったはずだ。だけど尾頭さんだけ人気が出てしまうというところに日本の歪みのようなものを感じました。
尾頭さん人気自体はいい事だが、カヨコ嫌われすぎに対して尾頭さんが人気すぎる。
そう認識すると自分の中でバランスを取ろうという運動が起こったので、自分はカヨコだけ応援していく事にした。
今の日本は失敗した他人にメタ視点で大勢でツッコんだりとボケに対して厳しすぎる。
僕は進んでボケを演じた石原さとみを支持したい。
同じくアニメっぽく、うっとうしいキャラを演じた「進撃の巨人」の石原さとみキャラについてだが、アレは映画自体がクソつまらなかったので好きじゃない。カヨコがいいのは、あくまでも本作が面白いという前提の上である事を述べておきたい。「金曜の夜に宿題を終えてから土日に遊ぼう」みたいな感じだな

また杉作J太郎氏が言っていた「石原さとみエヴァンゲリオンメカゴジラやスーパーX的な巨大決戦兵器に搭乗してゴジラを倒せばよかったのに‥」という感想にも同意でした。「悪魔のいけにえ2」のような本作の歪な続編が作られる暁には、石原さとみにはシン・メカゴジラを操縦してシン・ゴジラを倒してほしいものだ。
また、熟女枠としては余貴美子演じる鼻息荒い防衛大臣も、鼻息荒く頑張ってるのに死んだりして可愛いかった。


その他の登場人物について
この辺は多くの人と同じく巨災対メンバーは大体良かったので割愛するとして‥
個人的には好きな脇役キャラ。
まず要人キャラ勢は大杉漣柄本明渡辺哲、平泉成余貴美子などの「滅びゆく前時代の異物」キャラ達
f:id:gock221B:20161128071940p:plain
しがらみで雁字搦めになっている日本や東宝を象徴していると思われる彼らは、他の映画だったら思いっきりウザい上役として描かれそうなものだが、彼らは彼らで自分の仕事感や「俺達の時代」の信念に沿って誠実に決断行動するカッコいい大人達として描かれている事に好感を持ちました。彼らは全員死んだんだっけ?とにかく総理が死んだのは確か。
しかし、それだけにスピルバーグ的な死ぬ瞬間の顔ドアップは欲しかった(後述)。
後は、かつて「みんな壊してやる」と言いながら関東大震災を引き起こし帝都を壊滅せしめんとした魔神・加藤保憲嶋田久作)が東京の死を嘆いて号泣するシーンも良かった
f:id:gock221B:20161128072603p:plain
上で書いたが、押井守アニメに出てきそうな牧教授(故・岡本喜八)と松尾スズキ演じるジャーナリストなどの怪しいキャラ達も魅力あった。
f:id:gock221B:20161128075236p:plain
古い映画はあまり観ないのだが、黒澤明映画や勝新太郎映画や市川崑黒い十人の女(1961)」同様に岡本喜八映画は大好きです。。と言ってもまだ少ししか観てないので大きな事は言えないが‥今のところ「赤毛(1969)」「座頭市と用心棒(1970)」という微妙な二本がお気に入りです。
あと生物学者(塚本晋也)、警察庁長官官房長(古田新太)、自衛隊小隊長(ピエール瀧)などのキャラは、大した役ではないが中の人が好きなので好きでした。

f:id:gock221B:20161128080824p:plain
あと「Brother」など北野映画でお馴染みの國本鐘建演じる陸上幕僚長も相変わらず好きでした。顔も声もカッコいい。大杉漣の弟みたいなイメージ。名前を言ってもわかる人は少ないだろうけど(そういう自分も今、検索しなければ名前知らなかった)具体的にはこの人↓
f:id:gock221B:20161128065656p:plain
非常に多い出演者で「こいつが欲しかった」と感じた存命の俳優は、
避難しながらマスコミに悪態をつく気の強い主婦役の小池栄子。やり手官僚役の及川光博ゴジラの何かに気付いて呟く避難民青年役の神木くんとかか。

 

死体の無さや、要人の死ぬ瞬間が映らないことに対しては?ゴジラがあれで気絶するか?
f:id:gock221B:20161128071913j:plain
市民の死体が映らないのは自分も不満だった。
しかし「東日本大震災のニュースを観ている私達の感覚にシンクロするように作ってるのではないか」という有力な擁護には確かに頷けるものがある。確かに死体以外のグシャグシャになった町並みや建物などが大写しになったのを観ると胸に来るものがあった。
しかしそれは日本人固有の感覚だし、やっぱり一瞬でいいので死体の描写はあった方がよかった気がする。
まあ僕も大好きな「アベンジャーズ」を始めとするアメリカ映画大作とかでも殆ど死体なんか描写されないけどね。
しかしドラマチックさよりリアルさを重視してるので一瞬でいいので死体を処理する様子も欲しかった。
そして死体が映らないのはいいとしても、大杉漣を始めとする立派な要人が死ぬ瞬間は観たかった。
要人死亡の瞬間が映らないのは、ゴジラ被災者の死体と同じように「ニュースで結果を知る一般市民の感覚」を持たせたかったため、あえて映さなかったのかもしれない。
それはそれで面白いとは思うが、自分の面白い映画の軸はジョン・カーペンタータランティーノイーストウッドスピルバーグ等であるために、大杉漣がアップで「あ、ああ‥ああ~!」と叫んで死ぬ瞬間のアップは欲しかった(ここは自分の面白さの判断基準の一部であるため譲れないところだ)
しかし、それは個人的な好き嫌いだと自覚している事を、しつこいが書いておこう。
その他の不満はこれといって無いのだが終盤のヤシオリ作戦
爆撃でゴジラにパワーを出し尽くさせてから無人在来線爆弾からのビル倒壊ダメージ。
これによってゴジラを昏倒させてる間に凝固剤を。。という流れ
あれだけのエネルギーを持ったゴジラがあれで気絶しちゃうのは何だか納得できない。
もちろん「パワーを出し尽くさせた」という理屈はよくわかるのだが‥何だろうね?やはり視覚的、映画的に説得力が足りない気がした。やはり超強いというゴジラのイメージがあるためか

それからどったの
そんなところかね。でも確かに面白かった。何度観ても楽しそうだし。
本作だが、庵野はもう続編撮るつもりないみたいだけど続編は観たいですね。
対人間はもうやったのでやはり怪獣プロレスか。
シン・ゴジラの進化が進んだらどうなるかとか他のシン・キングギドラとかシン・モスラが出たらどんな感じなのかも知りたい(シン・ジェットジャガーも‥)
尻尾の先のゴジラ人間は進化が進めばエヴァQのインフィニティみたいにそこそこの大きさの巨人になって生み出されて進撃の巨人になるのだろうか。そうなったら世界観無茶苦茶だな。
シン・ゴジラの進化が進めばエヴァみたいに神化して神の様になって地球を喰って宇宙に羽ばたいてしまうのか?
庵野じゃないにしても次の日本のゴジラはどうなるんだろう?想像つかんね
アメリカ映画のキングコングと、ゴジラキングコングは単純に楽しみ

そんな感じでした

www.shin-godzilla.jp

www.youtube.com

f:id:gock221B:20170804163629g:plain

広告を非表示にする
#sidebar { font-size: 14px; }