gock221B

映画その他の感想用ブログ

「バンクシー・ダズ・ニューヨーク(2014)」 じじいの売店アートが一番好きだった

f:id:gock221B:20161211034538j:plain
原題:Banksy Does New York 監督:クリス・モーカーベル
制作国:アメリカ 上映時間:81分

 

おなじみの覆面アーティスト、バンクシー

バンクシー - Wikipedia

彼が2013年の10月、1ヵ月間ニューヨークの街全体を展覧会場として毎日1点をどこかの路上でゲリラ的に発表すると宣言した。
その作品や作品によって起こる騒動や追いかけるファンや只の貧困者、その結果浮かび上がってくるNYの姿やバンクシーの意図を追いかけたドキュメンタリー。

彼はinstagramで作品の場所のヒントを出したり、もしくは一日の終わりに種明かししたりした。

www.instagram.com

バンクシー作品のおっかけやNY市民達が連日、Twitterやインスタ、Vineなどで
情報が拡散され、作品が設置された場所は人で賑わう。
作品は、何か巨大な機構を皮肉ったものだったり社会的な問題提起を楽しく提示するものだったり、忘れられ打ち捨てられた場所や物事に人々の目を向けるようなものが多く、ストリートアートなので高額で売れるはずの作品は道端に破棄してしまい非営利(活動を見てると、どう考えても正体は大金持ちにしか思えないが) 当然カッコよすぎるわけでとにかく人気。
勿論アンチも多いのだが、バンクシーの場合アンチの存在が彼の作品や目的を浮かび上がらせてバンクシーを更に持ち上げてしまう事になるので無敵の人物と言える。
まるで中学生が妄想で作り出したアーティストが本当にいたような奴だ。

設置される場所は大抵、人が寄り付きもしない橋の下やスラム街だったりする。
バンクシーの作品を好むような身なりのいい金持ちや、バンクシーマニアやヒップスター的な人達は、寄り付きもしないそんな場所に殺到する。
ギャングが「写真を撮るなら5ドルだ!この絵がなきゃこんなとこ寄り付きもしなかっただろ」とカツアゲする。
また、怒った地主がすぐペンキで消してしまったり、バンクシーを快く思っていない芸術家や只のバカが上から落書きして消したりする。
また、バンクシーに興味のない貧困者が壁を切り抜いたりトラックを駆使して持って行ってしまったりする。彼の作品は何百万ドルで売れたりするので、彼の落書きを見つけて持ち帰れば、貧困者ならそれだけでアメリカンドリームだという。凄い話だ。
街の偉い人は彼の行いを非難する。落書きされて怒って消す地主もいるが「バンクシーに落書きされたから客が増えるぞ!」と樹脂プラスチックで落書きを保護して喜ぶコンビニエンスストア店主とかもいる。
NY警察も「けしからん!バンクシーを逮捕する!」と宣言。ルパン三世みたいだ。
バンクシーはそういった街のリアクションを想定しており、称賛するものや怒るもの盗むもの無視するもの騒ぎによって浮かび上がる事などをコントロールしている(としか思えない)。
だから「バンクシーなんて興味ないぜ!」と無視したとしても、リアクションしてしまったその反応も、彼の作品の一部になってしまっているといえるし抵抗できない。
今回の彼の活動の目的は、グラフィティの本場ニューヨークで、グラフィティアートが多くある地域が都市開発で更地にされてしまう事への問題提起だったっぽい(だけど、たぶん「ただ面白いから」というのが一番の動機なんだろうと思う)
そういえば、作品を買い取って展示会を開いた画商がいたが正直、街角から持って行ったものをキレイなギャラリーで見ても面白くもなんともねーだろうと思った。
もし自分ちの近所で、この展示会やってたとしても俺は行かないと思うわ(案の定、このギャラリーのバンクシー作品は一枚も売れなかった)

f:id:gock221B:20161212200126j:plain
バンクシーが一カ月間の間に発表した31の作品の中で僕が好きだったやつ書いとこう。
道端で、じいさんがスプレーアートを一枚60ドルで売っている様子をカメラで撮ったもの
一日いて数枚しか売れず、じいさんは店じまいして殆どの絵を持って帰る。。
当然、売っていたのはバンクシーの作品で、じいさんは只のバイトだ。
店の様子の映像や売り上げの経過を一日の終わりにインスタで発表した。
連日、バンクシーの作品を追いかけまわして「見つけた!」と言って大勢わらわらと集まっていた追っかけや市民が、たくさん置いてあるバンクシーの絵の前を素通りしていく。
この絵を買った人は数人だが、60ドルのこの絵の価値は数十万ドルまで上がったそうで、別に彼のファンじゃない金が欲しいだけの奴も悔しがっていた。


そんな感じで作品は全部面白かった。
ただの落書きだったり、観客と組み合わせて一つになるものとか、瓦礫による石像とかチームを動員しての演劇のようなパフォーマンスだったり、新聞への投書だったり様々で、本作は飽きずに最後まで楽しめた。
ちなみに最後の作品は狙ったのかどうかわからないが、バンクシーと捕えようとしていた実物のNY警察の警官たちと連動した作品になってしまい、見事なオチになっている。
ただ、バンクシーや本作の見せたいものは、凄くハッキリとしていて、こうやって概要を書いて「面白かった」とか「かっこよかった」と書く以外に、改めて書くような感想が全く浮かばない。
「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」の時も同じような事を思ったな。
面白かったが何か出来事の羅列みたいな‥歴史の教科書を読んでる様な気分になった。
このドキュメンタリーの監督が、バンクシー作品の意図を全部口で言ってしまうのが、わかりやすいけど面白さを若干損なってる気がしなくもない。
だけど、凄くわかりやすくまとまってて面白かったよ
イグジット~」の時にも思ったが、本作もひょっとしてバンクシーが作らせた映画なんじゃないかとも思った

そんな感じでした

Banksy

映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』公式サイト

www.imdb.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20161212201335g:plain

広告を非表示にする
#sidebar { font-size: 14px; }