gock221B

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「ネオン・デーモン(2016)」エル・ファニングと美しい画は良かったが物凄くカンヌで賞を獲りたさそうすぎる映画👱‍♀️

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原題:The Neon Demon 監督: ニコラス・ウィンディング・レフン
製作国:アメリカ/フランス/デンマーク 上映時間:118分

 

これはエル・ファニングが出ずっぱりの、カッコいいポスター群の映画として認識していた http://www.impawards.com/2016/neon_demon.html
レフン監督作は「ドライブ」を観て「まあいいかな」と思っていたが「ブロンソン (2008)」「ヴァルハラ・ライジング (2009)」「オンリー・ゴッド (2013)」とか観てどれも全く好きじゃなかったので正直あまり合わない監督というイメージ。

Story
16歳の美少女ジェシーエル・ファニング)は、トップモデルになる夢を叶えるために田舎町からロスへとやって来た。

その美貌ですぐに一流デザイナーやカメラマンの心を捕えて順調に出世するが、ライバルのモデルたちはジェシー激しい嫉妬を抱き、常軌を逸した復讐を仕掛け始める。

というそんな戦後の少女漫画みたいなストーリー。
穢れなき天才少女がのし上がっていって、それを妬んだ凡人達が彼女の脚を引っ張って彼女が持っている才能を得ようとする話。
彼女が持っているものとは何かというと、それは処女性なのだが彼女以外のキャラは全員穢れているので「穢れの無さ」を獲得するのは不可能(唯一、最初に撮影してくれるカメラマン青年だけはジェシー同様の穢れてないキャラ)。不可能なので「ジェシーの血」を物理的に求める。だけどそんなものはやはり得れるものではないので‥という日本昔話めいたお話。

ジェシーは、ちょいちょいゼルダの伝説トライフォースみたいな三つの三角形を幻視するのだが
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これはジェシーにだけ見えてる自分の穢れなき才能のビジョンって感じか?

それでトライフォースみたいなビジョンを観たジェシーは後半、自分の凄さを知って自信満々になってお決まりの転落コース。
この調子に乗ったエル・ファニングが凄くカッコよかったので、このまま突っ走って欲しかったがこの無敵モードは一瞬で終わってしまい終盤は凡人キャラだけで話が進んでいってしまい退屈だった。
正直、彼女が普通に無双するところがもっと観たかった。

この映画の登場人物は老人の死体以外、全員が美男美女(モーテルの薄汚いオッサン役でさえキアヌ・リーブスが演じている)
これはもう「本作では容姿の美しさは美しさではない」と言いたいのだろう。
おそらくジェシーとボーイフレンドのカメラマンだけが美しい存在なんだろう(だから二人が序盤でドライブデートするシーンは凄く美しかった)


観る前からわかるが本作は全体的に寓話的で御伽噺ぽい、アート映画っぽい感じ。
観てると変なところが多く
「何でライバルに刃物で斬られたのに事務所の人に相談しないの?というか何で病院行かないの?」「何でモーテルに猛獣が侵入してきたらジェシーが金払わないといけないの?」「何でその怪しいモーテルに住み続けてるの?」「何でモーテルで事件が起きても警察呼ばないの?」「その度に、事務所に言わないのは何で?」「ヤバそうな屋敷で尾を引きそうなトラブルがあったのに何で居続けて挑発するの?」
とか、そんな疑問が出てくるがそれは「これは寓話的な映画だから‥」と、映画全体が言っているので恐らくツッコむだけ野暮だろう。ポスターとか予告編観ればそういう映画だと言っているしその上で観て「不親切だ」とか言っても仕方がない。
何というか、映画全体からカンヌで賞を獲りたい感じがバンバン出ている。
カンヌで賞を獲りたさそうな映画というは具体的に言うと、綺麗な画面、アート映画っぽい演出、奔放な性描写、タブー描写、自分本位な映画作り、曖昧な終わり方‥これら全部を足したものがそうだ。

レフンは確かデヴィッド・リンチが好きだったと思うが「マルホランド・ドライブ」に色んなとこが何となく似てる。あと「ブラック・スワン」を足したような。。

でもぶっちゃけて言うとそれらの映画に比べて少々、薄っぺらいんですよね。。
物凄く単純な‥日本昔ばなしなら10分で語り終えそうな話を二時間に引き延ばしても画面が持つのだからやっぱりきっと才能があるのだと思うが。。

だけどエル・ファニングが魅力を凄く出していて(特に、いつものプレーンな彼女じゃなくて自信満々モデルになった姿をもっと観たかった)あと画も綺麗。
綺麗だけど、このブルーピンクのキツい照明が当たりまくって80年代っぽいシンセが流れる‥という映像は、本当は好きだったんだけど、ここ数年で大流行しすぎて食傷気味で、全然新鮮じゃなかった(映画もMVもゲームもグラフィックデザインもこればっかり)。
これ誰が始めたんだろう?レフンの「ドライブ」かな?

文句ばかり言ってるようだが割と楽しめた。特に前半は。
だが性描写やタブー描写を増やして寓話っぽく終わる感じが、本来はショックを与えるためなんだろうけど逆にありきたりで退屈に思えてしまった。
全編が寓話っぽい作風のせいで、ショッキングな事が起きても「ああ、人を食うっていうメタファーで本当に食うパターンをやったのね」と、逆にショック性が薄らいでしまうというか‥これがリアルな映画だったら「衝撃のラスト」という感じがしたのだろうが、この映画の作風(窓から蚊が入るかのように貴重な猛獣が入ってくる)本作だと何が起きてもあまり意外な感じがしなかった。
こういう奇抜な映画ならむしろエル・ファニングが駆け上がっていくだけの内容の方がよかったかもしれない。
やっぱり、ドライブだけがエンターテイメント性を高めた映画で、それ以外の方がレフンっぽい映画なんだろうなと思った。
そういえばジェナ・マローンがレズ死姦する時にタンツボキスしてたのが妙にリアルでエロかった。あの死体はエロかった
あと前半、調子に乗る前のエル・ファニングが汚れてないカメラマンと街の灯りを見下ろしてデートする場面は凄く綺麗だった。
だが、まとめて考えるとやはり失敗作だと思う

そんな感じでした

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