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gock221B

映画その他の感想用ブログ(2015年開設) http://gock.flavors.me/

「帝都物語(1988)」陰陽道バトルはカッコいいが、主人公や加藤がやたらと女に固執する様がとにかくキモい

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監督:実相寺昭雄 原作:荒俣宏 製作国:日本 上映時間:136分

これもGYAO!で無料配信してたのでついでに観た。

Story
荒俣宏の伝奇SFを映像化。平将門の怨霊を呼び起こして帝都壊滅を企む魔人・加藤保憲と霊能力者や科学者たちの闘いを描く。
実在した人物が実名のまま多数登場し、人造人間「学天測」の権威・西村真琴博士を実子の西村晃が演じたことも話題となった。

本作は何だかんだ言って10年に一度は観たくなって観てる気がする。
そして毎回「帝都物語最高!」と前半で思いつつ、観終わるくらいには熱が冷めて「はあ‥」という感じになる。
そして10年後その事を忘れてまた観て「帝都物語最高!」と思いつつ、観終わるくらいにはまた熱が冷めて「はあ‥」という感じになる。
そして10年後その事を忘ループ
たぶん誰でもこういう感想になると思う。
要は一本の映画として観ると、印象には残るがいま一つという感じ。
そうならない人は多分原作が異常に好きか、登場する実在の人物や事件がどんどん出てくるディティールに惹かれて大塚英志森美夏の「北神伝綺」「木島日記」「八雲百怪」のあの三部作とか、アラン・ムーアの「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」的に盛り上がる‥、この二通りしかないんじゃなかろうか。
あとはこのビジュアルとか大作を作り上げたっていう部分だけ見れば凄いかもしれん
ちなみに僕は原作読んでない。

バブルな時に作ったのでギーガーのクリーチャーやSFXや豪華なセットや豪華な出演陣など、どれもふんだんに金がかかっている。
帝都の繁栄と滅亡、復興などをずっと見ている渋沢栄一役が勝新というのがまた、本作の特別感が増している。
魔人・加藤のキャラ。陰陽道式神。帝都東京。実在の人物や出来事がたくさん出てくるところ‥等のあらゆる要素が当時のリアル中学一年生だった俺の厨二魂にヒットした。
思わず未だに関西に行った時は、京都の清明神社で安倍晴明の五芒星ステッカーとか買ってドアやパソコンに貼ってしまいがち(神道的な信仰ではなくあくまでキャラクターグッズの様にこの五芒星が欲しいだけ)。
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ちなみに清明神社ステッカーはこれが本チャンだが、これより神社の前の半公式っぽい店で売ってる丸いステッカーの方がカッコいい

観終わる頃に何で毎回ボンヤリしちゃうのか考えてみた。
本作は(おそらく荒俣だから一冊ごとのウンチクなどが異常に多いと思われる)数冊分の原作を無理やり一本の映画に押し込めたために
・主要登場人物の内面が全くわからない
・登場人物が多すぎる(しかも何しに出てきたのかわからない奴が多い)
・そのたくさん出てくる登場人物たちの関係性がめちゃくちゃ薄い
・時間がポンポン飛ぶ(平気で数十年経ったりして、その度に興味や面白さが途切れるのでこれが繰り返されて後半ではもうどうでもよくなってくる)
そんな要素が合わさって、前半では大興奮だが中盤→終盤と進んでいくうちに曖昧な印象になってやがては「何か凄いデカい山車が通り過ぎたけど一体何だったんだろう」という感傷後感になるんだろう、と今回思った(この続きは後半で)

魔人・加藤保憲
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加藤は、中学生の目から見てあまりにカッコよかった。
嶋田久作インパクトある顔面や陰陽道のカッコよさもさることながら、
こんな濃いキャラなのに名前が「加藤」とあまりに普通すぎるのがカッコいい。
キャラクターの名前は普通すぎればすぎるほどカッコいいというのが俺の持論。
もしこいつの名前が鳳凰院凶真とかだったら、あまりピンとこない。
しかし今観ると彼が一体何者なのか、何故東京を破壊したいのかなどは一切描かれないのでガワだけがとにかくカッコいいがあまり掘り下げて楽しむことが出来ない。
勿論、原作とか読めば書かれてるんだろうけど‥、映画だけ観たら13金のジェイソンよりもプレーンなキャラだ。わかるのはとにかく帝都を破壊したいおじさんって事だけだ
とりあえず悪や災厄のメタファーだとでも思っておくか。
いつも日本軍人の恰好してるから、日本を内側から蝕む旧日本軍とかを象徴してるのか?
また加藤といえばストリートファイターシリーズのベガのモデル。
ベガはストIIの時は加藤っぽかったが
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アニメ映画でのベガが常に歯を食いしばった笑顔と太めの身体で「ムッハァ―ッ!」「ぬるいわ!」とか太い声で言う様がこれ以降定着した。
それでZERO以降は恰幅のいい身体になり具体的に世界征服を始めて神秘性が薄れた。
またキャミィを始めとする少女ばかり集めた「ベガ親衛隊」の存在などの要素が「気持ち悪いなこのオッサン‥」と思うようになった。
キャラが立ってるのはそのキモいベガの方だが、個人的にはストIIカプエスの時の、あまり喋らないクールなほっそりベガの方が好きだ。まあベガの話なんかどうでもいい‥

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また今回本作を観てると、加藤も部下の女を使い潰したり辰宮由佳理を孕ませたり辰宮雪子を使って将門を呼び覚まそうとしたり辰宮恵子を自分の妻にしようとしたり‥と、ストーリー中でやたらめったらと「女」に固執しているので何となく表面的にカッコいいと思ってたイメージは消え何だか気持ち悪い無職のオッサンのように思えてきた。。



中学生が好きなものが全て入った前半
映画の冒頭だが、いきなり魔人加藤との呪術合戦が始まる。
この映画、正直この数十分だけ観て最後の10分くらい観ればそれでいい気がする。
魔人加藤を迎え討つのは天皇家直属の陰陽師の名家・土御門家一門総帥・ 平井保昌(平幹二朗)。
「加藤が来たぞ~っ!」
大塚芳忠の声で吹き替えられた陰陽師が「式神返しにあった!これで加藤は自由に自分の式を打てるようになった!」とか言う。
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もっと言うなら、この数分間までが本作のピークかもしれない。
どうでもいいが式神を使役する事を「式を打つ」と表現してるところなどが中学生を前傾姿勢にさせるには充分。
中学生当時は夢枕獏菊地秀行の伝奇小説も読んでたから、こういうもんばかり好きだった。
加藤の配下「紅巾の女」も印象的。

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この人一体誰?と思って調べたらファッションモデルで映画は他には出てないらしい。
このキャラは加藤の命令で闘ったり、将門の首塚に飲み込まれて死んだりする。
一応人間らしい。加藤の情婦みたいなもの?

明治40年だというのにハイレグのこの女がばら撒く黒い五芒星の札カラスに変化して、土御門流の陰陽師たちを襲う
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あまりにも中学生が好きなものが全て入っている。
陰陽師は「か、加藤の外道印!ドーマンセーマン!」というリアクション。

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平井保昌くっ!加藤の蠱術に堕ちようとは‥
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紅巾の女はオンキリキリバザラウンハッタ‥オンキリキリバザラウンハッタ‥」と唱えている。
中学生の時の俺は「オンキリキリバザラウンハッタ」と唱えたり、加藤の式神にビビるような職業に就きたかったものだがさすがに今はなんとも思わない。
加藤が呼び出す式神はギーガーが関わってるためか西洋風のものが多い(というかジョン・カーペンターの「ゴーストハンターズ」っぽくもある)
護法童子とかはギーガー丸出しだから多分ギーガー製なんでしょうね。
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回転ノコギリを備えた奇妙な殺人ボール。正直あまり強くない。
というか本作の式神は皆、年老いた西村晃が腕を振り回しただけで振り払われてしまうので野良犬以下の強さしかない。
「あくまで気分気分‥」といったところか
気分といえば今回気付いたが、加藤との呪術合戦で敗れた陰陽師たちは急に老巧化していたのが可笑しかった
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何が可笑しいかって蜘蛛の巣が張っている事だ。
彼らは数ヶ月間くらい動かずに闘ってたのか?それとも超スピードで動く蜘蛛が巣を張りまくったとでも言いたいのか。まあこれも気分気分‥

他にも腹中蟲や人造人間・学天測や、悪を監視する二宮金次郎像なども厨二心をくすぐられたが記事を書いてるのが面倒くさくなってきたので言及するのはやめとく。


あまりに魅力のない主人公
本作を観終えてパッとしない理由の続きだが、まず主人公格の辰宮家の人達が魅力ない。
ラストで加藤と対決するヒロイン辰宮恵子は原田美枝子が演じてるので、さすがにカッコいいのだが、主人公の辰宮洋一郎(石田純一)はダメだ。何しろ「石田純一が陰ながら国を護っている」とか「加藤より霊力がある」とか言われても「別に石田純一のことは好きでも嫌いでもないけどさあ、こいつにそんな力ないよ!」と言いたくなってしまう。
「トラック野郎・男一匹桃次郎」のラストで、美しい夏目雅子菅原文太じゃなくて清水健太郎を選ぶ場面でいつも「シミケンはヤク中だからダメだ、菅原文太と付き合わないと!」と思ってしまう気持ちに似ている。
加藤は将門の血を引く辰宮洋一郎の妹・辰宮由佳理をかどわかして怪しげな呪法を施して、その結果、辰宮雪子が生まれる。
そして終盤で加藤は雪子を使って将門の怨霊を呼び起こし帝都を滅亡させようとする。
将門の首塚は、予算が尽きたのかモッコリした土砂の塊みたいで間抜けだった。
勝負の決め手となるのは「
雪子は実は加藤の娘ではなく、辰宮由佳理が実兄・辰宮洋一郎との近親相姦の末に生まれた娘だった!」という衝撃の事実がわかり、それがきっかけとなって加藤の計画が崩れて、恵子と相討ちになる
この近親相関の要素って結構な大事件だと思うのだが、劇中で全然語られない。
洋一郎と由佳理がそういう衝撃的な関係である感じが全くしない。
恵子は近親相姦の事を知っているのだが、その事で洋一郎と語り合う場面も全然ない。
大層なことだぞ‥?
しかもそんな可哀想な恵子は単身、加藤と対決に出かける前に洋一郎に「生きて帰って来れたら私を本当の妻にしてくださいね」と言う。
石田純一は「アフター5どこで飲もうか‥」みたいなゼロの表情で送り出す。
いったい何考えてるん?可哀想な恵子に思いの丈を語れよ。
お前みたいな魅力ないキャラの無言の心中を推し量る暇はないんだよ。

将門の首塚を鎮めるために呪われた辰宮兄妹は首塚に身を捧げるので
「死ぬんなら、まあいいか‥」
とか思ってたら実は兄妹は生きてて、ラストで幸せそうに散歩してるので何だか嫌な気分になって映画が終わる。
原作では、各人の心理描写やフォローもあったのかもしれないが別に読む気ないし映画観てても一切わからないので、とにかく永遠に恵子が可哀想で石田純一にムカつくだけだ。


結局どしたの
そんな感じで、
前半や色んな厨二要素はカッコいいんだけど最初に書いたようにあまりに話やキャラがとっ散らかってますよね。
主人公と加藤はやたらと女に固執してすぐ孕ませたり女に働かせたりしてカッコ悪いし気持ち悪い。
加藤は悪役だからキモくてもいいが、ヒーローの辰宮洋一郎はこんなキャラじゃダメだろう。
石田純一の妹に惚れていた佐野史郎奇門遁甲の陣の前で加藤にびびって無抵抗で刺されて実家に帰ってしまう。何なんだよこいつも!
それともそんなドロドロした因果が呪術を強力なものにしているとでも言いたいのだろうか?
呪術がそんな気味悪いものなら、俺はイーストウッドお得意のカメラ目線パンチとかの方が爽やかで良いね。。
という感じで中学生の頃の憧れを今観ると包装以外はあまりかっこいいものじゃなかった。
いい機会だからこのページに埋葬する感じで感想書いた。
こんだけ書いて気が済んだのでもう観なくて済むだろう。
だが10年後また忘れて再見して再び冒頭に興奮して後半げんなりする可能性もある。
妙な魅力や磁力があるのは確かだろう。
というか今更こんな事を言っても仕方ないが映画観てブログに感想書いて何になる?
最終的にそんな気分にさせられた映画だった
これ以上考えるともっとヤバい事に気づきそうだからこのどうでもいいページは終わる
※追記:あとで感想がまとまった。
ただでさえ一本に詰め込む要素が多いのに、石田純一のキャラが魅力ない上に背景が複雑すぎると思いました。そんな事を劇中で語る時間は当然ないだろうから、そんな事なら単純明快なバトルものにしたら?みたいな事が言いたかった。
多分それが帝都大戦なんだろう。だけどやはり中学生の時に観に行った帝都大戦は能力者が唸っては爆発が起こるだけの大味な映画になってしまっていた


そんな感じでした

www.youtube.com

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