gock221B

映画その他の感想用ブログ(2015年開設) http://gock.flavors.me/

「TROPICAL LOVE (2017)」電気グルーヴ/10数年ぶりにファンに戻ったら出たこのアルバムは最高傑作かもしれぬ

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猫科の美獣の顔面を見せながら実のところサブリミナル的に怒髪天を衝く勢いで怒張し鬼ボッキした男根(feat.睾丸)を見せつけている‥というジャケットからして円熟味を感じます。
期待できますぞ~

※前置きが長いので、本作の感想は真ん中より下にあるのでそこまで飛ばすのも良いのでは

電気で作るグルーヴです
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だが電気はもうずいぶん長い事ちゃんと聴いたりしてなかった。
僕はアラフォーの中年男性なので彼らはデビューしたのは高校生のときだった。
それはビッグビジネスを振ってくれた大物・小室哲哉フェラーリに卓球氏がチンコを押し付けながら‥という衝撃的な登場で、新しい風が吹く予感がした。
(有頂天や筋少を漠然と聴いてたので人生は知っていたが人生は特に好きでなかった)
高校までロックバンドを色々聴いてもハマりきらなかった自分は、彼らの電気で作るグルーヴと笑いのセンスに触れて「やっとしっくり来る」と、それまで聴いていたエレカシ以外のバンドを忘れて彼らのファンになった。
彼らはオールナイトニッポンのパーソナリティーになりその物事を斜めから見る思想に、優等生やスポーツマンや不良やオタク等のカテゴリーに入らないがインターネットもなかったので時空と時空の狭間に潜むしかなかった当時の捻くれた中高生に絶大な影響力を持っていた。
オールナイトは最初2部(午前3時スタート)だったので、眠気に堪えながら起きてラジカセで録音して何度も聴いた。カセットテープはちょうど真ん中で裏返さなければいけないので、CMを手動でカットしながら上手いことカセット収まるように録音しなければならなかった‥という説明を書いたところで中年以上にしか伝わらないな。そもそもカセットテープの事を数十年ぶりに思い出して、まるでオーパーツについてとか池田屋新選組を見た時の事を話してる人間みたいな気分になった。
そんな感じで記事もスクラップしたり、アナーキックの服とかライジングハイのニット帽を心斎橋で探したり、卓球お勧め曲でかかる色んな90年代テクノを聴いていた。

要はかなりファンだったという事。
彼らの休業までのヒストリーは、
人生→デビュー→ロッテルダムにハマってる期→アシッドに衝撃受けて作った「VITAMIN」→「DORAGON」と「虹」→「A」と「Shangri-La→まりん脱退の中作られた「VOXXX」→ツアーして休業
みたいな感じで見てて、何だか音楽性がどんどん変化していく様子と、まりん脱退というショックと、その中作られた「VOXXX」が丁度、三人からまりんの清涼さだけを抜いて豚骨をぶっ込んで煮しめたような濃いもので(ツアーの音源をリミックスした「イルボン2000」も同様)、僕はこの「VOXXX」がめちゃくちゃ気に入ったので休業に納得してしまった。
そして思春期~20代前半の間、すごくファンだったのはいいが精神的に依存してるような気持ち悪いタイプのファンだったので丁度いいからファン卒業的な気分になった。
この休業までのアルバムで今でも聴くのは「VOXXX」「イルボン2000」か(人によってはこれはAだったりDORAGONだったり、中にはオレンジという人もいる)。
 
あと「FLASH PAPA MENTHOL」だけは一過性のロッテルダムテクノの影響で作られたものでそれまでの流れから浮き上がっており、90年代の古いバンドを聴くような感じで今も聴ける。卓球の絶叫ボーカルが好きな自分は彼の絶叫が多く聴けるのもいい。
特にバンドサウンドの「M.O.C」がめちゃくちゃ好き。



ていうかグルーヴです
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その後、僕は20代後半の時に他県から上京した。
そして音楽好きな友達の影響でミニマルテクノ系のDJをよく聴きに行くようになった。
楽しんだふりをしていたが最初の数か月は全然楽しくなかった。
要は、それまでは楽曲的に楽しいテクノやアンビエントは理解できても、暗い青年だったためかそれは頭や耳などの上半身でしか聴いておらず、踊り出すというモードやミニマルなものの魅力が全然分かっていなかった。だがわかりたいので修行の様に通っていたが(全然踊りたくないのに楽しいフリをして無理やり踊ってる日々は苦痛でしかなかった)でも、ある日(WIREの明け方だったか)わかった。
「何かの壁がある人は何とか突破して気づきを得ないとわからん」と言ってる人がいて「オカルトみたいな事言うなぁ」と思ったがナルホドねと思った
そして、それ以降テクノ(特にミニマルテクノ)を聴いたら一面的にしか聴いてなかった今までとは違って多面的に聴けて楽しめるようになった。
だが電気は厳密にはテクノであってテクノではなく、かといってテクノポップともJロックやJポップとも違う「電気」としか言いようのないもので、テクノとは少し違うのにオケとかか作りはテクノなので一体これ家で聴くにはどう聴いていいかわからない不思議な感じだったので卓球のソロやDJMIXだけ聴いてた(あと砂原ソロ)。
そういえば卓球がやってたり参加してたWOMBとかAGEHAのイベントやWIREにもよく行ったが、卓球氏の音はカツカレーの様にドギツイのでどんなに酔っぱらって前後不覚になっていても寝てても「あ‥卓球だ‥」とすぐにわかった。

(いま思えば別に、電気は電気、ミニマルはミニマルと頭を切り替えて聴けばいいだけの話だが、その時はミニマルテクノ至上主義みたいになってたし家ではテクノを聴きたくない感じだった)



便所にいたぞーー!!
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それから何年か経って‥要するに先月。最近のものも聴くようになった。

色んなクラブでテクノを聴いてたおかげで過去のアルバムも昔より何倍も楽しめるようになっていたし(というか今思えば昔の作品もロックバンドとか歌謡曲を聴くようにしか聴いてなかったんだなとわかった)、何よりもちゃんと聴いてなかった2000年以降の新しいものの方が明確に良かった。
僕は思い出補正がかからないタイプだから思い出に引っ張らず、過去の発展途中のものよりも、純粋に洗練された最近のものの方が圧倒的に良いと思った(とはいえ同じ人間の過去と未来を比較対象にしても仕方ないし過去作と現代作は同じものなんだが)。
ロックバンドとかだったら初期衝動的な美しさを感じて「稚拙でも、最初の2、3枚が最高」って事がよくあるが、テクノの場合は現在進行形の音の方がいいと思う。
音作りが進化していたのは当然だが歌詞がある曲も、極端に言葉数を削ぎ落として言葉遊びみたいな言い方で本質を突いたり(もしくは全く突かなかったり)する楽曲が大人な感じになっていてカッコよかった。
それまで「インストなら卓球のソロでいいんじゃ?」と思っていたが卓球ソロと電気インストでは全然違う事も気づいて自らの浅はかさが恥ずかしくなった。
曲だと「Shameful」カップリングの「Shame」が好きで、先月初めて聴いて衝撃を受け、この曲だけ50回くらい連続で聴いた

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電気の中で最もハンサムな曲という感じがした。
というかShamefulもいいし、このシングル盤はシングルの中で一番好きだ
自分は卓球のボーカルの方が圧倒的に好きなのだが、この曲の瀧はめちゃくちゃカッコいい。あと最近シルクハット被ってるのもカッコいい。

あと離れてた期間でも「タランチュラ」「モノノケダンス」「Baby's on Fire」の魅力には抗えず聴きまくっていた。というかほぼ全部いいですね。

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過去作では「人間と動物」が圧倒的によかった。
特に2曲目「Missing Beatz」から7曲目「Upside Down」のイントロが流れるとこまでとかの流れが最高。
どれか一曲選べと言われたら「Prof. Radio」が天才過ぎてめちゃくちゃ好き。
アルバム一枚の中で表現するような起承転結が、これ一曲の中に入っている。
電気と言えば、凄くメランコリックな曲がたまにあって昔はそれが好きだったが最近はあまり好きじゃなくなった。
今の自分は、感情を隠してクールな態度で発想を飛ばしている様を見せつけるような曲の方が好きだ(電気とは関係ないが、やくしまるえつこの最近の音楽活動や相対性理論もそういうところが好き)。

それと卓球は歌上手いのに歌手としてじゃなく声を楽器として扱ってる感じも好きだ。
やっと本作の感想のとこまで来れた。
ここまでの個人的な話は全く要らないのだが、書かないと自分の中のストーリーが繋がらないので仕方なく書いた。ブログとは個人的なものだし構わないだろう。
そういえば、この当時墓場鬼太郎」や動画サイトで天久画伯作のオモシロ電気MVでファンになったという20代の若い友人と話してたら、電気の二人を画像加工してイケメンにした「J-POP」のジャケットを
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電気グルーヴ本人だと思いこんでいて「結構年なのに、なかなかイケメンですよね」と言っていて可笑しかった(面白いのでそのままにしておいた)


「TROPICAL LOVE」
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1曲目の「人間大統領」は、珍しく瀧の歌い出しで始まる、凄く昔の楽曲を思わせる歌詞が多いオモシロ路線だった。
モノノケダンスやカフェド鬼などのオモシロMVを作成した天久聖一が監督している

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二丁拳銃・小堀の漫画みたいな不孝ヅラや司会者NEOトランプ大統領や般若お姉さんや和風シャイニング双子など全部最高。
「何を作ってるのでしょうか?」クイズのテンポもいいし、小堀の目線がNEOトランプの網タイツを観てる視線のカットなどもたまらない。
合宿で二人でマインドやモードを合わせて色んな言葉や妄想を出し合って作ってるらしいが、この曲のストーリーについて卓球が「人間大統領が楽園を与えてくれるはずだったのに、ずっと監視していただなんて…」とインタビューで語っていてめちゃくちゃ笑った。
次にいつも使ってる ゆっくり朗読的なロボットボイスで始まる「東京チンギスハーン」など、前半の展開はファンサービスやオモシロから始まるので世界へ入っていきやすい。
そして徐々にグラデーションの様にクールで達人的なノリになっていく。
めちゃくちゃカッコいい「柿の木坂」から、開放感あるシングル曲「Fallin' Down」に行ってこのアルバムで一番素晴らしい「ユーフォリック」から楽園に行く「トロピカル・ラヴ」までの流れは渋すぎる。
特に「柿の木坂」と「ユーフォリック」はこのアルバム中で一番好きだ。

 

アルバムタイトル曲の「トロピカル・ラヴ」は、奇妙だったり特徴ある曲群の中で一番透明度高いというか清廉な感じで無風地帯というか無毛地帯を感じた。
特に「ユーフォリック」はクールだし何回聴いても飽きなさそうで強度高い。

終盤、夏木マリのボーカルと「いつもそばにいるよ」という不気味に歩み寄ってくる感じの不気味な曲でシメ。
一曲ごとに買う人が多い現代だからこそ、アルバムの中での起承転結というか流れがが今まで以上に顕著だった。アルバム一枚の長さも丁度いいし(腹八分目くらいで終わる)。
卓球氏がそういう事を凄く考えて作ったのが伝わりました。
確かに、これが最高傑作かもしれませんね。。
いや、わかりやすく良いのは「人間と動物」の方かもしれない。
だがこっちは「人間と動物」にはない、ゆったりしたトロピカルな時があるので寛げる魅力がある。
だから最高傑作は最新の2作という気がする。
というか音楽の感想ってどう書いていいかわからないね。
映画の感想の癖で、三幕構成的な考え方したけど全然違うかもしれん。
音楽的な知識や才能は殆どないしね。
そういえば「人間大統領」の「唯・我・独・尊!」のあとのピラピラピラピラ♫と鳴ってる音がめちゃくちゃ好きなたまらん音色なんだが、こういう音色のことを一体どう書けばいいのかわからないよね。機材の名前を知ってたら書けるが、それならその機材の事を知らない人にはわからないし。
とにかく聴いてくれとしか言いようがない。


電気ばかりでなく、つい数日前にSpotifyを始めて、音楽への興味が思春期の時くらいにまで膨れ上がって「音楽最高!」とか思って昨日も今日も何時間も聴いたり検索してた。
まあ、また何かありましたら。。
いま思い出したけど卓球がザコシに書いた「ゴキブリ男」もめっちゃ良かった

一見、出オチ一発歌ネタに聞こえるが、これが全然飽きない作り。
ザコシの、人間椅子の和嶋さんみたいな抑揚が希薄な歌唱や「イェッッヒェーーッ!」という例の奇声も、隣のおじいさんが「何にも良い事がねーよー!」という様など何度聴いても飽きない(だがザコシの事が嫌いならしい大学生などは一聴する以前の問題というハナシ)
しかしこれは発売日だけiTunesでベスト3内に入ったらしい

そんな感じでした

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