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「スプリット(2017)」M・ナイト・シャマラン/前半とヒロインとオチは良かったが今後の楽しみのためにキャラを弄んでる感じが嫌

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原題:Split 監督&制作&脚本: M・ナイト・シャマラン
製作国:アメリカ 上映時間:117分

ネタバレあり感想
本作の日本公開は遅れてしまったので、シャマラン本人がツイートで本作の大ネタバレを言ってしまい、何だか観に行く気なくしてたがやっぱ観とこうと思って観た。

シャマラン?
2000年代、
「シャマラン監督は天才か?それともアホなのか」という話題は映画ファンの頭を悩ませてきたが様子がおかしくなり「どうやらアホだった‥もしくはアホになったらしい‥」という結論が出た約10年後に前作「ヴィジット(2015)」でまさかの復活。
ヴィジットはシャマランらしさを残したまま普通に面白い映画だった。

「だが一度ならまぐれかもしれない。同じことの繰り返しは避けたい‥」とDV夫を持つ妻の様に半信半疑だったが、またもオリジナル企画を監督制作脚本を担当して大ヒット。
どうやら
本当に復活したらしい。
本作も含めた僕の各作品への印象はこんな感じ

★かなり面白い:サイン(2002)、シックス・センス(1999)、アンブレイカブル(2000)
☆そこそこ面白いヴィジット (2015)、ハプニング(2008)
・普通 :翼のない天使(1998)スプリット(2017)ヴィレッジ (2004)

×つまらないレディ・イン・ザ・ウォーター (2006)
××観てないエアベンダー(2010)、アフター・アース(2013)

シャマラ二アンと呼ばれるシャマラン原理主義者の方達は「レディ・イン・ザ・ウォーター」を激推しする傾向が強い。
だからシャマラニアンかどうかの境目は「レディ・イン・ザ・ウォーター」なのかもしれない。

Story
心を閉ざした女子高生ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)と2人組JKのJK三人組は、怪しいスキンヘッドの男ケビン(ジェームズ・マカヴォイ)に誘拐されて鍵の掛かった密室に監禁されてしまう。
誘拐犯ケビンは、潔癖症の青年、女装、9歳児‥など3人の部屋を訪れるたびに服装ばかりか性格まで変化する。
ケビンには23もの人格が宿っていたのだ。
更にケビンの中には「ビースト」と呼ばれる最も恐ろしい24番目の人格も潜んでいた‥

みたいなお話。

冒頭でJK達は即、誘拐されてそのままラストまで監禁されている。
監禁施設以外の映画の場面は、ケビンが担当の精神科医と会話するのとケイシーの幼い時の回想以外は殆ど監禁施設が本編の舞台で観ていて息苦しい。
誘拐されて、ケビンの多重人格が次々と披露され、JK達が脱出しようとしては見つかって失敗‥。というのが繰り返される。
映画が始まった冒頭から第一幕の終わりくらいまでは、そういった場面がめちゃくちゃ面白かった。
最初は緊張感あるそれらのシーンが楽しかったのだが、子供がウケたギャグを永遠にやるかのようにラスト近くまでこれが延々と続くので段々と退屈になり、更に後述するがヒロインの回想があまりに可哀想で嫌な気分になったのもプラスされて、ウンザリしてきて中盤以降めちゃくちゃ眠くなった。
シャマランっぽい意外な展開や驚きのクロスオーバーを見せる終盤は、面白かったのだが、中盤でウンザリした気分を最後まで引きずってしまい、あまり楽しめなかった。また、本作のせいではないのだがネタバレを知ってしまった状態で観たため、ただ確認してるだけって感じだった。
シャマランがネタバレしたオチの部分そのものは楽しかった。
ここはアイツが画面に映って台詞を言うドヤ感が物凄かった。
もう笑ってしまうくらいのドヤ感。
もうどうしようもない事だがネタバレせずに観たかった。
そうすれば凄く感動していたと思う。
そうすれば中盤の退屈さも自分の中で逆転して全部面白みを感じて絶賛していたような気がする。
ネタバレしたシャマランは監督本人だし、そもそも日本公開が遅れたせいなのでネタバレした事には怒ってない。

マカヴォイの多重人格キャラ
僕はダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリガン」が大好きだったので本作も楽しみだった。芸達者なマカヴォイの演じ分けも確かに楽しかった。
だが多重人格ぶりを披露するのは、それを知ってる精神分析医、あとJK達だけなので面白みが足りなかった。
多重人格ものの醍醐味は、多重人格者が警察などの公的な人物やTVカメラなどを通して多くの一般市民に披露するところにあると思う。
彼らの目の前で人格がコロコロ変わり、ありえない腕力や語学力を発揮し、市民達がそれを見て「そ、そんなバカな‥」とか言うのが気持ちいいのであって、これでは気持ちよくなかった。
‥と、書いてて多重人格者を怪物扱いしすぎてるかのような自分に気が付いたが、差別意識ではなく特殊な能力を持った人が特技を披露してるのを見る感覚だと言いたい。
マカヴォイの多重人格演技の披露は楽しかったが、さすがにそれが同じ相手に向かって(精神科医とJK達)延々と続くので中盤くらいでもうどうでも良くなってしまった。観ながら「今の人格は‥あいつだな」と確認するのもしんどかった。そもそもこのキャラの多重人格は「24番目の人格」が出るための前振りにしか過ぎず、あまり大した意味もないしね。
多重人格ネタのオチ(ビースト)だが、僕は楽しめた。シャマランっぽいし。
続編のために逃げおおせてしまうのはどうかと思ったが、まあヒロインとの決着はあれで一旦、終わりと捉えてもいいと思った。

ケイシー
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ヒロインのケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)。
凄く好きな顔。スリムで巨乳だしカートゥーンのキャラクターみたいだ。
実際の本人を間近で見たら怖くなる気がする不思議な顔。でもそこが魅力。
回想シーンでめちゃくちゃ可愛い幼女が子供時代を演じていたが、叔父から性的虐待を受けてしまう。そして父親が死んでその犯人に引き取られて延々と酷い虐待されていた事がわかってくる。
父親に言わなかったのか?」とか「父親は何で死んだの?」とか疑問が湧いてくるし、そもそも彼女があまりに可哀想だし、この叔父が許せない気持ちがあまりにも膨れ上がりすぎて楽しめなくなってしまった。
ここ数年顕著になってきたのだが、女子供がリアルな感じで犯されたり監禁されたり拷問される展開が本当に苦手‥。
まあ、好きな人は変態以外いないと思うが、今言いたいのは映画の内容の善し悪しがどうでも良くなるほどウンザリしたり腹が立ちすぎて映画が楽しめなくなってしまうという事。
近年観た映画で言うなら黒沢清の「クリーピー」とか、頭では本当は凄く優れた面白い映画だというのはわかるのだが嫌な気分になり過ぎて正常に鑑賞できなくなり、ただただ嫌な気分になる。加齢のせいかもしれない。
だけど「ホステル」とか「悪魔のいけにえ」みたいなジャンルものでの拷問や監禁は全然平気(観る前から内容分かってるし非現実的だし、シュチュエーションコントのように脳が準備しているせいだろう)
ケイシーはビーストと対決した末に助かるのだが、その理由も叔父から受けた酷い虐待の痕のおかげで助かる。
この「虐待された者同士にだけわかる魂の共鳴」という要素は良かった。
この映画はサスペンスやミステリーではないシャマランホラーだし「この映画は終盤で、善悪の彼岸を超えたところに行ったんだな」と素直に思えた。
だから「人殺しのマカヴォイが逃げおおせるなんて許せん!」などと、つまらん事は言わない(キャラや展開の倫理観だけで映画の良し悪しを決めるのは最低だからな)
見方を変えたら、この展開って「叔父がケイシーを何年も虐待してたおかげで彼女は助かった」という構図になってるって事を思うと凄くムカつく。
最後に(彼女を虐待していた)叔父が迎えに来たと告げる婦人警官をケイシーが見つめるところで彼女の出番は終わる。
警官に目で訴えてたから「この後、保護されました」と言いたいのかもしれないが、最後まで見せろよ。
というか、監禁されてたケイシーは異常がないか診断されるはずで、あの身体見たら医師は警察に報告しなきゃいけないのに何でまた保護者の元に普通に帰そうとしてるのか意味が分からない。ケイシーが「裸を見せるのは嫌」とか言って医師と警官にそれが通ったとでもいうのか?
幼女の時は犯された後にショットガンを叔父に向けるが撃てなかった。
だから怪力の超人との闘いを経た今、今度こそ叔父をブッ殺してくれるんだろう、シャマラン映画によくある展開だし‥とか思っていたが、それやらずに終わるので物凄くストレスたまった。
ケビンに対して昔は出来なかった銃爪を引いたので、叔父=ビースト=虐待者に対しての復讐は文脈的に済んでいるのはわかる。
だけど、わざわざ警官に「叔父さんが迎えに来たわよ」なんて言わせるくらいだから、ケイシーと叔父との対決は続編であるって事だろう。
ケビンを続編に出すために生かすのは許せるが、ケイシーと叔父の決着は本作内でハッキリ目に見える形で済ませろよ。と思った。
クソした後にケツを拭いてないかのように、めちゃくちゃ気持ち悪くなった

この女優さんは次のX-MEN映画「ニューミュータンツ(2018)」で、コロッサスの妹マジック(イリアナ・ラスプーチン)を演じるらしい。
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ニューミュータンツでイリアナと来たら主役みたいなもんだろう。楽しみだ

 
長々と書いたがまとめると、
・良かったとこ:第一幕までの本編。ヒロイン。オチの部分
・悪かったとこ:続編に引っ張るために色んな事が本編内でわざと決着がつかないようにしている。ケイシー以外のJK二人の扱い。中盤の、JKが逃げる→捕まるという展開が永遠に続くところ
こういう感じか
というかクロスオーバーしなくていいから全部解決して欲しかった。
中盤は水増ししてるとしか思えなかった
続編が公開されて凄く面白ければ、遡って本作の印象が180℃変わる可能性もあるが、その時が来るまで自分の中で本作は「良いところもあるが微妙な映画」という印象だろう
きっとシャマラン大好きだった20代~30代前半の時だったら本作も楽しめた気がするけど、今作は‥今後の楽しみのためにストーリーが破綻してるしシャマランがキャラクターをチェスの様に弄んでるような印象がして嫌だ。
だけどネタバレ知らずに観ていたら、きっと絶賛していただろうという事も再度付け加えておく

そんな感じでした

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