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「死霊のはらわた リターンズ〈シーズン1~2〉(2015-2016)」全20話/愉快な現代の連続活劇。アッシュの明るさ

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原題:Ash vs Evil Dead : Episode.1,2 監督:サム・ライミほか 製作国:アメリカ

一部ネタバレあり
こんなダサい邦題じゃなく「アッシュvs.死霊のはらわた」にして欲しかった本作を観た。
勿論サム・ライミは発案者、製作総指揮者で第1話だけ監督脚本を担当している。
ライミ監督脚本回は第1話だけだが、他の9話も全部監督してるように見えてきて遜色ない。このチームで統括してる人が統一感持たせてるんでしょうね。。
はらわたシリーズは思い出深いし好きっちゃ好きだが、そこまで思い入れないし何よりもマンガっぽすぎて緊迫感がないので舐めてたが、想像してたより楽しかった。
この楽しさは何かなと思ったが、
「仲間の突然の死→だけど10秒くらいで悲しむのを止めて元気に闘うアッシュ達」
って感じの湿っぽさゼロのドライさ(俺が一番好きなアメリカのノリ)などが
水木しげるのマンガっぽいなと思ったからかもしれない。
ちなみにこのシリーズは一見ゾンビものっぽい、確かにゾンビの特徴も入ってるが個人的に本作は悪魔憑き映画だと思う。



トーリー

【シーズン1】全10話
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「山小屋での死霊事件」の30年後、オッサンになった主人公アッシュはラリって死霊を呼び起こす「死者の書」を詠唱してしまい、それによって現世に死霊たちが蘇りアッシュは命を狙われる。
アッシュはスーパーマーケットの同僚、パブロとケリーと共に「死霊を封印する方法」を探しに旅に出る。
黒人の女性刑事アマンダ、謎の女ルビーなどもアッシュを付け狙い追いかけてくる。
一向は色んな目に遭いながら、最終的に例の山小屋に行く。。

【シーズン2】全10話
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シーズン1の後、憧れの地ジャクソンヴィルのバーで楽しく過ごしていたアッシュ、パブロ、ケリーの三人組。
しかし生み出した邪悪な者達を持て余したルビーは、アッシュに助けを求める。
一向はアッシュの故郷に行って地獄の化物や邪悪な男バールと闘う。
一向は色んな目に遭いながら、最終的に例の山小屋に行く。。

‥という感じ。
「ストーリーなんて無くて設定だけがあるだけみたいな『死霊のはらわた』を連続ドラマにして一体どうやって持たせるんだろう」と最初は思ったが面白くできるもんなんですね。
一話ごとの目的があって一話完結の感じで毎回それなりに解決させつつクリフハンガーに次ぐクリフハンガー‥っていう感じで、昔、連続活劇というものがあったらしいが、本作は現代版の連続活劇だと思いました。 連続活劇 - Wikipedia
・出てる人種はポリコレの香りがするバラけ具合だが、それをいじってるのか劇中でアッシュがやたらと「今の発言はちょっと差別的だ、良くないぞ」というギャグが頻発される。あまりに何度も言うのがボディブローのように効いてきてシーズン2の中頃になるとかなり可笑しい
・シーズン2はマンネリにならないようにか、バールによって人間同士を争わせる展開や、「今までの事は死霊と闘っていたという妄想だった」とアッシュが思い込まされたり、洗脳されたアッシュがターミネーターのように仲間を襲うエピソードなどバラエティ豊か。
・「キャプテンスーパーマーケット」の事件は無かったとWikipediaにもそう書かれてるが、本作の中でも「キャプテンスーパーマーケット」の事件はあった(アッシュが「俺は中世にも行った事がある」と語るし、死者の書にアッシュのページがあるのは中世に行ったからだろう)
・過去作のネタも大量にぶち込まれている。
拾ってないネタは2013年のリメイク版くらいのもんで、ついでだから2013年のリメイク版映画の主人公も組み込んで欲しかった。敵の過去ネタは後述
・全然関係ないけど
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この森のショットめっちゃカッコいい



アッシュ(ブルース・キャンベル
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「山小屋での死霊事件」の30年後、相変わらずスーパーマーケットの店員をしていた。
結婚もせずトレーラーハウスに住み、楽しみといえば行きずりの熟女とバーのトイレでファックしたりビッチと大麻吸ってるだけの日々(こう書くとこれはこれで楽しそうだ)。
そして死霊を呼び覚ましてしまったせいで、死霊を封印する旅に出る。
中年太りしたところ以外、何一つ成長してなさすぎてむしろ感動した。
しかし、このいい加減な性格は生まれつきではなく、どうやら死霊PTSDとでもいう感じによるものらしい。
かなり適当な性格だが、悪い人ではなくしばらく一緒にいると情が移って助けようと命がけで頑張ったりする。その半面、知り合いが死んでしまったら「死んじゃったからもう終わりだな」って感じで、凄くドライなところが気に入った。
またアッシュは、女をナンパしたりSEXしようとする意欲がめちゃくちゃあるが、意外と下品すぎないのが良い。そしてSEXするならムードを大事にしたり石鹸を砕いて甘い香りのする場所でFUCKしようとする感じが古き良きアメリカのオッサン感が出ていて良い。
とにかく悲惨極まりない出来事が起きても数分したら元気になっていたりと性格が明るい。何だか感動を覚えたし、皆こんな人間になるべきだと少し思った。
トカゲだかカメレオンだかを飼っているが滅多に出てこない。
それにしても顔が、鳥山明が描くスッパマンとかのアゴがしっかりしたオモシロ白人にそっくりになった。
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アッシュには「ジャクソンヴィルという街に憧れている」という設定が加わった。
西遊記の「天竺」、黒沢清の映画に出てくる「アメリカ」、田舎の子供が思い描く「東京」などのように、行けば良いことがあると夢見ている幻想の街という雰囲気。
恐らくアッシュの「希望」や「幸福」を表現する要素なんだろう

 

アッシュの仲間
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基本的にはアッシュ、パブロ、ケリーの3人が主人公。
全員スーパーマーケットの店員。
パブロには霊的触媒の才能があり、ケリーはひたすらヤンキー姉ちゃん気質。
パブロは、精神年齢が中1くらいの感じで可愛い。
パブロの性格や顔や髪型を見よ、こんないい奴とは誰でも友だちになりたい。
ケリーもまた良い奴感と姉御感が異常に強くて好感度高い。
やはり「何だかんだ言っても最終的にものを言うのは人柄だな」と改めて思った。
最初はパブロがケリーに惚れているという設定だったが、次第にそれは描かれなくなり最終的には只の姉弟みたいな関係になっていた。

【シーズン1】
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パブロ&ケリーの他には他には、セックスアピールが強い黒人女刑事アマンダ。謎の女ルビー。古書店のおっさん。シャーマンをしてるパブロの叔父さん。自警団。ハイキング男女などが出てくる。
仲間キャラは最初は「パッとしないな」と思ってたが、観てるうちにどんどん魅力が出てくる。人種がバラバラなのもいい。

【シーズン2】
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ルビーもアッシュチーム一向に加わった。
やはりイマイチ面白いキャラと思えなかった。
ミステリアスさが薄れるので死者の書に関係するキャラはあまり出してほしくない
アッシュの幼馴染役でサム・ライミの弟テッド・ライミが出てきた。
彼もまたパブロと違う意味で友だちになりたいキャラだった。
彼のケタミン入りピンクファックは絶対にうまそうだ。
というか本作のドラッグ肯定感や人種が雑多なところはかなり良い。
他にもアッシュの父親や、アッシュの昔の恋人リンダ(あのリンダとは関係ない)。

まあ、シーズン1、2通して、とりあえずパブロとケリーがいればOKだと思った。


リアクション、顔芸
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サム・ライミそしてアッシュ(ブルース・キャンベル)の魅力といえば顔芸も含めたリアクション。。
当然、仲間達も全員、めっちゃ派手な造りの顔で表情豊かにリアクション取る。
最初は「美形じゃない人ばっかり出てくるな」と思ったが、見ているうちに「顔が派手でリアクションがデカい奴こそが最高なんだな」とか思えてきた。
最後の数話で、あまり必要じゃないのにハイキングしてる女の子が一時的に加わる。
彼女もまたリメイク版「死霊のはらわた(2013)」主人公の娘みたいに、驚いたら「クリムゾンキングの宮殿」のジャケみたいな顔になる美人なので「ああ、この娘は死霊に慣れて殆ど驚かなくなったパブロ&ケリーの代わりにギャーギャーとリアクションさせるために加えたんだな」と思った。
そういえばダイナーでのエピソードでトイレに隠れてる幼い少年がチラチラ映ってるから「この子を拾っていくのかな」と思ってたら、普通に死霊と何の関係もない事故で無残に死んでびっくりした

 


シズル感
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はらわたというかサム・ライミイズムというか。。
死霊をチェーンソーやショットガンでブッ殺した時など「こんなに血が入ってねーだろう」というくらい大量の血や体液や肉片が吹き出る。
そしてその血肉が攻撃者やギャラリーの顔にくどいくらいぶっかかる。
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もしくは死霊がゲロを吐いてそれが大量にぶっかけられる。
だけど視聴者が気持ち悪くならないようにか、妙にキレイな蛍光色で澄んだゲロなのが可笑しい。一回、アッシュが死霊のアナルに吸い込まれてウンコもかけられるが、かなりキレイで澄んだウンコだった。
様は「この場面では汚いものかけられてますよ~」という記号なわけ。
シリーズ3作目「キャプテン・スーパーマーケット」は楽しい映画だが、妙に物足りなく感じたのは、敵の殆どがポキっと折れるカッサカサの骸骨なせいで爽快感なかった。
やっぱやっつける奴には血肉あってグシャグシャにならないと楽しくない。
そんなわけで今回、改めてシズル感が大事だなと思った。


シーズン1の悪魔。その他の敵
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・シーズン1中盤に出てくる。今回から加わった新しい要素。
だけど正直言ってこいつがめちゃくちゃ良い。死霊より好きだ。
死霊を封印する方法を聞き出すために、死者の書の中から呼び出した悪魔。
魔法陣を書いていたら襲ってこれないが、陣が乱れると襲ってきたり乗り移って来たりする。
顔に口だけがあって口以外が常に揺れてるっていうビジュアルがカッコいい。
死霊と違ってワープを繰り返すので、斃すためにアッシュは明鏡止水の境地に達する必要があった。
死者の書から生み出された子供たちは不死身で、ナントカの剣でサクッ‥と刺さなければ死なないので血肉が飛び散らないせいで楽しくない。
・邪悪な男バールは、奸計を要するという新機軸の敵。
・過去作のネタも大量にぶち込まれている
鹿の剥製。アッシュの愛車デルタ死霊化。アッシュの邪悪な右手。邪悪な分身アッシュ。胃の中の死霊。樹の触手。はらわたII地下の巨大な首長デブ死霊ババア。。。
山小屋で死んだガールフレンド、リンダや姉のシェリルなど、過去の登場人物も出る。
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本作に出たリンダは「はらわたII」のリンダ役の人らしい。相変わらず美人だね。
アッシュの姉シェリル(一作目で植物に襲われたり日本版ポスターになった一番有名な人)は顔が怖すぎてすぐわかった。というか人間のフリしてる時の普通の顔が既に怖い。


そんな感じで楽しかった。
何も考える必要がないのでビールでも飲みながら観るのがちょうどいい。
アメリカ本国では2017年内にシーズン3が開始されるが、内容はまだ一切わかっていない。
シーズン2のラストが、もう何もかもを詰め込んだ大団円って感じだったので次からどうするのか予想できない。シーズン丸ごと中世に行くとかか?
リメイク版「死霊のはらわた(2013)」の後、ジェーン・レヴィ演じる主人公ミアとアッシュが合流する作品が作られる感じだったが、リメイクはらわたがヒットしなかったので多分流れた。そして本作が作られた。
だからシーズン3では、時空に飲まれたとかそんな理由でミアもやって来てアッシュ一向に加わって欲しい。

そんな感じでした

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