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「gifted/ギフテッド (2017)」キャプテン・アメリカが天才幼女と猫と幽霊を守りながら世界を良くしようとする身内と闘うシビル・ウォー

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原題:Gifted 監督:マーク・ウェブ 製作国:アメリカ 上映時間:101分

 

マーク・ウェブ監督は「(500)日のサマー (2009)」で鮮烈にデビューして「アメイジングスパイダーマン」シリーズ(2012-2014) の監督に抜擢された。アメスパも良いところはあったが思ったほどの収益を上げなかったし監督らしさもあまり発揮できず上手くいかなかった(だけどグウェンの死を描いたことと犯罪者に対するスパイダーマンの異常な意地の悪さを再現したことは好き)
そんなマーク・ウェブが人間ドラマに帰ってきた映画。
キャプテン・アメリカ役でお馴染みクリス・エヴァンスが男手一つで天才少女を育てる話(ちなみにアメリカ本国で既に公開された次回作も人間ドラマ)。
「(500)日のサマー」にもクロエ・モレッツが演じた、異常に大人びた天才風少女が出てきてたので、この監督は前から賢い幼女に興味あるらしい。
ネタバレしないように書いたがふんわりとネタバレ(ふんわりとネタバレ)してるので、あらすじ(↓の段落)読んで観たくなった人は、その下の感想の段落は読まない方がいい

 

 

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7歳の少女メアリー(マッケナ・グレイス)は、叔父のフランククリス・エヴァンス)そして片目の猫フレッドとフロリダで素朴な暮らしをしていた。
フランクは元々、助教授であったが現在はフリーランスでボートの修繕をしている。
メアリーは精神年齢も高いためか歳が近い児童とはあまり気が合わず、隣に住む40代の黒人女性ロバータと仲良くしている。
メアリーは小学校に通い始めてすぐ数学の天才だということが発覚し、校長先生に天才児の英才教育に秀でた私学への転校を進められるが、フランクは死んだ姉‥メアリーの母親の意思を尊重して「子供らしい普通の暮らしをさせたい」と拒否する。
フランクは親身になってくれるメアリーの担任の女性教師ボニーに「姉がメアリーを連れて相談に来たが俺は彼女を放っといてデートに行った。帰宅すると彼女は自殺してしまっていた」と語る。それ以来フランクは自殺した姉ダイアンの遺したメアリーを育てているのだ。姉ダイアンもまた数学の天才であったらしい。
メアリーの祖母‥フランクやダイアンの母イブリン(リンジー・ダンカン)も「メアリーの才能を無駄にすべきではない」とメアリーを引き取ろうとしてフランクと対立し、母子は親権をかけて裁判することになった。。
そんな話

 

 

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★メアリー役の子役の、顔面力がとにかく凄い。
まだ幼いのに顔が完全に出来上がってて大人みたいに見えたり、それでいてはしゃぐと、くしゃくしゃの表情になったりして凄く幼く見える、そのギャップと垂れすぎた大きな瞳が天才感を倍増させていた。
フランクと一夜を共にした担任の女性教師を見てニヤ~とする笑顔は一体どうやって演技したんだろう。
SEXした翌朝、寝た相手の娘(7歳)にこんな顔されたらどう思う?俺なら怖い。
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英才教育の学校の教授が出した、わざと間違えた方程式で出された数学の問題。
メアリーもその誤りに気づいているがそれを言わない。なぜ言わなかったか訊かれると「子供が大人の間違いを正すと、大人の機嫌を損ねるって叔父さんが言ってたから‥」と言い。教授はニヤリとする。天才ってカッコいいな~と素直に思った
この子役は来年公開される、マーゴット・ロビートーニャ・ハーディング役を演じる映画「I, Tonya (2017)」でトーニャの少女時代を演じるそうでそれも楽しみだ
★そしてクリス・エヴァンスは、ここ6年くらい殆ど延々とキャップ役に専念しているので本作ももうめっちゃキャップに見える。本作の彼は髭を伸ばしてるが、昨夜発表された「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のキャップも髭伸ばしてるしフランクは頑固でキャップも頑固だしもうめっちゃキャップだ。「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」のダウニーJrがアイアンマンにしか見えないのと似ている
この映画は「子役とクリス・エヴァンスの父親ぶりを見せる」
それが本作の一番の見所なのは間違いない 

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★主人公フランクはメアリーと仲良くやっていて楽しそうだ。
フランクは哲学の助教授だったようだが、恐らく姉の自殺にショックを受けてフリーランスでボート修理の仕事をしている。
だが一軒家に住んでるし、僕のような貧乏日本人から見れば充分優雅な暮らしに見えてしまうのだが、劇中では「フラフラしている金のない不安定な男」と見なされる。健康保険とかにも入ってなさそうだし。
裁判の相手である母イブリンは社会的地位の高い金持ち。
だから裁判では終始劣勢(というか一切勝ち目がないと言っていい)

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★話が進むにつれ、死んだ姉ダイアンも数学の天才だった事がわかってくる。
有名な方程式を解くまであと一歩で歴史に名を刻む寸前であった。
フランクと死んだ姉の母イブリン、彼女も結婚するまでは数学者を志していた。
彼女はダイアンが産まれたために数学者としての夢を諦め、代わりにその夢をダイアンに託し教育ママとなってダイアンを鍛え、しかしそれは行き過ぎていてダイアンの青春を奪ってしまった結果ダイアンは壊れていった事が明らかになってくる。
とっくに死んでいるし回想シーンなどもないので1枚の写真以外は一度も画面に出てこない姉ダイアンだが、話が進むに連れてどんどん存在感が増していくのが面白い(メインキャラのフランクとメアリーとイブリンは、そのダイアンの起こした台風に巻き込まれた格好でストーリーが進んでいく)
★こういう裁判で親権を争う系の映画やドラマは昔からよくある。
その場合大抵、主人公は貧乏だが子供と愛し合ってる良い父親で、本作で言うイブリンのような者が敵となって鬼のような嫌な奴として描かれることが多かった。
本作のイブリンは、ちょっと極端なところや行き過ぎなところはあるが、子供の教育に対する気持ちは本気のようだし、フランクとイブリンは裁判で闘った後にも割と普通の会話もできる。その辺が最近の映画っぽいな、と思った。
そんな感じで劇中のフランクとシンクロして「メアリーのためにはああするのが一番いいのかな‥?」などと思ったりしてた終盤、飼ってた片目の猫フレッドがピンチになる。僕は15年飼ってた猫がつい半月前死んだばかりのせいもあって「やばい!猫が!猫が危ない!」と一瞬でキレそうになった。

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★結局イブリンとは最初思ってたような「ちょっとステージママ気味だけど、熱心すぎたのかな?」という程度の女性ではなく、結構なレベルでヤバい保護者だった事がわかる。
よくある映画に出てくるキャラのように「私利私欲のために天才児童を利用して金儲けするような悪い奴」ではなく、本当に子供や世界全体のためを考えていて「私は嫌われ者になってもいい。。数十年後、あの子も私に感謝するはず‥」などと思って独走するのだが、その結果教育された子を必ず滅ぼしてしまうという一番ヤバいタイプの親であった。
こういった人物は「自分は大きな目で大局を見据えてる」と思いこんでいてまた正義を成そうとしていると思い込んでるので説得できない。それが他人なら離れるだけだが肉親‥しかも一生自分に付いて回る母親だと厳しいものがある。
「世界全体に比べれば小さな問題だ」などと大きな問題を引き合いに出して身近な問題を軽視する人物は信用できない。「宇宙全体からすれば‥」などが口癖の人物も要注意だ。そんなこと言う奴が神であるとか大いなる宇宙の一部であるとか言うのなら話は別だが「てめーも宇宙全体から見たら塵芥の癖に何を大きな目で見てるつもりでいるんだよ」と、そういうことだ。そもそも、そんな大きなことを言うやつが何故、身近な小さな問題を解決できず無視しようとするのか。それはすぐに取り掛かれるが同時に痛い目にも遭いそうで面倒である「身近な問題」を避け、取り掛かっているポーズさえ見せてれば、まるで大した事をしている気分になれる「大きな問題」に逃げてるだけだろう。
卑小な人物が歳を取るにつれ、SNSなどで幾ら好き放題言っても言い返してこない著名人の悪口ばっかり言いだすようになるのを連日よく目にするが、これと同じことだろう(誤解する人いそうだが別に批判するなと言いたいわけではない)
‥話が盛大に逸れたがイブリンは只のステレオタイプの毒親キャラで終わらせず「良い母親、良いおばあさん」の部分も確かにあるためにリアルで立体的なキャラになった事が言いたかった。
イブリンも娘や孫娘のことを想う気持ちもかなりあったのだろう。
だが泳ぎに喩えるとイブリンは泳ぎ方を覚えたばかりの子に対し「あなたは将来、水泳で金メダル取れるから今ためしに息継ぎ無しで1km遠泳してみなさい」というようなもんだったんだろう。
その結果、本来才能あったはずの子供は沈んで冷たい水の底で死んでいく結果になる

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★だがフランクもフランクで「いくら姉の意思でもメアリーは普通の学校じゃ無理だろ」とか「いくら姉の意思とはいえ切り札さっさと出せばよかったんじゃ?」とか、ちょっと思うところは多々ある。だがフランクも姉の死のショックを引きずったままだし、そもそも各員にそういうおかしなとこがないとドラマが進まないので極端な性格や考え方したキャラばかりなのも仕方ない。そもそもそれが人生それが世の中ですしね。。
そんな感じで終盤ドラマチックにしようとしすぎな気もしたがトータル良い映画だった
主人公2人と猫を入り口として その実、毒親イブリンそして一度も画面に出てこない姉のダイアンの幽霊を見つめる映画という気がした。
観てる間はそうでもないのに観終わった後は死んだ姉ダイアンの事ばかり考えさせられる。正に幽霊。

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★ところでフランクが飼ってた猫のフレッドを助ける時、ついでにその場に居た他の猫全員もヤケクソ気味に全員助けてたシーンは観客を笑顔にした。
俺の中で猫映画ナンバーワンはロバート・アルトマンの「ロング・グッドバイ(1974)」だが本作もかなり上位に食い込む猫映画だった(幽霊映画の上位でもあった)
★観てる時は終盤の泣かせのシーンなどは「泣かせのシーンだな」としか思わず本作のことも「まあまあだな」程度に思っていたが、帰宅して感想を書いてるうちに潜在意識で考えてた色んなことが表面に浮き上がって凄く面白い映画に思えてきた。
そういうところが映画感想ブログの良いところなのかもしれない

 

そんな感じでした

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