gock221B

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『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)/ファンが望む要素を推し進めた続編っぽさとユニバース化の準備🕴

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原題:Kingsman: The Golden Circle 監督&制作&脚本:マシュー・ヴォーン 原作&製作総指揮:マーク・ミラー 製作国 イギリス 上映時間 140分 製作会社:マーヴ・スタジオ シリーズ:『キングスマン』シリーズ第二作目、マシュー・ヴォーンのスパイ映画ユニバース第2作目

 

 

 

やたらキャッチーで刺激的な作風や描写が多いためか、このシリーズや「ウォンテッド」、「キック・アス」シリーズなど、原作コミックしかもオリジナル作品がやたらと映画化されてヒットするライター、マーク・ミラーの原作コミックの映画化‥の続編。
他にも映画「ローガン」の原案の一つになった「Old Man Logan」。MCUの「シビル・ウォー」や、そもそもMCUアベンジャーズもUltimatesっぽいから強引に言えばマーク・ミラーが原案の一人と言えなくもない‥かもしれない。
「ウォンテッド」「キック・アス」などを始めとする自分のコミックだけの”ミラーワールド”という自分のコミックだけの出版社を立ち上げてたのだが、最近、覇権を握りつつあるNetflixがそのミラーワールドの映像化の権利を買ったのでNetflixキック・アスとかウォンテッド他ミラーのコミック群がドラマ化されるのかもしれん(キングスマンはミラーワールドじゃないっぽい)
僕はというとミラー原作映画は面白いので観るが、特別に好きなわけでもない。
前作の映画版「キングスマン」は、過去の荒唐無稽だったスパイ映画に敬意を込めて荒唐無稽にした感じ。そこまでいくともはや完全にスーパーヒーローで、スパイ映画とアメコミヒーロー映画の中間といった感じ。敵は前作ではレイシストのIT長者、今作では自己責任論で他人を見捨てようとするサイコパス‥など、好ましくない考えの人を倒す傾向がある。あとポップな残酷表現による人体破壊描写が多いのも特徴。前作クライマックスではレイシストの頭がカラフルに吹っ飛ぶシーンがあって、これを異常に嫌う人が結構な数いるのだが何故なんだろう?コミカルに惨殺するのが不謹慎と思ったのだろうか?
それよりも眼鏡+スーツの英国紳士、少年と中年男性のバディものという部分で腐女子の方々にウケて熱狂的な支持を得た印象が強い。その熱狂は完全に死んだハリーを蘇らせてしまったほどだった
中盤くらいまでのネタバレがまあまああります

 


Story
どの国家にも縛られることなく秘密裏に正義を遂行する国際的な英国紳士スパイ組織“キングスマン”。
貧困地区の不良少年エグジータロン・エガートン)は、父のかつての同僚ハリーコリン・ファース)の導きにより彼を師としてキングスマンとなり、彼を失いつつも世界をレイシスト達の魔手から救った。
ハリーの跡を継いで”エージェント・ガラハッド”となったエグジー
彼はいつもの様に活躍していたが、サイコな女ボス、ポピージュリアン・ムーア)率いる世界的麻薬組織“ゴールデン・サークル”の攻撃により、キングスマンは とメカニックのマーリンマーク・ストロング)を除いて全滅してしまう。

生き残ったエグジーとマーリンはアメリカに渡り、バーボン・ウイスキー蒸溜所を営む表の顔を持つ、キングスマンの同盟スパイ組織“ステイツマン”に協力を求める。
ステイツマンの面々‥しょっちゅう酒を飲んでいるボスのシャンパジェフ・ブリッジス)。レーザー投げ縄を使うエース諜報員ウイスキーペドロ・パスカル)。血気盛んな諜報員テキーラチャニング・テイタム)。メカニックだが本当は諜報員になりたいジンジャーハル・ベリー)などのアメリカンな人達に戸惑うエグジー達の前に、死んだはずのハリーまで現れる。
ゴールデン・サークルは欧米に蔓延しているドラッグ全般にウイルスを混入させて身代金を要求する。
エルトン・ジョンエルトン・ジョン)も人質にされてジュークボックス代わりに演奏させられまくってかわいそう。

ゴールデン・サークルの陰謀を阻止すべく決死の戦いに臨むエグジー達だったが‥
みたいな話

 

 


冒頭、立派なキングスマンとして活躍するエグジーの前に、前作のライバルだったがキングスマン試験に落ちて敵になったボンボンのボンクラ、チャーリーが生きていてゴールデンサークルの暗殺者として現れる。
チャーリーは前回もげた腕の代わりに(もげたっけ?覚えてない)ウィンターソルジャーよろしくハイテク機械の腕が取り付けられている。
難なくチャーリーを一蹴したエグジーだったがデータに侵入された事が原因で全メンバーの全居場所にミサイル同時発射で全滅してしまう。
これは逃げようがない。エグジーは前回ラストで知り合ったスウェーデン王女ティルダの実家に食事しに行ってたため無事だった。
エグジーと同時にキングスマンとなって頼れる同僚エージェント・ランスロットとなったロキシー、愛犬JB、エグジーの不良友達の一人なども爆撃で死亡。う、嘘だろ‥。ロキシーとJB早くもリタイア‥。
映画で真っ先に死ぬのが犬と女の子というのは意表を突かれた。
それにしてもティルダ王女を前回ラストでナンパしてたのはギャグシーンかと思ってたら、エグジーは彼女とめちゃくちゃ真面目に付き合ってるので驚いた。
ミッションで女性でイチャイチャしなきゃいけない時もわざわざティルダに電話して「イチャイチャしてもいいかな?」とお伺いを立てるエグジー
不良の中にたまにいる真面目系ヤンキーだったようだ。
まあ、とにかく生き残ったエグジーとマーリンは、同盟組織ステイツマンを頼りアメリカはケンタッキーへと向かう。
そこで前回、サミュエル・ジャクソンに撃たれた直後にステイツマンによって救出されて生きていたハリーと再会する。
しかしハリーは脳への副作用で記憶喪失になっており蝶の学者になりたかった若者の時まで記憶が退行しておりエグジーやマーリンの事も思い出せない。
そんな彼を、子犬のように瞳をウルウルさせた切ない顔で見つめるエグジー
エグジー「本当は蝶じゃなくて僕を壁に留めたいくせに‥」何言ってるんだこの子‥
エグジーは色々がんばってハリーの脳を刺激して記憶を呼び戻す。
しかしまだ副作用が残っていたのか片目になって遠近感が狂ったせいか、もしくはその両方なのか以前ほどの戦闘力を発揮できない。そのため、作戦には同行するがラスト付近までエグジーに護られる役柄になった。前回とはエグジーと役割が逆転した。
そしてエグジーがハリーの不調に懸念を抱き不協和音が鳴り、そして再びハリーへの信頼を取り戻すのが中盤。
テキーラチャニング・テイタム)はポピーのウイルスにやられたので冷凍睡眠状態で保護され、ウイスキーがエグジー&ハリーに同行して解毒剤を探しに行く。

 

 


前回のサミュエル・L・ジャクソンが演じたIT長者っぽい悪役は、環境を良くするために自分が選んだ優れた人類以外の者を大勢殺して世界を良くしようという面白い悪役だった。今回のヴィランも力が入っていた。
今回のジュリアン・ムーア演じるポピーは莫大な資金でカンボジアの遺跡跡に、夢のあった50年代当時のアメリカを模したテーマパーク「ポピーランド」を作り上げ、そこには様々な50年代アメリカっぽい施設が並んでいる。
そこには失敗した者を噛み殺すサイボーグ犬、人間をミンチにする恐ろしいマシーン、ゴールデンサークル隊員に金の輪っかを植え付けるマシーンなどがある。
彼女が一体どういうキャラなのかというのは結構描写が少ないので推測するしかないのだが、アメリカ大好きな割に国外にアメリカっぽい空間を作って住んでいる‥というのは、現在のアメリカが嫌いで自分が好きな空想の中の50年代っぽいアメリカを作り上げたって事なのかな。
気に入らない部下や敵はミンチマシーンでミンチにしてハンバーガーにしてしまう。
見た目は綺麗なのだがなかなかエグい‥という前回のカラフルな人体頭部爆破に通じるギミックが今回これだろう(今回は他にもCGとはいえエグジーが指を入れた女性の膣の内部がスクリーンに大写しになったりもして中々エグい)
彼女は欧米に蔓延している全てのドラッグにウイルスを混ぜた(酒もだっけ?忘れた)
感染すると青い筋が顔に浮かび上がり次に躁状態になり次に麻痺状態になり、やがて出血して死に至る。
「解毒剤が欲しければ法外な金を払え」‥と、ドラッグ使用者全員を人質にした身代金要求を大統領にしてくる。
日本と違って欧米なのでドラッグ使用者は非常に多く、その数100万人。
ポピーは食料品や化粧品や薬に混入させることもできたはずなのに何故ドラッグに混ぜたかの理由は特に説明なかったが(あったかもしれんが聴き逃した)きっと「ドラッグ使用者を一掃して美しいアメリカを取り戻そう」とかそういう感じなのかな?
キャラ萌えしてない自分は個人的には毎回の敵の犯罪がこのシリーズの一番面白いところ。
脅迫を受けたアメリカ合衆国大統領は「そんな大金払いたくない。というかジャンキーとか死んでもさぁ‥、むしろそっちの方がいいんじゃない?w」と見捨てる気満々。
似た事件が日本で起きたとしても同じ意見がめっちゃ出てきそうだ。
正義感の強い、女性副大統領っぽい人は「国民を見捨てる気ですか!」と訴えるが大統領は却下、そのうち副大統領も感染してしまい隔離される。
ポピーやマスコミに対しては「くそっ!身代金を用意するからもう少しだけ待ってくれ!」などと良き大統領を演じるが実は一切払う気がない。
この「ポピーの犯罪が大統領によって加速する」この辺が一番面白かった。
そんな国民を救う気がない大統領を盗聴したステイツマンは、生き残りキングスマンと共闘してポピーランドへと解毒剤を奪いに行く
ポピーは完全に狂ってるがゆえに思いついたこと即、全部実行するし自分が殺される瞬間まで一切、後悔も恐怖もないまま‥というメンタル的には最強の部類に入るヴィランだった。
「さすがにここまで大金持ってるのはおかしい」とか「なぜ強い部下がチャーリーしかいない」とか色々あるが、そういうところをツッコんでいくと制限時間内にポピーを倒せなくなるのでそれはどうでもいい。「ポピーは狂ってるから」という事でいいだろう
前回、好評だったハリーの教会でのワンカット風大暴れは今回、エグジーと2人でもって行われ、なかなかの見せ場になっていた。

 

 


チャニング・テイタムハル・ベリー好きなのでエグジーと活躍したりするのを期待してたが、ハル・ベリーはただのサポートだしテイタムはウイルスに速攻かかって最後まで出番ないので残念だった。
どうやら制作陣が制作したがってる三作目や、スピンオフ「ステイツマン」で主人公させるからテイタムは今回ただの顔見せ‥そんな感じだったようだ。
シビルウォーブラックパンサースパイダーマンを顔見せしたようなもんか。
自分の場合エグジー&ハリーのカップルやメガネ英国スーツなどにフェティッシュな感情を抱いてるわけでもないのでどっちかというとステイツマンの方が観たい。
2作作られたから色々わかったことの一つに「エグジー以外のキャラ唐突にめっちゃ死ぬなぁ」というものだった。
あまりに唐突に何の予感もない時に死ぬ事が多いので現実の死っぽさがある。
前回のハリーは、あまりに人気出たから特別に生き返らせてもらった感じだが、ハリー以外は生き返らなさそうだなぁ。
それにしても「そこまで殺す必要性あのかな」というキャラまでバンバン殺すところにマーク・ミラーっぽい感じがした。マーク・ミラーは真面目なコミック描いてて売れなかったがキャラが不必要なまでに無惨に死ぬ描写を増やしたら売れっ子になったせいか妙にそういう描写を入れたがる人という印象がある。
だけど、うーん‥。どのキャラも死ぬ意味が殆どない気がするんだけどなぁ。
特にワンちゃん‥JBとか殺す意味ある?敵への怒りを燃やすため?いやいや、「犬?うーん、殺したらインパクトあるな。よし!殺しとけ」いかにもマーク・ミラーっぽいアイデア。こういうところがあんまり好きになれないんだよね
ちなみに本作は想定したほどヒットしなかった(制作費トントンくらい)。
なかなか面白かったしキャストも豪華だったのに何故なんだろうね?
僕はというと‥面白かったけど前作ほどのインパクトは感じなかった。まぁ‥普通ですかね。。
やっぱりこのシリーズはキャラクターを好きじゃないと面白さが半減される気がする。だがエグジー&ハリーに御執心なお姉さまは前回と同じかそれ以上に盛り上がれることだろう

 

 

 

そんな感じでした 

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『ARGYLLE/アーガイル』(2024)/主人公エリーの秘密が明らかになる前の平凡だった時の主人公や本編の方が面白かったし、どんでん返しが5回も6回も起き続けると「もうどうでもいいから結果だけ教えろ」という気持ちになる😾 - gock221B

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Kingsman: The Golden Circle (2017) - IMDb

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