gock221B

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「コロニア (2015)」実在した狂った教祖や施設や軍部へムカつきすぎて二時間”殺!”の感情に支配される映画

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原題:Colonia 監督&脚本: フロリアンガレンベルガー
製作国:ドイツ/ルクセンブルク/フランス 上映時間 110分

 


Huluで配信されてたので単純に「可愛いエマ・ワトソンが活躍する真面目な映画がみたいゾ」という感じで観た結果、実在した拷問施設について知れて、ただただその真実に対してムカつくという感じになった

 

Story
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ドイツ人CAのレナエマ・ワトソン)は、フライトで訪れたチリで、現地に滞在するドイツ人活動家の恋人ダニエルダニエル・ブリュール)との束の間のデートを楽しむ。
ところが突如、チリ軍部によるクーデターが発生、ダニエルは反体制勢力として捕らえられてしまう。
ダニエルの行方を捜すレナは、やがて彼が“コロニア・ディグニダ(尊厳のコロニー)”という謎の宗教施設に監禁されていることを突き止める。
そこはナチスの残党パウルシェーファーが作り上げた、カルト教団が集団生活をする脱出不可能、生還率0.01%の要塞だった。
それでも愛するダニエルを助け出したい一心で、信徒のフリをして危険な内部への潜入を敢行するレナだったが…。

そんな話

 

 

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メインストーリーだけ抜き出すと「勇気あるエマ・ワトソンが、狂った宗教組織の要塞に単身侵入して囚われの彼ぴっぴ救出」というシンプルなもの。
この主人公2人はフィクションだが、それ以外は全て本当にあった人物や施設を描いたもの、多分ここが一番描きたかったんだろう。
子供の頃にこの施設のことを知ってムカついてもっと世界に知らしめたいと思った監督と、その事実も知らしめたかったのだろうが「ごく普通の女性が男性を救いに行く」というプロットを気に入ったに違いない最近フェミニズム運動にも力を入れているエマ・ワトソンの狙いが合致した映画だろう。
見てるとなかなか辛いものがあるので、例えば主人公の女性がローラ・ダーンとかだったら「うわっキツ‥」と思って多分観てないので今一番強くて可愛いエマ・ワトソンを主人公にしたのは正解だろう。その狙い通りまんまと観て「許せん!」と監督の狙い通りはめられた。
エマ・ワトソンの彼氏役ダニエル・ブリュールは「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でのヴィラン、ジモ大佐、「イングロリアス・バスターズ」でヒロインに恋するナチ将校役を演じてた、ネコ科の動物を思わせる顔をしたあの俳優。
彼は囚われた後、警戒されないように知的障碍者のふりをし続けてサバイブする。

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この映画に出てくる酷い有様のチリ軍やチリ・クーデター、ナチの残党パウル・シェーファーが政府と結びついて少年をレイプしまくってた事や、2万8千人の信者や連れてきた気に入らない者を拷問し3千人を殺した悪夢の拷問要塞“コロニア・ディグニダ”などは全て実在したものだと知った。
この要塞は大勢の警備やトラップなどで固められており40年間で脱出に成功した者はたったの四人しかいないらしい。
そもそも狂った最高権力が、元ナチの狂った教祖と手を組んでるのだからこれはもう酷いとしか言いようがない。
シェーファーは、チリ軍部の後ろ盾を得て、ナチスでの経験や洗脳技術、人心掌握術などを使い、少年を犯しまくりながらやりたい放題できる施設に君臨した。
ちなみに狂ったチリ軍部は、シェーファーに目障りな反乱分子を殺させたり、毒ガスを作るための人体実験を依頼したりする。つまり狂ったお互いが、お互いに協力しあう事で、より狂ったお互いに鳴るための狂った機械となっているのだから最悪としか言いようがない。
コロニア内での信者たちの管理。コロニアは何十年も存在していたせいか、信者はものごころついた時からコロニアにいてここで育った者が大勢いる。もしくは主人公の彼氏のように連れて来られた奴を拷問、洗脳して信者化したりしていたようだ。たとえ洗脳されなかったとしても二度と外へ出ることも連絡することもできない(もし外部と連絡できたとしてもコロニアは政府と結びついているので盗聴されているし警察や軍も全てコロニアの味方なので無駄)。つまり施設に足を踏み入れてしまっては一生脱出できないのでただの奴隷と一緒だ。
本作を観ていると洗脳されてない者もいるが、どうしようもないので仕方なく従っている。
教祖シェーファーは、児童の合唱や少年愛+ペドフィリアという趣味を持っていて、施設にいる年端もいかない児童を犯しまくったらしい。
本作でもある。少年たちに合唱させて「今朝は君と君、君‥」と男児を3人選んで風呂場で犯しまくる‥直前にカットが変わるシーンがある。
またシェーファーは、信者たちを徹底的に愚かで取るに足らない卑小な者として扱い、罵声や暴力で信者の自信や尊厳を奪い取る。だがシェーファーは「君本人が悪いんじゃない!君の中に入った悪魔のせいだ!」という名目で信者をボコボコにする。つまり「自分は殴りたくないが、君の中の悪魔を追い出すために殴るんだ」という理屈で自分の聖人性を損なわず、信者の怒りが自分に向かないようにしている。
そういった暴力や、毎日、信者たちに飲ませている薬でもって反抗心を奪っている。
信者に、自我や自由意志が生まれることを徹底的に阻止しようとしている。
また信者を管理するリーダーもまた信者で、リーダー信者が信者たちを上手くまとめられないと、やはり教祖にボコボコにされてしまう。
男性信者に恋する女性信者が現れたら「娼婦の臭い匂いが取れない」という理由で「男の集会」という教祖と男性信者の会合に連れて行かれ、悪魔を追い出すという名目で教祖にボコボコにされる(映画内で描写されてはないが多分、男性信者に輪姦させたり殴り殺されるっぽい)
教祖シェーファーは、信者同士で監視し合わせ、下手を打った信者(つまり人間らしい普通の感情を抱いた信者)がいたら他の信者に拷問させて始末すると共に彼らのストレスを発散させたり保身させたりする。北九州の監禁事件など大勢を監禁する時の仕組みと同じ構造だ。
‥というかコロニアの説明を書いてるうちに「何だか、我々の社会もコロニアと同じようなものでは?」と思えて暗い気持ちになってきた。監視しあって叩き合ってるからね。まあ多かれ少なかれ大勢の人間を支配しようとしたら、相互監視やどんぐりの背比べさせ適度なガス抜きを与える‥というのは政府も宗教も犯罪一家も全部一緒なんだろうね。
コロニアで男と女は一生、別々に暮らす。だが極たまにどこか(納屋とか)で男性信者と逢引して妊娠する女性信者もいる。
その場合、生まれた子供は普通に殺されるか、もしくは男だったら教祖シェーファーが犯す目的で育てたりする。

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‥と、感想を書こうとしてもコロニア・ディグニダの描写についてが殆どになってしまう。それが言いたい映画なのだからそれでいいのだろう。
それ以外に何があるかというと賢く美しいエマ・ワトソンが頑張る姿を応援するしかない。
ちなみに上記は、映画を観てわかった事だけを書いている。僕は無学無知でコロニアどころかチリ・クーデターすら知らないからね。
そしてこのブログは映画をぱっと観て「そうなんだ~」と思ったことだけ書いてるもので(レビューとか考察ではなく、ただの感想文)、もっと詳しく知りたい人は各自、検索するとか文献をあたってくれ。
コロニアに居た信者によると「大体こんな感じ」らしい。だがもっともっと酷かったそうだ。監督曰く「実際に行われたことをそもまま描いたらエグすぎて誰も観ないのでマイルドにした」らしい。
まあ、そうでしょうね。

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冒頭で主人公の彼氏が誘拐されて以降、狂った教祖や施設、自我を剥奪された信者たち、苦しむエマ・ワトソンと彼ぴっぴ‥の描写を延々と見せられるので「マイルドに描写した」と言われてもなおストレスが凄い。大人なのである程度の知識や想像力があるがために「実際は‥こんな感じかな」と実際はどうだったかをリアルに想像してしまい自分の中で実際の施設の酷さが次々と息づいてきてしまい、もう全編、この教祖や施設への怒りが次々と湧いてきて仕方ない。
今一番いろんな意味で強くて美くしいスターのエマ・ワトソンが頑張ってるだけでは追いつかないくらい腹が立つ。
「狂シェーファーや、この施設のことを知らしめたい」という監督や制作陣の狙いはバッチリ僕に届いたが、ムカつきの度合いが高すぎてフィクションを楽しむというのとは程遠い状態にさせられた。「ああ~このオッサン殺したい!殺してえ~」と鬼束ちひろのツイートのような感情が次から次へと湧いてきて「殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい!」「どんどん殺したくなってきましたよ」と、頭の中がシェーファーへの殺意で脳内が「」の感情のみで覆われてしまった。
まあそれも一つの楽しみ方だが、それならドキュメンタリーとかで良くね?と思ってしまったのも事実。
いや監督は、きっとコロニア内で悲惨な生活を強いらされていた気の毒な信者たちの魂を主人公2人に象徴させ、敢然と反抗させて脱出さらにシェーファーを追い込むトドメを刺させたかったんだろうね。
イングロリアス・バスターズ」みたいに、史実を正義寄りにしてオリジナルキャラに実在の狂人をブッ殺させる!というやり方もある‥が、ヒットラーほど有名じゃないシェーファーでそれやったら観た人たちがスッキリしてしまいコロニアの事とかを忘れちゃうからダメか。
ちなみに史実だから書いちゃうけどシェーファーは逮捕されるが、シェーファーと結びついて好き放題していた狂ったチリ軍部は「シェーファーとか知らん」と知らんぷりしてトカゲのシッポ切りして存続し続けた‥と「全編で描いてきた狂ったシェーファーは氷山の一角で、この国の軍部そのものが悪だった」という嫌な結末を最後に突きつけられて嫌~な気分になる

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こういった「狂った変態教祖シェーファー」「狂った政府」「他の信者を管理したり暴行する自我を失った信者」のような奴らを見て、異常にムカつくというのは(当然のことながら)自分の中にもそういった部分があるからなんでしょうね。
さっきもチラッと言ったけど、(大袈裟に言うと)コロニア内部の教祖と信者たちの関係がどんどん日本社会にも見えてきたし、自分の性的欲望に対して最高権力が味方して「君の好きなエロ施設つくっていいよ」と言われたら、各人それぞれの狂ったエロ施設を作るんじゃないだろうか。そして自分たちが信者だったら「他の信者を殴らないとお前を殺す!」と言われたら平気で信者を殴るだろうし、シェーファーや政府を見てると他者としてムカつくだけではなく、その嫌な奴が自分の中にも居ることに気づいて二重に「嫌だなぁ」と思わされるわけです。
個人的な感情だが「自分の中にそういった悪は無い!」と思ってる人は、思わない人よりも数倍そういった悪が潜んでると思う。「無い」と思ったとしても‥まあ僕も自分がそこまで悪い人間だとは本気で思ってないけど、皆が「自分の奥底にそういった悪の部分はある!」という方向性で思う事が凄く大事だと思う。絶対に。

そういう感じで色々考えさせられました。
きっと監督とエマ・ワトソンの思うがままに考えさせられたんだろう。
エマ・ワトソン見たさに観たのに彼女のことを書く暇がなかった。
このヒロイン、あまりに恋人のために振るう勇気や意思が強すぎる気もするが、まあエマ・ワトソンは今一番強いので説得力はある。それに実際の歴史上、脱出した人が「40年間に5人だけいた」そうなので、あり得ない話でもない、と事実が後押ししてくれているのでまあいい。
ヒロインが信者のふりをしてコロニアに入居する際に、教祖に「服をはだけてみせろ」と言われて服をはだける。教祖はホモのペドなのでエマ・ワトソンの女体に興味はないが「娼婦の臭いがする」と貶めたいからやってるのだが、彼女があまりにも鮮やかで可愛いブラをしてたので「あまりにも鮮やかで可愛いブラ!」とつい前のめりになってしまった自分が恥ずかしい。いや、だけどそれは普通の感情だろう?
やばい、自分自身と会話し始めた。。
自分が狂いかけてるのを感じたのでそろそろ終わる
本作観ててあまりにムカつきすぎた。監禁とか暴力とか洗脳がテーマだとムカつきすぎて楽しくない。
ムカつき過ぎたので、観終わった後に現在公開中の続編が超高評価らしい「パディントン」を観た。これは「パディントンの声が思ってたよりオッサンだった」という事しか感想なくてあまり面白くなかった、続編は凄いのか?だからパディントンの感想は特に書かないが‥。まあパディントンの事はどうでもいいわ

 

そんな感じでした

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