gock221B

映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「アウトサイダー (2018)」ブラックレイン+北野映画な日本観光モンド映画。アウトサイダーとは誰のことなのか

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原題:The Outsider 監督:マーチン・サントフリート
製作国:アメリカ 制作局:Netflix 配信時間:120分

 

なんか「クローバーフィールドパラドックス」とか「アナイアレイション」もそうだったけどNetflixオリジナル映画ってどれもクソ画質での配信なんだな。綺麗なのはBlu-rayを買ってくれって事なのかな?
KUSO画質なのでフルスクリーンやめてモニターの左半分で観て、右半分で映画観ながら感想を書いているNOW

 

Story
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終戦大阪。天涯孤独の元米兵のニック・ローウェルジャレッド・レト)は、日本の刑務所に収監されていた。
ある日、大阪のヤクザ組織・白松組浅野忠信)の脱走を助けたことにより、釈放後に清の導きで白松組・組員となりアメリカ人ながらヤクザの道を進んでいく。
清との友情、清の妹・美由忽那汐里)との愛情を深めていくニック。

清の幼馴染で白松組組員のオロチ椎名桔平)は、そんなニックが気に入らなかった。
ニックや清たち白松組は、神戸の勢津会との抗争に巻き込まれていく。。

 

 

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まるで「ブラック・レイン」の様に、日本のYAKUZAの世界に放り込まれたアメリカン白人が色んなYAKUZAの世界を見て回る様をモンド的な目的で描いた映画。
すごくハイ・コンセプトっつーか狙いが分かりやすいので鑑賞しやすい。
多少、妙な部分はあるが僕はアメリカ人が描く少し微妙に違う日本描写が好きなので問題なし。ちゃんと戦後の日本に見えるし画面がすげー美しいのでOK。
冒頭、刑務所で自殺を装って脱獄するために浅野忠信が腹を切るという、異常に危険な手段を取る。カンシュ!カンシュ!もっと他に方法あるだろという気がしなくもないが、ここはやっぱ制作サイドとしては、どうしてもSEPPUKUを見せたかったのだろう。
タトゥー‥じゃなかったIREZUMIもふんだんに出てくる。
勿論、指詰めもだ。
ニックはしくじった時に何故か両方の小指を詰めるのが謎。
「2本のほうが謝罪の気持ちが倍になると思ったのかな?」と思い可笑しかった。
ちょっとした隙間にも色々差し込んでくる。
工業地帯、賭場、うどん、舞台演芸、相撲、和太鼓演奏、うどん2回目、日本酒、日本刀の大小‥色々アリマス。OK、清、サキ(酒)かわそ‥
それより忽那汐里とか部下のイケメンYAKUZA達のファッションや体型など何もかもスタイリッシュすぎて現代人にしか見えないが(特にヘアスタイル。オシャレ刈り上げが多すぎる)、それもまあOKだ。そんな事言い出したら異国のキャラや宇宙人が皆、英語を喋る事とかあらゆる事に全部つっこまなきゃいけなくなるぞ。「これは戦後の日本ですよ」という記号さえ伝わればそれでよしとしよう。
日本に住む日本人なのに、観てると「OH‥コレガニホン‥コレガYAKUZA‥ニポンジンコワイネー」と何故か、これを観ている外国人‥いやGAIJINになったような不思議な気分になっていく。これが第三の目、複眼ってやつか
忽那汐里浅野忠信の妹役なのだが、浅野と忽那汐里は父娘くらい年が離れている。
アメリカ人には日本人の見た目年齢よくわからないだろうし、浅野(と椎名桔平)はもっと若い‥きっと30代のキャラなんだろうと汲み取った。同様にニック役のジャレッド・レトも妙に若い感じだし多分20代のキャラなのかもしれん。汲み取り作業だ

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主人公の名前がニックだったり、仲間YAKUZAが安田大サーカスHIROくんだったり賭場のYAKUZAが大柄なところ、工場地帯がやたらと映るところ、スモーク炊きがち、うどん食いがち、美しい夜景などに「ブラック・レイン」っぽさを感じた。
紳士かつ主人公アメリカ人に異常に優しい浅野忠信も、短髪日本人な感じが高倉健っぽい雰囲気だったし。
だが映画の全体的なトーン‥青くて気温低そうな画面や冷たくて不穏なBGM、浅野忠信の尋問が無感情ビンタ百連発、アウトレイジの時と同じ椎名桔平の演技、ダンサブル和太鼓、クライマックスでの暗殺モンタージュ、キャラが熱くなっても撮り方は冷たいまま‥なところなどは北野ヤクザ映画。
ゲイっぽいコミュニティに妖しい美男子が入ってきて崩壊してしまう様は大島渚「御法度」っぽい‥と書いたがよく考えたら「御法度」みたことなかった。ただあらすじを知ってたからまるで観たような感じで書いてしまいました。SEPPUKUするしかない

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ストーリーは、YAKUZAものとかギャングものでよくあるようなシンプルな話で特に言うことはない。
主人公サイドの白松組と大森南朋の組とが反目しながら、日本観光+ヤクザ見学ツアーしながらガンガン進んでいく。
その中で
ジャレッド・レト →→ ❤ ←← 浅野忠信(&忽那汐里) ←← 椎名桔平
という三角関係を推進力にして椎名桔平のジェラシーの温度が上がっていく。
桔平はいつもひとりぼっち。。このままじゃ桔平が壊れちゃう
ちなみに忽那汐里ジャレッド・レトにとっても桔平にとっても浅野忠信の代用品にしか見えず、ただただ浅野忠信の肉親かつ異性だからという理由だけで男達に翻弄されていて気の毒というほかはない。こういう描き方は可愛そうで苦手だけど、今後ジャレッド・レトが護っていくみたいだからまあいいか。
ヤクザ同士の抗争も、ヤクザというよりヤンキーの小競り合いくらい単純かつライトなものに見える。残酷シーンの自主規制もないので斬り裂いた喉の断面とか見えて結構グロいんだが、全体的に軽い。
それと、この大阪にはまるで警察というものが存在しないようにしか見えない。
ニックと浅野忠信の友情。忽那汐里(というよりも浅野忠信と似たDNAを持つ女)を愛するニック。浅野忠信を愛してるのでニックが憎い椎名桔平‥などの描写がどれも軽くて説得力に欠ける気がした。描いてる時間は充分で色々やる事やってるのに何でだろ?
ちょっと何事もスタイリッシュにサラッと流しすぎな気もする。
だがテンポ良いしカッコいいファッションや画面や音楽、ジャレッド・レトの美しさや浅野忠信の親しみやすさ、などで楽しく観れてしまう。普通にアメリカが舞台だったらかなり低評価だった気がする。

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「ニックというアウトサイダーが入ってきたことにより歯車が狂い白松組というコミュニティがバラバラになっていく」‥という話だと思って観てたのだがそれは後半までで、劇中そう思ってたのは実は椎名桔平だけで、アウトサイダーによって狂わされたのは椎名桔平ただ一人だけだった。だからラストで椎名桔平アウトサイダーに私刑されても文句を付ける者は誰も出てこない。敵のオヤブン大森南朋は静観ニキ。
椎名桔平は「俺たちは仁義なき戦いの世界に生きとるんや。すまんな?」と一人だけで思い込んでいただけで、実際には本作の世界は仁義ある世界だったために椎名桔平ジャレッド・レトから排除され世界(勢津会)はそれをスルーする‥。
つまりアウトサイダーとはニックのことではなく仁義なきオロチの事だったのだ。
ジャレッド・レトはむしろ日本好きだし、最初からアウトサイダーではなかった。
というかジャレッド・レトにはそもそも人格というものが最初からないように見える。
何考えてるのかわからない眼差しを備えた美しいドクロみたいなサイボーグ顔。
とりあえず浅野忠信演ずる清の事が大好き(ついでに忽那汐里も‥)。浅野忠信や自分を侮辱するものは即・SATSUGAI。それ以外のキャラは無い。
まるで刑務所で浅野忠信に出会った瞬間、この世に誕生したかのような男だ。多分そうなんだろう。
それでいてジャレッド・レトは「コイツ殺ソ‥」と思ってから実行に映すまでの時間が数秒ですぐ実行に移すので観ていて気持ちいい。「もののけ姫」のアシタカや「逆襲のシャア」のアムロの気持ちよさと同じ。
そういえば黒沢清の本で映画の中のイーストウッドやたけしが強い理由について書いてて、うろ覚えだが「彼らは無表情キャラなので『憤怒の顔に変わる』アクションが一つ要らない、だから『◯決断→(×表情変わる)→◯銃撃』と、他のキャラより結論までの時間が早い」みたいな事を言っていた。ジャレッド・レトも同じ。
もしジャレッド・レトアウトサイダーだったのだとすると、それは日本にとってではなく人間にとってのアウトサイダーだったのだろう。あまり人間に見えないからね
椎名桔平アウトサイダーの件でこの世界を見誤っていたのと同じで、自分の世界であるサカズキ中の部屋に乗り込んできたニックを、いつものようにアウトサイダー扱いして自分だけが信じてる自分のルールで排除しようとする。だがそれはニックに(ついでに新しいオヤブンにも)一切通用せず即、斬られてこの世から消えてしまう。
そして、まだかろうじて仁義が残っていた世界で仁義を見せたジャレッド・レトアウトサイダーではない事が周知され助かり、尊敬される。
椎名桔平は一人相撲を取って勝手に自滅した格好だ。
それにしても何で日本刀をそのまま返したのか謎だな。物語を終えるためというメタな理由以外‥。オロチがニックを舐めてたって事でいいか
そんな感じで「楽しいけど軽いな。組員エグザイルみたいなのばっかだし」と後半までは低評価だったのだが「アウトサイダーは誰か?」という事が露見するラストと、ニックの空っぽな主人公の魅力に最後に気づいて最終的には結構好きな映画かもと思った(最後が良ければ全体的に微妙でもよく思えるものだ)。中身が空洞なのに結論だけくだす力を持ってる主人公って結構好き(イーストウッドの西部劇キャラとか、スター・ウォーズ現行シリーズのレイとか)
それにしても男の嫉妬って本当にダサいな。
歴史を重ねることで何とか人類が進化して醜い嫉妬とかしなくなればいいのにね。
俺は30過ぎくらいに嫉妬は克服した、オロチ氏は克服できてなかったようだな‥
だから滅びた‥(野沢雅子

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そういえば2人の組長役の田中泯大森南朋は全然ヤクザに見えなかった。
刑務所長役の菅田俊を組長にすればよかったのに。。
そういえば敵対組織の若頭っぽいヤクザを演じてた俳優が、めっちゃ岸田森に似ていた
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この俳優主演で「岸田森物語」作れるやん。
浅野忠信は歳取って坊主にすると園村隼に似ていた。若い時ガリガリだったけどオッサンになって骨太になった今の方がカッコイイな。
忽那汐里は最初、活発な女の子だったのに話が進むにつれ、どんどん昭和の邦画に出てきそうな只の生活感あふれる泣き叫び女になってしまったのが残念だった。
アメリカ人が撮っても極道ものの女性キャラはこうなってしまうのか?
だけど世界で一番怖いメキシコギャングの中には残虐なセクシー女ボスもいるので、映画を通じて思わされていた「女にヤクザは無理」という前提は現実によって覆されてしまった。最近そういうことが多いね、現実の方がすげーパターン。
ジャレッド・レトは、現在のワーナーDC映画シリーズのジョーカー役とブレラン2049での役と、奇抜な役ばっかりやりたがる仕事選びや私生活での奇行で正直イメージ悪かったけど、本作では美しいし何考えてるかわからんレプリカントっぽさを観て、やっぱりスターの華があるんだなと初めて思った。
‥という感じで、ちょうど観ながら感想全部書けた。
こんな調子で、出来ることなら毎日ささっと更新したいものだがそれは難しいところだ
本作は、これを観た腐女子の感想が知りたいな。君の感想を聞こうッ


そんな感じでした

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