gock221B

映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「ロブスター (2015)」配偶者がいない生産性のない者は動物に変えられてしまう‥という現代日本のようなディストピア世界👫

f:id:gock221B:20180921090136j:plain
原題:The Lobster 監督&脚本&制作:ヨルゴス・ランティモス
制作会社:A24 上映時間:118分

製作国:アイルランド/イギリス/ギリシャ/フランス/オランダ/アメリ

 

何となくいい気分にはならなさそうなので観てなかったのだがネトフリで配信されたので観た。

 

 

Story
f:id:gock221B:20180921085752j:plain
家庭を持ち子孫を残すことが義務付けられた近未来。
妻に捨てられた男デイヴィッドコリン・ファレル)は強制的にとあるホテルへ送られる。
そこでは45日以内に自分の配偶者となる人を見つけなければ動物に姿を変えられてしまう
デイヴィッドは他の参加者と共に配偶者となる人を見つけようとするがうまくいかず、独身者の暮らす森へと逃げ込む。その独身者コミュニティの女性リーダー(レア・セドゥ)が決めたルールは、ホテルとは逆で「恋愛禁止」だったが、デイヴィッドは皮肉にも独身者の一人、近眼の女性レイチェル・ワイズ)と恋に落ちてしまう――


 

f:id:gock221B:20181005190238j:plain
そんな話。独身の者は強制的にこのホテルに送られて一ヶ月半以内に婚約者を見つけないと動物に変えられてしまう‥という一種のディストピアもの。
動物に変える機械がある部屋に連れて行って専用の機械で動物に変える‥のだが、その機械や、登場人物が動物に変えられたりはしない。物語の舞台も近未来には見えず、SF映画というより寓話的で風変わりな映画といった印象。
「動物に変える」という設定が突飛すぎるし、実際に動物に変えたりするのは台詞でしか語られないので「『配偶者ができなければ普通に殺される』って設定で良かったのでは?」と少し思った。
しいていうなら主人公のコリン・ファレルが、結婚に失敗したらしく既に変えられてしまった自身の兄‥だという犬を連れている。そしてその犬は中盤で物語が動く時に使われる。動物要素はここくらいか。
ちなみに変えられてしまう動物は選べるのだが、主人公は映画タイトルのロブスターにする(理由は長生きで交尾いっぱいできそうという理由)
ホテルでは厳格なルールがいくつもあり、マスターベーションは禁止で、禁を犯した者はトースターで手を焼かれてしまったりと全体的にかなり厳しい。
参加者のやる気を出させるために、毎晩、メイドがやって来てワイニー(男性器の上に座って尻でグリグリやる)的な事をしてきて、勃起したらやめてしまう‥という事が行われる。勃起だけさせて去ってしまう、だが自慰行為したら罰せられる。「射精したければ国のために結婚した後でどうぞ」という事か。
参加した独身者達は昼間、森に行って狩りをさせられる。どうやら脱走者を殺したり捕らえているようだ(「ようだ」というのは家事しながら観てたので見逃した台詞もあるかもしれん)。
美男美女はすぐに配偶者ができるが、老人などは婚約者を作るチャンスが少ないので自殺したりしてなかなか厳しい。
主人公も、動物に変えられたくはないので頭がおかしい女に無理やり合わせて夫婦になってホテルを抜けようとするものの事件が起こってホテルを脱走して森に逃げる。

 

 

f:id:gock221B:20181005192748j:plain
自由になった主人公。森には独身者たちによるコミュニティがあった。
レア・セドゥ演じる女性リーダーは過激派個人主義者で、コミュニティ恋愛禁止のルールを定めている。隠れて恋愛してキスしたメンバーを口を切り裂かれた状態でキスをするという罰が与えられる(そして当然SEXした者には‥)。というかリーダーが疑わしいと思っただけで殺されたりするしホテルと同じくらい厳しい。
主人公はレイチェル・ワイズ演じる近視の女性と恋に落ちるが、SEXは勿論みだりに私語しても目を付けられるので2人はオリジナル手話を作り、ジェスチャーで会話する。テレホンSEX以上しちゃいけない恋愛みたいなものだ。
独身者コミュニティはテロ活動のような事をしており、どうやら世間の既にある夫婦を別れさせるテロ活動をしているようだ。その方法は、夫婦の片方の嘘をその配偶者にバラしたり、同士討ちさせるように仕向けたりして、夫婦が互いの配偶者を二度と信用できないようにするという精神を壊すやり方で、ここでテロされる夫婦は嘘ついてたり相手のことを思いやってない奴らばかりの信頼関係が壊されていくので正直爽快感あった。
お互い愛し合ってる主人公とレイチェル・ワイズは、夫婦のフリをして他人の家に行っているのだが「夫婦のフリ」の体でここぞとばかりにディープキスしまくるのが可笑しかった。
また独身者コミュニティは夜になるとレイヴ的に皆で踊る。その際に女性リーダーは「テクノ系でしか踊らない」というのが可笑しかった。そう言われてみるとテクノのクラブやレイヴで踊ってる者は、人が好きなようにも見えて個人主義者が多くも見え‥て実はやっぱり人恋しい人が多いのでテクノは合ってる気がした。
コミュニティでは、恋愛しない限りは自由なのだが、好きな相手ができると一気に辛い場所になる。というか恋愛したら殺されるのならハッキリ言ってこれではホテルよりひどい‥というかこの世界そのものがどこに行ってもひどい世界=我々の世界のことじゃーって事なんだろう。自民党杉田水脈衆議院議員の「生産性が云々」発言が炎上したばかりだし、何だか日本の話のようにも見える。

 

 

f:id:gock221B:20181005190302j:plain
恋人ができてしまってはここには居られないし身の危険を感じた2人は、独身者コミュニティからも逃亡してクライマックスへ‥。
そんな感じで面白い設定やシーンばかりで、基本的には楽しい映画なのだが、寓話的すぎるというのが欠点にもなっている。たとえば全登場人物が一面的な性格しか持ってないように描かれているし全員凄く幼稚なので、ラストあたりでは正直登場人物たちがどうなっても別にどうでもいいって感じで観終えた感じになった。
比較的いい奴に描かれてる主人公も例外ではなく、彼は真に優しいのではなく「消極的な態度で流されてるうちに優しい人ポジションに収まってしまう」というタイプの男でしかない(まるで自分みたいだ)。他の登場人物同様、主人公は配偶者を見つける時に互いの共通点にやたらとこだわりそれがオチにもなっている。中年なのに、まるで「趣味が合わないと付き合わない」とか言う大学生みたいで滑稽だ。主人公だけそうなら「主人公が幼稚って話なんだな」と思うが、ヒロインも他のキャラも全員そうなので「別に主人公がじゃなくて世界全体が幼稚なのか。じゃあまぁ別にどうでもいいか‥」と思ってしまう。
つまり世界も登場人物も全て寓話的にしすぎた結果、フンワリしすぎてどうでも良くなった感じ。
1984」「未来世紀ブラジル」「ブレードランナー」とかのSFみたいに設定がガッチリ固められててシリアスな感じにするとか、主人公だけが周囲と違って成熟したまともな精神をしてるとか、そういう地に足をつけて観れるポイントがあった方がいい気がした。
独身なので僕も動物に変えられてしまうが、僕なら‥犬や猫だと良い人間に拾われないと辛そうだし、ここはひとつ細菌やゾウムシなどの小さすぎるヤツがいいかもしれない。ゾウムシとかの一生とか知らないけど、何となく食われたりもせずにウロウロしてるだけってイメージだし

 

そんな感じでした

👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫👫

www.imdb.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20181005200420g:plain

f:id:gock221B:20181005190205g:plain

#sidebar { font-size: 14px; }