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「パーティで女の子に話しかけるには (2017)」可愛いSF恋愛映画だったがコレ観る直前に〈Born Sexy Yesterday〉について考えてる最中だったので一切内容が入ってこなかった💏

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原題:How to Talk to Girls at Parties 制作会社:A24
監督&脚本&制作:ジョン・キャメロン・ミッチェル
原作&製作総指揮:ニール・ゲイマン 製作国:アメリカ 上映時間:103分

 

 

原作のニール・ゲイマンは、小説家や脚本家としてより90年代に邦訳もされてたアメコミ「デス」とか「サンドマン」のライターとして好きな作家さん。ゲイマン氏本人もイケメンかつ何時でもロマンチックなおじさんという印象。
今回はいつもにも増して完全ネタバレあり

 

Story
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1977年ロンドン郊外。内気で鬱屈した毎日を送るパンク大好きな高校生エン(アレックス・シャープ)。
ライブの帰りに不思議なパーティに迷い込んだ彼は、そこで美少女のザンエル・ファニング)と出会う。
規則だらけの生活にうんざりしていた彼女はエンが語るパンクに興味を持ち、パーティを抜け出して一緒に街へ繰り出す。そんな彼女の正体は遠い惑星からやって来た異星人だった。そして彼女が地球にいられる時間は残りわずか48時間だったが――

 

 

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あらすじの通り、冴えない少年エンが美少女ザンと知りあうボーイミーツもの。
こんな話は100本くらい観た感じがする。2人の間を繋げるものはパンクで、ザンが宇宙人というのが本作独自のポイント。
今回はもう最後まで全部内容言っちゃいますが、

❤童貞のパンク少年エンが美少女ザンと知り合う。
種族の厳しいルールに飽き飽きしていたザンはエン本人や彼が語るパンクという概念にのめり込み、2人は意気投合して恋に落ちる。2人はパンクバンドを結成してライブして思いのほか盛り上がり、その最中に神秘的な体験をしてザンは身ごもる。

❤だがザンが出産するには惑星に帰らなければならないし、もう逢えない。
エンはザンを帰したくはないが彼女は帰っていってしまう。
ラストは数十年後、コミック作家となったエンのサイン会に、かつての自分たちくらいの年齢に成長したエンとザンの子供たちが訪れ、エンは涙ぐむのだった

‥という、ラストでコミック作家になってるところや70年代が舞台なことなど、どう考えてもニール・ゲイマンが自分の童貞時代をイメージして書いたのであろう話。
ちなみにザンの種族は「口減らしのために大人たちが子供を食べて種を存続する」という権力者や年長者に都合のいい惑星で、ザンや他の若者も食べられる予定だった。
要はザンたちの惑星は我々の暮らしているこの現実社会のメタファーでもある(もっと言えばアメリカのメタファー)。
他の若者エイリアンたちも、ザンとエンのライブを聴くことで影響される。
そして「親になったら政治に参加できる」というルールなので、ザンは出産することによって自分の国のルールを改善できる力も得れた。子供たちがバンドを組むために地球に訪れたという事はルールは変わったのだろう。だけど、エンディングでザンが出てこないという事はザンは死んか星から出れないのか‥とにかくもうエンと遭うことは一生ないという事だ。
身も蓋もない言い方をすれば、
「厳しいカルトで育った世間知らずの美少女が童貞パンク少年と知り合ってパンクバンドを組んで妊娠、田舎の実家に帰らされるが出産して親になった。ザンとエンは一緒にいる事はできなかったが、2人はそれぞれ世界を少しだけ良くすることが出来た」
そんな感じだろうか。
北の国から '92 巣立ち (1992)」をポジティブにしたような話とでもいうか‥。
前半デートしたりライブする2人はとても可愛いし、いい話だとは思ったがあまりにベタな話で少し退屈だった。というかどう考えても若者向けの映画だから中年の僕が20代とかだったらもっと素直に感動できてたかもしれない。

 

 

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ザンを演じるエル・ファニングは物凄い美少女で、そんな彼女を素朴なエンとくっつけるには工夫がいる。
まずエンの長所は「優しい」「若いし将来がある」という事しかない。
ルックスも、ブサイクではないが別に凄いイケメンではない普通の顔。
家も母子家庭で裕福ではない普通の家庭。
つまり世界中の殆どの少年達と同じ。
そんなエンと美少女をくっ付けるには工夫がいる。
まず美少女エンのことを、
「若者が抑圧されて食われてしまう惑星から来た、無知で純粋なエイリアン」
という設定にする必要があった。
地球のことを殆ど知らない純粋な美少女ザンは、エンに都合の悪い事‥たとえばエンの事を査定したり値踏みする事もなく他の男と比べる事も一切ない。そんな事すればエンもワンオブゼムになってしまう。
そしてエンは非常にシャイでザンに手が出せないので、好奇心旺盛でアクティブなザンの方から、エンの匂いを嗅いだり顔を舐めてきてくれたりして積極的に接してくれるので内気なエンも彼女と知り合った初日にスキンシップを図る事が出来た。
逆に言うと、エンのような平凡な(つまり我々のような者)がエル・ファニングと付き合うには、彼女を「無知で純粋で好奇心旺盛かつ俺にしか興味のないエイリアン」にしないといけないという事になる。そこまでしてやっと付き合う可能性が出てくる。
本作のSF設定は「アメリカや我々の社会の悪い部分の縮図、そしてそれを打ち破らんとする俺たち若者の闘い」‥という要素もあるが「ザンとエンをくっ付けるための舞台装置」としての面が大きい気がした。

 

 

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ベタな話っていうのもあるが、本作を観る直前に「Born Sexy Yesterday」というYOUTUBE動画を観たばかりなのであまり本作に入り込めなかった。
↓動画も貼っとくか、日本語字幕も付いてる。
www.youtube.comざっくり言うと「SF映画に出てくるセクシーなヒロインは、男性主人公の都合のいいように無知で純粋なキャラばかり出てくる」というもの。
「確かにそうかも‥」と考えさせられるものがあった。
美しくセクシー女性から考える力を奪わないと「俺だけを見てくれる俺のもの」にならないからな。それでいて彼女たちSFセクシーヒロインは無知‥特に性的な概念がないのですぐ裸になるし、考える力はないがカンフーなどは得意で主人公を護ってくれさえもする。それでいて主人公の事しか目に入らないのだ。
まるで「幼女とオカンを合体させたような存在」だ、そう思うとめちゃくちゃ気持ち悪いな‥。
自分が好きな「スペースバンパイア」「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」などのセクシー女性エイリアンが男を侵略する系SFホラーもBorn Sexy Yesterdayかもなぁ。アメコミ映画でいうと「ワンダーウーマン」一作目もそういう面があったね(まぁダイアナは世間知らずだが知識はあるし相手役のスティーブ・トレヴァーはヒーローレベルの素晴らしい好漢ではあったが)
本作の原作者ニール・ゲイマンの「デス ハイコストリビング」がめちゃくちゃ好きなのだが、この主人公のデスちゃんも少しそういうところあるな(冴えない主人公に優しくしてくれる美少女は死神だから寛大)。
Born‥とは少し違うが僕が「凄く好きだなぁ」と思う映画の女性キャラ‥「スーパー!」のエレン・ペイジとか「復讐者に憐れみを」のぺ・ドゥナなどは完全に気が狂ってる犯罪者なんだが「こんな可愛い娘が俺のことを好きになるには‥狂人かつ犯罪者にでもしないと図々しいな」という気持ちの現れかもしれない。
‥まぁとにかく、Born Sexy Yesterday動画を見てウーンと考えさせられてる最中に、Born Sexy Yesterday要素が強すぎる本作を観ても、入り込んで観ることなど一切不可能だった。
というかSFだったのね。このめちゃくちゃ良い映画タイトルからして、普通の男女がライブハウスで出会ってリアルに恋愛するという‥きっと「(500日)のサマー」っぽい恋愛映画なんだろうと期待してたので思ってたのと全然違った。
とはいえ映画というフィクションはファンタジーや願望を映すものでもあるし、要は作品内容が素晴らしければ別に男性に都合が良くても構わないとは思うよ。別にリアルであればイコール素晴らしいフィクションというわけでもないし。フィクションは現実の様々な物事や感情を色んな楽しいものに変換して表現する事が素晴らしいんだからアメコミヒーロー映画やホラー映画やSF映画が特に好きな自分ではあるが、恥ずかしい作品と恥ずかしくない作品とがあるよね。
本作の場合、SF設定や世界のすべてが童貞主人公のために動いてる感じがして、別に、だからと言って「この作品はダメだ!」という感情はないのだが観てる最中に「人間の美少女だと主人公のこと相手にしないから宇宙人にしたんやろなぁ‥」とか一々思わさせられて何度も恥ずかしくなって集中できなかった。
それに僕は40過ぎのオッサンなので年齢のせいもあるだろう。もし自分が20代なら‥いや多分30過ぎくらいでも本作に入り込めたり感動できてた気がする。
確かに主人公エンの都合のいいようにエル・ファニングやSF世界が動いてくれてたけど、だけどその代わりに彼女を失ってしまったり2人は離れ離れになってそれぞれ自分にできる範囲で世界を良くしたんだから、良い面もある。
本作を観る前にBorn‥動画を観たせいで真面目に観る気分がゼロになってたしね。
色々言ってきたが、主人公と知り合ったばかりのエル・ファニングが「‥私にパンクして」っていう場面めちゃくちゃドキドキしたのも事実だが‥。
Born Sexy Yesterdayや女性キャラについては、また改めて考えていきたい。

 

そんな感じでした

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gaga.ne.jp

www.imdb.com

www.youtube.com

壊れやすいもの

壊れやすいもの

 

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