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映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「キャプテン・マーベル (2019)」偉そうな男をぶっ飛ばせキャロル!MCU全21作品中、1番好きかもしれん😼

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原題:Captain Marvel 制作:ケヴィン・ファイギほか 制作スタジオ:MARVELスタジオ
監督&脚本:アンナ・ボーデン&ライアン・フレック 脚本:ジャック・シェイファーほか

製作国:アメリカ 上映時間:124分 
シリーズ:マーベル・シネマティック・ユニバース

 

 

 

つい先日「アベンジャーズ/エンドゲーム (2019)」の新しい予告が配信されてMCU界隈が盛り上がってる今日この頃。本作が公開されたので観に行った。
基本ネタバレなしだがスタン・リーのGIF画像以降はネタバレありなので未見の人はスタンまで行ったら読むのを止めた方がいい。
マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)21作目。フェイズ3の9作目。
だが「キャプテン・マーベル」という新規タイトルの一作目なので、本作からでも入っていける。彼女キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル(以下キャロル)という新ヒーローが登場するのも本作が初めて。
ちなみに「アベンジャーズ/インフィニティウォー (2018)」(以下IW)で、フューリーがポケベルでSOSを発信した直後、サノス必殺のザ・デシメーション(全宇宙の半数を消滅させる指パッチン)で灰になってしまったが、発信先がキャプテン・マーベルだとわかる‥というのがIWのラストシーンだった(しかし彼女の名前も姿もまだスクリーンに登場していない)。
女性ヒーローの看板単体作としても初めて。DCの「ワンダーウーマン」に遅れを取っての公開なので「女性ヒーロー映画」としてもどんな内容なのか期待された(ちなみにMCUではフェイズ2辺りで「ブラックウィドウ」単体作を作りたかったらしいが、その当時MCU上層部に居たレイシストの責任者に「女性ヒーローなんてヒットするわけない」とストップされていた。そのオッサンは後に任を解かれ外部で制作した作品が大失敗して消えた。もちろん証拠はない噂レベルの話だが妙に信憑性があるので僕は本当だと思ってる)
本作は公開前‥つまりつい最近「ブラックパンサー」公開前の時みたいに映画レビューサイトが荒らされた。
誰が荒らしてるのかよく知らないけどブラックパンサーの時は黒人ヒーロー&黒人スタッフ、本作の場合は女性ヒーローだから、マイノリティのヒーローの活躍が気に入らない人達が荒らしてたと思われるので反ポリコレの流れなのかな?(長くなるから、この話題は省くが興味ある人はググって下さい)
ブラックパンサー」は、そんなレイシスト?の荒らしを跳ね除けて超絶大ヒット、そしてアメコミ映画史上初のアカデミー賞を3つも穫る、という歴史的な大成功を収めた。そして本作も、アメリカ本国では日本より早く先週公開されたが大ヒット。さすがに「ブラックパンサー」の超絶ヒットには負けるが、単独作より先に「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で初登場して活躍してたブラックパンサーと違って、キャプテンマーベルは初登場なわけで「初登場ヒーローの一作目」としては最大ヒットのヒーロー映画と言える。

 

 


監督脚本のコンビは「キャプテン・アメリカ」2&3作目や「アベンジャーズ」3&4作目を監督したルッソ兄弟同様、ドラマやラブコメの小品しか撮ってないから全然知らない男女コンビ監督(こういう監督って一体どうやって判断して採用してるんだろ?) 
脚本は4人クレジットされてるが、この中のジャック・シェイファー氏(男みたいな名前だけど女性)が中心人物っぽい。このジャック氏はフェイズ4で制作公開が予定されている「ブラックウィドウ」単独作の脚本、また今年新しく始めるディズニー独自の配信サービス〈Disney+〉で配信されるMCUドラマ「ザ・ビジョン&スカーレット・ウィッチ (仮) (2019)」では製作総指揮と脚本を担当するらしい。
どれも女性ヒーローばかりだ。つまり、この人は〈MCU女性ヒーロー担当〉みたいな役回りなんだろう。
キャプテン・マーベル役のブリー・ラーソンも好きなので楽しみだった。最近こういう、顔の中心にパーツが集まった意志の強そうな顔の女性が好きだ(「ひよっこ」主演の役づくりで少し太った有村架純とか)
ちなみに原作のキャプテン・マーベル自体のことはよく知らん。
40代の者の多くはそうだろうが90年代の第二次アメコミブームで「X-MENのローグにパワーと記憶を奪われた気の毒な女性ヒーローMs.マーベル」として知り、2000年代は「アベンジャーズにいる金髪巨乳ハイレグの、妙にセクシーな女性ヒーローMsマーベル」というイメージで、10年代に入ると(アメコミ全体の女性キャラは皆そうだが)ポリコレの流れが入ってレオタードみたいなSEXYコスチュームではないカッコいい系のスタイルになり「MARVEL女性ヒーローの代表ポジションの強くて自立した女性キャラ、キャプテンマーベル」となったイメージ‥という浅い認識。彼女に憧れる中東系少女カマラさんがMsマーベルを引き継ぎ、そのカマラちゃんも人気。
キャプテンマーベルを名乗る前の「Ms.マーベル」時代のキャロルは、妙にセクシーな格好でやたら艶かしくやられたり、編集の都合で記憶やパワーや名前を頻繁に失ったり変更させられたり、敵エイリアンに体外受精させられて女性団体に怒られて大問題になったりアル中にさせられたりと、割と酷い目に遭ってきた歴史がある(‥と言っても過去の連載を読んでたわけでもなく情報として知ってるだけなので詳しく知りたい人は読むか詳しいサイトに行って下さい)。それらを念頭に置いて本作を観ると映画の展開にそういった歴史が折り込まれている感じするし終盤で更に盛り上がることができるはずだ。

 

 


本作は去年くらいからMCU総合製作者ケビン・ファイギが「今までのようなヒーローのオリジン(誕生譚)とは違う」と語っていて、僕的にはそこが一番楽しみだった。
というのもMCUの一作目‥つまりオリジンはテンプレが決まっていてマンネリ気味だった。
「人物紹介しつつ何か起きてパワーや動機を手にして活躍し始める」→「主人公ヒーローを悪人化した敵が現れ苦戦したり挫折する」→「困難を乗り越え勝利」
と、殆どこれ。「アイアンマン」一作目の構成。堅い造りだが、さすがに飽きてきた。
その飽き加減が最高潮に達したのが「ドクター・ストレンジ」で、ストレンジのキャラやサイケデリックな映像やドルマムゥの退け方は面白かったが、このモロに「アイアンマン」一作目と同じ流れやキャラに対して「飽きた」という感想が多くて辛かった(僕は好き)。素晴らしい美術やメッセージや人事でアカデミー賞を幾つも獲った「ブラック・パンサー」も、ざっくりとしたストーリーはこの流れだった(ただブラックパンサーは、作品に付随する要素やキャラや美術が凄かった)。
MCUじゃないけど他の制作会社のアメコミ映画も大体この流れで「ヴェノム (2018)」なんかは予告編観ただけで「ああ、エディが研究所でシンビオートに寄生されて悪者を倒したりヒロインを護りつつ悪のシンビオートに苦戦しつつも倒すのね。ポストクレジット(エンドクレジットの後のおまけ映像)は、刑務所にいる死刑囚(カーネイジ)がニヤリとして終わるんだろう」と想像したら丸っきりそのまんまだった。カーネイジまで当たってしまうとキツイものがある。
そんなテンプレがやっと大きく変わると聞いて、僕は「エンドゲーム」へのヒキなどよりも、そこに地味に期待していた。そして実際、飽きてしまったアイアンマン作劇法や「ヒーローの影としてのヴィラン」などは無くなり今までで一番面白い一作目だった。 
一言で言うと「記憶を失った主人公が『自分が何者なのか』を探っていく」形式で進んでいくので、観客は主人公ヴァース同様、真相を徐々にしっていく事になる。
勿論ある程度の予想はできるが、上手いこと予想を外し展開がずっと新鮮なままで、僕は凄く面白かったです。予告編や原作やキャスティングやオモチャバレにより色々予想はできてたんだが、制作陣はその「バレている情報」をも上手く使って騙してくるので「おおっ」と思いました(マー・ヴェルとスプリームインテリジェンスの関係とか)。原作のキャラを知っている人さえ上手に騙すやり方がスマートでした。

 

😺

 

HIGHER, FURTHER, FASTER
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ではどういう話なのか(やっと映画の話に入れた‥)。
あ、ところでネタバレは少なめにするが、後半は少しネタバレが入ると思う。
ネタバレなしで観た方が面白いので、このページの後半は読まない方が良いと思う。
ちなみに僕は本作、MCU全21作中、2番目くらいに気に入りました。今まで観たアメコミ映画やドラマ‥80本くらい?の中でもベスト3に入るくらい好きだわ。だけど不特定多数の人が本作をそこまで気にいるかというと、それはないと思う。それは後半語る。
ところで、いつものMARVELロゴが出るところが凄い‥。観ればわかる、MARVELファンなら度肝を抜かれるはずだ。
映画が始まると彼女キャロルが目覚める。場所はクリー帝国。
‥いや彼女はキャロルという名前ではなく〈ヴァース〉という名で呼ばれているクリーの特殊部隊スターフォースの一員。
クリーというのはスクラルやシャイアと並ぶ、MARVEL世界の宇宙の列強種族。
クリーは、変身を得意とするスクラルと数千年に渡る戦争を続けている。
過去に出てきたクリー人といえば「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に出てきたロナンやコラスが属する(そして本作にも若い時のロナンとコラスが出てくる)
ヴァースは記憶を失っており、寝ている時に、彼女の過去の人生らしき地球での記憶の断片を夢で見るが思い出せない。
幼少期の彼女が男子に混じってカートレースに参加して転倒する記憶。米軍のブートキャンプで男に混じって訓練するが男たちのように活躍できず転倒する記憶。大破した戦闘機の近くで年配の女性(アネット・ベニング)と共に負傷した彼女‥など。
負けず嫌いの彼女が、各時期で色々頑張ってはいるが男には敵わず苦汁を舐めて「女が出しゃばるな」となじられる様子が強調される。上司であり師匠であるヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)とも格闘訓練をするが、やはり敵わず地面に組み伏せられる。
いつも彼女はパワーを開放したがってるが、ヨン・ロッグに「感情のままに行動してはいけない。自分を制御するんだ」と諭されている。
ヴァースは過去に事故か何かがあり、クリーを統治している超高度AI〈スプリーム・インテリジェンス〉によって蘇生の処置を受けてパワーを授かり、フォトンブラストという熱を伴った衝撃波を発射できるクリーの兵士となった。
記憶を失ったヴァースによる、スクラルと戦いながら記憶(自分)を取り戻す旅。そして「苦汁を舐め続けてきた女性主人公が自分のアイデンティティを取り戻して立ち上がる物語なんだろうな」という事を予感させる。

 

 

 

ヴァースは、上司ヨン・ロッグやスターフォースの仲間と共にスクラルと戦い、地球に落下する。そこは1995年のアメリカだった。
彼女は、まだ40代だった時のSHIELD隊員ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)と出会って彼と行動を共にする。地球人に化けて市井に紛れたスクラル人を倒すためだ。
まだ新人のコールソンも「アベンジャーズ (2012)」以来、久々に映画に登場する。出番はめっちゃ短いが「直感で正しいことを感じ取り選択できる」という素質を見せる。
ヴァースは、フューリーとコンビを組んでスクラルを追いつつも、昔から夢の中に頻繁に出てくるアネット・ベニング演じる「自分がかつて尊敬していたらしい年配の女性」について調査し、自分の過去に何があったのか探っていく。
予告編で話題となった「老婆に化けたスクラル人をぶん殴る」場面も良かった。
スクラルらしき者を追ったヴァースは、駅で老婆とすれ違う「あっ予告編のあの老婆だ!」と思った。だが、その老婆はどっか行ってしまう。電車に乗り込んだヴァース。座席には駅で降りたはずの老婆が座っている。つまり「一度、目にした者をコピーできる」能力を持ったスクラルが化けたのだ。ヴァースはすぐさまスクラルババアをぶん殴る!
本作の良いところは、このように一々説明しないところ‥つまり観客を信頼してるから良い。こないだ観た「アクアマン」は楽しめはしたのだが、キッズにもわかりやすいようにかキャラが台詞で状況をいちいち説明するのが続いて大味に感じただけに、本作の映像で説明する感じは凄く良かった(アベンジャー計画誕生の瞬間も見せないところが良かった)。
だが、アネット・ベニング演じる女性周りの事や、スクラル人の事情などが説明少なくてどんどん進んでいくので、かなりわかりにくかった。
まぁ映画を観てれば大体の流れや各キャラの目的はわかるので鑑賞には問題ないのだが、そもそもクリーとスクラルについてやクリースクラル戦争については、もっと映像付きで語るべきだったし、アネット・ベニングとか光速エンジンとかコアについてもっと話す場面が必要だっただろう。説明しなくてもわかるのに全部説明してくる「アクアマン」と真逆で、本作は説明少なすぎて「エイジ・オブ・ウルトロン」でソーが全裸で水たまりに入って悶絶してるシーン観て「え、何してるん?さっきから」と思った時のことを思い出した。
場面場面のの結果を観て大体はわかるし「エンジンの中のコアがマクガフィンなわけね」と、映画ファンとして対処した。吹き替えで観た方が判りやすかったのかも?
ここまでがまだ映画の前半くらいなんだがここから下はネタバレあり

 

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‥まだ映画の半分くらいまでしか話してないんだが長くなった。
何年も続けて出来たブログのテンプレを捨てて一から構築しながら書いてるから、目覚めて今観たばかりの夢の話を話してる奴みたいな まとまらない長文になってる。
まぁとにかく、この映画は地球に落ちて以降、どんどん面白くなる!
近年の他のアメコミ映画で「ワンダーウーマン」や「ブラックパンサー」は、序盤~中盤が本当に神!って感じで良かったのだが、どちらも終盤のバトルがイマイチだった。
映画というのは終盤や結末をショボく感じてしまうと映画全体の印象もショボく感じてしまう(逆に終わりがめちゃくちゃ良いと、ショボかった前半などもよく思えてきたりする)
本作は、記憶を失ったヴァースと共に、霧の中を進んでいくようなミステリアスな前半。フューリーや猫のグースやランボー母娘との愉快な中盤。ヴァースが真相を知って〈キャロル・ダンヴァース〉となり覚醒する後半‥!と、どんどん右肩上がりに面白くなり盛り上がって終わる、理想的な流れ。
ヴァースも「記憶喪失だが‥まぁ悩んでも仕方ないし、とりあえず頑張るか」というサバサバした感じで頑張るのも良いし、中盤までは無表情なんだけどフューリー達と一緒に行動してる中だんだん態度がほぐれてきて、たまにニヤニヤしてフューリーをからかったりする態度も凄く好き(僕は女性のニヤニヤ顔が好き)
そんな感じで楽しんでいると、今まで恐ろしい敵だと思ってたスクラル人のベン・メンデルソーン演じるタロスがカーディガン着てジュース飲みながら気さくに出てくる。
ここは凄く意表を突かれたシーン!ざわ‥としました。
ただジュース飲んでるだけなんだが、ただそれだけで「MARVELにわらわらとよく出てくる悪い宇宙人スクラル」という固定観念が壊れ「個性のある一人のスクラル人タロス」が急に現れた感じ。
それまでも変身する人間が被るギャグがあったり、仲間の死を丁寧に悲しんだりするシーンはあったのだが、それらは「よくあるシーン」として処理していた。だが、こんな感じでジュースを飲まれると一気に親しみが持てるもんなんだな。このシーンはMCU好きなシーンBEST10に入れておこう。
しかも敵だと思っていたタロスは何と敵ではなく、キャロルは今まで自分が属していたクリーと闘うことになる。キャロル&フューリーと共に。意外。
MARVEL好きとして「スクラル人=ただの悪い異星人」という先入観に付け込まれた!
そして「『スクラル=敵』だなんて‥偏見が強いね‥。そんなんで2020年代を迎えられるのかな?オールドタイプのおじさん‥笑」と刺された感じがした。そしてその良い意味での裏切られた感覚は嬉しいものだった(だけど悪いスクラルも見たいので本来の悪いスクラルは次作で出してほしい)。
そんな感じで、観てるこちらも「記憶がない」→「敵と味方の状況が反転する」というヴァースの主観と同調して映画を観ていく感じだったのでシンクロ率が高かった。
また映画の舞台は90年代。中年の僕が10代後半~20代前半という青春の時だったので懐かしい。グランジとか。ヴァース‥いやキャロルが着るファッションや遅いインターネット回線。。
途中、手に入れた音声データをパソコンで再生するシーンがある。
90年代のPCなので音源を読み込んで再生するまで、凄ーく時間がかかる。
クリー帝国に居たキャロルやスクラル帝国のタロスなど、科学が発達した社会に居た者達は「おいおい、一体何してんだ?」と言う。
しかし、これが普通である90年代の地球人であるフューリーとランボーは「何って‥音源を読み込んでるんだが?」と不思議そうに言う。
僕も20年前はフューリー&ランボーと同じ感覚だったはずなのに、当時の僕やフューリー達から見て未来人となった40代の中年になった俺は異星人であるキャロル&タロスと同じように「何だよ‥このショボい機械‥。音声再生するだけで何十秒かかってんだよ」と、2つの時代2つの視線から物事を同時に見てる感覚で面白かった(この映画、若者より俺の方が面白いと思う)
またカルチャーや舞台設定だけでなく、本作は説明の少なさやドライさなどにも90年代を感じた。
キャロルが記憶喪失のせいとはいえ「90年代っぽいドライで空虚な若者」に見えるところから始まり、さっきのタロスのジュース飲みや猫のグース、ヨン・ロッグとのラストバトルなどでのスカシっぷりなど全体的に90年代っぽい‥、もっと言うと90年代は90年代でもガンズではなくニルヴァーナ‥全体的にグランジっぽい。

 

 


実際、キャロル覚醒直前の重要な場面でニルヴァーナ「Come As You Are」が流れる
www.youtube.com
この曲が流れる場面は覚醒直前のキャロルがインナースペースの中でマインド拘束を破ってパワーを手にしようと、もがいてる場面。
だがこの後に起こる覚醒は新たにパワーを得るというよりも、実は最初から持っていた勇気とパワーを「思い出す」ことによって目覚めさせるという場面だった。
キャロルは最初から強かった。ただそれを忘れていただけだ。
そこで流れるこの曲はカート・コヴァーンが「君はそのままで良い」「もし君が、ありのままの自分でいられてないのなら急いだ方が良い。1秒でも早く自分の為に費やしてくれ」と唄う。そのまま。歌詞は日本語字幕にしてくれてたらもっと良かったのに。

本来のスーパーパワーを取り戻したキャロルは単身、ロナンの宇宙艦隊を迎撃する。その宇宙戦で流れる曲がこれ、
www.youtube.comこれがまた映像と全く合ってないんだけど「一見、合ってないけど己の人生に纏わりつく鎖を断ち切って宇宙空間を飛翔しながら『キャホー!』と叫んで盛りあがってるキャロル脳内ではこれが流れてるんだろう、きっと!」と思えて良かった。
「(だけど‥)」という含みをもたせながら「私はただの女の子」と繰り返して唄うこの曲をバックに、キャロルは歌詞の表面的な文言や間抜けな曲調とは丸っきり正反対の超新星爆発のようなパワーでロナン艦隊を殲滅する。
どちらも本来なら勇ましい曲や、もっとカッコいい90年代ソングの方が合う場面だったと思うが、あえてこういった曲を選んだんだろうと思った。そしてこの「ひねり」が凄く90年代っぽい感覚だなぁと思った。これが異化効果を産んで、より感動的になった気がするがどうか?
本作を観た欧米人の方が「歌詞がそのまんま過ぎて恥ずかしい」「単純に曲がダサい」と言ってたのも見かけた。そういえば「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」で懐メロや童謡が流れた時「うわ、恥ずい選曲‥」と思ったので、あの感じか?英語ネイティブの方の中にはそう思う人もいるのかもしれないが僕としては「MCUヒーロー最強の攻撃力を見せながら『私はただの女の子』って歌詞のダサい唄が流れてるなんて超かっこいいな」と感動しました。
MARVELが公開した本作の90年代ソング挿入歌の一覧

 

 
自分を失って生きていた「クリー人ヴァース」は「空軍に所属していた地球人キャロル・ダンヴァース」としての記憶と名前を取り戻す。
敵だと思っていたスクラルは敵ではなく。救ってくれて育ててくれてたと思っていたヨン・ロッグやスプリーム・インテリジェンスは自分を騙していた。それだけではなく、ヨン・ロッグはヴァースに対して、パワーを制御できるように訓練してくれていたわけではなくパワーを発揮できないように抑え込まれていたのだ。
しかもキャロルのフォトンブラストなどのパワーは、ヨン・ロッグ曰く「私の青い血液を注入してできたもの」だという。そして彼の承認なくしてはパワーは使えない。
幼い頃から女性故に、常に男性に遅れを取ってきたキャロル。師だと思っていたヨン・ロッグに体液を注入され心身ともにコントロールされていた。現実世界に当てはめると性的暴行&精神的DV&パワハラモラハラといったところか。一言で言うと悪い男。
ところで原作のキャロルは大昔の連載で、敵に体外受精で妊娠出産させられるという衝撃的展開があったという。ヨンロッグとのこういったパワハラ的関係はそれを反映したものかもしれない。
男に遅れを取り続けてきた半生だったキャロルは、ヨンロッグという悪い男によって再び囚われ、スプリームインテリジェンスに洗脳される。このままでは、また記憶を失い死ぬまで搾取される。
だが今のキャロルには、尊敬する女性マー・ヴェル(原作では男だった初代キャプテン・マーベル)の記憶、親友マリア・ランボー、その娘モニカなどの女性の味方。そして新しく出来た楽しいお友達フューリーや猫のグースやタロス、タロスの家族がいた。
その想いがキャロ氏の体内で屈折、反射を繰り返しやがてスパーク‥。
キャロ氏の真のパワーの源は、ヨン・ロッグの影響などより更に奥にあり、そしてそれはクリー人パワーの数十倍ものパウワーだった。
身体に染み込んだテッセラクトaka四次元キューブ(スペース・ストーン)のパワー。そしてその核にあるキャロ氏本人が元々持っていた強い人間力。その全てがクリーの青い血を塗り替えて現出。
そして過去の記憶が完全に蘇る。キャロル覚醒。
今のキャロルだけではない。ゴーカートで男子に負けて転倒し男に「女には無理だよwww」と、なじられた幼女キャロルが立ち上がり、浜辺で喧嘩した?少女時代のキャロルが立ち上がる。ブートキャンプで男子生徒に野次られて転倒したキャロルも立ち上がり、光速エンジン実験で墜落したキャロルも‥全時代で男に舐められて男にバカにされた全てのキャロルが同時に立ち上がる!
記憶が混線し「男に敗北ばかりしてきた過去」という記憶は不完全なもので実際には「一度敗北するが、その全てでキャロルは立ち上がった」それがキャロルだったのだ。
キャロルは四次元キューブからパワーを得る遥か以前からヒーローだったのだ。
彼女の本質が目覚め、しょうもない男達を討つ。ここは「アベンジャーズ」でのアッセンブルや、ガーディアンズの「手を取って」と同じくらい感動した。
‥いや、これは覚醒というよりも、ただ思い出しただけ。
キャロルはただ過去の自分を思い出しただけで超新星爆発レベルのパワーを手にした。
偉そうに「感情を抑えろ」と言っていたヨン・ロッグはこれを恐れて抑え込んでいたのだ。
別に俺はフェミニストでも何でもないがマイノリティ‥貧乏な中年独身男性という社会的地位の低い者として「キャロルがんばれ!偉そうな奴らをやっつけろ!」と、東映まんが祭りを観る幼児のように応援できた。
真の力に目覚めたキャロルにとって、今まで一度も勝てなかった師匠ヨン・ロッグなど、もはや敵ではなかった。パワーでは勝ち目が無いことを悟ったヨン・ロッグは銃を捨て、キャロルに勝っている格闘技戦を持ちかける。
ヨン・ロッグ「スーパーパワーなんて捨てて、かかってこい!キャロル」
かつてキャロルを抑え込めていた時のように「男らしい公平さ」を演出するヨン・ロッグ。
しかしキャロルにとって「(彼に都合のいい)男らしい公平さを持った戦い」など何の価値もない。キャロルは「レイダース」のインディ・ジョーンズよろしく、ヨン・ロッグを普通にフォトンブラストで吹き飛ばす。そして僕が最も好きな勝ち方「惨めに生きながらえさせる」でもってヨン・ロッグを宇宙に送り返す。
このヨン・ロッグ。ここまで「情けない男」ヴィランは珍しくて、それを大物イケメンのジュード・ロウがやってるのでかなりいいですね。多分だけど本作観ずに批評サイトを荒らしてた人ってこのヨンロッグみたいな人‥って印象だからヨンをぶっ飛ばしつつ大ヒットしてるのがかなり爽快感ありますな。MCUヴィランでもかなりポイント高い名ヴィランだわ。
※追記:台本の段階では、この宇宙に送り返されたヨンログ「マイティ・ソー:バトルロイヤル」のサカールに到着するというオチだったらしい。ということは当然、剣闘士となって「ヨンログがキャロルとやりたがっていた『男らしい果たし合い』をさせられる。死ぬまで」って事だろうから、これはこれで最高のオチだと言える。
そういえばヨン・ロッグは事前にロナン艦隊を呼んでいた。ロナンは地球を爆撃する。このままでは地球は終わりだ。だが覚醒したキャロルはギュネイ・ガスのように弾頭を全て撃ち落とす。そしてそのまま「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」一作目で、〈ガーディアンズ+ヨンドゥのラヴェジャーズ+ノヴァ軍〉が苦戦したりノヴァ軍戦闘機数万機が全滅させられたロナン宇宙戦艦を生身で3秒で撃墜した。
今まで「キャプテンマーベルはMARVEL最強!」などと宣伝されても「キャプテン・マーベルは強いけど、せいぜいソーくらいの強さじゃない?」と思ってたけど、こんなに強かったとは‥。テッセラクト(スペース・ストーン)と同じくらいのパワーを持ってるのかな?
ガーディアンズの時のロナン戦艦はロナンがパワー・ストーンを所有してたから今より強かったのかもしれんが、それにしても巨大戦艦を豆腐みたいにぶっ壊すんだから超強いのは間違いない。何かもうガンダムより強い。
アクション少なめの本作だったが、まるで過去の原作コミックのようにパワハラによって改鼠させられてた記憶や名前を跳ね除けて記憶を取り戻したら数千倍強くなって全て殲滅するという真ゲッターロボ的なダイナミックな終盤は感動したし気落ち良かった。
ついでに猫のグースも大人グルートより強かったし。キャロルだけで長文になってしまい書く暇なかったがフューリーやマリア・ランボーも大活躍してたし。
「悪い男の言いなりになっていた自信のないクリー人女性ヴァースは、無限のコズミックパワーを得た強い地球人女性キャロル・ダンヴァースだった」「悪の異星人スクラルは居場所を求めて彷徨う善良な異星人だった」「悪の帝国スクラルを叩くクリーのスターフォースは侵略者だった」「頼もしい武人である師ヨン・ロッグは只の情けないパワハラ親父だった」「ヴァースの上司である全知全能シュプリームインテリジェンスと、キャロルが尊敬したマー・ヴェルは見た目が同じ」「カワイイ猫ちゃんグースはめちゃくちゃ恐ろしい宇宙生物だった」「勇猛な悲劇によって失われたと思わされてたフューリーの失明は間抜けな理由だった」などなど‥、本作は「ツイン・ピークス」風に言うなら「フクロウはフクロウではない」つまり「人は見た目とは違う」というテーマをはらんでいた。まったく素晴らしいね。。
観る前は全く期待してなかったタロスも凄く魅力的だった。再登場して欲しい。
逆にスターフォースはかなりガッカリだったな。ヨン・ロッグは「情けない酷い男」としてネガティブ方向に大活躍して良いヴィランだったが他の隊員‥、特にジェンマ・チャン好きなのでミン・エルヴァには期待してたがどうでもいい役だったね(ドクターになって再登場できなさそうだしX-MENリブートでサイロック役やってほしい)。再登場したロナンやコラスも、別に彼らじゃなくてもいいようなキャラだったし。
さっき言ったようにヘンテコな90年代選曲も良かった。同じように懐メロを流したガーディアンズの曲は、自分が生まれるか生まれてないか頃の曲だったのでピンとこなかったが、本作の90年代楽曲は、ニルヴァーナ1stはよく聴いてたし他の曲は持ってなかったが聞き覚えがあるし、懐かしく感じた。80年代ばかりじゃなくて90年代オマージュ映画が今後も増えればいいな。
まぁそんな感じで、僕は本作とキャロルというキャラを凄く気に入りました。
ちなみに「ガーディアンズ」シリーズや「マイティ・ソー:バトルロイヤル」ではジャック・カービーっぽいサイケデリック宇宙だったので、本作は違う感じにするために、それらのサイケデリック宇宙描写を外してリアル寄りにしたらしい。サイケな方が好きだが本作の場合は、幻惑されるよりリアルめな方が「実は地球人だったキャロル」の感触をより味わえるのでこれで良かったんだろう。
とにかく近寄りがたい気高さと美しさを押し出した「ワンダーウーマン」との違いは、キャロルは親しみやすさが強いってとこだろう(このダイアナとキャロルの対比はそのままDCとMARVELの違いとしても見れそう)
アメコミ興味ない只の映画好きも喜びそう。地球に落ちるまでの低いところでずっとドンドン‥と太鼓が鳴ってるかのような妙なテンションは「これ本当にディズニーのMARVEL作品か?」というオフビートな感じでドキドキした。映像も、書庫でグースが映るカットとかカッコいい。今の目で観れば地味なフェイズ1を洗練させた感じ。
人によって評価が大きく違いそうだけど僕はめちゃくちゃ好きだった。
「本作とガーディアンズ一作目、どちらかがMCU全作の中で一番好き」ってくらい好きだ。観たばかりだし今はこれが一番面白いってことにしとこう。

 

 

 

そういえば本作での故スタン・リーのカメオ出演はスタン・リー本人がケビン・スミスの映画「モール・ラッツ (1995)」にカメオ出演するために台本を読んでいるところだったらしい。つまり本作のスタン・リーは90年代のスタン・リー本人を演じてたんだね。台本の表紙とか見てなかった。帰ってネット記事読んで知った。
本作が発表された時に「ミズ・マーベル」の布石として「カマラちゃんがTVでキャロルの活躍見て憧れる場面があるに違いない」と期待したが舞台が90年代なのとモニカ・ランボーが出たから無いなと思った。だからカマラちゃんは当分先みたいだが、このMCU版キャロルさん、めちゃくちゃ気に入ったから当分はキャロルだけ見ていたい。
次は、来月の「アベンジャーズ/エンドゲーム (2019)」か。
一作目「アイアンマン (2008)」から「アベンジャーズ/エンドゲーム (2019)」までの22作品までの展開に「インフィニティ・サーガ」という名称が付いた。
エンドゲーム楽しみだ

 

 

 

そんな感じでした

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「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー (2014)」この一ヶ月間くらい何度も観てるうち物凄い好きになった🦝 - gock221B

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス (2017)」誰もが欲しがる凄い血統や権力を自ら断ち切る偉大なヒーロー🦝 - gock221B

「アントマン&ワスプ (2018)」終盤、戦闘はもういいから量子の世界もっと見せろ!と思った🐜🐝 - gock221B

「インクレディブル・ハルク (2008)」10年ぶりに観てみたら知らないおじさんが大暴れしてました🔋 - gock221B

「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー (2014)」MCUで一番何回も観返してるのはこれ👱 - gock221B

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Captain Marvel (Movie, 2019) Trailer, Release Date, Cast, Poster | Marvel

Captain Marvel (2019) - IMDb

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キャプテン・マーベル (ShoPro Books)

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