gock221B

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「ザ・サイレンス 闇のハンター (2019)」納得いかない行動が多いクワイエット・プレイス👄👆

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原題:The Silence 監督:ジョン・R・レオネッティ 原作:ティム・レボン
配信:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:90分

 

 

ジェームズ・ワン制作ホラーの中でもベスト3に入るくらい面白い「アナベル 死霊館の人形 (2014)」の監督レオネッティ氏によるSFホラー(ついでに言うとアナベル2作目「アナベル 死霊人形の誕生 (2017)」は一番面白くない)。同名の未翻訳SFホラー小説が原作。
主人公は、耳が不自由な女子高生アリー。演じてるのはエマ・ワトソンっぽい正統派な顔立ちのキーナン・シプカ(観てないけどNetflix制作のダーク版「サブリナ」のサブリナ役の子)、この女優の子本人がどんな人物なのかは知らんが、めっちゃいじめっ子っぽい雰囲気のスクールカースト最上位っぽい子って印象。
アリーの父親役はスタンリー・トゥッチマーク・ストロングから油分を抜いた感じの俳優。「キャプテン・アメリカ ファーストアベンジャー (2011)」のアースキン博士だった人。
音を感知して襲ってくる飛行生物が現れて混沌とする中を、耳が聞こえない少女とその家族が逃げる‥というハイ・コンセプト(=映画の内容をひと言で表現できる分かりやすい企画)映画。「ドント・ブリーズ(2016)」 「クワイエット・プレイス (2018)」 「バード・ボックス (2018)」など、近年多い「五感封じホラー」の一本でもある。
最初から最後まで完全にネタバレあり

 

 

何百年間も地下を塞いでいた岩石を破壊したら出現した、翼のある古代生物の群れ。
このモンスターは「蜂のように群れて行動」するところから〈ベスプ〉と呼ばれるようになった。視力がなく音に敏感で人を襲うが、音以外の感覚は無い。
見た目的には目のないドラゴンの赤ちゃんって感じ。
TVニュースでは「音を感知して襲ってくるので家の窓を閉めて静かにしててください」と注意喚起。
ストップした地下鉄内では泣き出した赤ちゃんを抱いた母親が地下鉄から追い出され、トンネル内を歩いてると赤ちゃんが泣いて母子は食い殺された。そういう厳しい状況。さあ物語の準備は万端だ。
アリーの一家と、隣に住むアリー父の親友‥正義感と腕っぷしの強いグレンおじさんは「都会は危ない」と言い出して音の出る車に乗って北の田舎へと当てもなく移動‥。
最後まで観ると結果的には、これで正解だったんだけど、この時点では家に籠もってる方が安全なので「アホか」としか思えない。
パパは家に居るべきだと言うのだが、グレンおじさんは「こんな大変な状況でじっとしてられるか」と言い(?)、アリーは「都会が危ない」と言う(?)。どちらもよく意味がわからん。グレンは「人助けしたい」という意味でアリーは「都会は人が多いから音がしてベスプが集まる」って事か?理由を言ってほしい。正直、アリー父の具体的な籠城案よりもグレンおじさんとアリーの外出案は説得力にかけるので観てて乗れないものがある。まだ序盤なのに既に乗れないというのはキツい。
道中、アリーが犬にオシッコさせるために外に出たら速攻、暴徒に襲われかけるが武闘派グレンおじさんが助けてくれる。
道路は渋滞してるので二台の車は山道を走っている。
アリーの弟は、強くて大好きなグレンおじさんのクルマに乗ってたのだが、さしたる理由もなくアリー一家のクルマに乗り換える。
 ※しおり🔖
鹿が飛び出してきて驚いたグレンおじさんの車は道路からはみ出てしまい坂道を落下して横転。
グレンおじさん「ぐわあああああああ!
グレンおじさんは軽傷のようだが身体が車体の下敷きになって脱出できない。
アリー父が助けようとするが素人では無理‥グレンおじさんは「銃を渡してくれ」と言うので素直に渡したらグレンは「今すぐ俺を置いて行かないと撃つぞ」と言う、アリー父は「わかった、出発するがその代りどこかで工具を見つけて戻ってくる!」と言う。
車に踊るとアリーが連れてきた愛犬がワンワン吠えてベスプが車を襲ってくる。
ベスプをおびき寄せるためグレンおじさんは銃を乱射して自己犠牲。
さらばグレンおじさん!
前半、パパが「親友になる切っ掛けとなった少年時代のグレンの勇ましさ」など丁寧に語っていたのがフリとなって何とも言えない面白い雰囲気だ。そして「あっ!アリーの弟が理由もなくグレンおじさんのクルマ降りたのはグレン車が横転する未来を予知したからか!?」と気付いてめっちゃ笑った。
それにしてもグレンおじさんの間抜けな横転だが「鹿にビックリ」という間抜けなものじゃなくて「この山あたりからベスプの数が増えてきてたのでベスプに襲われて横転」でええやん。それなら直後のアリー家が決断する「クルマを捨てて徒歩で移動する」という無謀な行動にも説得力が生まれたんじゃないの。そもそも鹿にビックリしたらブレーキを踏めよという気もする。
グレンおじさんの悲しい自己犠牲でベスプがグレン車に集まってるスキにぶっ飛ばして逃げればいいのに何故かその場に留まってるアリー車。犬は相変わらず吠え続けているしグレンの自己犠牲は全くの無駄だったな。アリー父は仕方なく吠えやまない愛犬をスリーパーホールドで絞める。スローモーションで。
アントニオ猪木は「国会に卍固め」と言ってたが「愛犬にスリーパーホールド」とは‥。
完全に極まった裸絞めは決して外す事は出来ない
🐶「クーン‥(僕まだ生きていたいよ‥どうしてこんなことするの‥)」
ワンちゃんは即死した。死んだので車外に捨てた。
‥というか最初から今までずっっとイライラする展開だなぁ。だから「家でじっとしてろ」ってTVで言ってたやん。登場人物全員アホなので腹たってきた。
さっきまでは平気だったが、もはや車のエンジン音にどうしてもベスプが集まってきてしまうので自動車はここに捨てて行くらしい。一家は「私達は手話を習得してるから静かに会話しながら移動できる」という事で、徒歩で北へ進む。
だが病弱なおばあちゃんが速攻でダウン。そりゃそうなるだろ。
そもそもベスプの体当たりでは車の窓ヒビが入りはするが、ただちには割れないんだから窓を無敵のダクトテープで強化して車をぶっ飛ばせばいけるんじゃないか?(アメリカ映画のダクトテープはヴィブラニウム並の強靭さを誇る)
そもそも「あるかどうかわからん安全地帯を目指して徒歩で北に向かう」という計画が無理ある。(さっきから言うように実は結果的にはこれで合ってるんだけど)ここまでにわかった情報からしたら俺だったら窓を無敵のダクトテープで強化して自宅まで車をぶっ飛ばすよね。
まだ第一幕が終わった辺りだが納得いかない事が多く、本作を真剣に観る気は完全に失せた。
せめて「暴徒に家が襲われたり街がベスプの巣になって危険すぎるから出発せざるを得なかった」「そして北に避難所があると報道してたのでどうしても北上するしか無い」みたいな明確な理由が欲しかった。

 

 

一家が徒歩で移動してると他人の土地に入ってしまったようで、そこの家のババアが銃持って出てきて「私の土地から出て行けぇ!」と絶叫。「このババア、屋外で絶叫するってアホなん?」と思うと同時にベスプの群に襲われる。
ババア「ひゃいいいいいいいいい!
井戸に落ちて即死。死体を片付ける手間が省けた!(時短)。
狂ったババア死んだし、ババアの豪勢な家に籠城する事にした一家。
だがママが家に入る前にベスプに脚を噛まれ、未知のウイルスで悪化。
家に残ったアリーの彼氏ロブも何があったかわからんがピンチ、両親は即死したらしい。どうやら「家に残る」という俺のアイデアは間違いだったようだ。だが「何故、街に残るのが駄目なのか」を説明しないので納得はまだ出来ない。アリーが見るニュースによると街では「ミスト」みたいに狂った暴徒が暴れてるから、それでか?この世で最も最悪な状況「牧村家襲撃」が起き、罪のない善良な人々は虐殺されてるという事か?すべて推測するしかない。
ママの傷を治すには抗生物質が必要。
アリーとパパが薬局へ行く。薬局はベスプの巣になってたが火災報知器を作動させて悠々自適に抗生物質をGET。観てるこっちが納得できる行動を取ってくれた。
その後、カルト教団に目をつけられアリーが狙われる。家にも訪ねてくる。
その都度、追い返すのだが夜、ついにカルト教団の強襲に遭う。
この時、舌を抜かれた少女が来たので仕方なく家に入れたら「少女の身体じゅうに巻きつけられたスマホが一斉に鳴って屋外のベスプを呼び寄せる」という、教団の人間ベスプ爆弾作戦は狡猾で面白かった。無力な少女が訪ねてきたから入れないわけにもいかないし。
混乱に乗じて侵入してアリーをさらおうとするカルト教団とアリー家族との死闘が始まった。
こういう映画のクライマックスでは、不利な状況からトンチで逆転しがちだがアリー家は奇策なしに普通に真正面からパワー系でぶっ殺す。おばあちゃんの自己犠牲はあったもののママや少年であるアリーの弟もカルト信者を普通に鎌や槍でブッ刺してブチ殺すので気持ちいい。
アリーはネットで「ベスプは極端な寒さが苦手」「北極圏にいる人たちは生き残ってる」「そこにはまともな人が集まって報道している」などの情報をGET。これには、さすがの俺も北上が正解だと納得せざるを得ない。だがもう物語は終わりだ。もっと早くに納得させて欲しかった。
北の避難所に無事到着したアリー達。彼氏のロブも合流できたハッピーエンド。
「寒さに弱いベスプが寒さに適応する時が来るかもしれない。進化して生き残るのは人類か?ベスプか?向上心を持って人間同士協力すればベスプより先に環境に適応し、生き残れるだろう」という感じで終了。まぁラストはこれでいい。

 


という感じで、終盤は良かったんだけど、そこに至るまでの前半と中盤が、登場人物が全員アホにしか見えず入っていけなかった。
せめて「北上すべき理由」「家に残ってたら危ない理由」のどちらかでも最初に示して視聴者に納得させてから行動してほしかった。
いや弱点が最初にわかったら緊張感なくなるから「街では暴徒が物資の奪い合いがあって危険」とか「ベスプは熱を好むから街にウジャウジャいる」とかで、どうしても街を出なきゃいけない理由を提示してくれたらもう少し普通に観れたのでは。
主人公たちのよくわからない行動は結果的に正解だったが、理由がわからないので後半までずっと「なんで?」「なんで?」「なんで?」と思ってる間に終わってあまり楽しめなかった。納得できてないので誰か死んでも「あ、おかしな事してる奴の人生が即死で終わった」と無表情で思うだけで悲しんだり感動する余地がなかった。
終盤は行動の理由が示されたり頭脳がアホじゃなくなったので普通に楽しめた。
だが主人公の「耳が聴こえない」という設定も大して生きてなかったし全体的に「クワイエット・プレイス」に負けてた。「クワイエット・プレイス」の感想の時に「まぁまぁだな」みたいな偉そうな感想を書いた気がするが、本作を観た今となっては「クワイエット・プレイスは傑作だったのでは?」と「クワイエット・プレイス」の評価が上がる結果となった。もうこの際だから「盲目&耳も聞こえず&喋れない」くらい盛って「五感を封じれば封じるほどベスプから身を隠せる、又は第六感でベスプを察知できる」みたいな設定にして「ハンディキャップ持ちのアリーの方が優位!ベスプが蔓延した世界では健常者よりも障碍者アリーの方が自由度が高いのだ!」みたいな内容にすべきだったかも。それにしても「アナベル 死霊館の人形」は傑作だったので本作も期待して観たんだけど、かなりガッカリ。

 

 

そんな感じでした

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ザ・サイレンス 闇のハンター | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

The Silence (2019) - IMDb

The Silence (English Edition)

The Silence (English Edition)

 
Silence

Silence

 

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