gock221B

映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「スパイダーマン:スパイダーバース (2018)」情報量多くて疲れたが傑作でしょう。キャラはプラウラーとグウェンが特に良かったです🕷

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原題:Spider-Man: Into the Spider-Verse 脚本:フィル・ロード
監督: ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
製作: アヴィ・アラッドフィル・ロードクリストファー・ミラー
製作国:アメリカ 上映時間:117分

 

 

 

🕷アメリカ本国で大ヒット&高評価。ゴールデングローブ賞・長編アニメーション賞や、なんとアカデミー賞・長編アニメーション賞までも受賞!そしてアメリカ本国ではBlu-rayが発売されようという頃やっと日本公開された。
近所に映画館3つあるので、どれかでやるだろうと思ってたらやらなかったので機を逃しレンタルでやっと観た(ソニピクのアニメ長編映画が日本で大ヒットした実績がなかったので公開館が少なかったんだろう‥というところまで気が回らなかった)。
今まで撮った映画が全て面白くて大ヒットしているフィル・ロードクリストファー・ミラーは「ハン・ソロスター・ウォーズ・ストーリー」の監督をしてたがクビになった(ディズニーSW陣が面白い監督をクビにして、何でも言うこときく職人監督に半分以上撮り直させるのはもう風物詩になった)。その後フィル&ミラーが制作&脚本で手掛けた本作は大ヒット&アカデミー賞。一方「ハン・ソロ」は大コケ‥というディズニーSW陣の判断が間違っていた証をまた新たに一つ増やした本作。

🕷様々な平行世界のスパイダーマン‥過去の各種コミック、映画、アニメ、ゲーム、日本の特撮や漫画、お菓子の広告‥などで描かれたありとあらゆるスパイダーマンが集結して悪と戦い邦訳もされて東映スパイダーマンや巨大ロボ・レオパルドンが出たことで日本でも話題になった「スパイダーバース」が元ネタ。
いや、本作の前にキッズ向けアニメ「アルティメット スパイダーマン (2012-2016)」内でも4週に渡って「スパイダーバース編」が繰り広げられ、本作の「異なる次元から来たスパイダーマンは一人ひとり、描かれ方が違う」という要素を先取りしていた(たとえば本作にも一瞬出てきたスパイダーマン2099は一人だけCGで描かれていた)。これキッズ向けすぎるので観てなかったが、このスパイダーバース編の4話だけは観てた。
主人公マイルズ君が要る基本の世界の原作コミック「アルティメット・スパイダーマン」とかアルティメット・ユニバース、それと各種スパイダーマンの元ネタとかは面倒くさいので書かない。もうとっくに詳しいサイトがいっぱいあるだろう。それとCGの上から全部手書きを重ねて作った‥等の本作の素晴らしいアニメーション技術や、日本人アニメーターも大量に参加してる事とか、そういうアニメーションの専門的な事も大して詳しくないので省略して、お話の感想だけ書くことにする。ただメインのデザイナーの人?その人が「ラブ、デス&ロボット (2019)」でも1話手掛けてて素晴らしかったけど、本当に素晴らしかった。そもそもアートディレクター?のAlberto Mielgoによる本作のアニメーション、アクションする以前に何もしてなくても、もう街に落ちてるゴミすらカッコいい。あとサントラが素晴らしい、映画は今やっと観たんだがサントラは公開前に既に買って聴いてた。
ネタバレあり

 

 🕷🕷🕷🕷🕷🕷

 

※このブロックは感想じゃなくあらすじをまとめて俺が反芻してるだけなので次の空白まで飛ばしてOK
ニューヨーク・ブルックリン。名門私立校に通う13歳黒人の男子中学生〈マイルズ・モラレス〉。教育熱心な警官の父〈ジェファーソン・デイヴィス〉の過干渉を若干うとましく感じながらカッコいい叔父さん〈アーロン・デイヴィス〉を慕っていた。
彼は放射能蜘蛛に噛まれてスーパーパワーを得て、憧れの〈スパイダーマン/ピーター・パーカー〉の死を間近で目撃してしまう。
スパイダーマンを殺害したのは、街を裏で牛耳る実業家〈キングピン/ウィルソン・フィスク〉。
キングピンは現世では事故死してしまった愛する妻子を、時空を歪める事によって〈マルチ・ユニバース(平行世界)〉から呼び戻そうとした。しかしブラックホールが生じる事を危惧したスパイダーマンは実験を阻止しようとして殺されたのだ。スパイダーマンはマイルズに後のことを託して息絶えた。
スパイダーマンの死を悲しむ恋人MJ、メイおばさん、そしてNY市民たち。
しかしパワーを持て余していたマイルズの前に中年男性〈スパイダーマン/ピーター・B・パーカー〉が現れる。彼は平行世界から来た別のピーターだった。
マイルズはピーターBと共にキングピンの野望を打ち砕き時空の歪みを修復するため動き出した。そしてマイルズはピーターBを師として真のスパイダーマンを目指す。
更に他のユニバースからも、それぞれ別のスパイダーマン達が現れる。
女子中学生〈スパイダーウーマン/グウェン・ステーシー〉。色の無い1930年代ハードボイルド世界から来た〈スパイダーマンノワール/ピーター・パーカー〉。ジャパニメーションのような世界から来た女子高生とロボット〈ペニー・パーカーとSP//DER〉。カートゥーンのような世界から来た豚〈スパイダーハム/ピーター・ポーカー〉‥などが集まった。
彼らは皆、蜘蛛によってスーパーパワーを得て愛する者を失い、この世界にやってきた。別のユニバースから来た彼らは元の世界に帰らないと身体の分子が砕けて死んでしまう。
マイルズは彼ら彼女らスパイダー達と力を合わせ、キングピンの計画を阻止しマルチ・ユニバースを元に戻すため闘う――
というお話。

 

 

 

🕷マイルズ君がスパイダーマンになってピーターBに師事して挫折して覚醒して団結して勝利するというオリジン。そしてマイルズくんと父や叔父とのファミリードラマ。平行世界のスパイダーマン/スパイダーウーマンが集まって問題を解決するスパイダーバース展開。それが同時に詰め込まれており、スパイダーマンヴィランが6人も出てくる。
凄く面白いので構わないんだけどハッキリ言って情報過多。MCUで言うと、いきなり「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」から始まるようなもんで、ぐいんぐいん動く素晴らしいアニメーションも今までに観たことない画期的なものだし、おまけに全編スパイダーマンの小ネタがビッシリと詰め込まれている。情報量が多すぎて、観終わる頃には正直ぐったり疲れた。―たとえばマイルズ君がスマホでアドレスをスワイプしてたら「あっベンディス(有名な原作者)の連絡先や!」とか一事が万事そんな調子で疲れる。そもそもAlberto Mielgo氏を始めとするアニメーの人達による画面が毎秒カッコ良すぎる。「街を歩いてるだけ」等のどうでもいいシーンでは気を抜きたいのだが、それらもずっとカッコいいし背景のビルなどのどうでもいい背景までも全てカッコいいので凄く疲れた。射精orオーガズムだけ続くSEXみたいなもんで観てるとしんどい。もう少しどうでもいいシーンやカットで気を抜かせて欲しい。
あと、このアートディレクターの人が付けるSEなどの音がめちゃくちゃカッコいい。

🕷マイルズとピーターB以外のキャラでは、まずグウェンが良かった(そして彼女のツーブロックは原作よりカッコいい)、次にペニーやノワールや豚‥という感じで、マイルズ君も勿論好きなんだけど本作での彼はトムホ版スパイディー以上の未熟スパイディーなので若干イライラする。初めてスパイダーマン観る人にはいいだろうが、こちとらスパイダーマンのオリジンいっぱい観てきてるので今更スパイダーマンの2時間かけたオリジンを改めて観たくない‥むしろマイルズ以外のベテランのスパイダーマン達の方が観たかった。
特にスパイダー・グウェンは実写長編映画だろうがアニメだろうが何時でも主役張れる人気キャラだし単独作が観たくなった。素のスパイダーマン自体がそもそも何十年間ずっとオシャレなデザインのヒーローなんだが、スパイダーグウェンもまたMARVELトップレベルのクールかつセクシーなデザインだね(水色の靴が差し色になってて死ぬほどオシャレ)。ピーターやマイルズと違って、マスク取ってグウェン素顔丸出し状態でもカッコいい。ところで原作の作中ではスパイダーグウェンと呼ばれていない(正体ばれるからね)だから最近「このキャラの正式名称は『ゴースト・スパイダー』です」とか宣言してたけど「別にゴーストってイメージではないなぁ」とピンと来なかったけど本作中でも「スパイダー・ウーマン」と自称してたしオモチャなどの商品名では「スパイダー・グウェン」になってるしで「ゴースト・スパイダー」は定着しないまま消えそうだよね(「スパイダーウーマン」は正史世界にもう居るし)。
マイルズやピーターB、グウェン、父と叔父さん等メインキャラの魅力は勿論、他のスパイダーたち‥ペニー、ノワール、ハムなどのスパイダーズは出演時間がかなり短いチョイ役なんだけど、それぞれに魅力がありすぎて、もっと活躍や背景が観たくなるが、そうするとマイルズとピーターBや叔父さん父親などのドラマが薄れるからそれは出来ない、と少しもったいない気持ちにもなった。出演時間が少ない中でペニーは「メカが得意。ロボがやられるが生身でヴィランを打倒。父の形見であるロボとの別れ」、ノワールは「ルービックキューブを色のない世界に持ち帰る」、ハムは「カートゥーン世界の物理法則を無視した戦闘力」などを短い時間で見せていた。

🕷ヴィランは大勢いるが、キングピンとプラウラーが主なヴィラン
キングピンは、まず何のスーパーパワーも持ってないのにスパイダーマンと張り合えるパワー。そして「デアデビル ラブ&ウォー」の時を思わせるディフォルメの効いたデカい身体や、妻の事をずっと考えているところなどが良かった。辛い過去を受け入れて前へ進んでいるスパイダーマン達と違って、常に過去に縛られており世界を歪めてまでも妻子を取り戻そうとする、等のネガティブさが見事なヴィラン。妻ヴァネッサと息子の事だけは愛していて頭が上がらない彼だが「平行次元から連れてくる」というのも平行次元の妻子の気持ちお構いなしだし自分本位な彼の本性がよく現れている。そして「キングピンの本性を見たヴァネッサと息子が呆れて去っていってしまう」という「100%キングピンの自業自得」という天丼も見事。だけど多くの我々の中にもキングピンのような部分があると思う。
そして何と言ってもプラウラーの魅力がデカすぎるだろう。
ネタバレするけど正体はアーロン叔父さん。まず叔父さんの時点で「何して生計立ててるのかよくわからないけど、兄みたいに話が合って不良っぽくて(真面目な父とは違い)グラフィティなどの違法サブカルチャーにも通じていて『自分自身を開放しろ』などと自分の言って欲しい事を言ってくれる」‥という、十代にとって最も魅力的で着け回したいオッサン。ルックスや部屋もカッコいい。だがその正体はキングピンに仕えるヴィランプラウラーだった。「アーロン叔父さんの自由でカッコいい暮らしはクソ野郎の奴隷をする事によって得られていた」という辛い現実を目の当たりにさせられたマイルズ。このプラウラーの魅力がデカい。原作には昔から居たようだが90年代にトッド・マクファーレンが描いたプラウラーがめっちゃカッコよかった(多分スポーンの元となったキャラだろう)。キングピン同様ほぼ普通の人間なのにスパイダーマンを圧倒するスペック。鉤爪やマントやバイク、そしてプラウラーが動き出すと異常にカッコいいSEが鳴る(ウィンターソルジャー登場時の「キェーン!」という怪鳥音以上にカッコよかった)。ハッキリ言って本作で(表面的に)一番カッコよかったのはプラウラーだった。このアニメ演出の人が得意そうなアダルトなカッコよさ。
プラウラーと言えば本国での声優はマハーシャラ・アリで顔も若干似せてたが、アリはMCUで既に「ルーク・ケイジ」の敵コットンマウスを演じておりフェイズ5「ブレイド」でブレイドを演じる。わずか数年でMARVELキャラを三人も演じるというのが凄い。プラウラーを実写化するなら‥と考えたがよく考えたら「スパイダーマン ホームカミング」でアーロン・デイヴィスは既にドナルド・グローヴァーが演じていた(ピーターが怖い声色で尋問する黒人青年)。ドナルドもプラウラーも好きだから「スパイダーマン:ホーム」シリーズでプラウラー出てきてほしいな。
プラウラーとキングピン以外のヴィランは只の兵隊でしかないので別にどうでもいい(名前ありヴィランがスパイダーズと同じくらい居たのは、恐らくラストバトルでスパイダーズ vs.ヴィランズをもう少したっぷりやりたかったのではないか?)。

🕷そんな感じで情報量が多くて疲れた。本当は各キャラのことを一人ひとり長文で書きたい気持ちもあったが長くなるし疲れるのでやめよう。
だが、これだけ詰め込みすぎてるにも関わらず全く問題なく良い話にまとまってるのが凄い。
お話の構造上「マイルズが主人公で、ピーターとの師事や別れ。キングピンの野望を止める。叔父さんや父との人間ドラマ」というシンプルの話の上に「『スパイダー・バース』という贅沢なトッピング」が乗っかってるに過ぎないので実はそんなに複雑な話じゃない。というか、このストーリー「マイルズがピーターを尊敬しながら彼を失う」‥という、ただの「アルティメット・スパイダーマン」のアニメ化だけでも充分成立するよね。別にマルチ・ユニバースは構造上そこまで重要ではない。
ただ、そのマイルズのオリジンだけでは今まで何十回も観た話と同じで弱いのでスパイダーバース展開を乗っけたのかも知れない(実際マイルズが精神的に挫折するくだりは「また、このくだりか‥」と思ってしまった)。
「僕がスパイダーマンである事は明かせないけど僕のことを知ってる人は違う世界にいる=スパイダーマンは僕だけじゃない=なんなら、この映画を観てる君もスパイダーマンになれる」という、本作が言いたそうなポジティブな結論にとっては重要なので、やはりスパイダーバース形式である理由は充分ある(MCUより先に「スパイダーバース」ネタやったれ!というソニピクの思惑もありそうだが)。
マイルズ世界だけでのオリジン作った後、グウェン作品やって、三作目でスパイダーバースやったら最高だっただろうなぁなどと空想したりもしたが後で言うだけなら何とでも言えるのでやめよう。そもそも「ソニピクのスパイダーマンのアニメ映画」って時点で成功するかどうかわかんない代物だったので、そんな三部作構想は無理だっただろうしね。
衝撃的なアニメーションのスタイルが一番の魅力で、あとは多すぎる要素を何とかまとめたストーリー。各キャラの魅力。スタン・リーのメッセージやスタンへのメッセージ‥とかが良かったです。キャラ、個人的にはグウェンとプラウラーが特に良かった。
レオパルドンは次回かな?まぁ出てきたら話題がそればっかりになっちゃうのでレオパルドンが出てくるにしても本作のペニちゃん以下‥30秒くらいの活躍で充分だろう。
本作も傑作だし好きだったが、どっちかというとファーフロムホームの方が好きかな?
マイルズ君も好きな奴なんだが、なんせトムホ版ピーター以上の子供スパイディーのオリジンって事もあって仕方ないんだけど、マイルズ君は終盤まであまりにもドジ過ぎる。しかし他のスパイダー達はベテランなのでマイルズ君以上に有能で魅力的なので「マイルズ君には悪いが他のスパイダーがもっと観たいな」と思ってしまったところもある。
なにしろ「(基本的には)独りで闘うのが基本のスパイダーマン」、その孤高の各世界のスパイダーマンが団結して闘うという、このフォーマットはやはり感動したね。ベタベタと馴れ合うわけではなく一人ひとり自立して立つスパイダーマンが、もたれ掛かり合うわけではなく近い場所に集まり合い全員垂直に力強く林の様に立ち、上から落ちてくる困難を跳ね返す!という形に感動しました。

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そんな感じでした
「スパイダーマン:ホームカミング (2017)」すごく良かったがピーターが私生活で約束を破り続けるのでヒヤヒヤする 🕷 - gock221B
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム (2019)」冒頭からラストまで面白くないところがなく全編面白い!という点ではMCUで一番かも🕷 - gock221B

 

本作のアートディレクターAlberto Mielgo氏が同じような作風で監督した話がある
「ラブ、デス&ロボット (2019)」全18話/全体的に楽しかったがセンスが抜きん出てる三本が特にお気に入り💓💀🤖 - gock221B

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Spider-Man: Into the Spider-Verse (2018) - IMDb

www.youtube.com

books.spaceshower.jp

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