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映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「サスペリア (1977)」いつも困った顔の、か弱い少女と思ってた主人公がイーストウッドやランボー並の尋常じゃない強さで敵を皆殺しに!🔴

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原題:Suspiria 監督&脚本&音楽:ダリオ・アルジェント 脚本:ダリア・ニコロディ
制作総指揮:サルヴァトーレ・アルジェント 制作:クラウディオ・アルジェント
音楽:ゴブリン 製作国:イタリア 上映時間:99分 シリーズ:魔女三部作

 

 

 

本作をリメイクした「サスペリア (2018)」をレンタルしたんだが「そういえばオリジナル観てなかったな」と思ってリメイク観る前にこっちも借りて観た。
※追記:この感想書いた後日にリメイク版「サスペリア (2018)」も観て、良い部分もあったけど90分で終わる話を二時間半に引き伸ばした印象でイマイチだった。感想も面白い感想にならなさそうなので書くのはやめておく。
定番ホラー映画の一本なのにも関わらず、何で観てなかったんだろ。
というかアルジェントの映画ほとんど観てない。たぶん自分はホラー映画には写実的なルックを求めてて、本作はアルジェントのドギツイ色彩のファンタジー感あふれるビジュアルとか作家性がクセありすぎて、そういうのってハマったらたまらないんだろうけど二の足を踏んでたのかもしれん。ジョジョ刃牙や福本漫画や山口貴由を絵柄で敬遠する感じか。
実際観たら面白かった!
本作の後作られた「インフェルノ (1980)」「サスペリア・テルザ 最後の魔女 (2007)」と合わせて魔女三部作らしい。そういえば「サスペリア・テルザ 最後の魔女」を10年前観たっけ‥めっちゃ面白くて好きな映画だったが何故か他のアルジェント映画一切観てない。いや、本作の続編ではないが続編のように見せかけて内容一切関係ない「サスペリアPART2 (1975)」も観たわ。アルジェントはその2本しか観てない。
40年以上前の映画(!)なのでネタバレありで。。

 

 

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映画が始まると即ゴブリン(プログレのバンド)の曲が流れる。
Suspiria by Goblin on Spotify
名称わかんないけどホイミーみたいな音色のヴンヴンいってる楽器の音がかっこいい。この映画の三分の一はゴブリンの音楽で出来てる印象(残りはアルジェントと主演女優)。ゴブリンは本作と同じく「サスペリアPART2」「フェノミナ」「ゾンビ〈ダリオ・アルジェント監修版〉」などでもサントラを担当してる。
そして如何にもアルジェント如何にもイタリアンホラーって感じで極彩色の画面と、急激なドアップなど、全体的にクセが強い。そ-いうのはあまり好みではなかったがいざ観てみると良いですね。でも、どうせ観るなら思春期の時に観たかった感じの映画。

バレリーナ志望の少女スージージェシカ・ハーパー)は、叔母の紹介でドイツのバレエ学校に入学するためニューヨークから飛行機でやってきた。
空港の中、カメラがスージーの主観視点になって空港の出入り口に近づくとゴブリンの曲が流れる。客観視点に切り替わってスージーを正面から捉えると音楽は止む、また切り返しで主観視点になるとゴブリンが再び流れる。いよいよドアからドイツに足を踏み入れる段になると自動ドアの平開機構が突然ドアップになるので「何や!?」と思うが何も起こらずスージーはただ外に出るだけ。外気がブワアアッと突風となってドラマチックにスージーをなぶる。そして一瞬また自動ドアの平開機構がドアップに!一瞬だけ。直接的な意味はない。どうやら「観ている我々の世界と地続きの普通の世界だった『ドイツ以外の場所』からドイツに入ってきた、この時点でスージーは一度動き出したら止めることの出来ない何かに巻き込まれた。何かが始まりますぞ御期待あれ」という感じを演出してるんだろうと思った。一言でいうとジョジョのゴゴゴ‥みたいな「嫌な予感」ってやつか。だが嫌な予感というものは決して外れはしない、またぞろ出てきて‥酷いことをするのよ。
土砂降りの中、真っ赤なバレエの学園に到着するが入り口では取り乱した女生徒が「秘密よ!」「ドアの陰!」「3つのアイリス!」「青を回して‥!」そんな感じのことを何者かに伝えて雨の中を走り去っていく。異様な迫真の雰囲気。スージーは入れてもらえないので後日出直す事にした。
謎のキーワードを叫んで走り去った女生徒は友人の家に泊まるが、毛むくじゃらの腕を持った何者かによって友人ともども惨殺される。その過程で、美人の女生徒が毛むくじゃらの腕によって窓ガラスに押し付けられて不細工になった顔がアップになる、何だか「美しい顔を変形させたい」ってフェティシズムを感じさせる。
翌日、改めて学園に迎え入れられたスージー、学園には理事長代理のマダム、女性教師、盲導犬に引かれる盲目のピアニスト、ルーマニア人の下男、マダムの甥の少年、学費稼ぎのため住み込みで雑用をこなす爽やか美少年、そして多くの女生徒がいた。
登場人物たちは殆ど美形だし学園の内装や美術も綺羅びやかで、日本の70年代の少女漫画っぽいなと思った。
用務員?のオバサンと理事長代理の甥がいつも一緒に居て、常に無表情でスージーを眺めてる様とか「ツイン・ピークス」の〈トレモンド夫人と孫〉を思わせる。
スージーは薄気味悪さを感じながら日に日に意識が朦朧とし体調が悪化していく、また学園に蛆虫が大量発生、画作りが美しいのと「美少女と蟲」という幻想的なムードで、蛆虫が何千匹と出てきても不思議とキモさは感じない「何だか炊きたてのお米にも見える‥」と感じたが翌日の飯が不味くなりそうなので俺は考えるのをやめた。あと深夜に聞こえる謎の足音や学友の失踪。盲目のピアニストの盲導犬が学園の瘴気に感応してか学園長の孫を噛んだりピアニストを喰い殺したり(このピアニストが食い殺される人っ子一人居ない深夜の広場がめっちゃカッコいい)。
そんなボンヤリした怪異が次々と起こる。
そういった感じで映画は進むが「サスペリアは魔女の映画」っていう認識を忘れて観ていた俺は「カッコいいけどコレどういうホラー映画だっけ?サスペリアPART2みたいな殺人事件?それとも霊的な映画?」とよく把握できなかったため、また主人公のスージー同様ワイン‥いや葡萄酒を飲みながら観てたのでスージーとシンクロして幻想的だがよくわからない世界を「面白いのか面白くないのかよくわかんないけど何らかの面白さを魅せられてるな‥」とボンヤリと堪能しているうちに眠くなってきた。映画館で観たら徐々に眠くなりながら有意義な時間を過ごせそうだなと思った。寝ながら観てこそ面白い映画とかありますよね。友達とか恋人の家で深夜、映画観てる間にウトウトして「寝た?」「寝てない」をお互い言い合ってるうちに寝たりするのも最高ですよね。正直それこそ人生。そもそも我々日本人‥ヒューマンは別の意味で寝ながら生きてるようなものだし‥とかそんなことを言ったりして‥。どうでもいい。。

 

 


レッスン中、体調不良で倒れたスージーが、理事長などのオバサン達に囲まれ「失った血液をつくらなければ!」とか言われてクソデカい水差しで大量の水を飲まされる。このスージーを囲む三人のオバサンを見て「あ、これって『マクベス』『イーストウィックの魔女たち』『ロード・オブ・セイラム』とかに出てくる〈三人の魔女〉もの映画か?」と思い、「そうだ『サスペリア・テルザ 最後の魔女』も魔女の映画だったから、これもそうか」といったボンヤリした認識によって本作が「魔女の映画」だと思い出した。
魔女とか現代魔術とかウィッカとか‥ボンヤリと興味はあるが勉強したり実践してみようと思うほど興味があるわけではないので全く知識ゼロなのだが、魔女が出てくる映画は何となくカッコいいので好きだ。こんな知識ゼロのボンヤリとした感想で良いのでしょうか‥?僕はそれが一番いいと思っています。ジュリエッタ‥。
そしてスージーが学園の秘密を探る場面があり友人の青年(ウド・キアー)や心理学の教授が魔女や学園のことを喋りまくる。わかりにくいと思って唐突に差し込まれた説明パートだ。とにかく魔女の映画だとわかると目的地がわかった感じになって少し目の前の霧が晴れた。
それにしても困り顔の顔文字みたいな表情で「がぼがぼ (>o<:)」と水をがぶ飲みされるスージーが可愛くて、この辺で俺はやっと全編、困った顔して華奢な身体でウロチョロしてるスージーの魅力に気付き始めた。
そもそも普段観てるものの殆どはアメリカ映画やドラマで、それらの主人公は中年男性や中年女性だし(アベンジャーズの加齢率の高さを見よ)たまに若い女性主人公が出てきたとしても、それはセクハラ・パワハラに対抗したり「女性の躍進」などといった何らかの役割を持って出てくることが多い。そして彼女たちは筋トレしてバキバキの身体だったり、逆に「ありのままの自分」を表現するためムチムチした体型の女性が出てくることが多い。それはそれで良いことだと思ってるが、それだけにこのスージーみたいに華奢な身体や童顔の美少女が、特に何も主張せず「何だか大変‥」とばかりに左から右へ、右から左へとウロウロしてるだけの本作が逆に新鮮だった。「こんなか弱い女性キャラ、今出てこないもんね」と思った(だが最後まで観たらクソ強かったので驚いた)。
かと思えば色々しんどい目に遇ってカットが変わるとオモムロに煙草を「ふ~‥」と吸ってたのがめっちゃ可笑しかった。この当時は皆煙草を吸ってたの知ってるが今の俺は2019年を生きてる男なので、華奢な美少女がカット変わった瞬間にオッサンみたいに煙草をふかしてる姿はコントみたいに見えた。
次々と殺人が起こる中、スージーは学校に魔女が棲んでいる事を突き止める。
冒頭の学園に着いた夜、学園から走り去って惨殺された女生徒が呟いてたヒントを頼りに隠し扉を見つける。しかしスージーも、全く意味のわからん単語の羅列をよく覚えてたな。そういえば劇中でも観客に忘れさせないように2、3回思い出して印象づけてたな。だが誰も覚えようという気にならない感じだったし、実際出てきても「そうだったのか!」という感じではなく「‥そうなの?」という感じ。「よくわからないけど君の好きなようにしてくれよ‥応援するからさ‥」などという俺の好意的な態度の前でスージーは真相に近づいていく。
扉を開けてカッコいい暗い廊下を進むスージー。途中、用務員のオバチャン達が生肉をさばいてはしゃいでるシーンが挟み込まれる(ヨーロッパ映画でこういう生肉とか裸が出てきたら妙にアートな雰囲気を感じるのは何なんでしょう)。
「スージーが真相に近づいてる」という展開がそっくりそのまま可視化されていて、しかも殆ど邪魔は入らずスージーはただ廊下をまっすぐ進んでるだけというストレートさ。
一番奥の秘密の部屋では学園長代理などのオバハン達や使用人やガキが勢揃いして秘密の会談をしていた。どうやらスージーを呪い殺そうとしている。そして盗み聞きするスージーの傍らには学園を去ったと思っていた学友の惨殺死体が!逃げ出すスージー

 

 

 

スージーは、ある部屋に隠れる、そこにはベッドに誰か寝ていた。学園を作った元祖魔女らしい。だがベールをめくっても誰も居ない。しかし魔女の声は聞こえる。
魔女「私を殺す気かい?!ククク‥」と話しかけてくるが姿は見えない。
すると掃除道具入れみたいなノリで部屋の隅に立て掛けてあった棺桶を開けようと人の手が棺桶の隙間から出てくる。こ、怖い!
するとバーン!と勢いよく棺桶が開いて、さっき見たばかりの学友の死体が現れる。
死体は目をひん剥いてナイフを振りかざし低音ボイスで「ウハハハハハーー!」と笑いながら出てくる。何か飲み会で悪ふざけしてる奴がいるな‥と思ってよく見たら本物のキチガイが紛れ込んでいたかのような異様な雰囲気で凄く怖い!「サスペリアPART2」の人形のシーンほど怖くないが似たような怖さだ。何というか幽霊とかゾンビの怖さじゃなくて「キチガイが自分めがけて襲いかかってくる!」という種類の怖さ。
窓から外を見ていたら「何か様子がおかしい狂人が居るな」と思って見てたら、そいつが突然こっちに目を合わせて走ってきて自分のいる建物を登ってきてドアをドンドンドンドン!叩きまくって寝て深夜起きてドアの覗き窓を覗くとそいつがまだ居て向こうからも覗いていて「見つけた-!」と言って再びドンドン!ドアを叩いてくる‥そんな怖さだ。
そんなガイキチがナイフというコミュニケーションツールを持って僅か数メートル先にいる。そしてそのコミュニケーションツールをスージーの身体に刺してスージーのパーソナル・スペースを侵害するどころかマイナスに‥つまり刺殺しようとしている。
館の外では雷光と雷鳴が轟いている。
スージーは自分に襲いかかってくる動く死体と交互に背後のベッドを見る、まるでベッドに魔女が居ると知ってるかのようだ。実際、ベッドには誰も居ないのだが雷鳴によって人の輪郭が浮かび上がる。スージーは「そこだー!」とばかりに人の輪郭の胸あたりをぶっ刺す!
魔女「ギャー!」
そこには何百年も生きている?学園の創設者である醜い魔女が姿を現し絶命する。
魔女の命と連動しているのか理事長などの学園関係者も同時に全員死亡!ついでに学園が突然自然発火して全焼!まさかのスージーのパーフェクト勝ちだ!‥この辺は、ここ十年くらいのアメリカ大作映画でもそうだな。敵の弱点の一点を突くと敵の全てが滅んでしまうという‥。デス・スターとかアベンジャーズとか‥全部そうだ。ご都合主義と言ってしまえばそうだが、わかりやすいので新しいやり方が出てくるまでこのやり方が、まだ数年続いても俺は構わんよ。
焼け落ちる学園をバックに、憑き物が落ちたかのように晴れやかな笑顔のスージーが歩き去りゴブリンが流れるという衝撃のラストカットで映画は終わる!
いつも華奢な身体で困ってるだけだと思われたスージーだがめちゃくちゃ強かった。
結局、一人で真相を突き止めてラスボスまで辿り着き、すぐ目の前には動く死体が高笑いしながらナイフで襲いかかってるにも関わらず、後ろを見て透明になっている魔女の位置を雷鳴でサーチしてブッ殺すんだもんね。透明な魔女のことが何故わかったのかはよくわからんが、こんな今際の際に伝説の英雄みたいな最適手が取れるかね?一人で5、6人分の働きをしている。さすが昔の人だ。俺だったら動く死体が出て来た時点で腰が抜けて殺られてしまいそうだ。
そういえば「サスペリア・テルザ 最後の魔女」でも女性主人公が魔女軍団を倒して最後に爆笑してたけど、あれは本作から来てたんだね。素晴らしいラストだわ。
とにかく、よくある映画の流れから言うと館の焼失と共に主人公も死んだり曖昧な感じで終わりそうなもんだが、まさか若い時のイーストウッドランボー並の最適手で敵を全滅させてしまうとは!スージーめちゃくちゃ強い!
それまでの本編での困りっぷりとか「弱そうな痩せた美少女」という出発点からのギャップ有りすぎてめちゃくちゃ俺の心に焼き付いた。
そういえば入学時に「一度こうと決めたら曲げない」という意志の強さを見せてたな、あれが伏線だったのか?とにかく、まさか強いと思ってなかった、最後死ぬんじゃないか?とすら思っていた主人公が尋常じゃない強さを見せたという一点で監督が意図してない魅力が発生しました。僕個人の映画女性主人公の強さスケールで測った結果、アベンジャーズの女性ヒーローやインシディアスばあさんや死霊館おばさん、リプリーやサラ・コナーより、このスージーの方が強い、という結果が出ました。物語の理を超えた強さ、イーストウッドが演じたキャラなどに匹敵する理不尽な強さだ。
そういえば爽やかなイケメンはどこに行ったんだろう?とか魔女たちは何で妙に遠回りなやり方で殺人を行ってたんだろう?とか色々思うところはあるがスージーの活躍の前ではそんな事どうでもいい。どうせ全員、焼け死んだんだろう。
 

 

 

そんな感じでした

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Sasuperia (1977) - IMDb

www.youtube.com

Suspiria by Goblin on Spotify

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