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映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「ウィッチャー〈シーズン1〉(2019)」全8話/GOTとLOTRを足して2で割った感じで丁度いい。あとカヴィルのゲラルトがめっちゃ良い🐺

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原題:The Witcher  製作総指揮&企画:ローレン・シュミット・ヒスリック
原作:アンドレイ・サプコフスキ 
製作総指揮:トマシュ・バギンスキ
制作会社:Netflix 製作国:ポーランドアメリカ 配信時間:各話約60分、全8話

 

 

 
ポーランドファンタジー小説アンドレイ・サプコフスキによる、スラブ神話を元にして全世界で300万部以上発行しているベストセラー小説「ウィッチャー(旧題:魔法剣士ゲラルト)」シリーズをドラマ化したNetflixのファンタジードラマ。
原作者と同じポーランドのゲーム会社CD Projektによって、その原作小説を元にしたゲームが3本ほど制作&発売され、特に3作目の「ウィッチャー3 ワイルドハント (2015)」が超絶ヒット&超絶好評価で世界にその名を知らしめた。だが本作の原作小説は、ファンタジー小説界隈では「指輪物語ロード・オブ・ザ・リング。以下LOTR)」や「氷と炎の歌ゲーム・オブ・スローンズ、以下GOT)」に次ぐ知名度や売上は既にあったらしい(それがゲームの大ヒットでファンタジーあまり詳しくない僕らの耳にも聞こえるようになったわけだ)。
そんで、このドラマが制作された経緯は知らないが、どう考えてもNetflixが「『ゲーム・オブ・スローンズ(以下GOT)』みたいなの、うちもやりたい!」と思ったに違いない感じ。具体的に言うと、グロ表現やSEX描写が多め。第1話でも対モンスター戦、侵攻による合戦、剣士同士の一騎打ち‥など、ありとあらゆる要素が第1話に金かけて、ぶち込まれて描かれており「打倒GOT!」っていう雰囲気を感じた。あと魔物と闘う時はホラーっぽい演出と盛りだくさん。GOTのエログロ、LOTRの明快な冒険譚さ等なども含まれており「GOTは面白いけど陰惨すぎて観ててしんどいしLOTRは明るすぎる。だから両者のちょうど中間のファンタジーが観たいな」と思ってたので本作は自分に丁度よかった。ゲラルトにはスーパーヒーローっぽさもあるし。
ちなみに僕は原作小説読んでないし、ゲームも凄くやりたいんだけどPCが古くてメモリが足りずまだやれてない。だけど現在3巻まで発売されてる邦訳版アメコミは読んでる(これ原作者が話書いたわけじゃない外伝なんだけど面白くて気に入りました)。
だから原作やゲームと比べてどうのこうのみたいな感想は書けない。
そういえばIGN Japanが、原作やゲームの「ウィッチャー」について詳しく語る動画を配信してたのでウィッチャー世界についてはこれ観て予習した。
Netflix版『ウィッチャー』の予習に!原作からゲームまで掘り下げるウィッチャー特集:サブカル五十一房 第18回 ウィッチャー房 - YOUTUBE
制作総指揮と企画はローレン・シュミット・ヒスリックという女性で、この人は僕が大好きだったNetflix版「デアデビル」の唯一つまんなかったシーズン2の脚本家らしい(そう言われてみたら本作のイェネファーと「デアデビル」のエレクトラは何だかキャラや描かれ方が凄く似てるな)。そこに若干の不安はあるが、あの時は監督のせいでつまんなかったかもしれないし気にせず観ていこう。ネタバレあり

 

 

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本作の構成は、メイン主人公ゲラルトの冒険、女性魔術師イェネファーの冒険、王女シリの逃亡‥というメインキャラ3人のストーリーがそれぞれ別の場所で同時進行して「ゲラルトとイェネファー」「ゲラルトとシリ」という特異点が何回かある感じ。そして3人の話の時系列はバラバラ(突然数十年前の話が入ったりするが長命のゲラルトは何時も同じ容姿なので観てると軽く混乱するが後の方になると「第3話はほぼ現在か」「第4話の晩餐会は10数年前の話か」とか、後になって思い返すと時制が何となくわかる仕組み。
このシーズン1を観終わった今思い返すと、ほぼほぼ本作の世界観と三人のメインキャラの説明、そして物語が動き出す‥と、めっちゃ「プロローグ」って感じの内容。ドラマのそういった説明的なシーズン1というのは結構退屈(だからかドラマ苦手な僕はドラマのシーズン1観たら疲れてもういいやとすぐ止めてしまう)。だからなのか本作は前述したように時系列をバラバラにしているせいか。オリジンみたいな話ばかり続いてもあまりダレない。MCUの「キャプテン・マーベル」が主人公の正体をミステリーとして描いて退屈になりがちなスーパーヒーローのオリジン展開を、飽きずに観せたやり方に似てるな、とちょっと思った。
「この北方諸国に、南の大国ニルフガードが侵攻して来ている」という今後も通して描かれそうな軸に対して、時系列バラバラで「ゲラルトの魔物退治」「イェネファーの冒険」「シリの逃亡劇」という三本の線が軸に巻き付いていく感じ。

 

 

🐺ヘンリー・カヴィル演じる主人公〈リヴィアのゲラルト〉は〈ウィッチャー〉と呼ばれるモンスターハンター
〈ウィッチャー〉とは、魔物に対抗するため魔法と薬を使って人為的に変異させた人間。ウィッチャーは、その高い身体能力と魔法で魔物退治を生業とする長命のミューテイト(後天的変異体)。だが普通の人間からは言われもない差別と迫害を受けて減少し、今では世界に数人しか残っていない(子供も作れないらしいし)。どうやら人間たちは「化け物を倒すウィッチャーもまた化け物」という穢れを感じて迫害しているらしい(この辺は「X-MEN」のミュータントと一緒で「ウィッチャーは身体能力も寿命も自分たちより優れてる」「だから迫害して弱体化させておかんと奴らに支配される!」という恐れの意識があるのかもしれん)。
ゲラルトは愛馬ローチに跨り、対人用の剣「鋼の剣」と魔物用の剣「銀の剣」という2本の剣、一時的に能力を高める〈霊薬〉を服用したり、ウィッチャーの簡易魔法〈〉を使って簡単な魔法も使えるので、それらを駆使して魔物や悪い人間を殺す。
彼は魔物退治で日銭を稼ぎながら北方諸国を旅している。
第1話の冒頭、森にいる無害な鹿がキキモラ(大蜘蛛のモンスター)に喰われそうな場面で、ゲラルトがさっそうと現れてキキモラを剣と魔力で退治。だけどそれは鹿を助けるためではなく「お前はついてないな‥」と、自分の食料のために鹿を殺して「The Witcher」とタイトルが出る‥いう、このアバンタイトルが完璧に世界観と、ゲラルトの「悪人ではないがヒーローのように利他的な英雄ではない」というキャラを完璧に描写していて好印象。第一話は前述したように、魔物退治だけでなくニルフガード国がシントラ国を攻め落とす場面も念入りに描写していたり、ゲラルトと元王女の女性との出会いと別れ、ゲラルトの大立ち回りなど、見せたいあらゆる要素が盛り込まれていて、この第一話は本当に凄く良い。
そしてシーズン1最終話、ゲラルトはニルフガード侵攻で亡くなった罪なき国民を埋葬する優しいおじさんを最初は見捨てようとするが気が変わって地獄の亡者から彼を助ける。しかし重傷を負ってしまい倒れる。そしてそのゲラルトをおじさんは助ける‥。
第一話で鹿を殺した冒頭から、このおじっさんを助ける利他的行為までには十数年経っており、そこまでの7話でゲラルトは色んな人間や事件と出会う。だからまるで「第1話冒頭よりも第8話のゲラルトの方が人間的に暖かい」かのようにも見える。まぁ現在の時制でも腹が減れば鹿を殺すだろうけど、言いたいのはそうじゃなくて時の流れと共にゲラルトが優しくなってる?というのを、鹿とおじっさんのアバンで描写したのだろう、という話。
劇中、ウィッチャーを恐れる人間たちに「ウィッチャーには感情がない」と言われてはいるが、実際のところゲラルトはかなり優しいし女好きでたまに冗談言うこともあるし実際のところはかなりホットな男だ。
ゲラルトを演じるヘンリー・カヴィルについては第一話の途中までは「カヴィルがゲラルト役ってのはちょっとゴツすぎない?」と思ってたが第1話終盤、ギリシャ彫刻のような端正な顔と長身で大立ち回りしてカッコよくキメる彼を観たらあっさり魅了されて「むしろゲーム版よりかっこいい」と思った。そしてカヴィルはゲーム版の大ファンらしくウィッチャー3も3周ほどプレイし3回目は最高難度だったり、本作の制作陣に「もっと『印』を重要に扱わないとダメだ!」などとファンとしての意見を忠言してたり原作小説も読破している。こんな現実版れした男前であるカヴィルがオタク文化にそこまで興味あったなんてギャップあって良いね。今まで「スーパーマン役とMIファールアウトに悪役で出てた人」としか知らんかったがゲラルト役で大好きになった。
ゲラルトは、瞳の色が特異な白髪の魔法剣士で感情をあまり表に出さず子供が作れないが女性にモテてモンスター退治をしている‥と、おっさんの中二病感が満載キャラだし、やたらとSEXするので男性優位なキャラに見えなくもないが他人に同情できる優しい性格やカヴィルのナイス演技や立ち回りがいいので嫌味な感じはしない。また後述するがイェネファーの描き方がいいので彼女によってゲラルトの厨ニ感も中和されてるのがいい感じ。

 

 

🐺物語は、ゲラルトだけでなく、シリとイェネファーもゲラルトと同じくらいの頻度で描かれる。
シントラ国の女王キャランセの孫娘シリラ王女、通称シリフレイヤ・アーラン)。
彼女は途絶えたとされる古代エルフの末裔で、制御できていないが強大な魔力の持ち主。シリが産まれる以前、ゲラルトはシリの両親を助けたことで、ゲラルトとまだ産まれる前のシリには強力な結びつきが生まれる(第4話)。第1話でシントラ国は南方の大国ニルフガードの侵略を受け祖母のキャトリン女王は死亡、シリは逃亡する。
ニルフガードは、シリを手中に収めようと刺客を放つ。シーズン1の彼女はまだ無力な子供に過ぎず、祖母が言った「城を出て『リヴィアのゲラルト』というウィッチャーを探せ」という言葉を頼りに逃亡生活を続ける。
シーズン1のシリは動くマクガフィンって感じで、単純に逃げてるだけでたまにパニックになって制御できないパワーを放つくらい。だからキャラが立つ前にシーズン1が終わってしまった感じ。本格的に活躍するのはシーズン2以降なんだろう。当初はゲラルトではなく彼女を主人公にする案もあったらしい。

🔯強大な魔術師、イェネファー(アーニャ・シャロトラ)。
彼女は貧しい家に産まれたが、捻じくれた背骨と顎を持っていて家族に可愛がられず育ったためか卑屈な少女だった。魔法教会の魔術師ティサイアに二束三文で貰いとられ、魔法教会で修行を受け才能が開花。やがてイェネファーは子を産む機能を捨て美しい容姿を手に入れ卒業。その後は各地で王族の依頼を受けて点々としてた時に出会ったゲラルトと何度も共闘して惹かれ合う。やがて何も得るものがない空虚な自分を感じた彼女は魔法教会に舞い戻り、シントラ国を攻め滅ぼして北方諸国に侵攻を続けるニルフガード軍を、師のティサイアや魔女仲間のトリスやサブリナらと共に迎え撃つ(最終話)。
最初は「何だろう、こいつ全然可愛くないし憎たらしいな‥」と最初は思ったが、イェネファーはオリジンや彼女自身が自発的に男や愛や生き甲斐などを積極的に求めて生きてる感じをしっかり描いてる事自体に好印象を感じていった。最終話の火炎はかなりGOTのデナーリスを思い起こさせたよね。

🔯その他のキャラ。最終話でイェネファーと共闘した赤い女魔術師トリス(アナ・シェイファー)。彼女は、モンスターに変えられた女性を退治に来たゲラルトの手助けをしていた(第3話)。吟遊詩人ダンディリオン、お調子者の彼は何度かゲラルトと旅を共にする。祖母のキャランセや、ゲラルトと顔なじみの魔術師も、早々に殺されてしまうが回想で何度か出てくる。殆ど台詞ないけどニルフガード将軍は「ツイン・ピークス (2017)」でホーン家のバカ息子役のアイツが演じてた。
一番印象深いキャラは第一話の悲惨な境遇の元王女レンフリかな、この人の顔とか表情とか動きとか立ち姿とか全部、一番素敵だったので出来ることならレギュラーキャラになって欲しかった、残念だわ。
イェネファーの同僚魔女のサブリナもグラマーで好き。トリスは原作でもレギュラーキャラだから今後も出るだろうがサブリナはゲーム版では既に死んだチョイ役として出てきてたらしいし、この人が今後も出るかどうかは微妙なところだが「死んだ」と言わなかったので再登場の可能性はなくはない。ティサイヤ先生は生き残ったね。そして善人は死にやすいが悪人は殆ど全員生き残ったまま終わったな。本当にこのシーズン1はプロローグに過ぎないんやな。シーズン1要約したら「いろいろ紹介しただけ」って感じだもんね。

 

 

 

良かった回は、何度か前述した盛りだくさんの第一話。あとモンスターとの長めのガッツリした戦闘が観れる第3話が特に良かった。ゲラルトは毎回アクションばかりするわけでもなく、この2話はゲラルトの戦闘が多く観られる。
そして第6話は、戦士、騎士、モンスターハンター、魔術師、ドワーフ、盗賊、吟遊詩人‥などでパーティ組んでドラゴン退治に行くという大RPG回だった。楽しいんだけど自分が中学生の時にこれ観たかったな~。ドラクエとかFFしながら「こういうファンタジーを描いた映画が観たいな~」と思ってた子供時代を思い出した。最近の子はGOTとかLOTRとか観放題で羨ましいよね。
最終話はゲラルトは重傷で殆ど寝てて、イェネファーと魔術協会が民のためにニルフガード軍と闘うのがメイン、しかも思いっきりクリフハンガーで終わってしまうので若干フラストレーションが溜まり「すぐにシーズン2よこせよ」と思った。
ちなみにシーズン2は既に制作が決定しており、2020年上旬に撮影して2021年に配信されるらしい。製作者はシーズン7までの構想があるらしい。
意外とモンスター退治とアクションが少なかったのでジーズン2はもっとモンスター退治をガッツリ観たい。そんな感じで結構楽しめました。カヴィルのゲラルトがいいね。本作に抱いた好評価の殆どはカヴィルのゲラルトがポイント稼いでるわ。
そういえば最初の数話が特に感じたが、ゲラルトの「選択」が「どういう結果をもたらすか?」というのが意識的に描かれてるなぁと思った。ゲームじゃなく原作小説のドラマ化なのだが、その辺の分岐はゲームっぽさを思い起こさせた。「復習に燃える元王女に、復讐を止めて人間の女性らしい幸福を提案する」→「バッドエンド」。「自分を囚えたエルフに『覚悟できてるからやりたきゃやれ!』」→「グッドエンド」といった感じで、人生における各選択が如何に重要か知らせてくれる。そしてシリの両親を助けたこと、シリの祖母キャランセの選択は全て悪い方向に行く様子、ゲラルトがシリを2回も助けに行ったことを含め、ゲラルトのシリに対する選択は常にこの世界をより良い方向に導いていく感じが凄くするし、早くこの二人が飯食ったり一緒に歩いたり修行してるとこが観たい。だから早く続きやっておくれ。
本作の感想を一言で言うと「第一話がめっちゃ良くて他にも良いところいっぱいあるけど、ほんの序章といった感じの内容なのでまだ傑作なのかどうかはよくわからん」という感じ。今の段階ではまだフンワリしてて同じ製作者の作品で言うと「デアデビルのシーズン2よりは遥かにマシだが、デアデビルのシーズン1or3には遥かに届いてない」といった印象。ゲラルトとシリの出会わせ方を色々凝ってたけど正直、数話でさっさと会わせてもよかったんじゃないのという気はした。
 

 

 

そんな感じでした

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ウィッチャー | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
The Witcher (TV Series 2019– ) - IMDb
ヘンリー・カヴィル、『ウィッチャー』で演じるリヴィアのゲラルトについて語る

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