gock221B

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『死霊館』(2013)/Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👿

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原題:The Conjuring 監督:ジェームズ・ワン
製作国:アメリカ 上映時間:112分 シリーズ:『死霊館』シリーズ。『死霊館』ユニバース

 

 

 

最近「ワイルド・スピード SKY MISSION」で大ヒットを飛ばした中国系オーストラリア人監督ジェームズ・ワンの「死霊館」観た。
ジェームズ・ワンと言えば「真ん中に倒れてる奴が犯人だろ?」と思って観てたらその通りそいつが立ち上がって犯人だった映画「ソウ SAW」や「狼の死刑宣告」が有名で、何だかんだずっと成功し続けているイメージ。
タイトルに「死霊」と付くくらいだから、はらわたとかしたたりみたいにスプラッターものだと思い込んでたが、Jホラーっぽい表現でポルターガイスト+エクソシスト的な霊障が起きて、それをアメリカっぽい力技で抑え込むオカルト映画だった(このタイトルって資料館の洒落か?)。
なかなか面白かった。特に第2幕までくらいは超面白かった。
一軒家に引っ越してきた幸せ家族だがポルターガイスト現象に悩まされる。
この部分、深夜に物音がして行ってみたら何もなくて一息つく、普通のホラーだったらここで一拍置いて霊が出て驚かされる、が、この映画はそこで何度も何度もスカしてきて、それが延々と続く。
夜中に、背後をスッと何かがよぎる、地下室へ続くドアがギィ‥と開く、脚を引っ張られてベッドの下を覗く、霊感のある末っ子が夢遊病で壁にガンガン頭をぶつけてる、玄関の前や地下室に人の気配がする‥といった事が繰り返され、行ってみても何もない(または後ろを人影がサッと通る)。
そして画面内には黒沢清Jホラーの様に、常に鏡が置いていたり向こうが真っ暗で見えない開きかけのドアが背後にあったり、登場人物の背後に妙に広くて暗いスペースなどの、落ち着かない構図ばかりで落ち着かない(「LOFT」の前半みたいな感じ)
そんな緊張状態が30分以上も続くので非常に疲れた。劇場で観てたらすげー怖かっただろうな、と思った。
霊障に遭ってる家族と観てるこちらが、シンクロする造りが気が利いている。
ざっくりした精神の‥たとえば西郷どんみたいな性格の人がこの映画観たら「この映画は何でごわす?ちっとも面白くないでごわす。」と思いかねない。
そんな西郷どんの事はどうでもいい。

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俺なら、こんな地下室へは絶対に降りん

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俺なら、こんな家で絶対に目隠しして隠れんぼしない

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霊感のある末っ子は霊に感応してるのか深夜夢遊病で歩き回ったり、目を見開いてたりして恐い

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また、誰もいないのに明らかに誰かと話していたりする

 

 

中盤、そんな霊障の波状攻撃で、ほとほと弱らされた家族は「悪魔の棲む家」とか映画にもなったアミティヴィル事件も解決したウォーレン夫妻に助けを求める。
あ、ちなみにこの映画は実話を元にしたものです。
夫は悪魔研究家で、妻はガチの霊能力者。
ここからは如何にもアメリカ映画っぽい解決編になってしまうので、恐さはかなり減ってしまい普通の楽しい映画に変わる。
「魔女が自殺して呪われてるから、この家や周辺に住む人は次々と死んでって云々かんぬん‥」と全て理詰めで語られてしまうからだ。
夫婦は仲間?のアジア人青年と警官を引き連れ泊まり込みで証拠を集める。
弱っていた家族も久々に少し安心して過ごせて楽しそうだ。
みんなで飯食ったり、長女とアジア人青年がいい感じになったりして楽しそう。しかし、霊を見よう見ようとしているウォーレン夫妻軍団のような者たちが来ると途端に霊障が減るのが面白い。
確かにもし俺が幽霊なら、やはり怖がってる奴を怖がらせたい。
なぜ証拠を集めてるかというと、神父に証拠を見せてから出ないと悪魔祓いにやってきてくれないからだ。
最初はおとなしかった霊だが、実力を発揮して激しいポルターガイストを起こす。
その証拠映像を神父に見せるが神父は「こわ‥マジのやつじゃん‥」「バチカンに相談してそれから行くわ‥」と完全にビビってる。
神父がモタついてる間に、家の呪いが霊アイテムなどを通じて遠く離れたウォーレン夫妻の家にいる娘にも飛び火したりして、のっぴきならない状況になり、夫婦と仲間と家族たちは悪魔と闘う。。

と、あまりに面白かったので終盤までのあらすじ書いてしまった。
この聖なる力と悪魔との闘い。。は、いかにもアメリカ的な力技で、エクソシストエクソシスト3ほど真には迫ってないような気もしたが、面白かった。
呪いって、理詰めや根性でどうにか出来るようなもんじゃない気もするんだが、ロレイン夫婦がこうだったと言うのだから仕方ない。

ところで、この映画は構図や美術が物凄くカッコいい。
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ウォーレン夫妻の家にある呪いアイテム保管室とか(よくこんなところに住めるな‥)

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ポルターガイスト現象が起きる件の屋敷は、外観も各部屋もあまりにカッコいいので、普段そんなことしないのだがスクリーンキャプチャしまくってしまった。
映画の、撮影がどうとかの専門的な知識が皆無なので、全く具体的に説明できないのだが本当にカッコいいので見て欲しい。
ちなみにOPの縦スクロール映像やエンディングクレジットも凄くカッコいい。

ざっくり言って「前半怖くて、後半は力技で悪魔祓いするので楽しいが恐さ的には物足りない」みたいな感想だったが、恐くなくなる後半にもいいところある。
ウォーレン夫妻の夫であるエドが、この呪われた家に住んでる旦那の方と話していて、霊能力者であるロレインがこの事件とは関係のない前の悪魔祓い事件の時「悪魔が憑いてる男と目が合い絶叫、その後8日間飯も食わずずっと引きこもっていた‥」
という話をしてダンナは「何を見たんだ?」と訊くが、
エドは「わからん‥知りたくもない。」と言う。
この場面は痺れた。かなり俺好みのハッタリ効いたシーン。全然関係ないのがいい。
この映画の霊界の奥行きがグッと広がった。
また、この映画の冒頭で、本編の事件とは関係なく夫妻は呪いのアナベル人形事件をを解決(というかこんな恐い人形を家に置いといた冒頭の奴らはアホか‥)
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アナベル人形は夫妻の呪いアイテム保管室に保管される。
この人形も本件にちょっとだけ絡むが、あくまでもちょっとだけであり実際にはほとんど関係ない。しかし、それにしても存在感がありすぎる。
どういう意図があるのかは知らないが、前回の事件の話やこのアナベル人形は「世の中には悪魔や心霊や呪いは存在し、家や物に宿り時に我々はそれに対峙せざるを得なくなる時がある」とでも言いたげで、作品世界に奥行きがグッと広がる。
この人形は後に「アナベル 死霊館の人形」としてスピンオフが作られたようだが、監督が違うのであまり興味ない。また暇な時あったら観てみるわ。

全く前情報もなく期待ゼロで観たら意外と面白かったので、何故か妙に長く書いてしまったが、別に傑作というわけではない普通の面白さといった感じ。
そういえば数年前に観た「アウェイクニング」というオカルト映画も面白かった。
オカルト映画は、普通のスラッシャーものやゾンビものやJホラーと違って固定ファンが少なくてあまり話に出ないので出会いにくいイメージがある。俺が知らんだけか?

 

 


そんな感じでした

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死霊館ユニバース〉
『アナベル 死霊館の人形』(2014)/舐めてたが凄い良かった。悪魔を倒せない理由。隣の部屋と駆け寄る幼女の怖さ👧🏻 - gock221B
『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)/ジェームズ・ワン制作ホラーの中では最も凡作だったかな‥👧🏻 - gock221B
『死霊館のシスター』(2018)/これ以上ないほどシンプルな、おにぎりみたいなホラーで好感触➕ - gock221B
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)/良作だが、もう何十回も繰り返さし観せられたテンプレに飽きてきた。霊より中年の男女のキャラが良かった👰 - gock221B
『アナベル 死霊博物館』(2019)/呪いアベンジャーズ状態を期待してたけど予告編でいいとこ全部観せ終わってた印象でした👧🏻 - gock221B
『死霊館のシスター 呪いの秘密』(2023)/14年で14本も殆ど同じ内容の映画を作ってるので僕も5年前に飽きてて本家の死霊館やインシディアスやアナベルは完全に味しなくなったけど、これはまだ若干いけるかも✚ - gock221B

 

死霊館ユニバース以外のジェームズ・ワン監督作〉 
『インシディアス』(2010)、『インシディアス 第2章』(2013)/2本続けて観た方が面白い。時空の流れに逆らって悪霊退治👻 - gock221B
『アクアマン』(2018)/明るくて中国の武侠ものっぽいヒーロー映画。シシリア島でのチェイスと半魚人が特に良かったです🐟 - gock221B
『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)、『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)/ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B
『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)/豪腕ワン監督が古いイタリアやフランスの珍妙サスペンスホラーを予算かけて作った感じの愉快な作品🧠 - gock221B

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The Conjuring (2013) - IMDb

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