gock221B

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『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)/そのクソさ回顧。逮捕されたアナキン坊や🔵🔴

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原題: Star Wars: Episode I - The Phantom Menace
監督&脚本&製作総指揮:ジョーズ・ルーカス
製作国:アメリカ 上映時間:133分
シリーズ:「スター・ウォーズ」プリクエル。「スター・ウォーズ」シリーズ

 

 

 

年末のEP7公開を控えて、時系列順に新三部作から振り返る事にした。
SWは好きだが、別にこだわりが強いSWマニアなどでは全然なく映画シリーズの一つとして普通に好き‥という程度の中年男性だという事を最初に言っておこう。
好きな順番は

EP5、EP4、EP3>EP6>EP2>>>EP1

という感じ。EP1だけが極端に落ちる。EP3は普通に好き

 

 


プリクエル三部作
SWプリクエル三部作は当時「伝説のすげー現役ジェダイ軍団の活躍」「凄い闘いらしいクローン戦争」が描かれると思い込んで楽しみだったが、いざ始まるとジェダイ達は全員うかつで弱いしクローン戦争は本編でやらないし、本編は、全く好感の持てないアナキン密着ドキュメントだったからガッカリした。メカや構造物のデザインも全てのっぺりしたプレステのゲームみたいなものになったしクリーチャーも全部ダサい
まず、これは他のシリーズの前日譚にも言えることだが「アナキンがどうやってダースベイダーになったか?!」とか、どうでもいい。
映画史に残る名悪役ダースベイダー。彼の事、昔はかなり好きだったのに今ではベイダーを見るとプリクエルでのアナキンが頭に浮かび上がってきて「ああ、あの子供殺してたやつね‥」という事が頭に浮かんできてしまい全然好きじゃなくなってしまった。
大勢いるジェダイ達が皆うかつで弱いのは、敵のシスが数人しかいないので相対的にアホにせざるを得なかったのはわかる。しかし、それにしても弱い‥
よく言われる事でもあるが、EP3一本だけで良かったんじゃないか。
EP1とEP2は丸ごと全て要らなくて、EP3の冒頭で宇宙空間を飛んでいくオープニングロールの中にEP1&2の内容を組み込んで一本の映画にして欲しいくらいだ。
その場合、EP3の冒頭に付くあらすじ文の内容は‥

魂だけで生き続けるジェダイの秘技を研究しているジェダイ騎士オビワンは才能ありそうな少年アナキンを拾って鍛えた
成長したアナキンはパドメといい感じになったりパルパティーンに可愛がられたり母親が殺されて暗黒面に堕ちそうな青年に育った
そうこうしてる間に、クローン軍団が完成したり、シスの暗躍でクローン戦争が起こったり色々大変な感じの今日この頃、ドゥークー伯爵やグリーヴァス将軍にパルパティーンが誘拐されてしまった。どうしよう
一体どうなってしまうのか。

こんな感じでいいだろ

 

 

ファントムメナスの思い出
ファントムメナスは大ヒットし、また観に行った数多くの人を落胆させた。
多くの人は、内心、落胆しつつも「‥いやいや!SWが面白くないわけがない!」と何度も観に行ったりパンフを読みまくったり勝手に色んな事を考察して自分を騙し、子を産み育て、そして死んでいった。。
それは全世界で起きてた出来事だ。俺にも起こった
観終わった僕は、パンフレットのジェダイ評議会の面々を見ながら「ヨーダやメイスは当然として、2や3では、このプロ・クーンさんとかキ=アディ=ムンディさん達の活躍すら見れるに違いない!」と期待を膨らませた。完全に現実逃避だ。ありもしないジェダイ評議会の活躍を妄想してるんだからな。
公開前、ペプシのボトルキャップとタイアップしてたのを集めてたな↓
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当時ローソンでバイトしてたのでバイトの間でキャップ集めは捗り、ダースモールが出て喜んだり通商連合の奴が出てガッカリしたりしていた。
インターネットも一般家庭に普及し始めたばかりだったので友達の家でEP1の予告編を見せてもらって「家で映画の予告編が観られるなんて!」と驚いたりした。
当然SNSもなかったので、フォトショップお絵かき掲示板ヨーダやダースモールやアミダラのイラストを描いて期待して過ごした。
そして公開されたので観に行き、全世界の若者が食らったファントムメナスショックを受ける事となった。
しかしこの映画のことはずっと覚えていて、それも嫌な記憶ではない。
何よりもファントムメナスに因んだ会話も数多くしたしコミュニケーションツールとして世界一ビッグな駄作だと言える。それだけでも価値ある出来事のように思える。
「ファントムメナス」のクソさはもう散々語りつくされていて、ジャージャーが嫌いだとかそういう定番のものは
「そこにあるEP1の嫌いなところは、若者なら『もう あきたよ』というものばかりです」という感じだ。だからそれらについて文句言うのは止めて、良いところ中心に書いていこう

 

 


ダースモール

全世界が期待していたダースモールのカッコよさはガチだった。
まずデザインがダサいものが多いファントムメナスにしては、モール氏だけは問答無用でカッコいい。
「歯がめっちゃ汚い」という訳の分からん部分もあるが、何だかワンパク悪ガキ感を感じさせていい。
キャラとしては背景もないし全然喋らないしパルパティーンの指示でただ襲ってくるだけで「とにかく悪の手先」ってだけしかないキャラだが、そのキャラとしての空っぽさが、ピュアイーヴィル(純粋悪)って感じがしてカッコよさに繋がっている(内面はないが、ただ襲ってくるだけのエイリアン一作目の良さに似たカッコよさ)
彼の何度かあるライトセーバー戦は、中の人レイ・パークによって本作で数少ない盛り上がる楽しい場面。プリクエル嫌いの人にさえモールは人気だ。
殺陣が美しすぎて長すぎるので闘いというよりダンスに見えてしまい殺し合いの殺伐さが減ってる気がする‥と最初は思った
が、ライトセーバーは日本刀じゃないし重さがないしフォースとかもあるので、本当にライトセーバーがあって修練して闘ったらこういう舞のような闘いになるのかもしれないと思い直した。
終盤のエネルギー発生装置でクワイガンとオビワンが分断されたり、クワイガンがジェダイ正座してジェダイ瞑想してる間、モールがイラついてる場面はかなり楽しい

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勝負が決まる瞬間を全く覚えてないので観返したら
×クワイガンvs.ダースモール○(クワイガンのガードを下から弾いて胸を刺す)
オビワンvs.ダースモール×(ぶら下がりからジャンプ&クワイガンセーバー引き寄せでビビってるモールのスキをつき胴体を二分する)
クワイガンが敗れるガード弾きは地味。しかし、逆に言えばこの地味さは「本当に起きた不意の死」っぽくも見えて好みの死。
それまでのダンスのような闘いが「生」を感じさせるのに対して、死ぬ時は何の面白みのなさが「突然の死!」と感じさせる。
SWの闘いは全体的に、こういう殺伐とした地味な死に方する事が多いのが好み。
ルーカスはモールが生き返らない様に真っ二つにして殺したのに、3DCGアニメのクローンウォーズに「実は生きてました」とか言って出てきた。カッコいいならまだしも微妙な扱いばかりで「こんな扱いなら生き返らせて恥の上塗りさせるな!」と思った。
※追記1:
最近、3DCGアニメ「スターウォーズ:反乱者たち」で、老ダースモールの旅の終わりが描かれた。
こちらはカッコよくて美しいので文句ない描かれ方だった。さようならモール氏。

 


ドロイド
クローン兵が作られる前なので殆どの敵はドロイド。
三体とも、調子が悪い時の鳥山明デザインのロボットみたいな平坦さで旧三部作のようなカリスマデザイン性は見受けられない。だから嫌いだったけど正直、何度か見てるうちに好きになってきた。

バトルドロイド(左)のデザイン自体は実は嫌いじゃないのでC3POみたいな非戦闘キャラだったら好きになっていたかもしれん。
小枝の様な手足をしていてライトセーバーで斬っても「パキ‥っ」「ポキ‥っ」という感じで折れるような様が盛り下がる事この上なかった。
こんなドロイド、普通にローキック連打で倒せそうだ。バトルの名は合ってない。
こいつは雑用ロボにしてスーパーバトルドロイド(真ん中)を小枝ドロイドが担っていた一般兵ポジションにすべきだったのでは。
ロイディカ(右)はバリア張れるし異常に強い。小枝ドロイドを少なくして浮いた予算でコイツをもっと作ればよかったのではないだろうか。

 

 

アナキン坊やの悲劇
あまりつまらないプリクエルだがオビワンやジェダイ達やシス達はそれなり魅力だった
だが肝心の、アナキンがべイダーになるまでが正直イマイチだった。
正義に燃える好感度高いジェダイ騎士アナキンが、色んな悲劇や腐敗を目にしてダークサイドに堕ちる悲劇を見せたかったのだろうが上手くいってないよね。
しかし何でアナキンはずっと嫌な奴だったんだろうか?
EP3の終盤まではナイスガイとして描くべきだったのでは
EP1では幼児。
いくら天才だという設定だったとしても幼児がポッドレース無双したり、敵の拠点を見よう見まねで潰す様子は「一体なにを観てるんだ?」という馬鹿馬鹿しい気分にさせられた。
そういえばあの子役が捕まったというネットニュースを見たような‥と思って検索した

www.cnn.co.jp

本編ではポッドレースで華やかな活躍をしていたのにリアル警察とカーチェイス
記事によるとアナキン坊やは「ファントム・メナス」出演後に

同年代の子供たちにからかわれ「地獄のような学校生活を過ごした」
それが原因で俳優の仕事もやめた

アナキン坊や‥
こんなことになってるとは思わなかった。これはひどい
しかしファントムメナスはそのクソさに反比例して超大ヒットしたから(2015年8月の今現在、全世界の映画の中で19位)、学校の全員が観てただろうからイジメも激しかっただろう。
どこに転校しようが世界中のガキども全員観てるし、その親も近所の奴らも全員観てるわけだし、国外に逃亡しても国外の奴らも全員観てる(俺も観てる)かなりキツイものがあっただろう。
僕も正に今の今、からかってたところだったからアナキン坊やの逮捕写真が俺を睨んでいるようで胸が痛くなった。
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‥と思ったが、こいつが悪い事して捕まったのはコイツのせいなのでまあいいや
※追記:続報があった

www.cinematoday.jp

人生は長い、がんばってほしい。。と、心ない応援するしか俺には出来ることはない

 

 

 

 他のファントムメナスのいいところは?
さっきも言ったようにダースモール!そしてオビワンは魅力ある。
これ以降、対決の度に何度も流れる、この対決のテーマが凄くカッコいい。

www.youtube.com

あとは、あまりに多くの人が観たために、映画好きの人と話す時に「ファントムメナスのクソさ」について盛り上がる事ができる。
ファントムメナス大好き!という人がいたとしたら、それはそれで興味深いし話を聞いてみたい。それによって俺もファントム・メナスを好きになれるかもしれない。
幼少期に生まれて初めて映画館でこれを観た子が「大きくなっても忘れられない」とか、アナキンやオビワンの女性ファンがキャラ萌えで全編活躍している彼らだけ見つめてプリクエル好き、という事も充分ありうるだろう。
事実ニコ動とかでコメント見ると「おれ好きなんだけどこんなに人気ないのか‥」とショックを受けてる人もよく目にする。
映画の感想は人それぞれなんだからEP1やプリクエル好きな人の意見も尊重したい。


だが、このファントムメナスがあったからこそ、余命わずかのSWヲタの親友にこのクソを見せるためにSWギークたちが力を合わせる名作「ファンボーイズ (2008)」が生まれた。だから本作にも価値はある。
僕も何だかんだ言って「今年あたりワインみたいに面白くなってるかも」と数年おきに本作を観てる。未だに面白くないがついつい気になってしまう。
そしてさっきも言ったかもしれないが、本作は凄く多くの人が観てるためSW談義などで盛り上がることができる。
またSWのドキュメンタリー「ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス (2010)」でもかなり多くの時間を取って本作が如何にクソか(そして子供達はいかに本作が好きか)を語っていて凄く面白い。
未だにあまり面白いとは思わないが何度も観返してるうちに、ダースモール戦やクワイガンの魅力には目覚めてきた。

 

 


そんな感じでした

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「ピープルvsジョージ・ルーカス (2010)」散々文句言って締めに急に褒めて締めるのが凄い可笑しい🧔🏻 - gock221B
「ファンボーイズ (2008)」 ライナスが最後に出した結論に感動🏃🏻‍♂️ - gock221B

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Star Wars Episode.1: Phantom Menase (1999) - IMDb

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