gock221B

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「フューリー (2014)」戦車以外は全体的にキモい映画だったのでスーサイド・スクワッドが不安になった

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原題:Fury 監督:デヴィッド・エアー 製作国:イギリス 上映時間:135分

かなり期待して観ましたがハードル上げ過ぎたせいか好きになれませんでした。
ちなみに戦車などのミリタリー知識とか殆どなく、思い入れもない。


主人公ノーマンは戦闘経験ゼロながらヨーロッパ前線のウォーダディー(ブラピ)のシャーマン戦車フューリー号に配属される。
ブラピは戦闘経験ゼロのノーマンに色々教えていくが、やがて彼らの前にドイツ軍のティーガー戦車が立ちふさがる。。みたいな話
ブラピを始めとする主人公たちは常人離れした戦争ハイ状態になっているので共感できないが、主人公ノーマンは完全に一般人と同じ精神状態なので、自然とノーマンに感情移入して観ていくことになる。
ノーマンがフューリーに初めて乗り込むと前任者の剥がれた顔面が戦車の床にへばりついている。この顔面の造形も凄く良くて映画への期待値が上がった。

 
ノーマンとブラピは民家に隠れていた女性と、その姪の少女と過ごす。
ブラピはドイツ人女性達に対し威圧的ではあるがなるべく紳士的な態度で接する(といっても彼女達の生殺与奪を完全に掌握した状態なので居心地が悪い)。
ブラピは直前に、ノーマンに度胸を付けさせるために無抵抗の捕虜を撃たせたりしていたが、恐らく似たようなノリで「少女を犯せ」と言う。
ノーマンがピアノを弾くと少女は笑顔になって仲良くなる。
ブラピは苛立って「さっさとヤラないなら俺がやるぞ」と言う。
少女は怖いブラピにレイプされたくはないので自分から優しいノーマンの手を引いてベッドに誘う。
その後、残りのFURYクルーが来て、彼らもまたノーマンに筆おろしさせようとするが、ブラピが既に施してしまっているので嫉妬してか、ノーマンと少女をネチネチといたぶり始める。
ブラピが諫めると、今度は
少女のコーヒーに煙草の吸い殻を入れたり、少女の食べ物を舐めたりして泣かせてしまう。
嫌がらせがネチネチと陰湿なために見ていて殺しやレイプより嫌な気分にな
ブラピはイラついているが、彼を止めるわけでもないので虐めが終わらずこのくだりが異常に長くイライラする。
家を出た後、ピンポイント爆撃が家に落ちて少女は死んでしまう。
ノーマンは半狂乱で駆け寄るが、少女の死体は凄く綺麗なまま。凄く気持ち悪い
そして「陰湿なシーン長いなぁ」という不快感が、少女の死体がめちゃくちゃ綺麗だった事で更に嫌な気分になった。
その後、少女に嫌がらせしていた兵士が後でノーマンに謝る場面を観て、イライラが頂点に達してキモい映画だなと思った。
この自分の感想は自分でもよくわからないのだが恐らく、謝らなければ「只の嫌な奴だったんだな」で済むが、ちゃんと後で謝ったりすると少女虐めを通じてコミュニケーションを取ってたんだなと思えるためかもしれない。

ティーガーとの戦車戦などは単純に面白かった。
味方の戦車がやられる様子や、弾が弧を描いて飛び交う様子、戦車の車体の柔らかいところを狙うためにお互い数メートルの位置で必死に位置取りして主砲を撃ちこみあう様。主砲の衝撃で首が吹っ飛んだり、機銃で撃たれた四肢が吹っ飛ぶバイオレンス描写も凄く良かった。
弾が光りすぎてる気もするが、ミリオタじゃないし映画だし、わかりやすいのでOK。


後半、地雷を踏んでフューリー号が走行不能になったところにドイツ軍がやってくる。
ブラピはまるで日本軍のようにフューリーに立てこもって闘う事を決意。
その場を去ったら祖国が即、滅びるわけでもない、むしろ勝利目前な状態なので「ここは普通に撤退して、味方に合流すればいいじゃん」と思った。
戦争が嫌だったはずのノーマンが真っ先に「僕も残ります!」と残るのもサッパリわからなかった。ブラピが施した通過儀礼の数々で感化されたのか?
ここは、どうしても物理的な理由で撤退できない事情が欲しかった気がする。
だけど、恐らくわざとこういう展開にしてるんだろうから、意地だとか何かそういうロマン系の理由があるんだろう。
結局全員立てこもる事になった。
全員即死決定なので、皆で泣きながら酒飲んだり聖書を暗唱したりして盛り上がってるが、映画内の盛り上がりとは逆にめちゃくちゃ醒めていった。
この映画は好きな人嫌いな人でパックリ別れてるらしい。好きな人はきっとここでフューリー号の兵士たち同様、やってやるぜ!と盛り上がったり泣いたりして観てるんだろうか?
しかし動けなくなったフューリー号だが、ドイツ軍数百人をほぼ皆殺しにした。
それもフューリーチームが強いというよりも敵がすげーアホで弱い。
アクション
ゲームでCPUが操作してる敵キャラのように、数百人のドイツ兵がどんどん動けないフューリーに突っ込んで来て死にまくる。

文句ばかり言ったが、面白くないのか?というとそうではなく結構面白かった。
戦車のかっこよさ、バイオレンス描写、「戦争は嫌だな~」と思わせる事には成功してると思う。
だけど色々とイライラする映画だった。
だが監督は、観る人をイライラさせたかったんだろうなというのが目的だったんだろうなとは思う(そう思うと更にイライラする)
だけど嫌な感じを伝える戦争映画ならそれでもいいんだが、クライマックスとか要所要所で男のロマン的なものを描こうとしてる雰囲気が漂っていて、そこが気持ち悪いのかもしれない
 

スーサイド・スクワッド
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この監督は、楽しみにしてるDCコミックの「スーサイド・スクワッド(2016)」の監督でもある。
「フューリー」では、フューリー号の主人公たちを戦車で何日も寝泊まりさせて連帯感を高めたとか俳優同士殴り合いさせて異常な精神状態にさせたなどの逸話があるが、この監督はそういう演出で連帯させるのが得意なんだなと思った。
スーサイド・スクワッド(2016)」も、ネットで流れてくる撮影風景とか見たらメンバーがいつも異常に仲いいなと思ってたら

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最近、撮影を終えたが、出演者のテンションが上がって皆、スーサイドスクワッドのタトゥーを彫るというすげー連帯ぶり。

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後日、撮影終了した時に俳優だけじゃなくスタッフ全員も含めた集合写真をupした。
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仲良くていいなと思う反面、「フューリー」観た今となっては非常に内向きの「」を連呼する日本の体育会系マイルドヤンキー的な集まりみたいなノリを感じて不安になってきた。
しかしこの監督の映画には「フェイク シティ ある男のルール」とか好きなものもあるし、好きになれなかった今回の「フューリー」も面白いシーンは幾つかあった。期待しておこう。
「スーサイドスクワッド」も作品が傑作ならば、これらの不安も笑い話になるし。。

 
※追記:残念ながら「スーサイドスクワッド」はクソつまらなかったです

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そんな感じでした。

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