gock221B

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「クーデター (2015)」白人が美しい妻と幼い娘を連れてる時にアジアで野蛮人に襲われそうになる嫌さ‥

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原題:No Escape 監督:ジョン・エリック・ドゥードル
製作国:アメリカ 上映時間:103分

 

シャマラン原案の、エレベーターに悪魔が降臨する映画「デビル」や「REC」の三作目(観てない)の監督作。

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水道の会社に勤める主人公ジャック(オーウェン・ウィルソン)とその妻と娘が、東南アジアの架空の国に赴任してきた当日にクーデターが起きる。
町では、反乱勢力に捕まった西洋人は問答無用で皆殺し!という異常な状況になっており、主人公は家族を連れて何とかアメリカ大使館か国境を越えようと逃げる。
どういうわけか暴徒たちはジャックを殺そうと執拗に追ってくる。
飛行機で知り合った謎の男ハモンドピアース・ブロスナン)も逃避行を助けてくれる。


‥というあらすじだけで凄く怖い。怖いっつーか嫌さが強い。
嫌さが高いが凄く観たくなる設定がイーライ・ロス映画っぽい。
日本人の世間知らずの学生が海外に行き暴行されて惨殺されるニュース(散々レイプされあ後チクられない様に殺される)が数年に一回はあるが、読むたびにドヨーンとした気分になる。
そういうニュースの中には怪しいタクシーや薄暗い路地じゃなくても、公共の場や昼間の観光名所にいたのに輪姦→惨殺される事があるんだからマジで怖い。
自分は海外行った事ないんだが、普通に人が多い観光地にいたり電車乗ってただけで巨漢に突然ブン殴られて金を奪われた知り合いが二人いるし「車に乗ってたら安全だろう」と車運転してたら白人至上主義者の車に追突され、車から引きずり出されてリンチされてたらパトカーが来て半殺しで済んだ知り合いもいる。
そんな話ばかり聞いたので「ツアーとかじゃない限り絶対に海外行きたくない」と思うようになった。

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劇中のアジア人は西洋人男性を見つけたら即殺す、女はレイプする(直接そういうシーンはないけど)、子供を見つけたらその子供に自分の親を銃殺させようとする‥と、野蛮度が高すぎる。
野蛮な暴徒たちは、言葉も通じず只の野蛮で襲ってくるだけのゾンビのように描かれていてとにかく怖い(本当は理由があるのだがそれは後半にならないとわからない)。
「差別的な描かれ方」というよりも「アジアで暴動に巻き込まれたら怖くね?」というシンプルなワンアイデアをエンターテイメント100%のホラー映画にした印象。
ゾンビは自然災害に近いのでまだマシかもしれないが、こういう発展途上国の野蛮な暴徒に襲われるのが一番嫌かもしれん(「アフターショック」とかもそう)
しかも自分だけ逃げてるならまだしも美しくて優しい妻と二人の可愛く幼い娘を連れて逃げているという状況が嫌すぎる。

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中盤、主人公家族が捕まって大ピンチの時に、ハモンドピアース・ブロスナン)が颯爽と現れてアジア人を皆殺しにしてくれる(さすがジェームズ・ボンド
彼は言う
このクーデターが起こったのは俺たちのような者のせいだ。我々はこのような発展途上国にインフラ整備のための巨額の金を融資した、こいつらにはとても返せないような大金をな。こいつらは発電所やら何やら色々作る。彼らは更に返済できなくなる。そこを支配する
こいつらは俺たちの事を『水道を使って自分たちを奴隷化しようとしている』と思っている。その通りだ。この野蛮人共は自分達の子供を守りたいだけだ。君と同じように
俺のような者たちがこの状況を招いた。せめて、それに巻き込まれてしまった君達は逃がそう
なるほど、この国の者にとって西洋人は、侵略してくるエイリアンと同じなのだ。
そして主人公は「支配してくる奴ら=水道会社の一員」なので執拗に殺そうとしてきてたのだ。
彼らはあまりにも野蛮すぎて全く同情できないが、とにかく理由はわかった。
只の蛮族映画かと思ってたら思いのほか現実を反映していて面白かった。
ピアース・ブロスナンは、原因を説明して主人公を助けてくれるという神のようなキャラだからとはいえ、主人公に親切にしたり、自分が死にそうな時が来ても何の感傷もなく、それをあっさり受け入れすぎなところがカッコいい。
殆どスーパーヒーローみたいな人物で現実味はない。
しかし、こういう感傷なしのドライな感じで即行動して人助けできる人には憧れる

主人公家族とピアース・ブロスナンは高潔、対するアジア人は野蛮で鬼畜すぎ。
クーデターの動機を「西洋の巨大企業による侵略」と設定して配慮してあるとはいえ、観てたら「アジアの土人共は死ね!」という気分にしかならなかった。
思いがけず良作だったが、主人公家族の安否が気が気じゃないのと、アジア人が憎らしすぎて「早く助かってくれ」という気持ちが先走りすぎて、あまり楽しめなかった。
早送りしてさっさと最後を観て早く安心したくなってしまうというか


そんな感じでした

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