gock221B

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「グランド・マスター (2013)」功夫映画じゃなくてウォン・カーウァイ映画。イップマン映画はもうあるのでチャン・ツィイーだけでよかった☯

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原題:一代宗師 監督:ウォン・カーウァイ 製作国:香港 上映時間:123分

 

 

 

ウォン・カーウァイの映画は90年代に流行ってたので御多分に漏れず「欲望の翼」「恋する惑星」「天使の涙」など喜んで観ていた(それ以降は全然観てなかった)
この監督の映画の特徴は、自分が観た範囲だと、やたらとスローモーションを多用したりやたらとモノローグでポエムを詠みだしたり雨が降ってて画面が常にしっとりしている、あと他人との間に壁があるような表情の美人を撮るのがうまい。そしてストーリーは群像劇っぽく数人の主人公のストーリーが「あんまり関係なくね?」という感じで中途半端に絡んだり絡まなかったりする。全体的に中途半端だがつまらないわけではないしお洒落だから不思議な観賞後感に包まれて「ま、いいか」と思う。
20年ぶりに新作のこれを観たけど本作も正にそういう感じだった。
やたらと水がしたたってるアジアンゴシックな建物がやたろ出てきていてカッコよくて、こんなとこ住みたいなと思ってたが、よく考えたらめっちゃゴキブリがいそうだから今は住みたくない。
昔のウォン・カーウァイ映画は、自分が好きなのではなく女の子とよく観ていた。
そういえば、やたらと話がコロコロ変わって「今の話とさっきの話、関係なくね?まあいいか」と思ったりする感じが女性と話してる時の気分に似てるかもしれない。
とにかく雰囲気映画って感じで女の子とビデオで観て、しばらくして飽きたら停止して後日続きを観る‥とかそういう不真面目な観方をしていた。それはそれでいい気がする
映画的に本当に面白かったりすごかったのか?傑作だったのか?とかいうのは、特に改めて観返したてないからよくわからない。どちらかというと、あまり進んで観ようという気にならない‥けど嫌いなわけでもない監督っていう感じだ。今も昔も女性ファンが多い印象

本作はドニー・イェンの「イップ・マン」シリーズの主人公でお馴染み、ブルース・リーの師匠としてもお馴染みの実在した詠春拳の達人、葉門(イップ・マン)氏が主人公の映画。
このイップ・マンはトニー・レオンが演じている。ドニー・イェンに引けを取らない。
主人公は彼だけじゃなく、チャン・ツィイー演じる達人の復讐譚。カミソリと呼ばれる達人が何かフラフラしてるよくわからない話も並行して語られる。このカミソリは金城武が演じそうなキャラだったな。
彼ら3人のストーリーは群像劇っぽく語られていて、たまに絡んだりもするが、あまりガッチリ絡まない。三人の群像劇というよりも、三つの関係ない話が同時進行してる感じだった。
フィクション的にはチャン・ツィイーの仇討ち(父である師匠が殺され更に流派を乗っ取られるので敵を討って取り戻すという武侠ものでよくあるやつ)は起承転結あって盛り上がるが、イップ・マンがこの復讐には一切加担しないので盛り上がりきらない。もう一人の主人公カミソリ氏に至っては、カッコよくはあるがイップマンのストーリーの劣化版が付属してるだけって感じでもはやこいつのエピソードは全部いらんだろとしか思えなかった。こいつをカットしてイップマンとチャン・ツィイーに回せばよくね
そもそもイップ・マン氏の半自伝だからイップマンのストーリーは実際にあった事を元にしてるんだろうけど、他のキャラが実在した人物なのか創作なのかがわからない。
いま中国版Wikipedia見てみたが、イップ・マン血縁キャラ以外のキャラの項目が全くないので多分、創作なんだろうな。創作なら創作で三人がもっと絡む大胆なストーリーにすればいいのに、と思った。イップマンは実在だからあまり絡めない感じ?
創作キャラにしては地味だし目的がよくわからない。イップマン映画としてもオリジナル功夫映画としても中途半端な印象。
というかこの監督の映画ってそもそもこんなんばっかだったな。
そして昔は「逆にそれがいいんじゃない」とおもっていた気がする。
90年代は何かと「逆にそれが‥」ばっかり言っていた気がする。俺だけか?
今思い起こせば当時「逆に‥」と逆張りしてた事は全部無駄だった。自分に才能や学歴などが何もないので逆に逆に‥と逆張りばかりして現実逃避してたんだろうという気がする。

良いところで言うと映像は美しい。
あと自分はチャン・ツィイー好きだったが、彼女は面白くない映画ばかりに出てる印象だったので久々にまあまあ面白い映画で観れたし、本作では、その美しさやカッコいいポーズを堪能できてよかった。ジェダイ騎士の役とかめっちゃ似合いそう
しかし、それならもうチャン・ツィイーのキャラが敵討ちするだけの映画でよかったんじゃないか?と思えてくる。
だけど折角、カンフーうまい人を集めてやってるのにスローモーションを多用しすぎ。
そして、せっかく功夫ファイトしてるのにカット割りまくってるし、顔面ドアップも多すぎるし、美しさはあるけどアクションは魅力ゼロで全然楽しめなかった。自分が好きなアクションは、なるべくカット割らずに痛そうなものなので本作のアクションは真逆。素人を集めてやってるならまだしも出来る人たちを集めてやってるので勿体ないな~という感じする。TV番組などでたまにある「超高級マグロを刺身じゃなく、あえてBBQにしてみる」みたいな勿体なさ。
そもそも、この監督はもともとスローやポエムを詠んだりが多すぎる監督。
アクション以前に、コップ持ったりドアを開けるなどの日常動作ですら全部スローになってポエム詠むので観てると眠くなってくる。心の中の千鳥ノブが「もうスローやめぇ!」「ウォン・カーウァイのポエム詠むクセじゃ」とツッコみそうな感じだ

でも、それでもチャン・ツィイーの、駅のホームで電車が走ってるすぐ横での決闘シーンはカッコよかった(駅のホームでの闘いは好きなのだが思いのほか少ないね)
あとチャン・ツィイーとイップマンの会話で「技が散逸しまう」「多くの技は散逸してしまったわ」とか言ってるのを聞いて、昔から思ってたが「散逸」って言葉はカッコいいなと思った。自分のトークにも使っていきたい。。が、こういう言葉使うと得てして「え、散逸ってなんすか?」という事になるので口頭では使わなくなりがち。
というかチャン・ツィイーの話だけでいいよなやっぱ。。イップ・マンやトニー・レオンが悪いわけではないが、イップマンはドニー・イェンのイップ・マンがもうありますしね。。最後にブルース・リーがちょい出てくるが「それイップマンで観た」と思ってしまう。この部分、多分同時期に作っててネタが被った気がする。もし被ってなければ、武術の教えは世界に広がっていく‥云々という台詞と重なってもっと感動できた気もする。
そしてやっぱり昔のウォンカーウァイ映画の印象通り、スローでポエム詠んで各人が絡み合わない中途半端でフンワリした‥でも映像は美しくて雰囲気のいい映画という印象だった。この映画もやっぱり女の子と一緒に観て「もういいか。そろそろ寝るか」みたいな感じで停止したり後日に続き観たりする感じの観方がちょうどいいかもしれない
自分の好きな要素と真逆な要素ばかりだったので貶してばかりみたいな感じになったが、それほど嫌いじゃない。カンフー映画として観なければそれなりに楽しめる。
心を広く持たないと技が散逸してしまうからな。。

 

 


そんな感じでした

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