gock221B

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『グリーン・ランタン』(2011)/残念ながらネタにならないタイプのつまらなさ🔋

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原題:Green Lantern 監督:マーティン・キャンベル
制作国:アメリカ 上映時間:114分

 

 

🔋この映画は死ぬほどコケて前途有望だった主演ライアン・レイノルズのキャリアをあと一歩で終わらせかけた恐ろしい一作だ。
ワーナー+DCは、本作を起点にDCシネマティックユニバースを作ろうとしたらしいが、コケ過ぎたので本作はなかった事にして「2年後の『マン・オブ・スティール (2013)』がDCシネマティックユニバース第一弾ですよ~」という事になった。
そんなDCシネマティックユニバースは様々な作品が作られているが、グリーン・ランタン再映画化は随分先の2020年、しかもタイトルは「グリーンランタン・コァ(仮)」となっていてランタン一人の映画じゃなくて今のところ、どうやらグリーンランタン・コァのチームものとしての映画化のようだ。本作の凄い失敗ぶりによって「グリーンランタン単体作は危険だ!」と警戒されているようだ(悪いのはワーナーで、ランタンは悪くないのにね)。
本作は普通につまらなさそうだったし評判悪かったから観てなかったので今回初めて観たが、残念ながら評判通り普通につまらなかった。

原作の「グリーン・ランタン」は面白いのだが、本作のせいで、また「レゴムービー」や後の「デッドプールライアン・レイノルズによる執拗なグリーンランタンいじりのおかげですっかり「グリーンランタン=どうしようもないヒーロー」って感じの「グリーンランタンはいくらバカにしてもOK」みたいな風潮ができてしまったのも痛い。
この映画は本当につまらないので「映画グリーン・ランタン」はバカにされても仕方ないが、原作やグリーンランタンというキャラ自体がバカにされ続けるのは何だか気の毒だ。
もちろんグリーンランタンはDCコミックでは面白いしメジャーなヒーローなので、アメコミファンはバカにしていない。今言ってる風潮というのは「グリーンランタンは映画でしか知らないしコミック読んだことないし今後も読むつもりない」って感じの、いわゆる一般層の中での話だ。
一刻も早くワーナーが面白いグリーンランタン映画を作る必要がある。それ以外に一般層のグリーンランタンに対する印象を変えるチャンスはない。もしくは10年くらい寝かして一般葬の記憶から風化させるという手もある(どうやらワーナーはこの手段を取ってるようだね)
🔋英語苦手なので原作は大して読んでないけど、ジェフ・ジョーンズ原作の「グリーンランタン:リバース」から始まる一連のシリーズ‥「シネストロ・コァ・ウォー」「ブラッケスト・ナイト」がめちゃくちゃ面白かった。
普段の連載はあんまり読んでないがこれらはグリーンランタン・コァの闘い、そして複数の敵対してたコァと共闘したりして最終的にはバットマンやスーパーマンなどのDCヒーローオールスターと共闘して死と闘ってめちゃくちゃ面白かった。

どこか少年ジャンプっぽい団結なので日本人にもウケそうでオススメしたいところだが、本作がコケたため邦訳も「リバース」だけでストップしてしまった。

 


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腕は一流だが自信過剰でお調子者のハル・ジョーダンライアン・レイノルズ)。
彼は恋人キャロル・フェリスライアン・レイノルズの妻ブレイク・ライヴリー)の戦闘機の会社で戦闘機テスト・パイロットをしていた。
全銀河を守護する宇宙警察機構「グリーン・ランタン」の最大の敵である恐怖の化身パララックスが封印を解いて再び活動を始めた。
パララックスの襲撃を受けたグリーン・ランタンの戦士アビン・サーは、自らの代わりとなる新たな戦士を探すため地球に不時着する。
グリーン・ランタンの力の源であるリング(指輪)が選んだのは、ハル・ジョーダンだった。
一方、アビン・サーの遺体は政府に回収され、生物学者ヘクター・ハモンド博士によって秘密裏に調べられていた。
ヘクターは遺体に残っていた恐怖の力「イエロー・パワー」を帯びたパララックスの細胞に感染し、異能力を得ると同時に心身に異常をきたしていく──

 

 

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まず映画冒頭で6分くらいを費やして「グリーン・ランタンの成り立ち」「グリーン・ランタンとは?」「パララックスとは?」などを説明する。
アメコミファンなら周知の事実だから「早く映画始めろよ!というか劇中で語れや!」とイライラするだけだが、そうでないランタンを知らない者にとっては、いきなりランタンの色んな設定を面白くもない映像と共に、だーっ!と一気に説明されるので恐らくこの説明は初見の人の頭には入っていってない気がする。
その後、主人公ハルの私生活。父が戦闘機の訓練で爆死したことがトラウマでモヤモヤして生きてる事、恋人キャロルの戦闘機会社でテストパイロットしてる事などが語られる。
その後、グリーン・ランタンの一人アビン・サーが恐怖の化身パララックスによってダメージを受けて地球に堕ちて死亡。グリーンランタン・リングは居合わせたハルを後継者に選び、ハルは晴れてグリーン・ランタンとなる。
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このマスクやスーツのCG、2011年にしては妙に安っぽい。
いやスーツだけでなく、色んな異星人や宇宙の物体のCGなどが、どれも妙にノッペリしていてプレステ3あたりのゲームみたい。
デザインだけでなく、いきなり何十種類ものエイリアンが在籍するグリーンランタンという組織や、「緑の光のビームで闘う」という数々の設定が、そのまま映画化するにはあまりにマンガ的すぎたか?
‥いや、それはSWやMCUなども同じことだ。何か上手い方法があったはずだ。
映画を観てると「設定の説明」→「ハルのトラウマ」→「リングに選ばれる」→「パワーを使えるようになる」→「ヴィランも生まれる」→「トラウマの克服と共に敵を倒す」‥などと、きちんと順を追ってグリーン・ランタン誕生を語っているのだが、これが凄くつまらない。「ちゃんと順を追って語ってるのにつまらない」というのはベン・アフレック版「デアデビル」に似ている(だが本作はデアデビルよりつまらない)
本作の「段取りはちゃんとしてるのにどうしてつまらないのか?」という事を具体的に指摘するのは難しい。はっきりしてるのは「説明するのは難しいが、これはつまらない」という事だけだ。
褒めるとするなら「ハルやグリーンランタン・コァの面々や色んなキャラを結構、原作に忠実に描こうとしている」という姿勢くらいしかない。
この「キャラや設定が原作とそう離れてない」という数少ない長所は恐らく数年後に「アロー」「フラッシュ」「スーパーガール」などのDCドラマを手掛けて大好評を得るグレッグ・バーランティ氏が制作&共同脚本にいるおかげだろう。一時は監督候補でもあったそうだ。だが本作の時点ではまだ発言権が小さかったので設定以外はショボい感じになってしまったと推測した。
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ハルはグリーンランタンの本拠地・惑星オアに招かれ、先輩ランタンのト・マーレや鬼教官キロウォグやシネストロにシゴかれる。
グリーンランタン・コァの仲間たちが好きな俺はこのキロウォグ達にシゴかれるシーンを楽しみにしてたが数分くらいで修行シーンは終わってしまった。
それにしても、ここは修行してる映像をバックに「数か月間修行した」とかナレーション入れればいいだけなのにハルの修行は本当に一瞬で終わるので非常にバカバカしい。
既にリングの事を知っている地球の同僚メガネの前でランタンに変身して見せたら

メガネ「うわあぁ!緑ぃぃ!」と叫ぶ(このメガネはギャグ担当の面白キャラのようだが終始すべってる空気が流れて「嫌な気分」にさせられる。演じてる俳優はもっと嫌な気分だろう)
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ところで、このシネストロという頭の長いオッサンはハルの宿敵だ。バットマンに対するジョーカー、スーパーマンに対するルーサーみたいな存在。だが今はまだ敵ではない(今はっていうか二度と続編は作られないのでこの世界のシネストロは永遠に出番の少ない先輩ランタンのままだが)
だが、このシネストロは原作そっくり!
これは本作を嫌いな人でさえも認めざるを得ないほどそっくり。これも数少ない長所。
ただ、本作ではシネストロを温存したまま終わるので原作にそっくり過ぎる事が逆に虚しくなる。変な雑魚やパララックスなんて大物をヴィランにするんじゃなくて素直にシネストロと戦わせればよかったのでは?
その後キャロルのベランダにグリーンランタンとなって飛来し
、2人は空を飛んでデートする。映画「スーパーマン」のオマージュだろう。
ワーナーは映画「スーパーマン」の栄光が忘れられず空中デートさせたのだろう。
色んな要素を積み上げていって飛行デートした「スーパーマン」とは違い、本作ではただ元から仲のいい男女がデートしてるだけなので何ら感動的でもなく、ただ表面をなぞってるだけだ。

 

f:id:gock221B:20181130094405j:plainハル&キャロルの幼馴染の科学者ヘクター・ハモンドは、アビン・サーの遺体を検死中にパララックスの細胞に感染、超能力を得るが心身に異常をきたして悪の教授となってしまった。そんなヘクターは、自分の父が自分を恥じている心の声を聞きアマンダ・ウォーラー博士もろとも攻撃。
ガラスに叩きつけられたアマンダ・ウォーラーが何故か落ちずにガラスにくっ付いたままなので笑った。
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このまま何故か張り付いている。
ウォーラーはガラスにめり込んでるのか?それともウォーラーはガラスにくっつくことが出来るパワーを持っているのだろうか。

何で落ちて来ないんだ?
彼女はシリアスなキャラなので、こんなチャウ・シンチー映画のギャグシーンみたいな役割をすると凄く奇妙な気分になる。

すぐにハルが来て交戦。この映画、ここで初めてバトルが繰り広げられる。
ここまではグリーン・ランタンのオリジンに時間を取っていたのだが、もう終盤‥さすがに長すぎる。

それにしても、このヘクターといいシネストロといい、頭の長いオッサンがよく出てくる映画だ。頭の長いおじさんが観たい人にはいいかもしれない。
初戦のハルは劣勢、ハルはヘクターのサイコキネシスで押さえつけられ、ハルの目の前でヘクターは自分の父を焼き殺す。

ハルはヘクターの超能力を跳ね除ける事ができずヘクター父が殺されるのを見殺しにしてしまった。
「初めての闘いだったしダメージがあったしヘクターの超能力は強大だから無理だった」という言い訳はヒーロー映画では通用しない。
こういったスーパーヒーローの場合「市民を助けなきゃ!」という気合でもってパワーを発揮して絶対に助けなければいけない。
しかも「グリーンランタンは意志の力で闘う」と散々言ってきたのも悪い意味でフリになってしまい「ハルは本気を出せば市民を救えたのだが、本気になれなかったのでパワーが出なかった」という事になる。こうなればハルの魅力も目減りする。
1分後、カットが変わるとハルは無傷でピンピンしている。やっぱり大したダメージではなくハルの心が弱かったことが確定してしまった。
その後のキャロルとの会話で「どうやらハルは子供の時の父の事故が原因で、ここ一番の時に逃げてしまう性格」だという事がわかる。
あぁ‥なるほど、そういったトラウマを後半で跳ね除けてヒーローとなる逆転勝利をやりたかったのか。ヘクター父はそのための犠牲という事で、物語的には意味のある死だったのかもしれない。
だが、大したダメージもないのに気持ちで負けてオッサンが殺されるのを助けられなかったというのはハルの魅力的に良くない。

 

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ハルはヘクターを倒しに行くが、知らない間にキャロルが人質にされていた(少しでいいから誘拐シーンを入れてほしい)。ハルはトンチを使ってヘクターを倒す(ここは唯一ヒーローらしい活躍)
だがパララックスが地球に襲来することを知ったハルは惑星オアに行き他のランタン・コァに加勢を頼むが断られる。
ガーディアン(ざっくり言うとランタンのボス)は
「地球が犠牲になるのは残念だが、宇宙全体は助かるんじゃ」と言う。
何でパララックスが地球を滅ぼすのを見過ごすと宇宙全体が助かるのかがよくわからない。
結局一人でパララックスと闘うことになった戦闘経験一回だけのハルだが、今まで何百人ものランタン達やガーディアンが総掛かりでも倒す事ができず封印するしかなかったパララックスを一人で
倒した。
いくらハルにランタンの才能があると言ってもハルが一人で倒せるくらいなんだからグリーンランタン・コァが数人行ってればもっと余裕だったのでは?
そもそもコァには何百人もいるし。。
一方シネストロは、パララックスを御するためのイエローリングを完成させていた。
永遠に使う機会のないイエローリングをな。
何百人もいるのに一人も助けに来てくれなかったランタン達は、一人でパララックスを倒したハルを称える!ランタン万歳!
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ここで盛り上がるのは難しい。
「お前ら何で助けに来てくれなかったんや!」とハルがランタンたちをぶん殴ってもいいくらいだ。
「パララックスが張った結界によって誰も太陽系に入れない。だからハルが一人で倒すしかない」などの納得できる説明とかがあったのならまだしもそれもない。
だから、ランタン達はパララックスが怖いからハル一人に押し付け、ハルが勝利したと見るや一緒に拳を突き上げて「信じとったぞ!」と調子を合わせているようにしか見えない。

 

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そんな感じで普通につまらない映画だった。
良いことと言えばキャラが原作通りなのと、ライアン・レイノルズが本作のおかげで後に愛する妻となるブレイク・ライヴリーと出会ったことくらいだ(つまりライアン・レイノルズの合コン会場としては良かったのかもしれない)
↑この楽しそうなコァの面々の活躍が見れなかったのも残念。
だが一応、映画にはなってるので新しい「ファンタスティック・フォー (2015)」に比べたら若干マシだとも言える。

 

そんな感じでした

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