gock221B

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『デッドプール』(2016)/一切リアクションしない中学生男子みたいなヴィランは何なんですか❌

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原題:Deadpool 監督:ティム・ミラー 制作&主演:ライアン・レイノルズ
製作国:アメリカ 上映時間:108分 配給会社:20世紀FOX
シリーズ:デッドプールシリーズ。X-MENシリーズのスピンオフ

 

 

 

ワーナー+DCのグリーン・ランタン (2011)」で主演を演じたが大コケし、「ウルヴァリン X-MEN ZERO (2009)」でデッドプール役として登場したが、赤いコスチュームじゃなくて半裸にされ喋りが売りなのに口を縫われた別人みたいなクソキャラとしてのデッドプールを演じさせられたライアン・レイノルズが、原作通りのちゃんとしたデッドプールを制作&主演して帰ってきた。
原作まんまのデッドプール映画なんて、そんなの素人が考えても人気出るに決まってるのに何故か制作OKを出さないアホのFOXに対して、レイノルズと本作の監督や脚本家は、2012年に撮影したデッドプール動画を2014年に匿名で流出させてファンの支持を得た。
DEADPOOL TESTE DE LANÇAMENTO OFICIAL - YouTube
FOXは渋々と低予算とOKを出して本作が公開‥X-MENを超える人気と評価と興行成績を叩き出して大勝利‥。そんな映画のようなドラマチックな経緯で完成したのがこの映画。
FOXは何故そんなにデッドプールを作りたくなかったのか不思議だ。下品なギャグを言うキャラだから、カンナムスタイルがヒットして欲しくなかった韓国政府みたいにX-MENを差し置いてヒットしてほしくなかったのか?本当なら「キック・アス (2010)」より先にデッドプールを登場させて欲しかった(やはりウルヴァリンZEROで本作みたいなデッドプールをおとなしく出してればそれが叶ったのに)。
このデッドプール‥レイノルズ&監督&脚本家達のような勇者が現れてFOXのMARVEL映画を刷新してして欲しかった。そしてその通りになったのが本作。
本編の内容も面白いけど、こういった経緯を加味すると更に最高に感じられる。

 

 

Story
赤いコスチュームに身を包んだ男デッドプールライアン・レイノルズ)。
その正体は、特殊部隊の有能な傭兵として活躍していたウェイド・ウィルソン
引退後、娼婦のヴァネッサモリーナ・バッカリン)と出会い本当の愛を知る。
しかし結婚を決意した直後、末期ガンで余命わずかと診断されてしまう。
ウェイドは怪しげな治療に最後の望みを託すが、それは被験者をミューテイト(後天的ミュータント)化して人間兵器に改造する恐ろしい人体実験だった。
フランシス/エイジャックスという男によって実行されたこの実験によりウェイドはヒーリングファクター超回復能力)を得て不死身の肉体を手にする。しかし、その代償として全身の皮膚がただれた醜い姿となってしまう。愛するヴァネッサに会うことも出来ず、マスクを被ってデッドプールとして生きることを余儀なくされたウェイド。
こうして、自分を騙したフランシスへの復讐に執念を燃やし、彼らの行方を追うデッドプールだったが――

 

 

 
既にデッドプールになっているウェイドが大暴れしてる序盤が一番面白かった。
極端に言うとここだけが延々と続いてほしいが、そういうわけにはいかないので中盤は回想シーンになってヴァネッサとの出逢い&人体実験でデッドプールのオリジンを描き、後半は割と普通っぽい最終決戦。
原作の楽しいデッドプールは前半がトップで次に中盤、次に後半‥と、だんだん普通のアクション映画になっていく。もう少し全編むちゃくちゃなものを望んでたのだが大勢に受け入れられるにはこれくらいが丁度よかったのかもしれない(そして大ヒットしてるのだから、これで正解だったのだろう)
回想の中でヴァネッサとの恋愛シーンを「辛い現実という本編に一瞬だけあった幸福なCM」みたいな言い方してたのがぐっときました。
アメコミ原作映画のオリジンを描く一作目の中でも上位の方だと思う
FOXのX-MENシリーズの中では一番好きかな。アメコミ映画の中でも上位。。
MCUは大好きで、一作目から観ててシビルウォーもエンジョイしたけど、あまりにも込み入って複雑化してきたMCUへのカウンターとして、本作のしがらみの無さっぷりが爽やかに感じられて、MCUも好きだがデッドプールも好きです。
あとED曲「ケアレス・ウィスパー」子供の頃好きだった曲なので何だか嬉しかった。
23. Wham! - Careless Whisper (Ending Song From Deadpool) - YouTube
次はケーブルやドミノも参戦し、ゆくゆくはXフォースを結成するらしい。楽しみだ

 

 

 
デッドプールは原作デッドプールのイメージ通りだった。いやレイノルズの「良い奴」感が加わって映画の方がいいかもしれない。
まず元特殊部隊の隊員だったのでデップーになる前から普通に強い。
そして与えられたミュータント能力は不死身。だが癌細胞も同時に促進してしまうので爛れた皮膚は永遠に治らない。四肢切断されてもトカゲみたいに後から生えてくる。だから怪我や死をあまり気にせず暴れられるので殺人技術がよりヤバいものになる(撃たれても平気なので武装した敵の群れに刀だけで飛び込んでも制圧できる)
人体実験でデッドプールになって以降、映画の世界の外‥つまり我々が住む現実世界のことをカメラに向かってペラペラとメタ発言するキャラとなる。それを他の登場人物はウェイドの事を半狂人だと思う‥という仕組みなのだが、そもそも客席に話しかけるキャラは映画には大勢いるので、このポイントはギャグ要素としてさらっと描写している。むしろ「辛い時こそギャグを言って乗り切る」という原作スパイダーマンみたいな要素を持ったキャラとなっている。
コスチュームは、最初は適当に塗った白いものだったが接近戦や乱戦が多いデッドプールはすぐ返り血で血まみれになってしまうため、血が目立たない赤いコスチュームになった。説得力ある理由だ。
90年代だったらジム・キャリーが演じたり、山寺宏一が吹き替えしそうなキャラだ。
再生した手が赤ちゃんみたいに小さかったのがエヴァ使徒っぽくてキモくて良かった。もっと頭のおかしいキャラを希望していたが結構、普通のナイスガイだった。
だが、あんまり頭のおかしい奴を出しても時代に合ってないので、これくらいのナイスガイで良かったのかもしれない。
中盤のオリジンで、研究所に監禁され遺伝子に突然特異を誘発するために投薬され連日拷問を受けるのだが、可哀想なはずのこのシーン、ウェイドの反抗っぷりと敵の中二ぶりの対比で凄く可笑しいシーンになってるところがよかった。
めちゃくちゃ苦しい拷問を受けてもジョークで乗り切ったり、フランシスにキレそうなほどムカつくことを言われても、出来るだけ冷静にフランシスが言われたくない事を探して一点突破で皮肉を言うところがカッコよかった。感情を乗り越えてるという意味で人類としての到達点ともいえる凄い奴だった。
アバンで、デッドプールが道路に腰かけて落書きしてて、通りかかった敵のバンに飛び降りる時の「フワッ‥」とした浮遊感、あそこの何からも解き放たれたかのような軽やかな浮遊感からは「これから面白い映画が始まるぞ」というムードを感じた。

 


この自称エイジャックスのフランシスデッドプールと同じような戦闘技術を持ち「痛みや感情をあまり感じない」という中学生男子のような能力を持ったミュータント能力を持っている(こいつの攻撃喰らったら水平に吹っ飛んでしまうので怪力も持ってるように見える)
「何も感じない」ため、自分を襲ってきたデッドプールが素顔を見せて自分の実験体だったとわかったり、ラストバトルでピンチになったり、いよいよ最後にトドメを刺されそうになっても「一切リアクションしない」という中学生男子みたいな態度を取り続けるキャラなので、デッドプールにやられてもイライラが晴れにくいキャラだった。
せっかく楽しいデッドプールのデビューなんだからもっと「生きていたのか!?」とか「ま、まて私を殺したら治療法が見つからないぞ汗」などと慌てて欲しかった。それなのにそういった窮地に立たされても「へへっ‥」と矢吹丈やヒーローにしか許されない笑みを浮かべるので「お前が浮かべていい笑みじゃないぞ!」とムカつきました。
‥と、最初はムカついてたのだが、「フランシスという本名をいじられる事だけはムカつく」という事を独力で探し出したデッドプールに事ある毎にいじられた時だけ精神的ダメージを受ける‥という事を考えると、そういう意味ではウルヴァリンが幾ら切り刻もうとコロッサスが何度ぶん殴ろうとダメージを与えられない敵だったのかもしれないが、そういったウィークポイントを大喜びで弄れるデッドプールただ1人だけがフランシスにダメージを与えられるヒーローだったのかもしれん。
大女エンジェル・ダストも、コロッサスを吹っ飛ばせるくらいの凄まじい怪力を持ってるんだが(コロッサスはハルクより少し弱いくらい凄く強い)、コロッサスが本気出すとすぐ劣勢になる。コロッサスの方が遥かに強いのだ。
だがパイオツを見せて童貞紳士コロッサスがキョドって再び優勢に立ち、お色気が通用しないネガソニが加勢して敗れる。
しかしX-MEN二人がかりで闘うのなら、コロッサスの数倍強いパワーキャラにすべきだった気もする。

 

 


公開を控えている「X-MEN アポカリプス」には出てないコロッサス、彼は一見貧乏くじを引いたように見えるが「デッドプール」は大ヒット、対して本国で公開されたばかりの「X-MEN アポカリプス」のオープニング成績は本作の半分程度な上に低評価。
X-MEN アポカリプス」のメインで活躍するミュータントは12人。
しかもブライアン・シンガー監督なのでハゲとマグニートとミスティークとウルヴァリンクイックシルバー以外のキャラは、ただ背景でウロウロしてるだけの書き割りみたいなキャラで、ただいるだけだ。
コロッサスが出てたとしても多分「ウオー!」とか言って雑魚に体当たりするだけだっただろう(正直、過去作に出たコロッサスの活躍シーンも全く覚えていない)
対して本作ではかなりキャラも立って輝いていた。
コロッサスのイメージにあった童貞紳士っぷり。
やたらX-MENへと勧誘する昔の自衛隊みたいな言動。
あまり説得力のないヒーロー論の演説‥など。
更に出てくるたびに物を食ってるという食いしん坊要素までもらってた。
すげーキャラ立ってる。「X-MEN」なんかに出るよりもずっと良かった(僕の好きなサイロックもこっちに出て欲しかった)
X-MEN研修生ネガソニックティーンネイジ・ウォーヘッドも名前のカッコよさとゴスっ娘っぷり、それとデッドプールによる90年代スキンヘッド女いじりでキャラ立ってたし僕の好きな黄色いX-MEN服も良かった。
それにしてもこの娘はめちゃくちゃ顔が小さい。
デッドプールの三分の二くらいの小顔だ。
というかこのカットちょっと変だな。遠近感があるように互い違いに位置してるように見える「ほんとに向かい合ってるの?」って感じがするが実際に向かい合ってるカットだ。レイノルズの顔も案外デカいのかもしれない。
どうでもいいけどフランシスの施設で、ちらっと映った骨が飛び出た女性はマーロウなのかな? マーロウとか、それに似た骨が飛び出たミュータントは、ひと目でわかりやすいからか、こういうX-MEN映画の「ミュータントが大勢いますよ」って場面でチラ見せ要員で出がち。

 

 

 

そんな感じでした

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ティム・ミラー監督作〉
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Deadpool (2016) - IMDb

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