原題:Citizenfour 監督&制作&撮影&出演:ローラ・ポイトラス 出演:エドワード・スノーデン、グレン・グリーンウォルド 編集&製作:マティルド・ボンフォワ 製作:ディルク・ヴィルツキー 撮影:クリステン・ジョンソン、ケイティ・スコッギン、トレヴァー・パグレン 製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ、ジェフ・スコール、ダイアン・ワイアーマン、デヴィッド・メンシェル、トム・クイン、シーラ・ネヴィンス 製作国:アメリカ/ドイツ 上映時間:114分 公開日:2014年10月24日(日本は2016年6月11日)
スノーデン事件の渦中に立ち会い、その舞台裏の一部始終をリアルタイムでカメラに収めた衝撃のドキュメンタリー。第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作。
スノーデン氏の事をボンヤリとしか知らなかったので死ぬほど面白かった。
ネタバレあり
Story
2013年初め、ドキュメンタリー作家ローラ・ポイトラス監督は〈シチズンフォー〉と名乗る人物からコンタクトを試みるメールを受け取る。
それによると「NSA(国家安全保障局)がアメリカ国民の膨大な通信データを秘密裏に収集している」という事実について重大な内部告発をする用意があるというのだった。
2013年6月3日、ポイトラス監督は旧知のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドとともに香港へと向かう。
ホテルで2人を待っていたのは、エドワード・スノーデンという元CIA職員の青年だった。
彼はカメラの前でNSAの驚くべき活動の実態を詳細に語り始めるのだったが――
ドキュメンタリー作家ローラの元に謎めいたメールが届く。
「NSA(国家安全保障局)はアメリカ国民の膨大な通信データを秘密裏に収集している。証明もできる。この事実について重大な内部告発をする用意が私にはある シチズンフォーより」
ローラは"シチズンフォー"との暗号メールのやり取りを九ヶ月間続けた後、信用できるジャーナリスト、グレン・グリーンウォードと共に、シチズンフォーが待つ香港のホテルへ行き、目印にルービックキューブを持っているスノーデンと落ち合う。
そこで会った男性がシチズンフォー=元CIA職員エドワード・スノーデン。
彼はカメラの前でNSAの秘密について語り始めた。。
‥という感じで、始まって1分くらいでもうめちゃくちゃ面白い。
スノーデンの最初のメールで、やり取りするに当たってパスコード等を監視されないように忠告が書かれてるのだが
「敵は1秒間に1兆通りの組み合わせを試せるから気をつけて」
冨樫義博の漫画の厨二病的キャラクターの台詞のようだ。
国家の真実を極めると発言が厨二っぽくなるという事がわかった。
漫画のような話が次々出てくる。そしてほぼ全て事実なんだから面白く無い訳がない。
スノーデンのキャラもいい。
善良なインテリ米国民といった雰囲気の端正な顔立ちで淡々と語るのだが、たまにニヤリ‥と厭世的な笑みを浮かべたりして人間的魅力がある。
「自分がスノーデンになって、こう振る舞いたいよ」と思わせる。
スノーデンはホテルで、グレンに情報を渡す。
「家族と会えなくなるし、捕まる危険を犯してまで何故、暴露しようとしたの?」
と聞くと彼は
「そうすることで僕は気分が良くなるからだ‥(Feel Good)」と答える。好感持てる。
「監視ドローンによって監視すべき人物や関係ない人の建物も24時間監視されている」
「家庭用電話は、通話中だけじゃなくて受話器が降りてる間も全て盗聴できる」
「PCにパスワードを撃ちこむ時は毛布を被ったほうがいい」
「PCに最初から付いてるカードはなるべく外した方がいい‥なるべくね。くくっ笑」とニヤニヤしており「これが全て嘘でこいつが只の厨二病患者でもそれはそれで面白いな」と一瞬、思わされた。
重大な事を聞かされたローラやグレンは「何か疑心暗鬼になっちゃうw」
「ねー、荷物全部持っとかなきゃ安心できないw」と緊張しながらもワクワクしている。その気持わかる。
そして翌日もまた重要な事を話している時、ホテルの警報ブザーが鳴る。
鳴り終わるのを待って話し始めようとすると再び鳴る。
ホテルの一室に「もしかしてこのブザーも何か?」と緊張感が走る。
スノーデン「盗聴できないからヤケを起こしてるのかな?笑」
受付に電話したら、、只の警報のテストだった。
このパートを残してるのが面白いな。普通だったら切るよね。
グレンはスノーデンから聞いた情報をすぐ記事にした。
たちまち全国ネットのニュースになり、TVインタビューに出演したグレンは「全国民の通話記録は全て傍受されている」と語る。
翌日、何も知らない恋人リンジーにメールで「もう会えないかもしれない」と告げるスノーデン。
もう既にスノーデンの暴露だという事は知られているようで、恋人の家に警察官ではない者たちがドアを破ってでも入ろうとして部屋を捜査される。
そしてリンジーは、何故か家賃自動振り込みが出来なくなり「5日以内に振り込まないと立ち退いて貰う」と大家に言われたり、家の周りに大型建設用トラックがたくさん停まっている。
「一体なにを探しているのやら‥笑」と菩薩めいた笑みを浮かべるスノーデン。
いいキャラをしている。
彼も、もう恋人や家族と逢えなくなる事はわかって暴露しているわけだが「想像と、実体験は違う」と若干、傷心のスノーデン。
翌日TVで、NSAとFBIは主要インターネット民間企業の中央サーバーを直接盗聴して個人の情報や現在位置などを全て把握している、と報じられる。
スノーデン「今後、自分がどうなるのかわからない。怖いけど開放感もある‥笑」
ちなみに彼はずっとアルカイックスマイルを浮かべている。告発暴露ハイなのかも。
スノーデンは「そろそろ、顔出しで言った方が影響力もある。」カメラに語る。
「これは僕の問題じゃない。全国民の問題なんだ。僕はお前たちを恐れない、他の者にしたように脅しても僕を黙らせる事はできない。誰もやらないから僕がやる」
やばい、、こいつ完全にヒーローやん。。キャプテン・アメリカか?
「ネットの世界に『ヒドラ』という精神がある。一人潰せばその後にまた足が生えてくる。もし僕が消されたら他の者が続きをやるだろう」
キャップか?って話してたのにヒドラが出てきてややこしいが、とりあえずカッコいい。
スノーデンは最初から名乗り出るつもりでいる。
グレンは、スノーデンが名乗り出る道筋を作ってやり、スノーデンは国民の前に登場。
その後、映画は第三幕‥終盤に突入して大きな騒ぎ、スノーデン事件となる。
そして、スノーデンの暴露の余波などが主に描かれる。とても面白い。
どうでもいいが、顔出しした後にオシャレし始めたのは何だったんだろう?
捕まった時にダサくないようにか?
ウィキリークスのジュリアン・アサンジの手引きで亡命する様子などが描かれる。
突然、今までいたホテルにマスコミからどんどん電話がかかってくるのが怖かった(一体どうやって知ったんだろう)
「自由を現代風に言うとプライバシーだ、そしてプライバシーはもう無い」と誰かが言う
とにかく、このNSAや合衆国の傍受は怖い。悪用されたらどんな事でも出来てしまう。支配者と非支配者の関係だという事が明らかになってしまった。
まだまだ緊張状態が続くスノーデン周りだが、ハッピーな展開もある。
これは大人だけじゃなくて、最初の方に書いたように中学生も楽しめる。
思春期の妄想が全部事実だったみたいな話で。。
エシュロンも一瞬映る。我らサイコウォーリアーはいざとなったらエシュロンに塩水ぶっかけて世界の自由を取り戻さなければならん。。
あまりに面白かったので、グレンが書いたスノーデン本読みたくなった。
全然関係ないけどスノーデンは日本のアニメやゲームが好きで「鉄拳」シリーズのファンらしい。
ちなみに監督オリバー・ストーンで自伝映画「スノーデン」がもうすぐ公開される模様。「ザ・ウォーク」に続き、またジョセフ・ゴードン=レヴィットが存命偉人を演じる。オリバー・ストーンはあまり好きではないがスノーデン自伝と聞いたら観ないわけにはいかないだろう。
そんな感じでした
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Citizenfour (2014) - IMDb
Citizenfour | Rotten Tomatoes