gock221B

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「ザ・コンサルタント(2016)」映画全編が、殺人会計士である主人公のキャラ紹介かつ面白いという変わった映画だった

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原題:The Accountant 監督:ギャヴィン・オコナー 制作国:アメリカ 上映時間:128分

ここ数年、年に一本はあるアクションスターではない既に成功しているスターが殺人マシーンを演じる系映画‥「イコライザー(2014)とかジョン・ウィック(2014)」とかと同じ種類の映画の新しい一本。
実際どれも面白く、こんなものを作られたらエクスペンダブルズはますますエクスペンダブルズで固まらないと生きていけない。
一言で言うと「昼はレインマン会計コンサルタント、夜は殺人マシーン」という映画。

Story

田舎町で会計コンサルタント事務所を構える物静かな男クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)。
コミュニケーション障害を持っているが数字に対しては超人的な能力を発揮する彼は、裏社会と繋がりを持ち彼らの仕事を請け負っていた。
アメリカ政府当局もその存在には気づきつつ、なかなか正体を掴めずにいたが財務省の捜査官レイモンド(J・K・シモンズ)は部下メリーべス(シンシア・アダイ=ロビンソン)と共に謎の殺人者「会計コンサルタント」を追う。
そんな中、ウルフのもとに義肢などの開発を行う大手メーカー、リビング・ロボ社の財務調査という依頼が舞い込む。
社長のラマー(ジョン・リスゴー)に頼まれて、同社の経理担当デイナ(アナ・ケンドリック)が一年かけて見つけたという使途不明金の解明に乗り出したウルフは、天才なので一晩で不可解な点を見つける。矢先、調査は一方的に打ち切られてしまう。
そしてその日からウルフとデイナは、暗殺者ブラクストン(ジョン・バーンサル)率いる集団に命を狙われ始める。。

みたいな話。

序盤
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序盤はベンアフ演じる主人公の描写が丁寧にされる。
冒頭は、幼少期にパズルの最後の1ピースを無くしてパニックを起こしていると、幼女が拾ってくれる。その最後のピースをはめるとそれはモハメド・アリのパズルだった。
‥という事がわかる。しかもウルフは、このパズルを裏返してやっていた。
この時点ではわからないが何かの伏線なんであろうカッコいい始まり方。
彼は、数学の天才だが自閉症アスペルガー症候群で、感情や暗黙の了解などがわからず、たとえ話やジョークを真に受けてしまうシーンがちょくちょくある(だけど知能は高いので知識や経験によってそれらの察せなさを補って普通に生活できている)
神経質ゆえに規則性のある私生活だったり、パニックになるとソロモングランディの詩を唱えて気を静める様子が描かれる。
そんな感じで、田舎では目立たない物静かな会計士‥という感じで働いている。
だが今現在のベンアフなので筋肉パンパンの‥身体が完全にゴリラ。
これは「会計士が実は殺人マシーン」映画で、中盤以降でアクションもこなすので身体がパンパンで普通なのだが、ハッキリ言って映画の前半は「只の物静かな会計士だが実は‥?」というネタフリの部分なので「素手で他人の身体を引きちぎれそうなほど異常にデカいパワー系コミュ障の大男」が眉間にしわ寄せてウロウロしたり家でスネを棒でゴリゴリやって鍛えたり「何やってんだこいつ‥」という辺りがはっきり言って怪しすぎる。
本作が意図していないであろう異様なパワー系の恐ろしさを醸し出していた。
最初から「自閉症だがヒーロー、が主人公の映画」とわかって観ているからいいが、それを知らずに観ていたらと想像すると怪しすぎて凄く可笑しい。
パッと見、AVGN(ジェームズ・ロルフ)に似ている。
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あと、のっそり加減が「パンチドランク・ラブ(2002)」のアダム・サンドラーにも似てる。パンチ~も情緒不安定なのっそりした男だった。
端正な顔のこういうキャラは皆このスタイルになるのだろうか?


すごく不思議な映画。
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第一幕でたっぷりとウルフのキャラ紹介がなされたが、この映画はちょいちょい回想を挟みつつ、何だかんだ言って最後の最後までウルフのキャラ紹介が続いて終わる。この映画が丸々一本「ウルフのキャラ紹介」といっても過言ではない。
ただの「昼は一般人、夜は殺人マシーン」映画の一本だと思ってたけど、映画内の配分が凄く変わってて実に不思議な映画だった。
だけど、もっと知りたくなるので奥行きある映画だなと思った。
そして財務省の捜査官2人や、暗殺者とかのキャラも、やはり凄く奥行きがあった。
悪の黒幕は若干、薄っぺらいステレオタイプな悪役だった気がしなくもないが、彼は割とどうでもいいキャラなのでいい。
ウルフが射撃場にさせてもらってる老夫婦も何となくいい感じだった。
アナ・ケンドリック演じるヒロインは残念ながら、ウルフに割く時間や他のキャラに割く時間が多すぎて只の可愛い女でしかなかった。だけどやはりスターだけあって魅力だったわ。
最後に対決する暗殺者は、ネットフリックスのMARVELドラマで今パニッシャーやってる奴(フューリーとかボーダーラインにも出てるくせっ毛の鼻でかい変わった顔してるアイツだ)
つまり本作はバットマンvs.パニッシャーでもある。
結果も1995年に翻訳された「バットマン:パニッシャー」と同じだった。
中盤以降はウルフの戦闘シーンが展開されるので、過去に訓練を受けている描写などが増えてくる。そして普通、そんな回想は前半だけだが本作の場合最後までそれが続く。
てっきり「イコライザー」や「ジョン・ウィック」みたいに、後半はヒロイン救出したり敵を殲滅していくのが定石なんだが話は不思議な方向‥どんどんウルフのプライベートな問題へと進む。
それが最高潮に達した時に出会ったラスボスとの決着の付け方があまりに最高だった。
ウルフは途中から自分の私的な問題へと進んでいき、無視された悪の組織が「おい、俺達を無視するなよ」って感じで立ちはだかってウルフが「あ、ごめんごめん」って感じでささっと皆殺しにする。こんな映画めったにない


ウルフの強さ
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ウルフの戦闘シーンは数少ないが凄く良かった。
数学が得意な自閉症だけあって合理的すぎる戦闘スタイル。
必要最低限の運動量、最速最短の軌道で確実に殺すので強すぎる。
心臓や顔面などのモロ弱点を2、3発撃ち抜いて、100%絶命したであろう倒れた相手の頭部を更に撃って120%確実に殺している。
これは確実に死ぬ!
一人の人間を2、3回殺していると言っても過言ではない殺し方。
もしスーパーマリオみたいに命が3つあったとしても死んでそうな殺され方。
ソフト(戦略)の説得力はそれで、ハード(身体)はベンアフのゴリラボディだから、これは強い。
これ系の映画だと「イコライザー」や「ジョン・ウィック」などに比べて、本作のウルフは合理的すぎる才能ある自閉症マッチョだからこその強さであって、映画の魔に憑りつかれたような無敵の強さではなかった。敵の攻撃もちょいちょい喰らうしね。
とは言え、強さでは他の映画ほどではないがピンチにならなさ加減ではこのウルフが最高だったね。
キャラの奥行きはウルフが一番深いので、俺はウルフが一番好きだね。
サイドキックもいてヒーローっぽくもあるし続編があったら観たいな。
本作はウルフのキャラ紹介に費やす時間が長かったせいかアクションが結構少なかった。
ウルフの殺人バンの描写はあったが、殺人ハウスの設備を使うところが観たかった。


そんな感じでした 

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