gock221B

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「ナイスガイズ!(2016)」今回もまた女性に対する優しい視線👬

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原題:The Nice Guys 監督:シェーン・ブラック 製作国:アメリカ 上映時間:116分

 この監督は「アイアンマン3(2013)」で知った。
アイアンマン3は「MARVELヒーロー映画としては」「アイアンマントリロジー最終作としては」「大河ドラマMCUの一篇としては」‥そんな目で観たらイマイチだったけど、そんな事を全て忘れて「トニー・スタークとかいう凄いアーマーを持ったおじさんが主人公の映画」として、只の映画ファンとして観ると凄く面白い映画だった。
僕も最初観た時は納得いかない部分があったが、何度か観ると面白いなぁと思うようになった。
そんでこの監督の監督デビュー作の「キスキス,バンバン-L.A.的殺人事件(2005)」というのがあって観てみるとめちゃくちゃ面白かった(というかキスキスバンバンは、ただ面白いだけじゃなくて自分にとってかなり特別な一本になった)
過去の監督作はこの二本しかないが、特徴としてどちらも「この人は女性に対して思うところが凄くある人で女性に優しいな」と思い、そこが気に入った。
あと、突発的な死、スカす展開が多い。
そのスカす展開はオリジナルのキスキスバンバンではハマってたが、アイアンマン3では完全に逆効果になってた印象(だからアイアンマン3は凄く好む人と嫌う人が極端に別れる)
本作はキスキスバンバンに似た感じの映画っぽいので何気に公開を楽しみにしていた。

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70年代。
シングルファーザーの探偵ライアン・ゴズリングは老婦人に、彼女の孫であるポルノ女優の捜索依頼を受けるが、そのポルノ女優は既に死んでいる。
しかし探偵は
アメリアという別の娘の存在に辿り着く。
一方、そのアメリア本人から自分を探る者を退けるよう頼まれたタフガイの示談屋ラッセル・クロウ)は探偵をボコボコにする。
だが、示談屋は謎の男達に殺されかけたため探偵と手を組み、探偵と示談屋の二人(ついでに探偵の娘も)はアメリアを捜索する。そしてそれは意外な事件に近づいていく‥
みたいな話。

パルプ小説みたいな映画、そしてこの手の映画は予告編では面白さげだが観てみると面白くない事が多い(なぜなら「パルプ小説みたいな映画」を撮る人はカッコよさげな映画が作りたいだけというケースが多いので)。
でもこれはかなり面白かった。
テンポが良く、要所要所で突発的に車が突っ込んで来たり、観てる人のタイミングを外した瞬間に銃撃が起きたり、意外な場面で意外な登場人物が死んだりと楽しさがずっと持続していくので退屈な時間が全然ない感じ。
それにしても何の罪もない通行人が流れ弾に当たって死ぬ場面が異常に多くて、ここにも何か監督の意志を感じた。
死んだキャラには悪いが関係ない人が死ぬと作品世界が強固に感じられて面白くなる。
あと突発的な事故とか流れ弾とか‥そういうこの監督が得意なアレコレで映画世界の中の登場人物や事象が、お約束じゃなく本当にこの世界で生きてたり起きてる様に感じられた。これもこの監督の面白さの一部だろう。
そういえばライアン・ゴズリングがドジって「あ‥」って感じで窓ガラスで手首が切れてしまい信じられないほど出血するシーンではゾワッと寒気がして気が遠くなった。
映画の中で首や腕が飛んだりグロイシーンは平気だけど、こういう「うっかり手を切っちゃった」みたいなシーンの方がクラッとする。きっとリアルに感じられるからなんだろうね

ライアン・ゴズリング演じる主人公の探偵は、賢い娘と暮らすシングルファーザー。
成り行きで相棒となる示談屋は腕力で何でも解決するタフガイ。
探偵は異常なまでのドジで、何でもない場所でドジって大怪我するのが可笑しい。
しかし、後半まで来るとそのドジが伏線になって命が助かったり敵が勝手に死んだりするので彼のドジは彼の特殊能力の様に思えてくる。そして最初は何も出来ない男のように見えるが実は探偵としてのディテクティブ能力が高い事が徐々にわかってくる。
探偵父娘は、仮の住まいとして無機質な豪邸に住んでいるが娘は気に入っておらず庭に「架空の家」があるという設定でバーチャルままごとみたいな事をしている。
そんな事がわざわざ時間を割いて描写されるが意図がよくわからない。
とりあえず探偵は妻を、娘は母を欠いている事だけは伝わった。
ラッセル・クロウ演じる示談屋は元軍人でマッチョで腕っぷしが強く暴力も殺しも厭わない男だが、見ているうちに心の底では良い人間になりたがっている事がわかる。彼は数年前にやった数少ない善行を密かに心の支えにしている。彼は自分のハートに欠けた部分を埋めたがっている。
探偵は妻と死別、示談屋は女にフラれている。映画の中に女が不在なのは何故だろう?
主人公が二人のバディムービーで、彼らは自分の欠けた部分を相棒で補おうとしてるから、妻や恋人キャラがいたらややこしいから排除したんだろう。
この主人公2人と探偵の娘はかなり魅力が高かった。
ライアン・ゴズリングはいつも良いから置いといて、ラッセル・クロウは嫌な役が多かったが久々に好感持てるキャラだった。身体の分厚さがカッコよかった。

やっぱり面白かったしキスキスバンバンにも似てた(終わり方もほぼ一緒だし)。
舞台設定を70年代にしたのは何故だろう?
便利な機械やスマホなどを排除してフィルムを奪い合う展開にするため?
あと70年代なおかげで、このご時世にもかかわらずライアン・ゴズリングが煙草吸いまくりなのが良かった。
喫煙シーンは叩かれこそすれ、あまり得しないのにそれを執拗にやってて、その姿勢が偉いと思った。「それのどこが偉いんだ?」というような人には説明してもわからないのでこの話はもうこれくらいでやめておく。
キスキスバンバンでも本作でも、心優しい主人公が手を大怪我してしまうんだけど何か意味あるのかな?
ブルーフェイスは‥気狂いピエロか?顔を青くするような意味は他にないもんね。
この監督は意味ありげな要素やオマージュをバンバン入れて来たり多用するので記憶に残り、だからまた観ようと思うのかもしれない。キスキスバンバンはブルーレイを早く出してくれ。
欠点は‥特にないが終盤の入り組んだ複雑なアクションになると各キャラの位置関係がわかりにくかったくらいかな。
あと文句というより殆ど言いがかりなんだが、ちょっとテンポ良すぎて面白いというより面白すぎるくらいで、面白すぎるシーンがずーっと続くと面白さに麻痺してくるので、ただ歩いたりただ飯食ったり意味なくボーッとしてたりするという、退屈で中だるみするシーンが中盤にあった方が個人的にはいい気がする(たとえば探偵父娘の何でもない触れ合いをもっと中盤に入れればよかったね)。

とにかくこれはオススメですね。是非、本作とキスキスバンバンを見てほしい。
興行収入は知らんけど本国で評価が鬼高かったから続編もあるかもしれん。
何気に僕は普段全然おすすめしないがこの監督作は推していきたい。
この監督の次回作は「プレデター」の新作だそうだ。しかも大作らしい。
どっちかというとこの監督はオリジナルものとか本作みたいな内容の方が良い気がするが、プレデターも当然応援したい。
エルモア・レナードの小説の映画化とかがハマりそうな気がする。

そんな感じでした

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