原題:Ghost in the Shell 監督:ルパート・サンダーズ
原作:士郎正宗 製作国:アメリカ 上映時間:120分
吹き替え版はアニメ版声優が総登場らしいがスカヨハのダミ声が聞きたくて字幕で観た。
本国では客足が伸びず残念ながら爆死。。
理由としては「東洋人の少佐を白人のスカヨハが演じるなんて!」というネガキャンがアメリカの攻殻機動隊ファンから起こり、そのせいで客足が伸びなかったのでは?と言われている。
僕はというと発表された時から「この映画の少佐は、スカヨハの義体を選んだんだろ」としか思わず、別に何とも思ってなかった。
正直、少佐のキャラなんてそんなもんだと思うのですが‥(そもそもオリジナルの少佐からして本当に女性なのかどうかも怪しい)だからそこは割とどうでもいいっていうか‥。
しかしアメリカ人は少佐のあのルックスが凄く好きらしいのでどうしても東洋人美女に演じてほしかったのかもしれん。90年代半ばのアメコミキャラは素子をモデルにしたオカッパの女性キャラが大流行した(有名どころではX-MENのローグもストームも少佐の髪型になったし他にもいっぱいいた)
とにかく少佐が白人だろうが黒人だろうが男性だろうが面白ければOKでしょう。
ちなみに原作は、そこそこ好きでした。
中高生の時に原作である士郎正宗の「攻殻機動隊」が連載されてたヤンマガ海賊版読んでたし。
だが正直言って、内容が全くわかってなかった。
インターネットが普及する前なんでネットワークとか電脳とか言われても今ひとつピンと来なかったし、そもそも士郎正宗は普通の漫画だったら強調させるべきポイントをさりげなく描いて、わざとわかり難くする作風なので理解しづらかった。
でも、その当時は士郎正宗による絵柄が好きだった(特に美少女キャラ以外のキャラより男や背景)。
大友克洋より若干、鳥山明っぽいというか(メカや無機物も生物っぽく描いてる)
「全部は理解できないけど何か難しそうな事言っててカッコいい」というミーハーな感じで士郎正宗漫画は読んでました。
プレステで出たゲームもやってみたり(フチコマを操るアクションゲーム)同ゲームのサントラ的コンピレーションアルバムも石野卓球が中心となって有名DJが多く参加していてよく聴いてた。
押井守の映画版2本も観て普通に楽しんでました。
TVアニメ版もまあまあ楽しんで観てたけどタチコマが童謡を歌いながら自己犠牲でバトーを救うシーンがクサくてあまり好きじゃなかった。
そんな感じでフンワリと楽しんでたが特別に大ファンというわけでもない。
偉大なタイトルであることは間違いないが1、2冊の漫画をどんだけこすり続けてアニメを作り続けるんだ‥と思ったりもした(ドミニオンとか他のも作れ)
好きだった時期もあるけど今となってはあまり思い入れは少ない感じです。
Story
電脳ネットワークと肉体の義体化が高度に発達した近未来。
政府直属の捜査官、ミラ・キリアン少佐(スカーレット・ヨハンソン)。
事故に遭った少佐は脳を義体に移し替えて生き延びた。
彼女は、荒巻大輔(ビートたけし)の元で、バトーやトグサ等を始めとする有能な精鋭メンバーを擁する組織〈公安9課〉を率いて、凶悪なサイバー犯罪やテロに立ち向かっていた。
そんな中、ハンカ・ロボティックス社のサイバー技術破壊をもくろむテロ事件を解決すべく捜査を進める少佐達の前に、クゼ(マイケル・ピット)というハッカーの存在が浮かび上がってくる。
事件の真相を追ってクゼに追っていく中、少佐は自分の記憶が何者かによって操作されていた事に気づくが――
この監督は各種の「攻殻機動隊」作品への思い入れが深いらしく、過去の攻殻機動隊アニメの名シーンを散りばめつつ(ゴミ収集業者や押井守的な犬も出てくる)ストーリーの芯はやはりアメリカ映画的なノリで、後半はアイデンティティについての話になっていく。
個人的には、攻殻機動隊から引っ張るならクゼなんかより人形使いの方がドラマチックだと思ったが、本作はか弱い女性である少佐のアイデンティティの話になっていて結構良かったので、まあこれで良かったのかもしれん。
公開中だしストーリーはこれ以上詳しく書かない事にする。
スカヨハはいつものように異常に肉感的でムチムチしていた。
年とともにどんどん女性っぽい体つきになってる気がする。
まぁ僕はスカヨハ好きなので構わなかったんだけど、スカヨハはいつものスカヨハっぽすぎる、つまり人間臭すぎて、あんまりクールな少佐役には当てはまってないね。オカッパも似合ってないしね。
というかMCUのブラックウィドウがただのスカヨハに過ぎないように、少佐というキャラクターも完全に只のスカヨハでしたね。トム・クルーズが演じたらどのキャラもトムクル、ジャッキー・チェンが演じたらどのキャラもジャッキーになるように。スターとはそういうものだ。そういったスター先行のキャスティングは現代ではちょっと古臭く感じた。
バトーは少佐と犬に執着したウェットな男‥という俺があまり好きではないアニメ版バトーだったが爽やかで嫌味がないので別に気にならなかった。アニメ同様ヒロインのような役割をしているのがバトー。
バトーやトグサやサイトーその他はまあ正直滅んど出番がない。居ても居なくてもいいくらいどうでもいいキャラだった。
だが各キャラに一応見せ場があった。
女性隊員は空気でした。ただでさえ多くの隊員達を描写できないのに新キャラ出されても出番なんかあるわけがない。
キャストは皆(桃井かおりさえも)英語で喋る中、荒巻役のビートたけしはモロ日本語で喋る。
しかし各キャラは電脳の翻訳機能によって普通に多国語も理解できるという設定。
英語できない外国人俳優を共演させる画期的なアイデアだね。
他人の作品に出たら監督の言うことに従うたけしだけあって、本作のたけしはいつものたけしではなく、なるべく滑舌良くて説明台詞みたいな台詞を吐くのでかなり珍しい感じのたけしキャラだった。
ストーリーの進行によって、たけしの活躍シーンがどんどん増えていって終いには現役の隊員であるバトーやトグサよりも戦い始めるので笑った。
「機動警察パトレイバー」の後藤隊長がイングラムに乗って敵レイバーを倒し始めるようなもんだ。
原作ファンは憤慨してそうだが、たけしが銃を撃ったり倒れた敵を足蹴にしたりするアクションは相変わらず魅力あった。
監督がたけしファンなのかもな。
それにしてもビートたけしが出ているというのが昔ビートたけしがキアヌと共演して大コケした電脳映画「JM (1995)」を思い出させる。
背景や街並み等は、ちょっとピカピカしすぎてて本作はここが一番不満だ。
ここは原作漫画や押井版みたいにもっと雑然とした汚い街にして欲しかった。
アクションは‥まあ普通。
少佐は至近距離の銃弾を避けたり多脚戦車との格闘など見せ場はそれなりにあった。
この映画は、色んなキャラが口数多くて説明台詞をわかりやすくペラペラ話す。
そうしたあれやこれやが「悪い意味でアニメっぽいなぁ」と思い、そこに何か気恥ずかしさを感じた。
そんな感じで、中盤くらいまでは「スカヨハの演技と肉体しか見所ないな」と思ってたけど後半で少佐のアイデンティティが揺らいで、とてもか弱い少女キャラのように見えてきて、そして荒巻はとてもたけしが演じるキャラとは思えないほどに全編スカヨハに優しくし続けたかと思ってたらスカヨハをいじめる奴がいたら急に荒ぶって大暴れしだすので意表を突かれて面白かった。
この荒巻たけしの活躍はバトーの活躍要素が全部、荒巻たけしに回された感じだな(当のバトーは犬を可愛がってるだけ)
正直パッとしなかったのでもう観ることはなさそうだが最後まで観る分にはそんなにダメとかじゃない。
原作やアニメの壮大なテーマに比べると単純な話になってる気もしたが、そもそも映画というのはどんな小さなテーマでも「これは君の話だ」と観客に訴えかけられる媒体だと思うので、別にテーマが小さいのは構わない。
か弱いスカヨハ少佐の自分探しとスカヨハを守ろうとする荒巻たけしの父性って感じの映画でしたね。
テイスト的にはリュック・ベッソンの軽いSFアクションみたいな感じ。
でもコケたので続編とかは作られず、これで終わりでしょうね
そんな感じでした
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