原題:Life 監督:ダニエル・エスピノーサ 脚本:レット・リース&ポール・ワーニック
製作国:アメリカ 上映時間:104分
ベン・スティラーの「LIFE! / ライフ (2013)」とは関係ない。
この監督の映画一本も観てないし全然知らないわ‥。
それよりも脚本が「デッドプール」「ゾンビランド」でお馴染みの楽しいコンビなので期待できる。
主演の三人も好きだが日本人としては真田広之を応援したい。
真田広之は世界進出して長いが、西洋映画の日本人キャラは極端に少なくメジャー作品に出れてもチョイ役が多く、本命のアクションする役で出れてもアクションがキレすぎて主役を食ってしまうので活躍をかなり減らされたりして真田100%はまだ観れてない印象。本作ではメインキャラが密室に六人しかいないので真田氏の期待できるかもしれん
473日間滞在しているISS(国際宇宙ステーション)で活動している6人の宇宙飛行士。
・デビッド(ジェイク・ギレンホール):長くISSに滞在しているエゴとキャラが極端に薄い主人公
・ミランダ(レベッカ・ファーガソン):除菌や医療担当。本作のキーマンと言える
・ローリー(ライアン・レイノルズ):肉体労働担当?テキサスっぽい保守的な男
・ショウ(真田広之):任務中に子供が生まれたので何とか地球に帰りたいメカが得意な日本人
・ヒュー・デリー(アリヨン・バカレ):脚が不自由なので地球より無重力の方が嬉しい黒人男性
・キャット(オルガ・ディホヴィチナヤ):ローリー同様、肉体労働担当?ロシア人女性
たいてい自分勝手なキャラがいたりするが本作の場合は全員、利他的な目的のために躊躇なく自己犠牲な行動を取れる立派な宇宙飛行士たち。
火星から帰還した無人探査機が火星の土壌から採取した火星の微生物を発見。
その地球外生命体は、地球で見守る人たちからカルビンという名を与えられる。
カルビンは予想を遥かに超えるスピードで成長し高い知性も見せはじめる。
世紀の大発見に興奮するクルーたちだったが‥
‥みたいな話
要は、宇宙船がエイリアンを拾って大ピンチという今まで大量に作られたSFホラー。
本作は過去のエイリアンものと何が違うか?というと、この映画は「エイリアン」や「スターウォーズ」のように宇宙船というより船みたいに床に重力があって音が鳴るようなマンガっぽい昭和の宇宙ではなく、「2001年、宇宙の旅」とか「ゼロ・グラビティ」や「インターステラー」みたいなリアルな宇宙船、そんなリアル宇宙船で攻撃的な地球外生命体と遭遇したら?というコンセプトだったのではないだろうか。
この地球外生命体カルビンは、クラゲやヒトデのようなルックスをしている。
邪悪なクリオネって感じ。
全身が筋肉であり脳であるらしい。手のひらサイズであっても人間の手の骨を砕くパワーがある。そして、そこそこ賢い(犬や猿くらいか?)。
また、他の生命体のエネルギーを吸ってどんどん大きくなる。
火にも強い。弱点は、大気を完全に失うと活動を一時的に停止するということだけ。
一見弱そうだが何億年も火星の王者だった奴だ。
最初に実験室で黒人男性ヒューが小さい小さいカルヴィンに襲われた時、残りの全員は部屋のすぐ外にいたが助けることができない。
扉を開けると未知の細菌に感染するかもしれない、そうしたら保菌したまま地球に帰って地球がヤバい事になるかもしれない‥という理由のためか除菌担当のミランダがヒューを助ける事を許可しない。
その静止をふりきって助けに飛び込んだローリーは気絶したヒューと入れ替わった。今度はローリーが出してもらえなくなりカルビンとタイマン状態となる。
その後も、ロシア人女性キャットが機械の故障を直しに行った船外でカルビンに遭遇する。
メンバーがカルビンと闘ったり襲われていても、他の皆は見てることしか出来ない。
「未知の細菌に感染したらいけないので隔離しないといけない」というルールによって助けることができなかったり、逆にうまくいっていたのに大ピンチになったりして、最終的にはとんでもない事になる。
メンバー全員、利他的な行動を取れる立派な人物。
落ち着いて合理的に行動してるのにも関わらず、どんどん状況が悪化していくのが新鮮だった。
宇宙船の設備やルールに詳しくないせいか、ゲームのルールが後付で次々と出てくる感じもしたが昔のB級映画っぽい感じが良かった。
それをスターでやった事、そして前述の「的確な行動してるのにピンチになっていく」という事が本作の一番優れたところだろう。
それと、これは個人的な好みの話‥というか多分歳のせいかもしれないが、現実的な無重力よりも、やっぱり宇宙船の床に何故か重力があって音も鳴るアホっぽい宇宙の方が好きかもしれん。
ラストは凄く懐かしいタイプのどんでん返しで面白かった。
中国人を原住民扱いしすぎな事も可笑しい。
それにしても、最初は脅威に見えなかった小さなものが、各々の気高さや除菌に神経質になるあまり、何も悪い事してないのに危険が わらしべ長者みたいに雪だるま式に増えていき、その都度ちゃんと解決策を見つけて冷静に実行してるにも関わらず全部ことごとく上手くいかず状況が悪化し続けるので、あ~っ!って感じで、もどかしい思い続く映画でした。トム・クルーズがいてくれたら‥
今までのこういう映画なら大抵、アホとか勝手な奴の独走で状況が悪化しがちだが、全員ベストを尽くしてるのにどんどん悪化していくのが新鮮でした。
いや、むしろ本作は勝手に独走する奴がいたら多分、前半で解決していただろう
※追記:これを書いた時は「まあまあいいじゃん」って感じだったが「エイリアン:コヴェナント」を観た後は「ライフってめちゃくちゃ面白かったのでは‥?」と相対的に評価が上がった
そんな感じでした