原題:Twin Peaks: A Limited Event Series (Part 5) 通算第35話
監督:デヴィッド・リンチ 脚本:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ 制作国:アメリカ
配信局:Showtime 放映時間:59分 シリーズ:「ツイン・ピークス」シリーズ
前回までの「ツインピークス」は‥
★ダギー・ジョーンズと入れ替わって現世に帰還したクーパーだったが記憶がごっそり失われた状態だった。クーパーはダギーの家でダギーとして生活を始めた。
★かつての不良少年ボビーはツインピークス保安官事務所の警官になっていた
★FBIのゴードン、アルバートらはクーパーのドッペルゲンガーと面会するが、どうも本物のクーパーとは思えないので「クーパーをよく知る人物」と会わせることにする。
※ネタバレ全開です
ネバダ州ラスベガス
★女犯罪者の事務所🏢
ダギーを狙っていた二人組が、まだダギーを殺せていない事を女ボスに告げると、自分が殺されると焦った彼女は「エージェント2」とやらに電話した。
★ジョーンズ家🏠 → 保険会社「ラッキーセブン」🏢
ダギー・ジョーンズ(クーパー)はジャックポットで42万5千ドル儲けた。
ダギーの妻ジェイニーE・ジョーンズ(ナオミ・ワッツ)は「借金5万ドルちゃんと返すのよ」と言う。
クーパーは相変わらずアホのままだが、ダギーの会社に出勤してコーヒ-に執着したり悪徳社員の嘘を直感で指摘したりとクーパー捜査官の片鱗をたまに見せる。
★「シルバー・マスタング・カジノ」❼❼❼
ダギー(クーパー)がカジノで勝ちすぎた件で、支配人が上役のまるでマフィアのようなミッチャム兄弟にボコボコにされてクビになった。新しい据えられたオーナーは「ダギーが次来たら俺達に知らせろ」と告げられる。
ポーズを決めたまま静止しているダンサーたちが出て一気にリンチ感があがる。
★ジャンキー母子家庭の家🏠
ジャンキー母子家庭の子供が、ダギーの車が爆発するのを目撃。
★ジェイド様の車🚗
ダギーと寝ていたジェイド様。ダギー(クーパー)が落とした25年前のグレート・ノーザン・ホテルの鍵を拾い、住所が書いてたのでホテルへ郵送する。
サウス・ダコタ州バックホーン / バージニア州アーリントン国防総省
★バックホーン警察署👮
鑑識中、ハイテンションになるコンスタンス検視官。
ダヴェンポートと共に発見された全裸の中年男性の胃から「ダギーへ愛をこめて。ジェイニーE」と書かれた指輪を発見。なんとダギーが妻から貰った指輪だった。
★バックホーン警察署:留置所👮
クーパーのドッペルゲンガー。旧シリーズ最終回でボブと盛り上がってクーパーと入れ替わった時の思い出を回想して鏡を見る。
鏡にドッペルゲンガーとボブが混ざった顔が映る。
彼の身体には、ボブが同居しているらしい。
★バージニア州アーリントン国防総省🏢
「サウス・ダコタの殺人現場でガーランド・ブリッグス少佐の指紋が出た。少佐の指紋が出たのはこれで16度目」と語っている。
やはり例の中年男性の首なし死体はブリッグス少佐のものだったのか?
女性の軍人がサウス・ダコタに向かう。
ワシントン州ツイン・ピークス
★ツインピークス保安官事務所👮
フランク・トルーマン保安官(ロバート・フォスター)のところへ妻ドリスがやってきて一分だって耐えられないくらい信じられないほど怒鳴り散らして帰る。
めちゃくちゃイライラする。殴りたい。
★マイクが務めてる会社🏢
ダメ人間の雰囲気をまとったダメ人間スティーブンは会社の面接を一発で落ちた。その面接官は、旧シリーズでボビーと共に悪さをしたり熟女のネイディーンと付き合ったりしていた不良のマイクだった。
保安官になった親友ボビー同様、マイクも立派な大人になっていた。
★「RRダイナー」☕
ツイン・ピークス好きな人なら誰もが好きな、癒やしの場がやっと出てきた。
相変わらずウェイトレスしているノーマとシェリー。
シェリーの娘ベッキー(アマンダ・セイフライド)がシェリーに金の無心に来る。
ベッキーの夫は、さっき面接を落ちたダメ人間スティーブンだった。
ベッキーは母のシェリー同様、男を見る目がなくカスのスティーブンと付き合っていた(正直ベッキーが出る前から、シェリーにもし娘がいるなら絶対にカスと付き合っているだろうと思っていた)
一週間のうち金を借りに来たのは三度目でしかもスティーブンはその借りた金をコカインにつぎ込んでいる。どうしようもないが愛嬌もあり昔のボビーを思わせる。悪人というよりも単純にダメすぎる青年という印象。
そんな彼に怒っていたベッキーも、スティーブンと一緒に運転中の車でコカインを吸うと一瞬できまった(現実がクソだときまりが早い)
今のところ新シリーズの中で、このベッキーがきまってるシーンが至高。
どうしようもない場面にも関わらず相反するように美しい素晴らしい映像。
どうしようもない人間がどうしようもない事してるだけのなのに、ほんの何よりも美しい一瞬が切り取られた‥という映画の真髄のひとつを得意としてたのもリンチだったっけ(次に良かったシーンは第1章でバイト青年がガラス箱を見つめてる長いシーン)
★森🌳
ローレンス・ジャコビーはインターネット放送を行っていた。ユーチューバー?
なにやらご立派なうわ言をまくし立てている。なかなか見ごたえがある。
陰謀論とスピリチュアルが混ざった感じの放送。
どうやら大量に購入して金色に塗装してたシャベルに理屈を付けて販売している。
その放送を観ているのはジェリー・ホーン。そしてネイディーン・ハーリー。
散々引っ張った謎がクソくだらないものだったと判明するのもツインピークスの醍醐味だったな、と懐かしくなった。
★「ロードハウス」🎵
トラブルという渋いバンドが演奏中。
Trouble - Snake Eyes (From the Return of Twin Peaks) - YouTube
マシュー・マコノヒーを若くしたような顔の不良の新キャラが出てくる。
ホーンと呼ばれているのでホーン家のキャラだろう。メインキャラっぽい。
チンピラと何かの受け渡しをした後、ナンパしてきた女の子にウザ絡みする。
女の方から好意的にナンパしてきたんだから普通に絡めばいいのに、わざわざ女を嫌がらせる事によって快感を得ているので一発でどうしようもないヤカラだとわかる。
「そういえば、こういう田舎のチンピラが善人をいじめる様が10話くらい延々と続いてイライラさせられるのもツイン・ピークスだったな」と懐かしくなった。
※追記:リチャードにウザ絡みされてる女の「ちょっとやめなさいよ!」と言う友達が「死霊のはらわた」リメイク版や「ドント・ブリーズ」主演のジェーン・レヴィだと後で知った。マジでどうでも良すぎる役。
サウス・ダコタ州バックホーン / アルゼンチン・ブエノスアイレス / ネバダ州ラスベガス
★バックホーン警察👮
ミスターCの指紋を調べて何かに気づいたらしいタミー捜査官。
★バックホーン警察:留置所👮
ゴードンの指示で、泳がせるために自由に電話をかける許可を与えられたドッペルゲンガー。
ゴードンの罠に気づいたドッペルゲンガーはめちゃくちゃにダイヤルを押すと警察署内の電灯や警報がデタラメに作動する。電話機のダイヤル押してハッキングとか無茶苦茶するなぁ。ドッペルゲンガーは「牛が月を飛び越えた」とつぶやく。
★アルゼンチン・ブエノスアイレス
四角い機械が連絡を受け取けて、機械は収縮して小さい塊となった。
ドッペルゲンガーがさっきやったメッセージでこうなったのかな。
ブエノスアイレスは、かつてフィリップ・ジェフリーズ元捜査官が消えた地なので訳の分からない何かがあるのだろう。
★ネバダ州ラスベガス:保険会社「ラッキーセブン」🏢
深夜になっても会社の前で立っているダギー(クーパー)。
どうやら銃を構える銅像に、FBI的な記憶をくすぐられている様子。
つづく‥
▲▲
前回、FBIがドッペルゲンガーを見つけたのでドラマの流れがそろそろ大きな一本の流れになるかな、と思ってた今回だが新たな謎やキャラクターは相変わらず出てくるし凄くゆっくりとした進行で情報の拡散が行われ続ける。
主人公のクーパーは未だ正気に戻らず、軸足がしっかりしないグラグラした地帯を夢の中みたいな緩慢さで歩いてるみたいで不安になってきた。
FBIや警察の捜査が凄くゆっくりなのに対して、犯罪や謎が出てくる割合が多すぎる。
秩序よりカオスが勝りすぎている。
もうちょっとFBIや警察の捜査を進ませて欲しい。じゃないと観てて疲れる。
だが、それを切り裂くように挟み込まれたアマンダ・セイフライドのトリップシーンはあまりに素晴らしかった。
そんな感じでした
「ツイン・ピークス The Return (2017)」全18話
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