gock221B

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『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)/すごく良かったがピーターが私生活で約束を破り続けるのでヒヤヒヤする 🕷

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原題:Spider-Man: Homecoming
製作:ケヴィン・ファイギ 監督:ジョン・ワッツ
制作スタジオ:マーベル・スタジオ 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:133分
シリーズ:マーベル・シネマティック・ユニバースMCUスパイダーマン」シリーズ

 

 

 

スパイダーマンの事は、幼少期に東映版の特撮観てて、中学生の時に光文社刊の翻訳版を友だちに貰ってアメコミである事を知り、カプコン格ゲーとか小学館の翻訳とかサム・ライミ版とか‥絶えずコンテンツが日本に入ってくるので何だかんだ薄くずっと好きだ。
だけど自分が何時の間にか中年になってピーターより遥かに歳上になってしまった。
別に好きじゃなくなったわけではないが、やはりピーターより歳下または同年代の時が一番好きだった。
あともう公開終わったくらいなのでネタバレあり
※本作は、本編の中で「アベンジャーズ一作目の8年後の出来事」とされていたが「どうも計算が合わないな」と言われていたが2018年11月、MARVELスタジオから「あれは間違いでした。ホームカミングはアベンジャーズ一作目の4年後‥2016年の出来事です」という訂正が入りました(2018年11月17日)

 


Story
🕷憧れのトニー・スターク/アイアンマンロバート・ダウニー・JR)に見出されスターク製のスーツを受け取ってアベンジャーズ内戦に参加した、NYに住む15歳のIQ高い高校生ピーター・パーカートム・ホランド)。ピーターは以前、放射能蜘蛛に噛まれてスーパーパワーを得てウェブシューター(蜘蛛糸発射装置)を自作し街のヒーロー、スパイダーマンとなり困った人を助けたり街の軽犯罪者を捕まえていた。
🕷一方(作中時間で)8年前 4年前に起きた、アベンジャーズ vs.ロキのNY決戦。
その直後、残骸処理会社を経営する男トゥームスマイケル・キートン)は街を片付けていると、トニー・スタークと政府が設立した損害統制局ダメージコントロールに仕事を奪われ失職してしまう。

トゥームスはトニーに恨みを抱きつつ、機械工学が得意な仲間に作らせた飛行装置を装備したヴィランバルチャー」となり、既に回収していたアベンジャーズが過去に倒したヴィランたちの技術をハイテク兵器へと作り変え、他の犯罪者に密売して利益を得ていた。
🕷ピーターは成績優秀で学力コンテストチームに所属。
スクールの色んな行事が行われるが、スパイダーマン活動に夢中のピーターは親友ネッドのサポートを受けつつ私生活は疎かにしがち。
ある夜、スパイダーマンはトゥームス一味が売りさばいたオーパーツ兵器で犯罪を行う者たちを発見する。
トニーに認められたいピーターは、独断でトゥームス一味の犯罪を追うが――

 

 


本作の一番いい部分。だからもっと学園シーンが観たかった。
アイアンマンより出番が多い太ったオタクの親友ネッド(こいつが最高なのは予告編の時から思っていた)。ピーターが片思いしている黒人美少女リズ。ピーターの行くところに必ずいる皮肉屋ミシェール。ピーターをからかってくるフラッシュ。
それと、校内放送してる金髪白人の子‥あの子は名前なんだろうと思って検索したらベティ・ブラントだった。デイリービューグルでJJJの秘書の。「この世界のJJJはネットの人かな」と思ってたがケーブルTV局長とかなのかもしれない。
生徒たちは他の大多数の大作映画のようにステレオタイプの各スクールカーストの生徒たちを機械的に配置した感じじゃなくて、全員生きてる感が凄い。
メイン生徒キャラじゃない、その他の学力コンテストチームのメンバーとか、チェス部とかトイレから出てくる子とかベティを好きそうな校内放送の相方とか、
ハウリングコマンドの孫の校長先生、年配の女教師、学力コンテスト顧問‥などの教師たち、みんな一瞬出てくるだけなのに魅力が凄い。
この学園の日常生活オンリーの日常を描いた映画が観たくなった。
生徒たち設定がかなり現代的になっている。
ピーターが通う学校はかなりの進学校で周りの生徒は秀才揃い。
ピーターは今まで以上の天才になっていた(彼は、強度が物凄いのに二時間経つと溶けるクモ糸とかいうオーパーツを貧乏なのに独学で発明する超天才なので妥当でしょう)
ピーターもフラッシュに時々いじられてるだけで、昔みたいにガンガンにいじめられているわけではない。
今までいじめっ子の役割を持っていたフラッシュは、屈強な白人ジョックスではなくグアテマラ系のスネ夫っぽいキャラになっていた。
成績はピーターがトップで優遇されているので「いじめっ子」というよりもピーターに嫉妬して強めにいじったり通りすがりに尻を叩いてきたりする程度。
昔とは価値観が逆転して、勉強せず遊び回ってる年取って落ちぶれるマッチョで悪い奴よりも、勉強してリテラシーもある洗練されたヤツの方がクールと見られるようになった影響だろう(「21ジャンプ・ストリート」とかでも描かれてたね)
ネッドはハワイ系、ヒロインは黒人、隠しヒロインも白人と黒人のハーフ、フラッシュはグアテマラ系、白人少女ベティはスイーツ感。
こうやって色んな人種を集めた時に最近「黒人は出来る奴、白人はアホ」という傾向が強いのは主人公が白人だから、残りの白人はアホにしとこう‥という忖度を感じる。とにかく黒人=賢くて洗練されているというのがマストになってきた。
とにかくそんな感じで生徒描写は最高だったが、本作はピーターとスパイダーマン、ピーターとトゥームス、ピーターとアイアンマンを描いて余った時間で描くしかなく、学園はじっくり描く暇がないのが勿体ない。本作が4時間くらいあったらよかったのに
本作にはMJ(メリー・ジェーン)もグウェンも出てこない。でもまあ二人とも過去のシリーズで充分描いたから、ベンおじさん同様居なくても特に不満はない。
本作ではトニーやバルチャーやネッドとの触れ合いがメインで、ヒロインは余った時間でさらっと描かれただけだった。
本作のヒロインは、学内一の美人で性格も良い黒人少女リズ。スタイルがスーパーモデル級ですごい(演じてる女優を検索したら27歳だった)
彼女は彼女自身も言及していたが、ピーターにすっぽかされて謝られるというのを繰り返してばかりで、最後にはパパが犯罪者だとわかって転校というかたちで物語から退場する。それでもピーターに食って掛かるわけでもなく「いつも何してるのかわかんないけど、何か頑張ってるっぽいことがんばってね‥」とだけ言い残して去ってしまう。
信頼する者に裏切られ続けてMJの当て馬にされるだけのヒロインでしたね‥。
やらなきゃいけない事がありすぎる第一作目に出てくる当て馬ヒロインにしか過ぎないのでリズの事を語ってる時間はない。だからこんな空虚なキャラになってしまい、少し可哀想だ。
隠しヒロイン?という新しい出方をしたのは、ピーターやネッドと同じ学力クラブに所属する友達のいない皮肉屋ミシェールティーンのスター、ゼンデイヤ陰キャっぽい格好や演技を徹底して演じている。
彼女は「あたしストーカーじゃないよ笑」「別にあんたなんか興味ないよ笑」と言いながら、ピーターが居る場所に必ずいる。
ラスト、彼女の名字はジョーンズで、ニックネームは「MJ」であることがわかる。
まるでジョジョの毎部の頭で、ジョジョの本名発表する時みたいだ。
つまり本作一作だけの仮のヒロインはリズだったが、このシリーズの真のヒロインはミシェールで次からはそれを描くよという事なのだろう。
面白い試みだが、最初からバルチャーの娘であるミシェールと友だちから恋人未満になるくらいまでを描いてもよかったのでは?という気がしなくもない。

 

 

 

🕷エイドリアン・トゥームス/バルチャー
マイケル・キートンなので、とてもカッコいいヴィラン
原作のバルチャーは歴史は古いが大したことないキャラだし、本作の彼も物理的にそこまで強いキャラではない。
訓練されてないし、もし闘ったら常人のファルコンやブラック・ウィドウやホークアイより余裕で弱いと思う。
彼自身も「アベンジャーズに見つかったら終わりだ」と言っていたし。
だが、ピーター目線で見れば「好きな女の子の父親」、メタ的には「90年代バットマン」「バードマン」でもあるという、アメコミ映画ヒストリー的に観ても、アカデミック方面でも、めちゃくちゃ強い敵。そんなマイケル・キートン性を加味すればファルコンなどとても太刀打ちできない強敵となる。
バルチャーとは比べ物にならないほど強くて世界を滅ぼす力を持つが全く人気がなくて名前さえ覚えていない「マイティー・ソー:ダーク・ワールド」の敵のダークエルフ王よりも数十倍、このマイケル・キートンによるバルチャー方が凄い
マイケル・キートンもカッコよすぎるし‥まず皺の入り方もカッコいい。
マイケル・キートンの顔の情報量が多すぎる。
白人でたまにこういう格子状のシワができる人がいるけど何でこんなシワになるのか‥シワに住む微生物が進化して渓谷に都市を作りそう(渓谷?都市‥?)
彼女の家に迎えに行くとマイケル・キートンが‥という展開は全然想像してなかったのでピーターと同時に凄く驚いた。リズが黒人なので全然想像してなかった。
それに、挫折してヒーロー失格!→学生として勉強や友情や恋をやり直そう→‥というテンポの良い流れで犯罪のことを忘れてた時に「ドア開けたらマイケル・キートン」だったので、本当にいいテンポだった。
あと見た人誰もが絶賛してるが、車の中でピーターの正体を悟ったトゥームスの顔がみるみる変わる様が、マイケル・キートンすげえと思った。
バットマン」「バットマン・リターンズ」の時に「ヴィランよりバットマンになった時のキートンの目が一番怖い‥」とよく言われてた怖さが出てた
ラストでスコーピオンになるチンピラに対してピーターを庇う様もカッコよかった。
絶対次もまた出てきてほしい。なんなら仲間になっても構わない。

 

 

 
🕷トニー・スターク/アイアンマン

父親不在のピーターの父親のような存在としてアイアンマン/トニー・スタークがいる。トニーは、本作の設定や関係性においてもかなり食い込んでいる。
観る前は、予告編やポスターなどの宣伝にあまりにもアイアンマンが映っていて、めちゃくちゃ過保護の親がつきまとってるように観えたが実際に本作を見ると、トニーが出てくるのは少しだけ。船の時には助けてくれたがアイアンマンが敵を倒す場面はゼロ。そして最後のピーターとのくだり。
観る前は「社長が出まくってスパイダーマンが目減りしたら嫌だな」と思ってたけど、いざ観たら本当にベストな感じだった。
そういうあたりはMARVELスタジオも当然一番わかってるあたりだし、本当に考え抜いたんだろうな!という感じが凄く出てた。
スパイダーマンが一番大変な闘いではトニー製ハイテクスーツを着てないのも非常に上手い。

 

 

 

🕷メイ・パーカー/メイおばさん
メイおばさんは「シビルウォー」の時にも散々言ったが、幼い時からおばあさんだと思ってたメイおばさんが、普通にシコれるほどセクシーなマリサ・トメイが演じるのでかなり戸惑った(サザエさんのフネを杉本彩が演じるようなもの)
マリサ・トメイは普通に好きだったし。。
だが作中でもカフェの店員やパン屋のおじさんに普通にモテているし、トニーもセクハラを言うので、どうやら作中でも普通にセクシーな美人設定のようだ。
これまでのメイおばさんの事は忘れて新キャラとして接することにしよう
ピーターの精神面に必要不可欠なベンおじさんは既にシビルウォー以前から不在。
どうやら既に死んでしまっている?
本作のピーターは終盤までピーターらしい覚悟完了が出来てなかったので、ベンおじさんが死ぬ時に「大いなる力には大いなる責任が伴う」と説いた過去はなかったのかもしれない。
というかトニーとバルチャーとの触れ合いがベンおじさんイベントの代わりか。
トム・ホランドが(ジョークなのかもしれないが)「トビー・マグワイヤにベンおじさんを演じて欲しい」と言っていて、トビーはマリサ・トメイより10歳年下だし若すぎるが、ベンおじさんが死ぬ時の回想とかならいいかもしれない。

🕷アーロン・デイヴィス(マイルズ・モラレスの叔父さん)
ドナルド・グローヴァー演じる只者ではないっぽい雰囲気のチンピラ。
彼は黒人少年のアルティメット版スパイダーマンであるモラレス君の叔父さん。
「甥が心配だ‥」とか言ってるので、この世界でもモラレス君はいるらしい。
何度も観てると、僕がドナルド・グローヴァー好きなせいもあるが何度も観てるうちにピーターに尋問されるシーンの彼が凄くカッコよく見えてくる。
「こんなチョイ役じゃなくてヒーローにすればいいのに‥」と思った。
モラレス君をスパイダーマンにしたらピーターの最年少ヒーロー属性が消えてしまうので、思い切ってこの叔父さんがアルティメット版スパイダーマンになるというのはどうだ?それで後からモラレス君を使いたくなったらモラレス君を二代目にすればいい





トニーやハッピーやアベンジャーズとの絡みや紹介描写の序盤、ハイテクスーツが起動するが敗北する中盤、を経てスーツを取り上げられて普通に学園生活を送り、お手製スーツでバルチャーに臨んだ後半は熱かった。
甲高い声で楽しいトム・ホランドだが、瓦礫の下敷きになって「誰か~!助けてぇ~~!泣」って叫んでる時の哀れさがマジで凄かった。声が子供みたいなだけに今までで一番「やばいやばい!ピーターがやばい!」という心配させ度が高かった。
スパイダーマンに限らずスーパーヒーローは結局そいつの精神性が全てというのは間違いない。能力ではなくね。ヒーローにとって能力は重要じゃない。そういう意味では本作のスパイダーマンは、人助けや優しい心は最初から持っていたが、最後に他人に頼らず自分の力を出すって形で覚醒した。
しかも水たまりに顔右半分が写って、落ちてるマスク半分と重なる‥という超昔のコミックで良くあったような画で「忘れてた、僕はスパイダーマンだった」と思い出し、強くならなきゃいけないと瓦礫を持ち上げる下りは「めっちゃピーターっぽい!」と思った。
それにしてもピーターはヴィジランテ活動が最優先だし、まだ少年なので仕方ないのだが、あまりにも人との約束を反故にしまくる。
別にピーターをマジで批判したいわけじゃなくて「あぁ‥この間、誰々はガッカリしてるんだろうなぁ‥」とか思うと何だかヒヤヒヤして、いたたまれない気持ちになって物語に集中できない。
だが連続してそんな感覚を味合わされる様が「この感覚‥、何だか必ず何かに毎回間に合わなかった10代後半の頃の感覚に似てる‥?」とも思った。そんな感じがMCU青春映画の本作に合ってた気がする。
「正体を隠しているせいで私生活でギクシャクする」というのもスパイダーマンのよくある要素だが、それによって生まれる「ああっピーターはスパイダーマンなのに、この人らは知らないからピーターが批判されちゃう‥」という感情は何かイライラするし割と古い感じがしてあまり好きではない。だから本作で、身近の人にどんどんバレていくのは良いと思った。
2作目では、あまりいたたまれない気持ちにならない感じだったらいいな。
スパイダーマン映画としても相当好きな部類に入るが今のところはまだライミ版の方が好きかな

 

 


そんな感じでした
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Spider-Man: Homecoming (2017) - IMDb

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