原題:Twin Peaks: A Limited Event Series (Part 13) 通算第43話
監督:デヴィッド・リンチ 脚本:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ 制作国:アメリカ
配信局:Showtime 放映時間:59分 シリーズ:「ツイン・ピークス」シリーズ
場所ごとにまとめてるので、ストーリーはこの順番通りではないです
感想というよりも、話を反芻したり忘れないようにするメモみたいなものです
前回までの「ツインピークス」は‥
★ダギー(クーパー)、ダンカン・トッドが差し向けた数々の刺客を尽く撃退。
★クーパーのドッペルゲンガー、レイに撃たれた後、仲間のハッチとシャンタルと再起。
★FBIとツインピークス保安官事務所、それぞれ別々のルートから同じ「座標」を入手
★その座標の場所はツイン・ピークスだと発見したダイアンは何者かと交信中。
★ローラの母親セーラの神憑りが始まる。
★リチャード・ホーンの悪事は全て保安官事務所にバレて本人は逃走中。
※ネタバレ全開です
ネバダ州南部ラスベガス
★保険会社「ラッキーセブン」❼❼❼
前々回、ダギー・ジョーンズとして暮らすデイル・クーパー(カイル・マクラクラン)が幸運を運んだミッチャム兄弟が、キャンディ達ダンサーズと踊りながらミッチャム・トレインを形成して訪れ、ダギーの上司ブッシュネルに豪華な数々のプレゼントをする。社長は大喜び。
めちゃくちゃ旧シリーズっぽい多幸感溢れるシーン。
ダンカン・トッドと通じてミッチャム兄弟をハメた悪徳社員アンソニーはビビっている。
ダンカンは部下のロジャーを呼び、新たなダギー殺しの手を講じている。
★ジョーンズ家🏠
ミッチャム兄弟からお礼の、ブッシュネルとお揃いの高級車、息子のサニー・ジム・ジョーンズ宛の豪華なベガス風遊具セット‥というか小規模な遊具施設が届く。
高級車を見て嬉しさがじわじわ湧き出るジェイニーE・ジョーンズ(ナオミ・ワッツ)は素敵な笑顔になる、夜帰宅したダギーと一緒に、無表情で猛烈に遊具で遊びまくるサニージムを見ながら夫への愛情がますます湧くのだった。
★ラスベガス市警👮
笑い上戸でいつも冷笑してる刑事達が再登場。
ダギー・ジョーンズからこっそり取った指紋の照合結果が出た。
「2日前にサウス・ダコタの刑務所を脱走した行方不明のFBI捜査官」と同じ指紋という結果が出た。
つまりダギー=クーパーと同じ指紋のドッペルゲンガーの記録が出た。
刑事達は「こりゃ何かの間違いだ」と笑って結果を捨ててしまう。
あぁ、クーパーとドッペルゲンガーが結びつく証明が初めて出たのに‥
視聴者をヤキモキさせようとするリンチの意図を感じた。
丸めて捨てた指紋の照合結果は誰かが拾うかな?
そこへダンカンが通じている悪徳社員アンソニーが来て、悪徳刑事2人に毒薬を貰いに来た。もう後がないので直接ダギーを毒殺するつもりだ。
だが悪徳刑事もダンカン・トッドに通じているようで、
「ありゃもうダメだな。ダンカンに報告しとこう」と言う。
★保険会社「ラッキーセブン」🏢
翌日、出社したダギーはアンソニーにコーヒーに誘われる。
勿論、前日に入手した毒入りのコーヒーだ。
しかし彼は、ダギー(クーパー)の善性に当てられたのか
「俺が間違ってたぁ!」と叫んで毒入りコーヒーを持って去る。
残ったダギーはチェリーパイを楽しむ。
★保険会社「ラッキーセブン」ブッシュネルの部屋🏢
罪悪感で完全に心が折れたアンソニーは、ブッシュネル社長とダギーの前で全ての罪を告白。
ダンカン・トッドのために働いていたと語る。
ブッシュネルは「知っていたよ!ダギーの報告でな!」と言う。
「ダンカン・トッドと悪徳警官2人の悪事を証言しろ」と言われたアンソニーはこの赦しに飛びつく。
「証言中に殺されてもいい!そうします」と涙ながらに言っているのでアンソニーの件は解決だな。
モンタナ州西部
★レイやリチャードが所属している不良集団のアジト🏯
クーパーのドッペルゲンガー(カイル・マクラクラン)が訪れる。
どうやら彼を裏切ったレイが所属する組織らしい。
マフィアとかギャングではなく、不良バイカー集団的なアマチュアな「リンチが考えた不良の集まり」って感じ。
この組織のボス、レンゾは14年間無敗のアームレスリング・チャンピオン。
ドッペルゲンガーはアームレスリングで勝負するよう言われる。
負ければ言うことを聞かなければならず、勝てばここのボスになれると言われるがドッペルゲンガーは「こんなとこのボスになりたくない。レイを渡してくれたらそれでいい」と言い、勝負が始まる。
当然、超常的なパワーや超能力を持ち、かつ不死身でボブも内包しているドッペルゲンガーが負けるわけはない。
レンズを散々いたぶってアームレスリングに勝ち、レンゾに顔面パンチを喰らわせる。拳が藤子F不二雄の漫画のように顔にめり込みレンゾは即死。
ドッペルゲンガーはレイに「俺を殺そうと頼んだ相手は誰だ?」と訊く。
レイは「フィリップ・ジェフリーズだ」と答える。
そして先週ハッチに殺されたマーフィー刑務所長もグルだった。
いつの間にかリチャード・ホーンも見ている。リチャードもこの組織の一員だった。というかこいつはドッペルゲンガーの息子だったっけ
そしてレイは「殺した後でドッペルゲンガーにはめろ」とフィリップに渡されたというフクロウの指輪を左の薬指にはめさせられる。
更にレイはビル・ヘイスティングの秘書ベティから奪った座標を渡す。
「フィリップはダッチマンという店にいる」と言ったレイは、聞きたいことを全て聞いたドッペルゲンガーに頭を撃ち抜かれて即死。
死体を残して指輪だけがブラックロッジに転移するのと同時にレイの魂もブラックロッジに転移した。
とりあえずドッペルゲンガーを撃って早めにフクロウの指輪をはめれば倒せる事がわかった。
★ユタ州ハイウェイ🚙
マーフィー刑務所長を暗殺したハッチ(ティム・ロス)とシャンタル(ジェニファー・ジェイソン・リー)。移動中
ワシントン州ツインピークス🗻🗻
★RRダイナー(昼)☕
シェリー(ミッチェン・アミック)のもとにベッキー(アマンダ・セイフライド)から電話。浮気した夫が帰ってこないと。母娘は合流することに
★RRダイナー(夜)☕
ボビー・ブリッグス保安官が訪れる。
シェリーはベッキーとどこかに出かけたのか居ない。
ここでエド・ハーリーが初登場。ノーマと同席している。
これで旧レギュラーキャラ全員登場か?相変わらず吹き替えは若本規夫。
ボビーはエディに「親父が遺したある物が見つかった(座標のこと)」と言う。つまり、このシーンは数話前の座標GETの時と同じ日なのね。
そこに男性がやってきてノーマとキス。
数話前のボビーとシェリーのシーンの繰り返しだな。
男は会計士らしい。
「RRダイナー」5店舗中2店舗が黒字だがこの本店が赤字だと言う。
なんと、フランチャイズ化してたとはね。男の話をまとめるとこうだ。
ここ(本店)の売上は悪い。パイの作り方が本格的すぎてコストがかかっている。安い素材で作ってはどうか。その味の劣化を、チェーンの名前を全て「ノーマのRRダイナー」にしてブランド力で誤魔化そうというのだ。
ノーマは気が進まないようだが男とは仲が良さそうだ。
心中穏やかでない切ない表情で見つめるエディ。。
どうやら順風満帆だと思われたノーマも、またカスと付き合っているようだ。
娘のベッキーがカスと付き合ってるのを見てヤレヤレ顔をしていたシェリーが実は自分も犯罪者と付き合っていて、それをヤレヤレ顔で見ていたシェリーも詐欺師のような男と付き合ってたという構図。もし仮に25年後でもシリーズが続いていたとしたら熟女になったベッキーが新しいカスと付き合っているのだろう。
もうカスと付き合ってない女性キャラは公務員キャラだけだ。
★「Run Silent Run Drapes」🏬
ネイディーン・ハーリーの店?
旧シリーズでネイディーンが発明中だった一切音がしない自動開閉カーテンで一発当てたのかな。
ショーウィンドーには彼女が尊敬するジャコビー博士の「Drアンプの金のシャベル」もディスプレイされている。
それを見て「素晴らしい装飾だ」と立ち寄るDrアンプことローレンス・ジャコビー。
ネイディーンはジャコビーの大ファン。
ネイディーンは「私は貴方の一番の兵士」だと語る。
ジャコビーは「君を最後に見たのは7年前。嵐の日、スーパーマーケットで落としたジャガイモを這いつくばって探していた」と言う。何かの伏線っぽい台詞だからメモしておこう。
★パーマー家🏠
セーラー・パーマーが頻繁に酒を飲みながらTVで古いボクシングの試合を観ている。
だが第一ラウンドでのKOシーンが延々と繰り返し流れている。
お気に入りの古い試合の名シーンを編集したもの‥を観てるんじゃなくて、神憑り中のセーラの周りで時空が乱れてるんだと思った。
★オードリー・ホーンの家🏠
オードリー・ホーン(シェリリン・フェン)が前回に引き続き取り乱している。
ここは前回直後のシーンのようだ。
オードリー「私、自分がここに居ないみたいで‥そんな感覚になったことってない?!」
「まるで、他の場所に居て別人になったみたいな‥わかる?!」
「ロスト・ハイウェイ」的な、自分が別人に成り代わっている恐れを抱くオードリー。
小人症の夫チャーリーは「実存主義的な不安かな?」と常識的な返答をするがオードリーが言ってる不安はそんな問題じゃなくてガチで別人になっているのだろう。
オードリーは旧シリーズ最終回直後、昏睡状態になった時に、クーパーのドッペルゲンガーが何かされている。その結果産まれたのが不良青年リチャードだと言われている。このオードリーはカゲロウのような存在で本物のオードリーはどこかで眠ったままなのかもしれない。
自分を見失っているオードリーにチャーリーは「君が頼んだように今からロードハウスに連れて行くから、そこでビリーを見つけなさい」と言う。
昔からツインピークス民でロードハウスに行ったこともあるはずのオードリーは、ロードハウスの場所を知らないと言う。やはり何かがおかしい。
チャーリーは「ふざけるのはもうやめにしないと君の物語を終わりにさせる」と恐ろしい事を言う。
オードリー「‥私の物語って何よ?」
「それって通り沿いの家に住んでた少女の話?」と言う。
チャーリーは神妙な顔をしている。何かを知っているようだ。
オードリーはチャーリーの話に食いついて座り込む
「助けてチャーリー。ここはまるでゴーストウッドよ」と言う
彼女はコンフューズしてるようだが何だか可哀想だな。。
通り沿いの少女というのは、8章で虫が入っていった少女のことか?
※追記:やはりオードリーは今も昏睡状態でこれは夢なのではないかと思った。チャーリーは主治医なのでは。そうなるとビリーとかティナの存在がよくわからない
★「ロードハウス」🎵
なんとジェームズ・ハーリーのLIVE。旧シリーズでドナとマデリーンと3人で演奏していた「Just You」を、2人の若い女子と演奏。
www.youtube.comうっとり見つめるアラサーくらいの女。誰だっけこいつ‥。わかんないので調べた。役名はレニーで第2章でシェリーと飲んでた友達か。レニーはジェームズの唄で号泣。
女みたいに高い声で歌っているスキンヘッドで怯えた子犬のような顔をしたオッサンの唄で、女が号泣。。ある意味このシーンが一番変だ。
★「ビッグ・エドのガソリンスタンド」🏪
エディの持つガソリンスタンド兼雑貨屋。おかしな音がしている。
ノーマのことで心底落ち込んだ様子のエドはコーンスープをすする。
虚空を見つめていたかと思うと、何やら小さな紙片を燃やした。
エディは25年間、相変わらずノーマを好きで居ながらネイディーンと愛なき結婚生活を続けてたのかな?(ノーマやネイディーンの名字が前と一緒なのであのままだと思われる)
今回こそは幸せになってほしいものだ。
▲▲
今回もまたクライマックスに向けての繋ぎ回といった印象だった。
そして舞台は殆どツインピークスがメインになってきている。
FBIや保安官達の出番がない回は初めてかもしれない。少し寂しかったが、いつも大抵出番多いからまあいい。
ドラマの舞台としてのサウス・ダコタ州バックホーンは終了したみたい。
コンスタンス検視官やノックス大佐はもう出てこないのかな?
ラスベガスのダギー周辺は、いよいよダンカン・トッドとの対決前か?
ドッペルゲンガーも数話ぶりに出てきてラストスパートに備えている。
フィリップがドッペルゲンガーと敵対してる事がはっきりした。
そんでツインピークスでも役者が出揃った。
FBI、ツインピークス保安官事務所、ドッペルゲンガーの三組がツインピークスにある座標をGETした。
ツインピークスに各員が集結する図が見えてきたが、ダギー(クーパー)はなかなか結びつかない。恐らくクーパーはツインピークスに来たり誰かが会いに行くのではなく、ドッペルゲンガーに何かがあってクーパーの記憶も戻るのではないか?しかしここまで話が進んで白痴状態のまま活躍するダギー(クーパー)にも愛着が湧いてきたしジェイニーEやサニージムが不幸になるのは見たくない。どうなるんだろう
そしてツインピークスの各員のどうしようもない人間関係はどうなるのか。
そんな感じでした
「ツイン・ピークス The Return (2017)」全18話
#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 #9 #10 #11 #12 #14 #15 #16 #17
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