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『ツイン・ピークス The Return』(2017) 第18章(終)/クーパーとダイアン。リチャードとリンダ。ローラとキャリー。セーラとジュディ

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原題:Twin Peaks: A Limited Event Series (Part 18) 通算第48話
監督:デヴィッド・リンチ 
脚本:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ 制作国:アメリ
配信局:Showtime 放映時間:59分 シリーズ:「ツイン・ピークス」シリーズ

 

 

 

観ながら書いてる感想。基本的に完全に全部ネタバレ

前回の「ツインピークス」は‥
★ゴードン、「ジュディ(Judy)」という恐ろしい存在について語る
★クーパーの悪のドッペルゲンガー、「消防士」によってツインピークス保安官事務所に転送され、ブレナン夫妻の機転によって倒される。その内部に居たボブが襲い掛かって来るが、フレディの聖なるゴム手袋パンチにより、悪の化身「ボブ」は粉みじんになって死んだ
★同事務所に仲間たちが一同に介したお祝いムードの中、クーパーがフランクからグレート・ノーザン・ホテル315号室の古い鍵を受け取り「何か」を思いついた時から現実が歪み始める
★Naidoの正体は本物のダイアンだった
★現実世界が時の狭間に飲み込まれる。一時的に特異点となり干渉を受けないクーパー、そしてクーパーが選んだ?せいかダイアンとゴードンの計3人は世界再編の干渉から逃れた。クーパーはグレート・ノーザン・ホテルのボイラー室にある異音を放つドアを315号室の鍵で開け、単身入っていく
★クーパーはマイクやフィリップ・ジェフリーズの協力で、ローラ・パーマーが殺された1989年2月3日のツインピークスにタイムスリップ。ローラがボブを内包する父リーランドに殺害される運命を回避する事には成功したが、別の悪を内包した母セーラ・パーマーの時空を超えた妨害を受け、助けたはずのローラの姿が消え森には不吉なムードが充満した

 

 

ブラックロッジ
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前回、ツイン・ピークス保安官事務所で倒され、フクロウの指輪によってブラックロッジへ転送されてきたデイル・クーパーのドッペルゲンガーカイル・マクラクラン)。
椅子に座ったまま為す術なく燃焼、消滅した。
一切の抵抗心や後悔の感情も見えない。ピュア・イーヴィルなんだろう。
ドッペルゲンガーは憎たらしかったしコイツが生きてるとクーパーが出て来れないので嫌いだったが、純粋に悪い事しまくって強制送還されたらされたで黙って死を受け入れる姿には潔さを感じた。
片腕の男マイクは「」を使ってクーパーの新しい「化身」を産み出す。
マイク「電気だ。それは電気」
クーパーの新しい化身「ここはどこなんだい?( ´・ヮ・`)」
善良で多幸感溢れる感じだが、前のダギー(クーパー)ほど白痴でもない、真クーパーとダギー(クーパー)の中間くらいの丁度いい仕上がりの化身。

 

 

ネバダ州南部ラスベガス
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★ジョーンズ家(2016年)🏠
新しく作られたクーパーの良い化身、二代目ダギー・ジョーンズカイル・マクラクラン)はジェイニーEとの約束通り、ジョーンズ家の赤いドアから帰ってきた。
ダギーに抱きつく妻ジェイニーE・ジョーンズナオミ・ワッツ)と長男サニー・ジム・ジョーンズ
ダギーは「うち‥(Home)」と嬉しそうにつぶやく。
初代とは違う、記憶引き継ぎタイプの〈化身〉のようだ。
初代ダギーは邪悪なドッペルゲンガーが作ったせいか金と女と肉体管理にもだらしない化身だったが、この二代目ダギーは真クーパーが作成を依頼したせいかジェイニーEとサニージムにとってベストな優しいダギーなんだろう。

★前回、クーパーが過去に行って過去改変しようとした時点で今までの現実世界は次元の狭間に飲まれて消えたように見えたが、この再会シーンを入れてきたって事は前の世界は在るってことなの?
いや、前回までの世界がそのまま残ってるのはおかしい。
僕の考えでは前回までの「現在の世界」で、クーパーの記憶を維持し続けてるのはクーパーが選んで次元の狭間に飲まれなかったダイアンとゴードンだけだと思ったんだけど、この場面のジョーンズ家は何でダギーの記憶があるんだろう?
ここはクーパーが過去改変して25年後の世界なので、ドッペルゲンガーが作ったクーパーの化身ダギーはいないはずだよね。それとも、この「ツイン・ピークス」世界の特異点といってもいいクーパーが健在だったため、クーパー周辺の事象はある程度変化せず固定されてるのだろうか。
タイムパラドックスとか過去改変とか平行世界とかはややこしく、また各フィクションの作者によって扱いが違うのでこの辺の問題は考えるのやめた。この「ローラが殺されなかった25年後」世界は、これ以降ほぼ出てこなくて考える材料がないし。
しかもリンチは超越瞑想やアジアの仏教的な考えで話を作っていて、あまりSF的だったり論理的な考え方をしても間違ってる可能性もあるし。
ここは素直に「クーパーの化身ダギーが帰宅してジェイニーEとサニー・ジムと再会できた!やったー」と思考停止する事にした。
もし仮に続編が作られて、この場面以降が描かれるまでは「ジョーンズ家は幸せに暮らしました‥^_^」でいいだろう。

★この新しい「理想的なジョーンズ家」は、この世界で今後も幸せに暮らすのだろう。
この後はまたいつものような混沌とした展開になるので、このシーンを前回じゃなくて最終回の頭に持ってきた、というのは「ジョーンズ家の幸福なシーンを最終回に入れとくので難解な結末を好まない人は、このジョーンズ家の幸福シーンを結末だと捉えてハッピーエンドだったと思ってもいいよ」というリンチなりのサービス精神なんだろうと思った。
そして前回までの26年間に渡るツイン・ピークス世界への労りの精神なのかもしれない

 

 

ワシントン州ツインピークス(1989年2月23日)🗻🗻
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★森🌳
前回ラストのシーンの繰り返し。
2016年から来たデイル・クーパー特別捜査官カイル・マクラクラン)が女子高生ローラ・パーマーの手を引いて、悪の化身ボブを内包する父親リーランド・パーマーに殺害される運命から逃れさせた。
そしてローラの手を引いて進むクーパー。
すると第1章冒頭で「消防士」がクーパーに聴かせた虫の羽音のような不吉な音がする。クーパーが振り返るとローラは姿を消していた。そして森にこだまするローラの絶叫。
ローラがリーランドに殺害される運命は逃れたが、別の悪を内包する母親セーラ・パーマーの時間を超えた妨害(前回にあった描写)により、ローラ・パーマーまたは世界全体は別の良くない運命へと軌道を変えてしまった、そんな嫌な雰囲気が流れた。
ちなみにクーパーはセーラの妨害には気づいていないと思われる。
ローラが消えてクーパーが呆然としていると、クーパーは消える。

 

 

ブラックロッジ⚡
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次の瞬間、クーパーはブラックロッジにいた。
消える寸前、逆回転の音がしたのでブラックロッジからの干渉なんだろう。
片腕の男マイク「これは未来か‥。それともこれは、過去か
第2章でもマイクがクーパーに言っていた台詞。マイクは消える。
第2章では消える前に「誰かがここに居る」と言って消えた。今は言わない、という事は誰かというのはドッペルゲンガーやボブ関連のことだったのかも。
マイクの消え方は、まるでカットが変わったのような消え方。
マイクは部屋の隅っこにいた。
クーパーは、マイクの後を追って違う部屋に移動。
そこには「」がいた。電気の音をさせている。
彼はクーパーに問いかける。
腕「私は”腕”だ」「私はこんな音がする」
シュルシュルシュル‥という現代音楽めいた音が鳴る。
これも第2章にもあった流れと同じ。
腕「それは、通り沿いに住んでいた少女の‥あの少女の物語なのか?
腕「そうなのか?
「通り沿いに住む少女」というのは、昔ニューメキシコで悪の虫が体内に入ったセーラらしき少女のことか?それともローラのこと?
第2章での”腕”は「こんな音がする」までは同じだが「少女の話」ではなく「ドッペルゲンガーをここに戻せばお前は現世に戻れる」みたいなアドバイスをしていた。ドッペルゲンガーはもう倒したので次のフェイズ(ローラのこと)に行ったのか?
恐らく彼らの時間は過去から未来へと流れているのではなく「ウォッチメン」のドクターマンハッタンみたいに現在過去未来を同時に体験している気がする。そしてクーパーが重要な要件を済ませるとRPGゲームの王様のように台詞が変わっている‥そのように見える。
つまり彼らは立体である三次元に時間を足した存在‥4次元人みたいなもので、ブラック・ロッジとは四次元空間に似た空間‥というのは短絡的かな。
カットが変わるとローラがクーパーに耳打ちする。ローラは絶叫して消える。
そして、やはり第2章の時と同じようにリーランド・パーマーに出会う。
リーランド「ローラを探せ
リーランドによるローラ殺害は止めたが、ローラ救出は失敗した。
その影響で消えたローラを探して助けよ‥ということなのか。
第2章での同じ場面‥リーランドにこう言われたクーパーは、現世に帰還しようとしたがドッペルゲンガーの策略でNYのガラス箱の部屋に転送されてしまった。それは恐らくエクスペリメントに惨殺させようとしてのこと(入れ違いに一般人カップルが惨殺された)。今回はドッペルゲンガーがもう消滅してるためか妨害もなくクーパーはすんなり現世に帰還できた。
★このシーンのブラックロッジ住人たちの言動は、一部を除いて第2章とほぼ同じ。
第2章 - gock221B
違うところは、第2章ではドッペルゲンガーについてアドバイスしてくれてたのが今回は「通り沿いの少女」についてに変わっている。
「通り沿いの少女」というのがローラのことなのか、第8章で描かれた過去のニューメキシコでラスボスのエクスペリメントが産んだ悪の虫が体内に入った少女(セーラ?ジュディ?それとも三人は同一の存在か?)の事かはよくわからない。
ローラのことなら「ローラ」とハッキリ言うと思うので後者のニューメキシコの少女の事を言ってたような気がする。
★「通り沿いの少女」と言えば、昏睡中だったと思われるオードリーも現実世界では担当医‥だったと思われるチャーリーに言われてたよね。「君の物語も終わらせる」的なことも言ってたが。オードリーとチャーリーが「通り沿いの少女」にどう関係してるのか。全くわからない。オードリーはドッペルゲンガーと関係してたからか、それとも彼女の見ていた夢の世界が異次元と繋がってたのか‥。オードリーのあの後を描かなかったのは色んな事がバレバレになって神秘性が薄れるからカットしたのだろうか。オードリーの事は好きなのでもう少し救われてほしかった。せめてクーパーにひと目会わせてあげて欲しかった

 

ワシントン州ツインピークス(2016年)🗻🗻 ハイウェイ430マイル地点
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ツイン・ピークス「ジャック・ラビット・パレス」の253ヤード東🌳
赤い髪の、本物のダイアン・エヴァンスローラ・ダーン)がいる。
彼女はクーパーのドッペルゲンガーによってブラックロッジに封印させられ、化身を作られて使役させられていた。
ダイアン「あなたなの?本当にあなたなの?」
クーパー「そうだ。本当に僕だよダイアン」「本当に君か?」
ダイアン「ええ」
嬉しそうな2人。森の座標に現れていたブラックロッジは消えていく。
さようならブラックロッジ。

★これはジョーンズ家やブラックロッジよりも簡単だ。
この少し改変された世界で、前回までの記憶を持ったままの2人が再会できたというだけだ。
というかゴードンはどうしたんだろう?ツイン・ピークスからフィラデルフィアまで帰っていったのかな?多分そうだろうけど何故ダイアンと一緒に森で待ってなかったんだろうか。それともクーパーとの縁がダイアンほど強くないので次元の狭間に飲まれたのだろうか。
ダイアンの声色や口調は化身だった時と全く違う穏やかな感じ(あの毒舌の白髪ダイアンの方が人気ありそうだけど)

★そもそもクーパーがツイン・ピークスに来る前からブラックロッジに囚われる直前まで、真に愛してたのはアニー・ブラックバーンだったのだが、前回から突然ダイアンが真のヒロインみたいになっていて戸惑う。
アニー役のヘザー・グラハムが出演できなかったからクーパーの元秘書だったダイアンを急遽、真ヒロイン兼「アニーの代役」にしたんでしょう。
アニーはどうした?って事がめっちゃ気になるが、一言も触れないのでどうしようもない。
納得いかないところもあるが、とにかくダイアンを真ヒロインとして描いてる感じだし最終回なので、こちらもそのように気持ちを切り替えて観ることにする。

どこかのハイウェイ(430マイル前)🚙
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2人は車で移動している。
第2章でクーパーのドッペルゲンガーが移動してゲロ吐いてたサウスダコタ州の道路と似ている。
ダイアン「本当にこれでいいの?」「そうしてしまったら、この先どうなるか
クーパー「わかってる。丁度その地点に来た。そう感じるんだ」
「見ろ、もうすぐ丁度430マイルになる」
クーパーは巨大な送電線がある「430マイル地点」とやらで停車する。
送電線からは電気の音がする。
このツイン・ピークス世界での電気は、もう視聴者にはお馴染みだが次元間‥世界と世界の狭間を埋めるハイウェイだ。だから視聴者には「違う世界に行こうとしている」事はわかる。
まだよくわからないがクーパーは新しい何かをしようとしている。430マイル地点を越えると今までに描かれていない種類の新しい何かが起こるらしい。
クーパー「ここを越えれば全てが変わるだろう
2人はキスして覚悟を決め、車を走らせて430マイル地点を越える。
電気がまたたく‥
どこかのハイウェイ(430マイル越え)🚗
別の世界(平行世界?)に行ったクーパーとダイアン。
車で走行したまま一瞬で夜になった。
どうやら平行世界の、元の世界と同じ時間ではなくズレがあるようだ。
2人は無言で車を走らせる。恐らく2人は記憶を保ったままだ(そうでなければ別の世界に行く意味がない)
しかし何で430マイル越えで別の世界に行くとクーパーが知っていたのかは謎(ダイアンの耳打ちか?)
視聴者にできるのは「430マイルを越えたら別世界に行く」というクーパーの台詞を鵜呑みにする事だけだ。
★では何故、別世界に行く事にしたのか?これも推測するしかないが「ローラがリーランドによって殺される悲劇」は防いだがセーラの時空を超えた新しい妨害でローラは消えた。
そして、さっきのブラックロッジにローラは居た。
という事はセーラの妨害によってローラは「殺された訳でもないのに殺されたも同然」の状態にされ、強制的にブラックロッジ送りになってしまった。そして絶叫して消えて嫌な雰囲気だけが残った。
早い話、ローラ救出が失敗して‥この世界はもうアカン、という事になって平行世界に行くしか手段がなくなったのだろう。
「もう一回過去に戻って」とかはダメなんだろう。何故ダメかはわからん。
よく考えてみれば前回までは現世と異次元だけ考えてればいいから楽だった。
今はもう過去改変と平行世界まで加わってしまった。
こうなってしまってはもう物事の結果から過程を推測していくことによってしか流れが掴めない。
ところで「430マイル」を越えて走ってる映像「ロスト・ハイウェイ」そっくりだったね。
ロスト・ハイウェイ」もまた犯罪を起こしたかもしれない男がある日突然、別人になっているという映画だったが。。本作を念頭に置いて再見したら今までと全く違う楽しさがありそう。4Kのやつ買って絶対観ようと思った

 

 

430マイルを越えた違う世界のどっかの町
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★モーテルの前🏩
無言で車を走らせる2人はモーテルで停まりクーパーがチェックインしに行く。
助手席で待ってるダイアンがモーテルの入り口を見ると‥、柱の陰からもう一人のダイアン・エヴァンスローラ・ダーン)が出てきてこちらを見ている。しかし無視するダイアン。
チェックインを済ませたクーパーが出てくると、もう一人のダイアンは消えていた。
‥このシーンめちゃくちゃ怖い!!
このドラマで初めてゾッとした。今までは怖いキャラが出てきても、一体どういう存在なのか想像がつくから怖さはなかったが、このもう1人のダイアンは謎すぎてめちゃくちゃ怖かった。幽霊を見てしまって背骨に氷を入れられたような怖さ(幽霊見たことないので想像)
ひょっとして、こっちの世界に最初から居たダイアン?だとしたら何故2人がここに来るのを知ってたのかがわからないし、ひょっとして今この世に出現したのかもしれない。ダイアンが来るのを知ってたとしても「自分が見てる姿」をダイアンに見せるだけで何もしない理由もサッパリわからない。
車中のダイアンが驚きもしないという事は「こっちに来ればもう一人自分がいる」くらいは知ってたってこと?
チェックインを済ませたクーパーが出てくるがダイアンは今見た「もう一人の自分」について一切喋らない。それもまた謎。
今まで本作に出てきたドッペルゲンガーは「ブラックロッジに入ったら出来て、本人になり替わろうとするもの」そして化身は「種を元にして異次元の住人が不思議な力で作った即席ドッペルゲンガー」‥みたいなものだと判明しているが、今更ネタが割れてるドッペルゲンガーや化身を出してくるわけがない。つまり正体不明のマジもんのドッペルゲンガー。因みにダイアンも、もう一人のダイアンもこの後一切出てこないので謎のままだ。
出された情報だけで推測するなら「こっちの世界に最初から居たダイアン?」と思うくらいしかない。
‥というように、何もかもが謎過ぎることが怖いんでしょうね。

★モーテル(夜)🏩
ダイアンが部屋の灯りを点けるがクーパーは消してくれと言い消灯。
苦難の末、25年ぶりに会ったというのに、あの優しいクーパーが灯りを消してお互いを見にくくしたがるだろうか?何かが変だ
愛し合う2人。
ここで流れる曲‥The Plattersの「My prayer」は第8章でウッズマンがラジオ局に乱入して局員たちを殺害してるシーンでも流れていた。
www.youtube.com

25年以上ぶりに再会して愛し合ってるはずのクーパーとダイアンは全く幸せそうな雰囲気ではなく嫌な雰囲気。
クーパーは怖い顔してSEXしてるし、ダイアンは終始なにかに怯えているようだし途中からは遂に泣き出してしまう。明らかに何かがおかしい。良くない事が起きている
この後の展開を考えると、あの何十年も前の並行世界のラジオ局の人間に影響を与えたウッズマン電波に乗った「My Player」が次元も時間も超えて、この部屋の二人にも干渉したのだろうか?(ちなみにラジオから流れてるわけではなく劇判)
前回、セーラが25年前のローラに影響を及ぼしたのだからあり得るのかもしれない。
セーラの内部が通じているっぽいエクスペリメントが悪の神だとすればウッズマンは悪の天使みたいなもんだろうし、エクスペリメントのパワーを借りてそんな不思議な事ができたとしてもおかしくない。
リンチ「好きな曲だからもう一回流そうっと」そんな事あるわけない。
理由がある。

★モーテル(夜)🏩
翌朝、一人で目覚めたクーパー。辺りを見回すがダイアンは居ない。
置手紙には「リチャードへ」と書いてある
クーパー「リチャード?」
ダイアンの手紙「読む頃には私は居ない。どうか探さないで。私はもう貴方がわからない。この関係が何だったにせよ、もう終わり。リンダ(より)」
リチャードとリンダ
第1章冒頭で「消防士」が出したヒント。まさかクーパーとダイアンの事だったとは。
同時に出したヒント「430」はさっき出た。「二羽の鳥と一石」は前回ゴードンが言ってたブラックロッジに囚われる前のクーパーが言ってた最後の言葉。この一石二鳥の「二鳥」は現在の作中に出ている「対のもの」が多すぎてどれの事か特定できないので忘れよう。というかツイン・ピークスの符号は判明したら大抵しょうもないので別にどうでもいい。
クーパーはモーテルの外に出る。
クーパーは怪訝な顔。モーテルが入る前と違うモーテルに変わっている(部屋の内装は同じに見えたけど)
え、モーテルに入ってる間また別の世界に行った?
不吉な「My Player」が流れたせい?そもそもダイアンは変化なかったがSEXしてる時のクーパーは何で怖い顔してたの?もう一人のダイアンのせいか?というかダイアンがもう一人いるんだからこの世界に最初から居たクーパーも来てたのか?というかチェックインした時や夜の間に最初のクーパーと、この世界に前から居たクーパーが入れ替わってたりしたらもう訳わからん(しかしクーパー入れ替わりはさすがにないだろ)
そもそも、SEXしてる時まではまともそうだったダイアンは置手紙に、リチャードとかリンダなどと書いてしまっている。ダイアンもまた別人になってしまっている。
今までに培ったツイン・ピークス方程式が通用しない領域に突入して混乱してきた。。
だけど「何だかよくわからないけど面白いな」と思ってリンチ作品を繰り返し観てた10代~20歳前後の頃を思い出して正直ワクワクしてきた。
クーパーは一人で車に乗り、走らせる。

 

テキサス州オデッサ
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★ダイナー「ジュディのコーヒーショップ」🍴
走行中「ジュディのコーヒーショップ」というダイナーを発見。
フィリップ・ジェフリーズやゴードンが言っていた「怖ろしい存在『ジュディ』」ってこの店のこと?それは勿論、違うんだが全く何の因果もないのにジュディと名付けるわけはない。何かある。
クーパーはジュディに入る。
クーパー「ウェイトレスは君の他にもいるのか?」
クーパーに訊かれたベッキーと同系統の、美人だが幸せになれなさそうな雰囲気のテキサス美人ウェイトレス(フランチェスカイーストウッド)は「もう3日も休んでいる」と言う。
クーパーは大好物のコーヒーを飲む。
が、ノーリアクション。明らかにわざとやってる演出。
ちなみに前回、何十年も現世で悪を重ねてきた不死身のクーパーのドッペルゲンガーは、本物のクーパーが大好物のコーヒーを欲しがらない事がニセモノのサインだとアンディ保安官補に見抜かれ、善良で小柄なアンディの奥さんルーシーに撃たれて死んだ。
関係ないが一部始終をいかにもリンチっぽい面構えの老夫婦が見ている。
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ウェイトレスが荒くれテキサス男たちにウザ絡みしている。
最終回まで来て今まで何度も書こうとしてたの今思い出したがリンチって悪をよくわかってますよね。。悪というのはウザ絡みだよ。ボブやらドッペルゲンガーやら町のチンピラなどの悪人は、女や子供を殺したり犯したりするウザい奴ばっかりだった。そういうカッコよさとか計画性やカリスマ性などの欠片もない悪の煮凝りの様な淀みから這い出たゴキブリの様なものこそが悪だと思う。
クーパーは「やめろ」と言い荒くれ者に囲まれる。お、ヒーローっぽいシーン?
するとクーパーはテキサス男に対し、全力で急所蹴り!そしてもう一人の男の足を銃撃!
明らかにやりすぎ。さっきから態度が微妙に尊大だし何かがおかしい。
クーパーはさっきのウェイトレスに「紙切れにさっき言ったウェイトレスの住所を書いてくれ」と言う。
クーパーは男達から取り上げた銃をフライヤーで揚げる。えっなんで?
クーパー「この温度で爆発するかどうかはわからないが‥下がった方がいい
そう真顔でコックとウェイトレスに言う。何か変。心配だ‥
クーパー「心配しなくてもいい わたしはFBIだ
何この間抜けなシーン?
まるでクーパーが「自分の事をFBIだと思い込んでる変なおじさん」みたいに見えてきた。
ダイアンが置手紙に書いてたように430マイルを越えて以降、もしくはモーテルで寝てる間に、さもなくばその両方。
クーパーも世界を横断する度に、徐々に人格が変わっていってるのか?
クーパーの記憶と意識で動いてローラ救出に向かってるようだが何かが違う。
何かが違うので以降、クーパーの事は「リチャード(クーパー)」と表記することにした。キリッとした真クーパー、丸々1話分くらいしか出なかったな

キャリー・ペイジの家🏠
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しばらく進むと、デズモンド捜査官が消えた時やリチャードが幼児を轢き殺した時にカール・ロッドが人魂を目撃した近くにあった「324310」「6」のプレートが貼られた電柱があった。電気の音もする。
リチャード(クーパー)がこのプレートを知ってるかどうかは知らんが電気の音に反応。というかこの電柱って、そもそも何なんだろう?全部違う場所なので住所じゃないだろうし。異次元ポイントって事だけはわかる
とにかくリチャード(クーパー)は家のドアをノック。
中の女性「どちら様?」
リチャード(クーパー)「FBIです
クーパーがFBIだと自称するたびに笑えるのは何故なんだろう。
吹き替えも若干、間抜けに演技してる気がする。
ドアを開けたのは何とローラ・パーマーだった。
リチャード(クーパー)「ローラ‥!」
しかし彼女はローラではないという、自分はキャリー・ペイジだと名乗る。
それにしてもリチャード(クーパー)は何故ローラの居場所がわかったのか。怖ろしいと噂の「ジュディ」の名を持つ店で働いてたからなのか、それともブラックロッジのローラの耳打ちで最初から知っていたのかもしれない(「ローラの耳打ち」便利だな)
リチャード(クーパー)「君の父親の名はリーランド」
キャリー(ローラ)「へえ、それで?」
リチャード(クーパー)「母親の名前はセーラだ
キャリー(ローラ)「セ、セーラ‥。い、一体どういうこと??
急に狼狽えた。明らかに目に見えて動揺している。
父の名前では動揺せず、今最も旬で邪悪な存在のセーラで動揺した。
キャリー(ローラ)はクーパーを怪しんでるし、このキャリー(ローラ)の父親の名前がリーランドじゃなかったのなら「それで?」ではなく「違うけど?!」とか強く言うはずなのでリーランドで合ってるんだろう。
ではセーラの名前も合ってたのだろうか。合ってなかったとしても魂に響いて恐ろしくなってるようにも見える。
どんどん、面白くなってきた。
やはりラスボスを内部に秘めていそうなセーラが、悪の焦点なのか?
リチャード(クーパー)「説明が難しいんだが‥僕は君をローラパーマーという少女だと思っている。君を母親の家に連れて行きたいんだよ。君がかつて、住んでいた家にね。とても重要な事なんだ。ワシントン州ツインピークスに行こう
無茶苦茶な説明だ。だが丁寧に説明すればするほど狂人度は上がってしまう。
キャリー(ローラ)は「疑ってるけど‥、今はここを離れなくちゃいけないからFBIのアンタに連れ出されるなら好都合」みたいな事を言う「支度するからちょっと家入ってて」
入ると、頭を撃ち抜かれた男が死んでいた。
このローラは「自分がローラじゃない」と認識してるのに、さっきのリチャード(クーパー)の訳のわからん説明で行く気になるのも変だし、他殺体がある部屋にFBIを名乗る男を招き入れるのも変だ。
リチャード(クーパー)は他殺体をしげしげと見た後、違う方向を見る。
壁に置いてある皿と馬の置物がアップになる
FBIのくせに、目の前に他殺体があるのに全然関係ない馬の置物を見て現実逃避している。リンチの間の抜けたギャグが冴え渡り、爆笑。
キャリー(ローラ)とリチャード(クーパー)は死体を前に、コートや食べ物の話をしている。遠足気分だ。こいつら一体どうなってるんだ‥というか今回面白いな。
第1章のNYガラス箱の部屋でエクスペリメントが出てきて「なんじゃこりゃ!」と思った時の新鮮さを思い出した。第1章と最終回は感触が似てる。
キャリー(ローラ)「とにかくこの腐ったオデッサの町からは出られそうね
おい‥逆だろ?本当は普通の町オデッサから腐ったお前が出ていくんじゃないのか?さっきの死んでる男、殺したの。お前だろ
★遥か昔、神の様な「消防士」と謎のセニョリータが創り出したローラ・パーマー。
この「悪の化身ボブに対抗する光の戦士」みたいな後付けで、死後26年経ったこの新シリーズでは過去改変によってとうとうガチで生き返ってしまった。
そんな感じで本作の中でもクーパーとローラは一際、特別なキャラクター。
クーパーは終始活躍してたのでいいとして、ローラはどうも昔から色んな男とSEXしまくったりドラッグやりまくったりで、今回の生きて大人になった並行世界のローラ‥キャリーもパッとしない生活をしているっぽいウェイトレス。家で男が死んでるし、多分キャリーが殺してるし、そしてこの男もどうせまた同情の余地のない、ろくでもないカスだったに決まってる。
一体ローラのどこが特別な女性なのかサッパリわからない。
そこが可笑しい。
リンチが、まるでローラのことを救世主のように扱ってるから、こちらもそのような心積もりで観てたが、ローラの一体どこにその要素があるのか?
神の御業は我々には計り知れんというところなのか(たとえば片手しかないゴム手袋を付けたヒョロガリ英国青年だけがキラーボブを斃せるとか)
どうでもいいがローラとかキャリーとか名前が日本のギャルっぽい。
関係ないけどローラ役の女優さん、若い時は好きじゃなかったけどオバサンになった今の感じ結構いいなと思った。
何か凄く良い中年女性の身体つきをしている。骨太の感じ。
それに、やっぱり妙なスター性がある。

ツイン・ピークスに向かうハイウェイ🚙
f:id:gock221B:20171115050923j:plain走行中の車内のキャリー・ペイジ(ローラ)。
異常に寡黙なキャラになってしまったリチャード(クーパー)は黙ったまま。
キャリー(ローラ)は、後ろから車が着けてきてるんじゃないか気になったりオデッサでの暮らしの愚痴を語るが、リチャード(クーパー)は特に返事しない。
殆ど台詞なしで車で走ってるだけのシーンが延々と続き、この一連のシーンが本当に異常なまでに長い!
10分くらいろくな会話もなく走って‥ガソリンスタンドに停まり‥給油して‥走り出した‥
「やれやれ、やっと事が動き出した‥か」と思っていたら
そのまま3分間ほぼ無言で走行してる辺りで飲んでたコーヒー噴きそうになった
現実か!
現実のドライブじゃないんだから!「ニーチェの馬」観てるのかと思った。
本シリーズはリンチの現在のリズムで間を取っていて、会話シーンでも平気で4、5秒間が空いたりしていた(次第に慣れて行って普通のドラマの方が不自然に見えてきたりもした)。いつだったかロードハウスでバイトが掃除してるだけのシーンが5分近くあった事あるが余裕で記録更新!しかも「オードリーのあの後」などを始めどうなったか知りたい要素が山盛りの上に、まるで宇宙が開闢するかのように新たな謎が増え続けてリンチに訊きたいことが山ほどある視聴者をわかってて、わざとやっている(視聴者は「あの‥」とリンチに話しかけたいが、肝心のリンチは真顔でこちらを見たままメリーゴーランドで回ってるので会話できない光景が頭に浮かんだ)
このくだり、リチャード(クーパー)とキャリー(ローラ)に感情移入して欲しかったのかな?
最初はイラッとしたがやがて傑作だと思うようになった
 

 

ワシントン州ツインピークス🗻🗻
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★前の世界ではパーマー家だった屋敷🏡
約13分間、ろくな会話もなしで目的地に到着した。
そんだけあれば、もっと色々話せただろ~。まあ意図的なものだから仕方ない
出発する直前、キャリー(ローラ)に「ツインピークスって遠い?」と訊かれたリチャード(クーパー)が「物凄く遠い。」と言っていた事を思い出し「本当に物凄く遠かったな!!」という気持ちになってニヤリとさせられた。
確かに「テキサスからワシントン州ツインピークスは遠かった」という実感は持てた。途中で眠くなったがリチャードが頑張って運転してるから我慢した。
このドライブで怒り狂う人も多そうだが僕は好きだった。だが若かったり虫の居所が悪かったら怒ってたかも(しかし最終話まで観てる人って中年の大ファンばっかりだろうから今更キレる人もいないだろ)
とにかく、前の世界ではパーマー家だった屋敷の前に着いた。
キャリー(ローラ)の手を取って進むリチャード(クーパー)。
1989年のツインピークスの山中にタイムスリップしてのローラ救出‥に失敗した時の様な構図。当然わざとでしょう。
リチャード(クーパー)はたっぷり間を取ってドアをノック。
中から出てきたのはセーラ・パーマーとは全く別人の、至って普通の中年女性
「セーラ・パーマーなど知らない、ここは自分の持ち家」と言う女性
この家はシャルフォント夫人という女性から買ったという。
そしてこの女性の名前はアリス・トレモンドだという。
★シャルフォント・トレモンド夫人というのは旧シリーズと劇場版で出てきた、明らかにこの世の人間ではない老婦人の名前。
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ちなみに一度訪問して会ったドナが、後日トレモンド夫人を再訪すると全く別のオバサンが出てきて「私がトレモンドですけど?」と言ってドナがビビる(ということは名前を騙っていたので本当の名前ではなかったのかもしれない)
劇場版ではローラに「コンビニエンスストアの二階」に続く絵をくれたり、ボブや小人や跳び男たちと一緒に「コンビニエンスストアの二階」にいるシーンなどもあった。完全に異次元の人だ。いつも連れていた孫は(この世界で邪悪な者が好む)クリームコーンを使ってマジックの練習したり跳び男っぽいお面を付けてたりした。
喋るとあまり邪悪そうではないが、どうも見てると不吉な陣営の者に見える謎の人物。
上品な老婆の顔だけが持つ怖さを遺憾なく発揮してて旧ツインピークスでベスト3に入るくらい好きなキャラだった。他にも「ブルー・ベルベット」「ワイルド・アット・ハート」や「マウス・オブ・マッドネス」のピックマン夫人役でもカッコよかった、この女優さんは当然亡くなっているがキャラの名前だけでも出て嬉しかった
この世界の、トレモンド夫人は今リチャード(クーパー)とキャリー(ローラ)の前にいる普通の女性。だがシャルフォント夫人から買ったという。前の世界のシャルフォント・トレモンド夫人が分裂している?どちらにせよ、この世界のパーマー家の屋敷も不吉な空気に包まれている事は間違いなさそうだ。
とにかく今目の前のアリス・トレモンド夫人にこれ以上訊いても何も出ない。
「ここはシャルホン夫人から買ったアリス・トレモンド夫人の家。セーラ・パーマー知らない」情報はそれだけなので、もうどうしようもない。
超長い道のりをドライブして来たのにションボリと引き返す2人。
ドライブシーンがクソ長ったために、彼らの徒労感はいやがおうなしに伝わってきて可笑しくなってきた(クーパーに至っては平行世界を幾つか横断したのに)
我らがヒーローと何も出来ない救世主が、ヤバいほどしょげ返っている。
ドライブに13分も使ったので、もう放送時間が残り少ない。
「26年間に及ぶツイン・ピークス・サーガがとんでもない終わり方しそうだ‥」と、興奮してきた。
車に近づき、キャリー(ローラ)が振り返って屋敷を何となく見る。
リチャード(クーパー)も同じく振り返る。
過去改変の件から考えると、振り返るのは敗北フラグであまり宜しくない行動
リチャード(クーパー)は自己の内面を見つめ何か考え始める。
そして言った
リチャード(クーパー)「いまは何年だ?
えっ‥そんな台詞を最後にわざわざ言うって事は、パーマー家が住んでないくらい時代がズレてる平行世界に来てしまったかもしれないってこと?
モーテルで寝てる間にも横断したようだし、お目当ての世界に来れてない?
違うのなら最後にわざわざこんな事言わないだろうからズレてるんだろう。
近未来(アリス・トレモンド夫人が何年か後にリーランドに売る)なのか、それとも過去(パーマー家がシャルフォン夫人に売ってアリス・トレモンド夫人へ)シャルフォン夫人はコンビニエンスの二階勢だから後者の「パーマー家は過去住んでた」って方かな。
そう言われると微妙に何年なのかわからないシーンばかりだった(そのためにテキサスを舞台にした?)
だが同時に「目的を失ったクーパーとローラが途方に暮れてる」という雰囲気を強調するだけのシーンにも見える。何とも締まらない。
「いま何年?」と訊かれてもパートから帰って疲れ切ってキッチンに座ってる母親の様な顔で元気のないローラ。
するとパーマー家‥いやアリス・トレモンドの屋敷の中からセーラ・パーマーの声で
セーラ・パーマー「 ロ~ラ~~ 」
と聴こえる。めっちゃ怖い
するとキャリー‥いやローラはいつもの身の毛もよだつ異常に神経に来る絶叫
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リチャード(クーパー)、ローラの絶叫にビクッ!とする。
アリス・トレモンドの屋敷‥いや、セーラの家は電気がバッとまたたき、シュボッ!という音とともに全ての電気が消える。多くの謎を残したまま‥
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その後スタッフロールのバックで、ブラックロッジでローラがクーパーに耳打ちしてる場面が流れて終わる。一体何を耳打ちしてたんでしょうね。。
そういえば第1章冒頭で「消防士」の屋敷にクーパーが居て「リチャードとリンダ」とか言われてたシーン、あれは何時の時系列(と言っていいのか)だったんだろう。


The END


▲▲
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最終回だが僕は凄く面白かった。
本シリーズの中で1、2を争うくらい好きな回ですね。
最後に無茶苦茶にして終わるのは皆わかってる事なので「観たらムカつくかな」と想像してたので意外だった。
正攻法の一番いい回は第16章(クーパー復活、オードリーのダンス回)だと思うが、今回の最終回は第1章にも似た、新しい要素や謎を打ち出してくる新鮮さ、リンチの現役感や現在進行形さが出ていて最高。
逆に言うと、前回の第17章が実はあまり好きじゃなかった。
なぜ黙ってたかというと最終回を目前にテンションを下げたくなかったから。
ブレナン夫妻の活躍や裕木奈江さんの大役は嬉しかったけど、あからさまに以前から匂わせてた「フレディがボブをやっつける」展開や、全員同時に同じ場所同じ時間に集合する少年漫画みたいな嘘くさい展開とか、タイムスリップでの過去改変とかを出してくる深夜アニメ臭さが苦手でした。
というか、ただでさえ何でもありのツインピークス世界で過去改変とかやったら、もう‥何でもあり得過ぎて良くない感じがしたんですよね。
だけど今回は、中途半端に過去改変したあげく並行世界に行ってしまう(しかも何駅か乗り過ごす)
その後の展開‥、めちゃくちゃ怖い「もう一人のダイアン」や、置手紙を書いてたのは真ダイアンだったはずなのにリンダになってしまってる。クーパーの性格が変わっている。「ジュディ」というダイナー。キャリーという名になっているローラ‥などなどのツインピークス方程式で解けない謎が次々と放たれ、リンチの間抜けなギャグも満載!で満足しました。
というか前回までの話が全て今回の前振りにまで思えてきた‥。
色んな作品内のツイン・ピークス:ルールを散々、視聴者に植え付けたところで、それらが通用しない最終回をぶつけてくる感じ?その感じが僕は良かった。
リチャード化したクーパーの間抜けな口ぶりや、長すぎるドライブは笑ったし。
ラストのセーラだが、セーラは前回「2016年の家に居ながら25年前のローラの運命に影響を与える」という離れ業を見せたのでローラへの呼びかけはまあ、そんなに不思議ではない。インフィニティストーン2個持ってるくらい強い
ラストだけ見ると、旧シリーズの「悪を制したと思ったら一杯喰わされたエンド」を踏襲した感じか(というか、そうなると劇場版での、殺されたが天使に救済されたローラは何なんだったんだろう)
また数年後に続編が始まったら最高だし「この第18章にて全て完結」と言われても、まあそれはそれで受け入れられる。
もし続編が作られた時、クーパーとローラーとセーラ以外、全てこの新しい世界でも面白いかもしれない(だってこの新シリーズは旧キャラより新キャラや新しい要素が良かったので)
前回第17章を観て、最終回には期待してなかったんですが蓋を開けてみると予想を良い意味で裏切られました。
数々の放り投げられた謎とかは、最終回を観た直後のせいか割とどうでもいい(なにしろ世界そのものが既に放り投げられた後だし‥)
★やっぱり「18時間の長い映画を18分割したようなもの」と言われてただけあって、最初の6話くらいはネタフリばっかで正直あまり面白くなかった。
中盤動き出して、終盤はずっと面白かった。やはり全18話を三幕構成で作ったのかな
1話づつ観るドラマとしてはバランス悪いが、何ヶ月もかけて長ーい映画を観たと思えば「このクソ長い映画、面白かったなぁ!」という感覚が残った。
だがその反作用として、主人公クーパーが白痴と極悪人に分裂してしまい、まともなクーパーが観れない。代わりにゴードン&FBI勢が主人公役を努めていたものの主人公クーパーが捜査官としてまともに稼働できなかったのが残念でもあった。加えてツイン・ピークスのお馴染みキャラの出番も殆どなしで、観ていて安心する展開が殆どなかった。
だから今回のシリーズ自体は、まるでドーナツの様に中心を欠いた代物になっており、旧ツインピークスみたいに何度も繰り返して観る魅力には乏しかった。
でも面白かった。
長所と短所は表裏一体で、安定感はないが「一体どうなるのか?」というワクワク感があった。
リンチが打ち出す、大衆受けしない新しい展開へのチャレンジ精神に一番感動したかもしれない
それにしても我らがヒーロー、クーパー捜査官のファイナルアクションが
「ローラの絶叫にビクッとする」だったとはね。
やっぱ好きだわツイン・ピークス。また帰ってきてよ
★旧シリーズ、FWWM(劇場版)、マルホランド・ドライブとかロスト・ハイウェイインランド・エンパイアとかも本シリーズを踏まえて観ると以前と全然違って観えそうなのでどれも再見すると楽しはず
★好きな回は第111141618章。
★好きな旧キャラはアルバートローラ(キャリー)カール・ロッドクーパー
★好きな新キャラはジェイニーEタミーミッチャム兄弟ブッシュネル
★また全18話まとめての感想を本や映像ソフト買った時に書くかもしれないが僕の感想はとりあえずこんな感じでひとまず終わります。

 

そんな感じでした

ツイン・ピークス The Return (2017)」全18話
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ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ - U-NEXT
Twin Peaks (TV Series 2017) - IMDb

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