gock221B

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「アリー / スター誕生 (2018)」前半とガガとShallowと自分の行動を全部説明するブラッドリー・クーパーは良かった👱🏻‍♀️🧔

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原題:A Star is Born 監督&脚本&制作&主演:ブラッドリー・クーパー
製作国:アメリカ 上映時間:136分 ※「スタア誕生 (1936)」の3回目のリメイク

 

 


映画の感想とは全く関係ないが吾妻ひでお先生が亡くなって悲しい今日。。
なんか長い間イーストウッドビヨンセ主演で映画化するって言ってたけど、ビヨンセが産休に入ったりイーストウッドが他の映画を何本も撮ったりして延期が続いてる間に、イーストウッドが親しいブラッドリー・クーパーに企画を譲ってブラッドリー初監督作になり主演もビヨンセからガガに変わってた。過去の「スタア誕生」は一本も観てないがネトフリにあがってたから観た。だがこの主題歌「Shallow」は前から名曲だなぁと知ってはいた。
今回は完全にネタバレあり。

 

 

👱🏻‍♀️🧔🏻🎤

 

 

カントリー歌手ジャック(ブラッドリー・クーパー)はスターだがモチベーションが下がっているせいなんか鬱っぽいせいなのか又はその両方か酒とドラッグに溺れており、年の離れた兄がマネージャーとなってジャックを支えていた。
ツアーの途中、ジャックは酒を飲むためにドラァグ・バーに立ち寄ると、ドラァグ・クイーンに紛れてウェイトレスのアリー(レディ・ガガ)が唄っていた。
ジャックはアリーの唄そして彼女自身に一目惚れ。2人はあっという間に仲良くなり、ジャックはアリーをステージに上げてアリーも大人気に。スタア誕生だ。
アリーはマネージャーを名乗り出た男レズの提案でカントリー歌手ではなくポップ・スターとしてデビュー。あっという間に大人気に。
アリーが人気者になるのは嬉しいが、カントリーからポップ歌手への転身については納得いってないジャックは更に酒量が増え荒れていきアリーの活動の妨げにもなってくる。
2人は最後まで愛し合っているのだが、すれ違いが増えていく―
‥というストーリー。オリジナルのストーリーを検索してみると、どうやら細部以外はオリジナルと全く同じ話みたいだね。

 

 

 

とりあえず映画始まって中盤くらいまではもう完璧と言えよう。
ボヘミアン・ラプソディ」の時も思ったが、かったるい描写は省いて鮮烈で面白いところだけポンポンポンと繋いであっという間にスタア誕生
アリーは自分に自信がない系の天才歌手。鼻が大きいことを悪く言われた歴史があるためか自分の容姿にもコンプレックスを持っており、それも彼女が一歩飛び越えることを阻害しているようだ。しかしジャックはアリーの唄も鼻も全肯定する。
アリーと同居している父親は元歌手で、才能あったけど才能以外の面に恵まれず大成しなかったらしい。いわば成功しなかった未来のアリーみたいなキャラ。そして実家には父親の友達のジジイが大勢たむろしており何時も楽しそうでわざわざ日本の競馬をしている‥何で日本の競馬?このアリーの父親やその友人達は、メインストーリーとあまり関係ないのにも関わらず異常にキャラが立ってて気になる。
ジャックもまた歌手だったが大成しなかった父や兄に憧れてカントリー歌手になってスターになったが片耳が難聴。難聴のせいなのかモチベーションも落ちてアル中かつドラッグ中毒。本編の殆ど酔っているし飲んでない時でも酔っ払ったように喋るので恐らく全編酔ってると言っても過言ではない(私見だがこのジャックというキャラは最初から最後まで死んでいるも同然で完全に死ぬ寸前の一瞬だけアリーという天使に出会ったのだと思った)。
ジャックは年の離れた兄とのサブドラマもある。この兄も存在感凄いのだがやはりメインストーリーと上手く絡んでないように思える。まぁ大成せず年老いたジャックみたいなものか。
アリーとジャック。スターになったが哀しい出来事が起きた2人と、大成はしなかったが普通の暮らしをして年老いた2人。2人の肉親サブキャラは主人公の色んなパターンを見せるために存在している(たぶん)。
 

 


アリーを見つけたジャックは、アリーのバイト終わりを待ってデートする。
ここでのジャックが最高。ジャックはアメリカ映画にたまに出てくる「自分の行動を女に全部説明しながら行うイケメンのナイスガイ」キャラ。
こんなシーンはないのだが、このジャックとアリーの最初のデートの雰囲気を言語化すると、こんな感じだ。

ジャック「いいか?俺は今からこのビールの蓋を開けるからな(笑顔)」
アリー「‥? ええ。」
ジャック「‥ちょっと待ってくれ‥今開けてる‥
アリー「わかったわジャックw」
ジャック「ふふふ‥なかなか開かないw(ふたり笑う)」「(真顔になって)酔ってなんかないぞ?いま開けるからな
アリー「私なにも言ってないわよw」
ジャック「‥よし空いた!(笑顔)。蓋はここに置いとくからな。見てくれ?
アリー「見てるわw」
ジャック「‥よく見てくれ?蓋はここに置いた。
アリー「わかったわよ!w なんなの?w」
ジャック「よし、ビールを飲もう
アリー「ええ、そうしましょう」
ジャック「一口で結構飲んだな‥見てくれ」「ガキの頃はこの半分しか飲めなかった(瓶の半分のところを指差す)今はこうだ‥!(空の瓶を見せる)」
アリー「そうなのね(笑顔)」 

こんな場面はないが大体こんな雰囲気で最高だ。
なだぎ武友近のディラン&キャサリンに似ている。吹き替えで観てたんだが声優2人の声や演技も、なだぎと友近に似てた気がする。
この「自分のやる事を女の子に全部言うナイスガイ」アメリカ映画でたまに見かけて好きだが何なんだろう?「ロッキー」のスタローンとか「デスペラード」のバンデラスもこんな感じだった気がする。「なだぎに似てる」という事は、観てないけど「ビバリーヒルズ青春白書」のディランもきっとこんな感じなのかな?
何でこんな喋りになるのか考えてみた。
ロッキーの場合惹かれ合ってるがロッキーが口下手すぎて飼ってる亀がどうのこうの言ったり「なぁエイドリアン。もっとこっち来いよぉ」とか言う。デスペラードの場合2人で一緒にギターの練習するがサルマ・ハエックはセックルする気満々なのだが純粋なバンデラスは気付かず2人でじゃれながらギターを触って「ふふ‥これじゃ曲とは言えない‥w」とかのん気な事を言ってたら至近距離から「真剣なかお」で自分を見ているサルマ・ハエックに気づいてハッ!として、やっとセックスが始まる‥。こんな感じだった。
たぶんお互いの事が凄く好きだがまだ結ばれていない、そして男が純粋だから気の利いた事も言えず、でも女の子と凄く会話したいからどうでもいい事でも何でも良いから口にして、こういう感じになったって事か? そういえば過去、自分にあったそんな場面でもやはり「君の鼻がどうの」とか「職場でどうの」とか、別に言っても言わなくてもいい、どーでもいい話を照れ隠しで言ってた気がする。別にキスしても文句言われないであろう場面で逡巡‥してるわけじゃないけど、そんな中途半端な時間を楽しんでるようにも見えるし「この男なんか可愛いな」と思わせるからいいのかも。
ちなみにジャックがアル中になった時も純粋な率直さはそのままで「きみは最低だ‥」「きみは醜い‥」などと苛立ちが心にもないことを言わせて関係が悪化するので心苦しかった、褒める時同様に悪く言う時も純粋だ。

 

 

 

知り合った翌日、自分のコンサートにアリーを招待したジャックは、彼女が昨夜口ずさんでた曲「Shallow」を完成させていた。そこでアリーをステージに引っ張り上げて「Shallow」をデュエット。会場は初めて聴く名曲「Shallow」そしてアリーという才能に溢れた新しいスタア誕生に大盛りあがり。
映画冒頭からこのピークの場面までの面白さが凄い。ここまでなら「ボヘミアン・ラプソディ」より面白い。そもそも、この「Shallow」って曲が本当にレリゴーみたいな、誰が聴いても一発でわからす名曲なので説得力が凄い。ホイットニー・ヒューストンの「えんだああああ~♫」同様、名曲過ぎて笑えてくるような曲だ。
※主演2人の色んな「Shallow」LIVE映像を下の方↓に貼った。
その後、アリーのマネージャーの提案によって、アリーはカントリー歌手からセルアウト的ポップ路線変更などにジャックは不満を抱いて酒量が増える。そしてアリーのグラミー賞最優秀新人賞の受賞を自分の泥酔で台無しにしてしまい、反省したジャックは酒を断つリハビリ施設へ。何ヶ月か頑張って帰ってきたジャック、アリーと今後は頑張っていこうと誓い合う。アリーはジャックを良くするため自分のツアーでジャックとデュエットするコーナーを提案するが、ジャックを疎ましく思っていたマネージャーはそれを却下。のみならずジャックを訪ねて「お前のせいでアリーと自分は尻拭いさせられた。どうせまた酒飲むだろうけど次飲んだら別れて欲しい」と言う。
どうなるんだろう?これでひと悶着あるけど何とか仲直りして「Shallow」をデュエットして一件落着かな?‥などと思ってたらマネージャーの一言で一気に気分が落ちたジャックは速攻首をくくって即死する。
‥えっ?てっきり「Shallow」また歌うと思ってたので急展開に驚いた。そして驚いたまま映画が終わった。
何ヶ月も施設でリハビリしてたのにマネージャーの一言で速攻死ぬってかなりヤバい。
ジャックのアル中‥っていうかジャックの鬱の症状があまりにも深刻な段階すぎて、これはもうマネージャーの心無い一言がなくても遅かれ早かれ自死してたんだろうなと思った。
そしてまたアリーを路線変更させてジャックの心を乱したのも、アリーがやりたがってたリハビリを兼ねたジャックとのデュエットコーナー潰したのも、最後のダメ押しでジャックを死に追いやったマネージャー、「こいつ一人だけが悪くない?」度が高すぎる。
ジャックも、本当はアリーとのことだけじゃなく片耳が難聴な事や父や兄との確執とか自分のパフォーマンスの事など色んな要素が重なって自死を選んだんだろうし、さっきも言ったように遅かれ早かれ自殺してそうだが、しかし本作を観てる分には「このマネージャーさえ居なければ‥」としか思えなくなった。
そんでもってラストは「マネージャー居なければな」とか「この後マネージャーは自分がジャックを死に追いやった会話のことアリーに言ったのかな?言うわけないか」「言ってないと誰も知らないから納得いかないな」「せめて誰か第三者がそれを聞いててほしかったな。マネージャーへの罰になるからな」などと、どうでもいいマネージャーの事を考えてるうちに映画が終わってしまった。だから一人のキャラだけに落ち度を作る人間ドラマには反対だ。
だが何度も言ってきたように、ジャック既に完全に壊れてるようにしか見えない。
「崖っぷち」だったのではなく「もう崖から落ちている途中の男が、崖下に落下するまでの間の一瞬だけアリーと過ごして真の愛を知った(そして死んだ)」という話だったのかな?と思った。
実際のところ後半の人間ドラマがガチャついてたのとマネージャーは一人だけ落ち度があるのがノイズとなって感動は半減した。
そもそもジャックがカントリー好きなのはわかるが、アリーがポップスター路線になったのが何であそこまで気に入らないのか理解できない。だけどかつてはカッコよく描かれがちな「酒びたりでドラッグやりまくるワイルドなスター」をカッコよく描かず「ただの病気で可哀相な男」として描いてるのは、現代的で良いと思った。その手腕も「酒いっぱい飲んだ?それなら大事な場面でションベンもらすだけです。」という冷徹な見せ方は良かったね。

👱🏻‍♀️🧔🏻🎤
ブラッドリー・クーパーやガガなど出演者の演技。名曲すぎる「Shallow」。スタア誕生するまでの前半‥などは超最高だったし後半にも良い場面も多かったのだが、中盤以降の人間ドラマはイマイチだった。だから「中盤以降はイーストウッドが撮ってた方が名作になってたんだろうな」と思った。イーストウッドのショービズ映画は「センチメンタル・アドベンチャー (1982)」「バード (1988)」「ジャージー・ボーイズ (2014)」とどれも名作だったしね。
だがそれにしても鬱イケメン主人公ジャックを演じたブラッドリー・クーパーはマジでカッコよかった。キアヌ氏同様、中年男性なのでイケメンに興味ない俺でさえ惹かれるイケメンだ。やっぱこの辺のアメリカンイケメンはヒゲがカッコいいよね!俺は髭伸ばしても横光三国志諸葛亮孔明の部分にしかヒゲ生えないので様にならない。
最後ガレージで死を決意する場面、そのシーン自体は良いとは思わなかったが、演技は最高だったしね。

 

 

 

そんな感じでした

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A Star Is Born (2018) - IMDb

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